故人のクレジットカードの解約手続き|年会費・未払い残高・家族カード

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クレジットカードは、契約者が亡くなっても自動では解約されません。連絡しないかぎり年会費の請求は続き、未払いの残高は相続の対象として引き継がれます。この記事では、何枚あるか分からないときの探し方、解約の手順と必要書類、家族カードとETCカードの扱い、そして相続放棄を考えている場合にやってはいけないことを、順を追って整理しました。生前にカードを整理する手順は、別の記事にまとめています。

この記事の結論

  • 連絡しないかぎり、年会費の請求は止まりません
  • 未払いの残高は相続の対象になります
  • 相続放棄を考えているなら、代わりに支払わないでください
  • 何枚あるか分からないときは、信用情報機関に開示を請求できます
  • いちばん先にやるのは、公共料金などの引き落としの付け替えです
  • 家族カードは本会員の死亡で使えなくなります
  • カードに付いていた保険が使えることがあります。解約前に確認してください

この記事でわかること

  1. 自動では解約されません
  2. 放っておくと起きること
  3. 未払い残高と相続
  4. 相続放棄を考えている場合
  5. 何枚あるかの探し方
  6. 信用情報の開示請求
  7. 解約の手順7ステップ
  8. 必要になりやすい書類
  9. 電話で伝えること
  10. 家族カードの扱い
  11. ETCカード・付帯カード
  12. 引き落としの付け替え
  13. ポイント・マイル
  14. リボ・分割・キャッシング
  15. 付いていた保険の確認
  16. 年会費を請求されたとき
  17. 急ぐもの・急がないもの
  18. 口座の凍結との関係
  19. 相続人が複数いる場合
  20. よくある質問12問

まず結論|自動では解約されません

よくある思い込み実際は
亡くなれば自動で止まる止まりません。連絡が必要です
役所に死亡届を出せば伝わるカード会社には伝わりません
使わなければ請求は来ない年会費は使わなくてもかかります
残高は消える相続の対象として引き継がれます
家族カードは使い続けられる本会員の死亡で使えなくなります

死亡届を出しても、その情報がカード会社へ流れる仕組みはありません。金融機関の口座と違い、誰かが連絡しないかぎり契約は生きたままです。だから「何枚持っていたか」を把握することが、この手続きの半分を占めます。

放っておくと何が起きるか

起きること影響
1年会費の請求が続きます毎年、口座から引き落とされます
2口座が凍結されて引き落とせない未払いとして督促が来ます
3督促が相続人へ届く放置すると話が大きくなります
4付帯サービスの月額が続く気づかないまま出ていきます
5カードが他人に使われる紛失していた場合の危険
6相続の全体像が固まらない負債の有無が判断できません

口座が凍結されると、未払いになります

金融機関が死亡を把握すると口座は凍結されます。すると引き落としができず、カード会社から見れば「未払い」になります。そのまま放置すると督促が続き、遅延の扱いになることもあります。口座の凍結とカードの解約は、セットで考えてください。

未払い残高は相続の対象になります

種類扱い
利用したが未請求の分相続の対象です
分割・ボーナス払いの残り相続の対象です
リボ払いの残高相続の対象です
キャッシングの借入相続の対象です
年会費(死亡後に発生した分)解約日までの扱いを会社に確認します
ポイント失効することが多いです

クレジットカードの利用残高は、プラスの財産と同じように、相続人が引き継ぐ債務です。相続人が複数いる場合は、原則として法定相続分に応じて引き継ぎます。ただし相続放棄をすれば、引き継ぎません。

相続放棄を考えているなら、代わりに支払わないでください

ここがこの記事でいちばん大事なところです

故人の債務を相続人が支払うと、相続を承認したとみなされることがあります。「請求書が来たから」「迷惑をかけたくないから」という理由で立て替えると、あとから相続放棄ができなくなるおそれがあります。借金の全体像がはっきりしないうちは、支払わず、まず弁護士・司法書士へご相談ください。

行為扱われ方の傾向
×故人の未払い残高を支払う承認とみなされるおそれがあります
×故人の口座から引き出して支払う同上
×ポイントを使う財産の処分にあたりえます
解約の連絡をする連絡だけなら問題になりにくいとされます
「相続放棄を検討中」と会社に伝える請求を止めてもらえることがあります
請求書を保管しておく債務の把握に必要です

個別の事情によって判断は変わります。相続放棄を検討している場合は、動く前に必ず専門家にご確認ください。

何枚あるか分からないときの探し方

  • 財布の中を全部出して並べます
  • 引き出し・鞄・車の中を確認します
  • 通帳の引き落とし履歴を見ます(カード会社名が出ます)
  • 郵便物(利用明細・年会費の案内)を確認します
  • メールの受信箱を「明細」「ご利用」で検索します
  • スマートフォンのアプリを確認します
  • 電子マネーやポイントカードと一体になっていないか見ます
  • 年末調整や確定申告の書類を確認します
  • それでも不安なら、信用情報機関に開示を請求します

