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「もしものとき、誰に頼ればいいんだろう」と、心のどこかで感じていませんか?
長崎市に暮らす一人暮らしの方や身寄りのない方にとって、終活は「一人でやるもの」ではありません。長崎市はさまざまな公的サポートを用意しています。地域包括支援センター・安心カード・成年後見制度・人生会議(ACP)など、制度を知っておくだけで、いざというときの不安がずいぶん小さくなると思われます。
この記事では、長崎市の公式資料をもとに、おひとりさまが活用できる自治体サービスを順を追ってご紹介します。難しい話は後回しでいい。まず「こんな窓口があるんだ」と知るところから始めましょう。
目次
①まず知っておきたい:長崎市の高齢化と「おひとりさま」を取り巻く現状

高齢者数は増え続け、2025年には5人に1人が後期高齢者に
長崎市では、認知症高齢者(認知症高齢者自立度Ⅱ以上の第1号被保険者数)が令和6年度時点で約1万6,986人と推計されており、令和12年度には1万9,748人に達すると見込まれています。 (出典:長崎市「令和7年度 集団指導 認知症支援について」)
また、長崎市が実施した市政モニターアンケート(令和7年度)では、「もしものときの医療や介護について家族などと話し合ったことがある」と回答した方が全体の40.6%にとどまり、43.0%は「自分では考えているが話し合ったことがない」という状況でした。 (出典:長崎市「令和7年度 市政モニターアンケート調査結果(地域包括ケアシステムや人生会議について)」)
一人で考えを抱えたまま、なかなか人に話せない――そんな方が長崎市内にも多くいらっしゃいます。でも、相談できる公的な窓口はちゃんとあります。一つひとつ見ていきましょう。
②安心して地域で暮らし続けるための「長崎市のサポートメニュー」

頼りになる総合相談窓口:地域包括支援センター
長崎市には、市内の中学校区ごとに地域包括支援センターが設置されています。主任介護支援専門員・社会福祉士・保健師などの専門職が在籍し、介護・健康・もの忘れ・財産管理など、生活上のさまざまな心配ごとを無料で受け付けています。
サポート内容には「保健・福祉・介護についての総合相談」「高齢者の権利擁護や虐待等の相談」「要介護状態等となることを予防するための支援」「地域の関係機関とのネットワーク支援」が含まれます。 (出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック 高齢者福祉のしおり」令和6年12月発行)
「どこに相談すればいいかわからない」というときは、まず地域包括支援センターに電話してみてください。担当エリアによってセンターが異なりますので、お住まいの町名から担当センターをご確認ください。
緊急時に備える「安心カード」
65歳以上の一人暮らし高齢者に対して、長崎市は「安心カード」を交付しています。緊急時の連絡先や持病・服薬などの健康情報を記入したカードを専用容器に入れて冷蔵庫に保管し、救急搬送のときに活用するものです。
交付場所は各地域センター・各総合事務所・各地域包括支援センターです。 (出典:長崎市「一人暮らし高齢者のための安心生活ガイド」)
急病などに備える「緊急時訪問介護事業」
一人暮らしの高齢者で、緊急を要する疾患をお持ちの方には、ご自宅に緊急通報装置が設置されます(月額383円・事業対象者で運動機能低下が該当する方)。急病などのときに迅速な対応へつなぎます。 (出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
ごみ出しが難しい方への「ふれあい訪問収集」
斜面地や中高層住宅に住んでいてごみ出しが難しい、要支援または要介護認定を受けた一人暮らし高齢者の方には、戸別収集が無料で行われます。収集の際には安否確認の声かけもあわせて実施されます。 (出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
③判断能力が心配な方へ:成年後見制度と日常生活自立支援事業

