終活におけるグリーフケアとは?方法や資格などを紹介

grief care

大切な家族や親族を亡くしたとき、遺族は深い悲しみに暮れるでしょう。

そんな悲嘆の状況から立ち直る際に重要となるのが「グリーフケア」です。

グリーフケアとは何なのか。

今回はその意味や、終活において考えるべきグリーフケアについて紹介します。

グリーフケアとは

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「グリーフケア」とは親しい人を亡くして悲しみに暮れている人に対して寄り添い、サポートをすること全般をいいます。

グリーフケアは英語で「Grife Care」と書きます。
「Grife」とは悲嘆(ひたん)という意味です。
そのため、グリーフケアは別名「悲観ケア」とも呼ばれています。
また、主にグリーフケアが必要となる人は遺族が多いため「遺族ケア」と呼ばれる場合もあります。

グリーフケアはいつから始まったかというと、元々は1960年代にアメリカで始まったとされています。
日本では2000年代から医療機関や市民グループなどで実施されて広がりをみせました。

大切な家族を亡くした場合、遺族は深い悲しみに暮れます。
落胆や絶望体験を伴う遺族などが感じるグリーフには、以下の4つの過程があるといわれています。

1.ショックの段階
心の麻痺の段階。
涙が出ない、感情が湧かないなど。
何も考えられず、混乱状態となり集中力がなくなる。
日常生活の簡単なこと(食べる、眠るなど)にも影響が出る。

2.怒りの段階
怒り、悲しみ、罪悪感、責任転嫁など感情の起伏が激しい段階。
深い悲しみと共に、故人や周囲の人を責める気持ち。
また、そう思ってしまう自分を責める気持ちが同時にあるなど。
現実を認められなかったり、 現実の判別がつきにくい状態。

3.抑うつの段階
絶望感、空虚感、無表情、深い抑うつ。
周りへの関心を失い、無気力になったり、自分は価値のない人間だと思ってしまうなど。
適応能力に欠け、外出できなかったり引きこもりのような状態。

4.立ち直りの段階
徐々に元気になってきて、新しい希望が見えてくる。
前向きに生きよう、周囲との関わりを大切にしようと思えるようになるなど。
故人の死という現実を認められるようになる状態。

この4つの過程を「グリーフワーク」といいます。

上記の過程1~3を繰り返すことをグリーフ期といい、4の過程に抜け出せない人に対してグリーフケアが必要となります。

 

グリーフケアの方法、やること

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それでは実際にグリーフケアとは何をするのでしょうか。

グリーフケアは、実は特に決まった「これをやる」という事項はありません。
悲しみに暮れる人に対するケアやサポートすること全般をグリーフケアと呼びます。

そのため、あくまで以下は一例ではありますが「グリーフケアとして効果がある」といわれていることをいくつか事例としてあげます。

・悲しみを肯定する
・想いを吐き出してもらう
・儀式などを利用する
・その他のグリーフケア

ひとつずつ紹介していきます。

 

悲しみを肯定する

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グリーフケアをする際に特に重要な項目です。

大切な家族が亡くなった場合、遺族の方はとても悲しい気持ちとなるでしょう。
ですが、この悲しみを表現できず無理やり押さえ込もうとする方が非常に多いそうです。

大きな悲しみは無理に抑えこもうとすると、余計に感情の整理に時間がかかってしまうといわれています。

グリーフケアを行う際、まず第一にこの悲嘆感情は自然な感情であることを示して肯定してあげることが大切です。

ちなみに、感情を抑え込もうとして更に悪化するケースは特に男性に多い模様です。

 

想いを吐き出してもらう

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大切な人が亡くなった際、

「もっと何かしてあげられたのではないだろうか」
「なんで突然いなくなってしまったのか」

といった悲嘆や後悔、怒りなど様々な感情が入り混じり複雑な感情になるとされています。

こうした想いを吐き出すことがグリーフケアでは有効とされており、一般的な方法です。
吐き出す方法は他の人と話したり、故人に対して手紙を書くといった方法があります。

また、周囲の人に自分の感情を吐き出すのが難しいという方もいるでしょう。
そういった方は病院や市区町村、NPO法人などが開催している「遺族の集い」といった集まりに参加するという手もあります。
同じような境遇の人が集まり気持ちを共有することができるので、お近くの地域で開催していないかチェックしてみるとよいでしょう。
NPO法人はグリーフケア支援協会事務局や、グリーフケア・サポートプラザといったグリーフケアに対しての支援グループが多数あります。

グリーフケアのイベントについてグリーフケアに関するイベントは他にも終活カフェなどで開催されています。
例えば東京の江東区にある終活カフェ【BLUE OCEAN CAFE】では以前、グリーフケアが学べる参加型のイベントが開催されていました。
終活カフェに関しては当サイトでも記事で取り上げているので、是非こちらもあわせてご覧ください。

 

儀式などを利用する

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葬儀やお通夜、故人とのお別れ会などの儀式はそれ自体がグリーフケアの一環ともいえます。