いちばん確実なのは、通帳の引き落とし履歴です

過去1年分の通帳を見れば、年会費や利用代金の引き落としから、契約していたカード会社が分かります。財布に入っていないカードほど、この方法でしか見つかりません。通帳がない場合は、金融機関に取引明細を請求してください(相続の手続きの一環として請求できます)。

信用情報機関への開示請求という方法

項目内容
何が分かるか契約しているカード会社と、借入の有無
誰が請求できるか法定相続人が請求できます
必要な書類死亡が分かる書類・続柄が分かる書類・本人確認書類
費用手数料がかかります
機関クレジット系・信販系・銀行系で分かれています
注意1つの機関だけでは全部は分かりません

信用情報機関は複数あり、どの機関に情報があるかは会社によって違います。借金の有無をはっきりさせたいなら、複数の機関に請求する必要があります。相続放棄をするかどうか判断する場面では、この確認が決め手になります。

解約の手順【7ステップ】

  1. 手元にあるカードを全部並べ、会社名を書き出します
  2. 通帳の引き落とし履歴で、ほかにないか確かめます
  3. 公共料金など、引き落としの付け替えを先に済ませます
  4. 各カード会社の窓口へ電話します
  5. 必要書類を教えてもらい、送付します
  6. 未払い残高の金額と、支払い方法を確認します
  7. 解約が完了した旨の通知を受け取り、記録に残します

順番を間違えないでください

先にカードを解約してしまうと、そのカードで払っていた電気・ガス・水道・通信が止まります。必ず「引き落としの付け替え → カードの解約」の順で進めてください。付け替えには数週間かかることもあります。

必要になりやすい書類

書類何のために備考
カードそのもの返却または裁断会社の指示に従います
死亡が分かる書類戸籍謄本・除籍謄本など会葬礼状で足りることもあります
続柄が分かる書類相続人であることの確認戸籍で示します
手続きする人の本人確認書類本人確認運転免許証など
会社所定の届出書会社が送ってきます記入して返送します
引き落とし口座の情報残高の精算凍結の状況を伝えます

必要書類はカード会社によって異なります。電話で確認してから準備してください。

カード会社への電話で伝えること

最初の電話で伝える内容(この順で十分です)

「契約者が亡くなりましたので、解約の手続きをお願いします。」
・故人の氏名・生年月日
カード番号(分かれば)
・亡くなった年月日
連絡している人の氏名と続柄
・連絡先の電話番号

そのうえで、次の4つを必ず聞いてください。
必要な書類は何か ②未払い残高はいくらか ③家族カード・ETCカードはどうなるか ④付帯している保険はあるか

「相続放棄を検討中です」と伝えてよいか

検討中であれば、その旨を伝えて構いません。会社によっては、結論が出るまで請求を保留してくれることがあります。ただし支払いには応じないでください。解約の連絡と支払いは別のことです。

家族カードはどうなるか

状況どうなるか
本会員が亡くなった家族カードも使えなくなります
家族カードの利用分の支払い契約上の責任は本会員にあります
家族カードだけ残したいできません。本人名義で新規に申し込みます
家族会員が亡くなったその家族カードのみ解約します
公共料金を家族カードで払っていた止まります。付け替えが必要です

家族カードで生活費を払っていた場合は、いちばん急ぎます

配偶者が家族カードで食費・光熱費・通信費を払っていた場合、本会員の死亡でカードが使えなくなり、日々の支払いが止まります。これは実際によく起きる困りごとです。まず自分名義のカードか口座振替に切り替えてから、解約を進めてください。

ETCカード・付帯カードの扱い

種類扱い
ETCカード本カードの解約で使えなくなります
車載器に挿しっぱなし解約前に抜いておきます
電子マネー一体型残高の払い戻しを先に確認します
ポイントカード一体型ポイントの扱いを確認します
キャッシュカード一体型金融機関側の手続きも必要です
デビットカード口座の相続手続きに含まれます

一体型のカードは、順番を間違えると残高が取り出せなくなります。電子マネーが載っている場合は、先に払い戻しの方法を確認してからカードの解約に進んでください。交通系の電子マネーについては、別の記事で詳しく扱っています。

引き落としの付け替えを先にやります

優先付け替えるもの止まると困る度合い
1電気・ガス・水道生活が止まります
2通信(携帯・固定・回線)連絡が取れなくなります
3家賃・管理費滞納になります
4保険料失効するおそれがあります
5新聞・定期購読止まるだけです
6サブスク・定額サービスむしろ止めたいものです