「長崎市権利擁護・成年後見支援センター」への相談
認知症などでお金や財産の管理に不安が出てきたとき、長崎市では長崎市権利擁護・成年後見支援センター(長崎市社会福祉協議会内)が相談を受け付けています。電話だけでなく、面談・訪問でも対応してもらえます。相談は無料です。
連絡先:☎ 094-4500(月〜金 8:30〜17:30) (出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
長崎市は、一人暮らしで十分な判断能力がなく保護者もいない方については、市が成年後見人の選任申立てを家庭裁判所に行うこともできます。後見人への報酬等が本人負担困難な場合は、市が費用の一部または全部を負担します。 (出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
日常的な金銭管理が心配な方:日常生活自立支援事業
判断力が不十分な方の日常的な金銭管理や福祉サービスの手続き支援を行う「日常生活自立支援事業」もあります。窓口は長崎市社会福祉協議会(恵美須町4番5号 NBC3rdビル3階)。月〜金 9:00〜17:00(祝日・年末年始を除く)で相談を受け付けています。
- 福祉サービスの利用援助
- 日常的金銭管理サービス(月1,200円〜)
- 書類等の保管サービス(実費)
(出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
④終活の核心「人生会議(ACP)」をご存じですか?

「もしものとき」を家族や医療者と話し合う取組み
人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)とは、もしものときの医療や介護、これからの生き方について、ご家族などの大切な方や医療・介護に関わる方とあらかじめ繰り返し話し合う取組みです。 (出典:長崎市「令和7年度 市政モニターアンケート調査結果」)
一人暮らしの方にとって、これは特に大切な準備です。家族と離れていても、かかりつけ医やケアマネジャー、地域包括支援センターの職員に自分の希望を伝えておくことで、いざというときに意思が尊重されやすくなります。
「元気なうちから手帳」でまず一歩
長崎市が作成した「元気なうちから手帳」は、自分の意思や希望を記録しておくための人生会議のきっかけツールです。令和7年度のアンケートでは、手帳の存在を「言葉も内容も知らない」と回答した方が78.2%にのぼっており、まだ多くの方に知られていません。 (出典:長崎市「令和7年度 市政モニターアンケート調査結果」)
手帳は長崎市のホームページからダウンロードできます。また、各地域センターや地域包括支援センターでも入手できます。記入が難しい場合は、担当者が説明・サポートしてくれます。
医療・介護の現場でも「繰り返し」が大切
長崎市医師会が作成した看取りパンフレット(専門職向け)では、「人生会議(ACP)は生命の最終段階だけではなく、これからの生き方など人生の最終段階の話し合いで、前向きにこれからの生き方を考える取り組み」と位置づけられています。ご本人の思いはゆらぐもの。繰り返し話し合うことが重要です。 (出典:長崎市医師会「専門職向け 看取りのパンフレット」令和7年2月)
また、人生会議の実施については、市内の医療・介護事業所(居宅介護支援事業所など)でも取組みが進んでいます。令和5年度のアンケートでは、居宅介護支援事業所の約56%が本人・家族と話し合いを実施していることがわかっています。 (出典:長崎市「ACPの取組み状況についてのアンケート調査結果報告書」令和6年1月)
⑤認知症への備え:早期発見と地域での見守りサービス

認知症スクリーニング検査と初期集中支援チーム
長崎市では、日常生活に大きな支障がなくても受けられる「認知症スクリーニング検査」を実施しています。早期に発見することで、認知症への移行を予防・先送りできる可能性があります。 (出典:長崎市「一人暮らし高齢者のための安心生活ガイド」)
また、認知症または認知症の疑いがある方やそのご家族を、医療・介護・福祉の専門職が訪問する「認知症初期集中支援チーム」があります。かかりつけ医などと連携し、適切な治療やサービスへつなげてくれます。相談窓口は各包括の認知症地域支援推進員です。 (出典:長崎市「令和7年度 集団指導 認知症支援について」)
ひとり歩きが心配なとき:GPSと見守りアプリ
認知症などによりひとり歩きのおそれがある方には、靴底収納タイプ等の小型発信機(GPS)の貸与が行われます。また、「みまもりあいアプリ」(スマートフォン用・無料)を通じて地域の協力者が見守りに参加できる仕組みもあります。 (出典:長崎市「一人暮らし高齢者のための安心生活ガイド」)
令和6年度の実績では、長崎市にひとり歩き等による行方不明者が148件報告され、そのうち144件は無事に保護されています。行方不明時はためらわず、速やかに警察(110番)とあじさいコール(総合事務所地域福祉課)に連絡することが大切です。 (出典:長崎市「令和7年度 集団指導 認知症支援について」)
⑥亡くなったあとのことも、あらかじめ備えておけます

