クレジットカードの相続と解約|未払い債務と相続放棄の基本

本ページはプロモーションが含まれている場合があります。

※本記事は、法務省・国税庁・国民生活センターなど公的機関の公表資料をもとにまとめたものです。個別の状況における具体的な判断が必要な場合は、必ず弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。

ご家族が亡くなられたあと、「クレジットカードの相続」がどうなるのか分からず戸惑っている方は少なくありません。

実は、クレジットカードそのものは相続できませんが、使った分の未払い残高は相続の対象になります。手続きをしないままだと、気づかないうちに請求が続いてしまうこともあります。
一つひとつ落ち着いて確認していけば、決して難しい話ではありませんので、順番に見ていきましょう。


①クレジットカードの未払い債務は誰が引き継ぐの?

スポンサーリンク

「カードの会員資格」と「未払い分の債務」は別物です

クレジットカードの会員資格そのものは、名義人本人だけのものとして扱われるため、ご家族が代わりに使い続けることはできません。一方で、亡くなる前にすでに利用していた分の未払い残高(債務)は、預貯金や不動産と同じく相続財産の一部として扱われます。

「誰が相続人になるのか」を確認しておきましょう

亡くなった方の配偶者は常に相続人となり、それ以外の方は次の順序で配偶者とともに相続人になります。第1順位はお子さん、第2順位はご両親などの直系尊属、第3順位はご兄弟姉妹です(出典:国税庁 タックスアンサー No.4132「相続人の範囲と法定相続分」)。

相続放棄をした方は、初めから相続人ではなかったものとみなされるため、その方には未払い分の支払い義務は生じません(出典:国税庁「相続人の範囲と法定相続分」)。相続放棄については、次の章で詳しくご紹介します。

難しく考えず、まずはご家庭の状況を整理するところから始めてみてください。


②相続放棄・限定承認という選択肢|3か月の期限に注意

スポンサーリンク

実は、支払い方法は「引き継ぐ」だけではありません

被相続人が借金などの債務を負っていた場合、相続人はその債務も引き継ぐことになりますが、引き継ぎたくない場合には相続放棄という方法があります。相続放棄をすると、クレジットカードの未払い分を含む債務だけでなく、預貯金や不動産などのプラスの財産も一切引き継がないことになります(出典:法務省「相続放棄等の熟慮期間の延長を希望する方へ」)。

「財産が残るかどうか分からない」ときの限定承認

亡くなった方の借金がどの程度あるか分からず、財産が残る可能性もある場合には、相続によって得た財産の限度でのみ債務を引き継ぐ限定承認という方法も用意されています(出典:法務省「相続放棄等の熟慮期間の延長を希望する方へ」)。ご家庭の状況によって、どちらが向いているかは異なりますので、判断に迷う場合は専門家に相談されることをおすすめします。

手続きには期限があります

相続放棄や限定承認をする場合には、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に、家庭裁判所にその旨を申し出る必要があり、この期間を熟慮期間といいます。事情によりこの期間内に判断できない場合は、家庭裁判所に申し立てることで期間を延ばせる場合もあります(出典:法務省「相続放棄等の熟慮期間の延長を希望する方へ」)。この期限内に相続放棄や限定承認の手続きをとらなかった場合は、財産も債務もすべて引き継ぐ「単純承認」をしたものとみなされてしまいます(出典:法務省「相続放棄等の熟慮期間の延長を希望する方へ」)。

期限があると聞くと焦ってしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて状況を整理することが第一歩です。


③実際の解約手続きの流れと気をつけたいポイント

まずはカード会社への連絡から

名義人が亡くなったことが分かったら、できるだけ早くカード会社のカスタマーサポート等に連絡を入れましょう。故人がどの会社と契約していたのかが分からない場合は、通帳の引き落とし履歴やスマートフォンに届いたメールなどから契約先を探すことになります(出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」)。

スマホやパソコンが開けないと調査が難航することも

実は、故人のスマートフォンやパソコンにパスワードのロックがかかっていると、携帯電話会社の店舗であっても画面ロックの解除はできないと案内されるケースがあります。デジタル遺品の確認が進まず、契約先の特定に時間がかかってしまうことも少なくありません(出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」)。

▶あわせて読みたい「デジタル終活チェックリスト|SNS・ネット銀行・パスワード管理を解説

相続放棄を考えているなら、支払いや利用は避けましょう

相続放棄を検討している間に、故人の財産から未払い分を支払ったり、カードの利用を続けたりすると、「相続を引き継ぐことを認めた(単純承認)」とみなされ、後から相続放棄ができなくなるおそれがあります。相続放棄を考えている場合は、解約手続きの進め方についても、支払いや財産の扱いを含めて事前に専門家に確認しておくと安心です。


④「知らずに請求が続く」を防ぐための事前の備え

実は、契約に関する解約手続きが分かりにくいのはクレジットカードだけの話ではありません

総務省の調査でも、契約者が亡くなった後の解約手続きについて、周知が十分ではないという行政相談が寄せられていることが指摘されています。契約時の案内やホームページでの説明だけでは、ご遺族にとって分かりづらいのが実情のようです(出典:総務省「NHKの受信契約の解約手続等の周知」)。だからこそ、生前からの備えが安心につながります。

契約しているサービスとID・パスワードの整理をしておきましょう

ご本人が(クレジットカード決済で)どの事業者と契約していたのかを、あらかじめサービス名・ID・パスワードとしてまとめておくと、ご家族が調査にかかる負担をぐっと減らすことができます(出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」)。

エンディングノートの活用も検討してみましょう

エンディングノートとは、ご自身に何かあったときに備えて、ご家族が判断や手続きを進めるために必要な情報を残しておくノートです。法務省・日本司法書士会連合会が無料で公開しており、クレジットカードを含む契約情報やパスワードの整理にも活用できます(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート〜あなたに届け、わたしの想い〜」2023年8月改訂)。

お子さんやお孫さんが困らないように、書いておいてよかったと感じていただけるはずです。


⑤相談窓口・次のアクション

まずはここに相談してみましょう

クレジットカードそのものの解約手続きは各カード会社への連絡が基本となりますが、相続放棄・限定承認をすべきかどうかの判断は、財産と債務の全体を見きわめる必要があり、法律の知識が求められる場面です。当サイトのスタッフは弁護士や司法書士などの専門資格を持つ者ではないため、判断に迷う場合は、必ず下記のような専門機関へご相談ください。


まとめ|クレジットカードの相続と解約を進めるための5つのポイント

  • クレジットカードは名義人が亡くなっても自動では解約されず、相続人からの連絡が必要(出典:国民生活センター
  • 未払いの利用残高は相続財産の一部として扱われ、相続人がその支払い義務を引き継ぐ
  • 引き継ぎたくない場合は「相続放棄」、財産の範囲内で引き継ぐ「限定承認」という選択肢がある(出典:法務省
  • 相続放棄・限定承認には「知った時から3か月」という期限があり、期限を過ぎると単純承認したとみなされる(出典:法務省
  • 判断に迷うときは、自己判断せずに法テラスや弁護士・司法書士など専門家に相談するのが安心(出典:法務省

今日できることがあれば、1つずつ・少しずつ整理していきましょう。

おすすめの記事