保険料の引き落としだけは、特に注意してください

生命保険や火災保険の保険料が故人のカードから引き落とされていた場合、止まったまま気づかないと契約が失効することがあります。とくに残された家族が被保険者になっている契約は、失効すると取り返しがつきません。通帳とカードの明細で、保険料の引き落としがないか必ず確認してください。

ポイント・マイルはどうなるか

扱い説明
失効することが多い会員資格に紐づくため、死亡で消えるのが原則です
相続できる場合もある規約で相続を認めているサービスがあります
手続きの期限期限を過ぎると受け継げないことがあります
確認先各カード会社・航空会社の規約
相続放棄を考えている場合使わないでください

マイルは相続を認めている場合があります。まとまった数がある場合は、解約の連絡をするときに「ポイントやマイルの扱い」を必ず聞いてください。解約してしまうと、そこで消えます。

リボ・分割・キャッシングの残高

種類確認すること
リボ払い残高がいくらか。毎月の請求額と残債は別物です
分割払い残りの回数と金額
ボーナス払い次の支払い月がいつか
キャッシング借入残高と利息
一括請求になるか死亡により一括での精算を求められることがあります
団体信用保険契約により残債が保険で消える場合があります

「毎月の請求額」ではなく「残高」を聞いてください

リボ払いは、毎月の請求額が一定なので、残高が見えにくい仕組みです。「月々1万円だから大した額ではない」と思っていたら、残高が数十万円あったということが起こります。電話では必ず「残高はいくらですか」と聞いてください。この金額が、相続放棄を判断する材料になります。

カードに付いていた保険が使えることがあります

保険の種類使える場面
旅行傷害保険旅行中の事故が原因だった場合
ショッピング保険購入品の破損・盗難
カード付帯の死亡保障契約により支払われることがあります
不正利用の補償死亡後に使われた場合
確認先カード会社の会員規約と保険の証書

解約してしまう前に、「このカードに付いている保険はありますか」と必ず聞いてください。とくに旅行中の事故が原因だった場合は、旅行傷害保険の対象になることがあります。解約後では請求できなくなることもあるため、順番が大事です。

年会費が請求されてしまったとき

状況対応
死亡後に年会費が発生した死亡日を伝えて、扱いを確認します
すでに引き落とされていた返金の可否を聞きます
口座凍結で未払いになった支払い方法を相談します
督促が届いた放置せず、まず死亡の事実を伝えます
相続放棄を検討中支払わず、その旨を伝えます

督促状が届いても、慌てて支払わないでください。まず「契約者が亡くなっています」と伝えることが先です。多くの場合、そこから解約と精算の案内に切り替わります。

急ぐもの・急がなくてよいものの順番

優先やること理由
すぐ引き落としの付け替え(公共料金・保険料)止まると生活と契約に響きます
すぐカードを保管して紛失を防ぐ不正利用の防止
早め年会費のかかるカードの解約放置すると請求が続きます
早め残高(とくにリボ)の確認相続放棄の判断材料になります
解約前付帯保険とポイントの確認解約後は請求できないことがあります
あとで年会費のかからないカードの解約急ぎません

生前にできる備え

  • 使っているカードの一覧を1枚の紙に書いておきます(会社名だけで十分です)
  • 暗証番号は書きません
  • 使っていないカードは元気なうちに解約します
  • 公共料金の引き落としを、カードから口座振替に変えておくという手もあります
  • 家族カードを持っている人に、本会員が亡くなると使えなくなると伝えておきます
  • リボ・分割の残高があれば、その旨を書き残します
  • 一覧の保管場所を家族に伝えます

残す情報は「会社名」だけで足ります

カード番号も暗証番号も書く必要はありません。「◯◯カードを持っています」と会社名が分かれば、家族は電話をかけられます。それだけで、探す手間の大半がなくなります。生前の整理のしかたは、別の記事にまとめています。

口座の凍結とカードの関係

クレジットカードの手続きが分かりにくいのは、金融機関の口座の話と絡み合っているからです。ここを分けて理解すると、順序が見えてきます。

起きることカードへの影響
金融機関が死亡を把握する口座が凍結され、引き落としができなくなります
引き落としができないカード会社から見れば未払いです
未払いが続く督促が届きます
相続手続きで口座が解約される引き落とし先そのものが無くなります
カードを解約する請求は止まりますが、それまでの残高は残ります

口座は「誰かが知らせるまで」凍結されません

金融機関が自動的に死亡を知る仕組みはありません。遺族が届け出るか、金融機関が何らかの形で知ったときに凍結されます。だから「まだ引き落とせているから大丈夫」と考えないでください。いずれ止まり、そこから未払いが始まります。順序としては、公共料金の付け替えを済ませてから口座の手続きに進むのが安全です。