これら儀式をすることで、故人の死を現実に受け入れるきっかけとなります。

そのため、こういった儀式には積極的に参加したほうがよいでしょう。

 

その他

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最初にお話したとおり、グリーフケアはこれをするという具体的な事例がありません。
傷ついた心が癒される行為ならば、総じてそれはグリーフケアといえるでしょう。

例えば故人との思い出の品など、何かしら心のよりどころを作り悲しみを和らげるというのもグリーフケアのひとつです。
遺骨を加工してアクセサリーなどにする「手元供養」などもグリーフケアの効果があるといわれています。

また「エンゼルケア」もグリーフケアの一環として行われます。
エンゼルケアとは遺体を綺麗にするために行う死後の処置のことです。

故人を生前時のような姿に整えてあげることで、遺族の心のケアをする目的があります。
また故人を自身で綺麗にしてあげることで、最後に何かをしてあげられたという実感を得ることがグリーフケア効果があるといわれています。

エンゼルケアに関しては遺族へのケアの他にも二つの目的があります。
詳しくはこちらの記事もあわせてお読みください。

エンゼルケアに関して詳しくはコチラ

 

グリーフケアの注意点

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グリーフケアは特に資格が必要なものではないので、身近な人から専門家の人まで様々な人が行います。

身近な人がグリーフケアを行う際、意識すべきことは「さりげなく寄り添う」ことです。
励ましや勇気づけの言葉は、場合によってはいい方向に働かないこともあるので注意しましょう。

遺族を傷つける可能性のある言葉
・「落ち着きましたか?」といった探りを入れるような言葉

・「頑張れ!」「しっかりしないと!」といった励ましの言葉
・「あなたより〇〇さんのほうが大変」といった比較する言葉
・「気持ちの整理に〇〇をしたほうがいいんじゃない?」といったアドバイスの言葉

また、自身でグリーフケアを行う際の注意点としてはアルコールに依存しないなどの点があげられます。

感情が高ぶった際にアルコールは気持ちを落ち着かせる効果はあり、適量ならよい効果はあるとされています。

しかしアルコールは基本的には感情を抑制するものですし、多用すると身体や精神に悪影響を及ぼしてしまいます。
グリーフ期のアルコールは依存しないよう注意が必要です。

 

終活におけるグリーフケアについて

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終活において、グリーフケアで考えるべきことは「残された遺族のグリーフについて」でしょう。

大切な家族が亡くなった場合、遺族は深い喪失感に襲われます。
その悲しみは生前にどうにかしてあげることはできません。

ですが、自身の死後に遺族に後悔させるようなことがないように対策することは可能かもしれません。

遺族は大切な人が亡くなったときに
「もっと何かしてあげられたのではないだろうか・・・」
といった後悔を感じる場合が多々あります。

そのため、生前より家族の方に対して

「私は幸せだ」

という気持ちを沢山伝えてあげることで、遺族の後悔は多少なり軽減されることでしょう。

直接伝えるのが恥ずかしい場合は、エンディングノートに自身のメッセージを遺族に残すとよいと思います。

家族にメッセージを残すのなら

自身の死後に遺族が感じる悲嘆に対してできることは正直多くはありません。

だからこそ、生前にたくさん家族とコミュニケーションをとり日々の生活を豊かに過ごすことが一番の対策ともいえるでしょう。

 

NPO法人 グリーフケア支援協会

画像

 

 

グリーフケアの資格について

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グリーフケアに関する資格は以下の二種類が存在します。

・グリーフケアアドバイザー
・グリーフ・カウンセラー

それぞれどんな資格なのか、費用や申し込みの流れを紹介します。

 

グリーフケアアドバイザー

advisor

▼どんな資格?

グリーフケアアドバイザーとは、日本グリーフケア協会が認定するグリーフケアの民間資格となります。

日本人の死別悲嘆に対する反応と悲しみを癒すアプローチ法について学び、身につけたことを証明する資格です。
座学により悲嘆による心の状態の変化について知識を身につけ、グループワークなどを通してケアについての実践法を学ぶことで得ることが可能です。

グリーフケアアドバイザーの資格は以下の3種類があります。

・グリーフケアアドバイザー 2級(初級)
・グリーフケアアドバイザー 1級(中級)
・グリーフケアアドバイザー 特級(上級)

試験などはなく、申し込み後に研修として認定講座を受講することで資格取得となります。
ただし、特級(上級)のみ取得に日本グリーフケア協会からの推薦が必要です。

▼基本情報など

資格名グリーフケアアドバイザー
認定団体名日本グリーフケア協会
費用(受講料)▼受講料
・2級(初級):32,400円
・1級(中級):54,000円(1級)
・特級(上級):不明
※その他、日本グリーフケア協会への登録料として1,000円
申し込み方法日本グリーフケア協会ホームページよりネット申し込み

申請書一式が送られてくる

受講料を支払い「申請書一式」を返送
開催期間・年2回(春とお盆)
受講条件・18歳以上
・1級受講には要2級保有
・特級受講には協会からの推薦が必要

認定講座を受講することで取得できるので資格獲得のハードルはそこまで高くないといえるでしょう。

これまで資格を取得している方は保健や医療、福祉関連者から宗教・教育・サービス業・悲嘆経験者など多種にわたるとのことです。

 

グリーフ・カウンセラー

counselor

▼どんな資格?