死後の手続き一覧:長崎市でやること
長崎市では、亡くなられた際に必要な手続きをまとめた案内を発行しています。主なものは以下の通りです。
- 死亡届の提出(地域センター・事務所・地区事務所)
- 国民健康保険・後期高齢者医療保険の資格喪失・葬祭費請求
- 介護保険被保険者証の返還
- 年金の給付手続き(長崎南年金事務所 ☎095-825-8707)
- 固定資産税に関する「相続人代表者指定届書・現所有者に関する申告書」の提出
(出典:長崎市「お亡くなりになられたら(令和7年1月現在)」)
ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、各地域センターや総合事務所の窓口で一つひとつ案内してもらえます。あらかじめ「どこで何をするか」をエンディングノートやメモに書き残しておくと、ご家族や関係者がとても助かります。
「死後事務委任契約」という選択肢も
身寄りのない方が利用できる仕組みとして、国(内閣官房・厚生労働省等)が令和6年6月に「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定しています。葬儀・行政届出・賃貸契約解除・公共料金解約などの死後事務を民間事業者に委任できる「死後事務委任契約」の活用を呼びかけています。
利用する際は、重要事項説明書・契約書の内容を丁寧に確認し、預託金の管理方法・解約条件などをしっかり理解することが重要です。 (出典:内閣官房・厚生労働省等「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」令和6年6月)
まとめ|長崎市のおひとりさま終活、活用できる5つのポイント
- 地域包括支援センターに相談する:介護・健康・財産管理など生活上の心配ごとを無料で受け付けています。担当センターはお住まいの中学校区で異なります。(出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
- 安心カードと緊急通報装置を活用する:65歳以上の一人暮らしの方は安心カードを無料交付。緊急通報装置は月383円で設置できます。(出典:長崎市「安心生活ガイド」)
- 「元気なうちから手帳」で人生会議を始める:まずは手帳に自分の希望を書き込むことが人生会議(ACP)の第一歩です。(出典:長崎市「市政モニターアンケート調査結果」)
- 財産管理に不安があれば成年後見・日常生活自立支援事業へ:長崎市権利擁護・成年後見支援センター(☎094-4500)に気軽に相談できます。(出典:長崎市「長く元気ですこやかガイドブック」)
- 死後の手続きは事前に整理しておく:死後に必要な手続きをメモやエンディングノートに残しておくと、関係者の負担が大幅に軽減されます。(出典:長崎市「お亡くなりになられたら」)
一人だからこそ、備えが力になります。何か心配なことが出てきたら、まず地域包括支援センターか長崎市の窓口に声をかけてみてください。丁寧に教えてもらえますよ。
📞 長崎市の相談窓口へ、気軽にお電話ください
終活の進め方・介護・認知症・財産管理・人生会議(ACP)など、どんな小さな心配ごとでもお気軽にご相談いただけます。
- ▶ 長崎市 地域包括支援センター(各中学校区に設置・相談無料)
担当センター:長崎市 地域包括支援センター一覧(すこやかガイドブック) - ▶ 長崎市 権利擁護・成年後見支援センター(財産管理・後見の相談):☎ 095-894-4500
- ▶ 長崎市 高齢者すこやか支援課(認知症・介護予防・見守りの相談):☎ 095-829-1146
- ▶ 長崎市 包括ケアまちんなかラウンジ(医療・介護の総合相談):☎ 095-893-6621
電話が難しいときは、最寄りの地域センターや総合事務所の窓口でも相談できます。ご自身のペースで、ゆっくり始めていきましょう。

