複数の相続人がいる場合の進め方

場面やり方
誰が連絡するか1人が窓口になったほうが早く進みます
解約の連絡相続人の1人からでも受け付けられることが多いです
残高の支払い誰がいくら負担するかを先に話し合います
立て替えた場合領収の記録を残します
1人が相続放棄するほかの相続人の負担割合が変わります
連絡が取れない相続人がいる専門家に相談します

いちばん揉めるのは「立て替えたお金の精算」です。誰かが先に払っておく場合は、いくら払ったかを記録し、ほかの相続人に共有してください。後から口頭で説明すると、必ず食い違います。なお、相続放棄を検討している人は立て替えないでください。

よくある失敗6つ

失敗防ぎ方
1先に解約して、公共料金が止まった付け替えを先にします
2請求書が来たので立て替えて払った相続放棄ができなくなるおそれがあります
3財布のカードだけ解約して、ほかを見落とした通帳の引き落とし履歴を見ます
4リボの残高を確認しなかった電話で「残高はいくらか」を聞きます
5付帯保険を確認せずに解約した解約前に必ず聞きます
6保険料の引き落としが止まり、契約が失効した明細で保険料の有無を確認します

よくある質問

連絡しないとどうなりますか
年会費の請求が続きます。口座が凍結されると引き落とせず、未払いとして督促が届きます。自動では解約されません。
未払いの残高は誰が払うのですか
相続の対象として相続人が引き継ぎます。相続人が複数いる場合は、原則として法定相続分に応じて引き継ぎます。相続放棄をすれば引き継ぎません。
相続放棄を考えています。請求書が来たら払ってよいですか
払わないでください。故人の債務を支払うと、相続を承認したとみなされることがあります。まず弁護士・司法書士へご相談ください。
解約の連絡をしたら、相続放棄ができなくなりますか
連絡だけであれば、問題になりにくいとされています。ただし支払いは別です。不安な場合は、連絡の前に専門家へ確認してください。
何枚持っていたか分かりません
通帳の引き落とし履歴を見るのがいちばん確実です。それでも不安なら、信用情報機関に開示を請求できます。相続人であれば請求できます。
家族カードは使い続けられますか
使えなくなります。本会員の契約に付いているためです。必要であれば、自分の名義で新しく申し込んでください。
公共料金の支払いはどうなりますか
カードを解約すると止まります。必ず「引き落としの付け替え → 解約」の順で進めてください。付け替えには数週間かかることがあります。
ポイントやマイルは引き継げますか
失効することが多いですが、規約で相続を認めている場合もあります。解約の連絡をするときに必ず確認してください。解約後では手遅れになります。
ETCカードはどうすればよいですか
本カードの解約で使えなくなります。車載器に挿したままだと気づかないので、解約の前に抜いておいてください。
カードに保険が付いていたと聞きました
解約する前に、カード会社へ「付帯している保険はありますか」と聞いてください。旅行中の事故が原因だった場合など、対象になることがあります。解約後は請求できないことがあります。
リボ払いの残高が心配です
電話では「毎月の請求額」ではなく「残高はいくらか」を聞いてください。毎月の額が小さくても、残高が大きいことがあります。
いつまでに手続きすればよいですか
法律上の期限はありません。ただし年会費のかかるカードは早いほど損が減ります。また相続放棄を検討するなら、3か月の期限があるため残高の確認を急いでください。

まとめ

この記事の要点

  • 自動では解約されません。連絡しないと年会費が続きます
  • 未払い残高は相続の対象。とくにリボの残高を確認します
  • 相続放棄を考えているなら、代わりに支払わないでください
  • 枚数が分からないときは通帳の引き落とし履歴、次に信用情報の開示
  • 順番は「引き落としの付け替え → 解約」
  • 保険料の引き落としが止まると、契約が失効することがあります
  • 家族カードは本会員の死亡で使えなくなります
  • 解約前に、付帯保険とポイントの扱いを必ず聞いてください

クレジットカードの手続きは、死後の作業のなかでは地味な部類です。それでも放置するとお金が出ていき続けるという点で、優先度は高いほうに入ります。やることは単純です。通帳を開いて引き落としを確かめ、公共料金の付け替えを済ませ、それから電話をかける。この順番さえ守れば、困ることはほとんどありません。

本記事は一般的な情報を整理したものです。必要書類、未払い残高の精算方法、ポイントや付帯保険の扱い、家族カードの取り扱いは、カード会社によって異なります。信用情報機関への開示請求の手続きと手数料も機関ごとに異なります。相続放棄や債務の承継に関する判断は個別の事情によって変わりますので、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。

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