グリーフ・カウンセラーとは、グリーフ・カウセリング・センターが認定する民法資格となります。

最愛の人を死別や離別で失い、深い悲しみや喪失感に苛まれている方を支援するための知識を得たとされる方に付与される資格です。

資格取得には基礎編、上級編、トレーニングコースの三つの養成講座講座を受講します。
全過程修了者はグリーフ・カウンセラーの資格を取得することが可能です。

▼基本情報など

資格名グリーフ・カウンセラー
認定団体名グリーフ・カウセリング・センター
費用(受講料)▼受講料
・基礎編:不明(要お問い合わせ)
・上級編:154,000円(全12回)
・トレーニングコース:217,000円(全12回)
※トレーニングコースは別途資格審査料:33,000円
総額:404,000円~
申し込み方法グリーフ・カウセリング・センターのホームページ

お問い合わせフォームより参加の意思表示

郵送にて申込書提出
開催期間不定期
養成講座は参加者が6~10名程度揃い次第開講される
受講条件

資格取得までに養成講座をそれなりの回数受講する必要があります。

その分、専門的な知識を得ることが可能と思われますが費用のほうも高額となっています。

 

グリーフケアに関するオススメの本

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グリーフケアに関する本は現在、様々な種類の書籍が販売されています。

「グリーフケアの書籍」は目的によって以下の二種類にわかれると思っています。

・「グリーフケアに効果がある本」
・「グリーフケアを学べる本」

以下では、それぞれのジャンルでオススメしたい本を二冊ずつ紹介します。
少しでも参考になれば幸いです。

 

グリーフケアに効果がある本

永遠の別れ―悲しみを癒す智恵の書

【価格】
価格:1,890円
【特徴】
悲しみと癒しに通ずる本で、身近な方や愛する大切な方を失った人に生きる勇気を与えてくれる一冊
「悲しみがあるなら泣いて良いの。我慢することなんかいらないの!」
という強いメッセージ性がある良書となっています
「癒された」「涙が溢れた」「今の私に必要な本だった」
といった、悲嘆状態の方の心の支えにもなり得る大好評の本となっています
「愛する人を失った喪失感に押しつぶされそうになっている全ての人に読んでほしい」
そんな感想が多いオススメの書籍となっています

 

ながれるままに涙をながしましょう―愛する人を喪った悲しみを越えるために

【価格】
価格:3,652円~
【特徴】
「悲嘆回復のワークショップ」で実際に使用されているプログラムと、
書き込み式の「ワークシート」で構成されている書籍
ワークシートに書き込みながら感情の整理をすることが可能となっています
心に響くものがあり「最後には涙しそうになった」といった声や
「人の死について考えさせられた」という声が多い一冊です

 

グリーフケアが学べる本

はじめて学ぶグリーフケア

【価格】
価格:1,944円
【特徴】
年間約120万人が亡くなる「多死社会」の日本で、遺族へのグリーフケアの重要性を語っている一冊
著者は日本グリーフケア協会の会長である宮林幸江さんと関本昭治さん
医療側のグリーフケア入門書といえる内容
図でまとめられて読みやすい作りとなっています
専門的な知識を得た方は勿論として、
心構えとして知りたい方にもオススメの最初の一冊となります

 

悲嘆とグリーフケア

【価格】
価格:2,592円
【特徴】
看護師の目線から家族、遺族、そして自身のためのグリーフケアをまとめた1冊
基本的には看護職向けの本です
ですが実体験も織り込まれているため、一般の方でも読みやすい作りとなっています
医療や看護のスタッフ側から見たグリーフケアに関する知識を得る事が可能です
看護師の方は勿論、人の悲嘆に接するすべての人にオススメの本

 

まとめ

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グリーフケアに関して紹介しました。

今回の記事のまとめグリーフケアとは親しい人を亡くして悲しんでいる人に対してサポートやケアをすること
グリーフケアは「悲嘆ケア」や「遺族ケア」とも呼ぶ
グリーフケアは特に決まった「これをやる」という事項はない
グリーフケアは「さりげなく寄り添う」ことが重要
終活においては「残された遺族のグリーフについて」考えることが重要

悲しいことですが、人が亡くなるのは当然のことです。
そのときに悲しむのも当然の反応ですので、無理に感情を抑え込まないことが重要です。

終活として考えた場合、自身の死後に遺族が悲しみに暮れるのはやはり嬉しくないと思います。
遺族に後悔や無念さを感じさせないためにも、常日頃からコミュニケーションを取っておくことが一番大切だと思います。

今回の記事は「グリーフケア」について説明しました。
また記事内にて「エンゼルケア」についても言及があったように、終活では様々な「ケア」と関連性があります。
以下の記事では「看取りケア」について詳しく説明していますので、こちらもあわせてお読みください。

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