忌み言葉一覧・早見表|葬儀・結婚式で避けたい言葉と五十音順の言い換え索引

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弔電やスピーチを書いていて手が止まるのは、たいてい「この一語、使っていいのか」という場面です。

「また」は繰り返しを連想させるから避けるべきなのか。「大切」は「切る」が入っているから結婚式でNGなのか。「寂しい」は言ってはいけないのか——。

この記事では、まず五十音順の索引で1語ずつ引けるようにし、そのうえで場面別の一覧、判断が割れる言葉の考え方、自然な言い換え例までをまとめました。

先に結論だけ

  • 忌み言葉(いみことば)=その場で縁起が悪いとされ、避けられる言葉のこと
  • 葬儀は「不幸の繰り返し」、結婚式は「別れ・切れる」を避けます。理由がまったく違います
  • 「また」「大切」「寂しい」は、判断が割れる言葉。使ってよい場面もあります
  • 避けすぎて不自然になるほうが問題です。言い換えて自然に読めるかを基準にしてください
  • 使ってしまっても、言い直せば問題になりません
  • 宗教が分かるかどうかで、避ける語は変わります(「ご冥福」は仏教語)

目次

  1. まずここだけ|場面別チェックリスト
  2. 【五十音順】この言葉は忌み言葉?索引一覧
  3. 忌み言葉とは — 読み方と避ける理由
  4. 葬儀・弔電の忌み言葉一覧と言い換え表
  5. 宗教別|葬儀で使わない方がよい言葉
  6. 結婚式・祝電の忌み言葉一覧と言い換え表
  7. 「また」は使ってよいか — 判断が割れる代表例
  8. 「大切」「寂しい」「悩む」「なかなか」はどうか
  9. 重ね言葉は必ずNG?
  10. 年賀状・喪中はがきで避けたい言葉
  11. お見舞い・出産祝い・新築祝いの忌み言葉
  12. 招待状・祝電・席札の句読点はどうする?
  13. 数字の「4」「9」はいつ避けるべき?
  14. 結婚式と葬儀では、避ける理由が違う
  15. 縁起を意識した言い換えの例
  16. ビジネス文書・弔辞での実例チェック
  17. どこまで気にするべきか — 相手と場で決める
  18. 忌み言葉を使ってしまったときはどうする?
  19. よくある質問
  20. まとめ

まずここだけ|場面別チェックリスト

時間がない方は、この表だけ確認してください。

場面避けたい言葉の例気になる理由言い換え例
葬儀・弔電・お悔やみ重ね重ね、たびたび、再び、続いて、死ぬ、死亡不幸の繰り返しや、直接的な死を連想させるため心より、深く、ご逝去、お亡くなりになる
結婚式・祝電別れる、切れる、終わる、最後に、離れる、破れる、絶える別離・離婚・関係の終了を連想させるため新たな一歩、結びに、お開き、笑顔あふれる
宗教が分からない葬儀ご冥福、成仏、供養、往生仏教由来の表現で、神式・キリスト教式には合わない場合があるため心より哀悼の意を表します、安らかなお眠りをお祈りいたします
重ね言葉(全般)重ね重ね、たびたび、くれぐれも、ますます、いよいよ繰り返しを連想させるため心より、どうか、より一層、これからも
年賀状去年、衰える、失う、枯れる、病去る・失うを連想させるため昨年、旧年、新たな、健やかに
お見舞い落ちる、寝つく、繰り返す、長引く、弱る病状の悪化・再発を連想させるためお大事に、一日も早いご回復を

1語だけ確かめたい方へ

次の五十音順の索引から、調べたい言葉を探してください。「使えるかどうか」と「言い換え」が1行で分かるようにしてあります。

【五十音順】この言葉は忌み言葉?索引一覧

よく検索される語を五十音順に並べました。判定は「一般的にそう考えられている度合い」で、絶対的な決まりではありません。判断が割れる語は「場合による」としています。

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あ行〜か行

言葉葬儀結婚式理由・補足言い換え例
飽きる避ける気持ちが冷めることを連想—(使わない)
浅い避ける関係の浅さを連想これから深めて
忙しい場合による「心を亡くす」と書くため。近年は許容されることが多いご多用、お忙しいところ
いよいよ避ける場合による重ね言葉。結婚式では「これから」の意味で使われることもますます→より一層、これから
失う場合による避ける喪失を連想—(使わない)
薄い避ける関係の薄さを連想—(使わない)
終わる避ける関係の終了を連想お開き、結びに
返す返す避ける避ける重ね言葉本当に、誠に
帰る避ける実家に戻ることを連想お開き、中座
枯れる避ける年賀状でも避けます—(使わない)
切る・切れる避ける縁が切れることを連想入刀(ケーキ)、区切り
苦しむ避ける避ける「苦」を連想—(使わない)
崩れる避ける新築祝いでも避けます—(使わない)
繰り返す避ける避ける不幸・離婚の再発を連想改めて
くれぐれも避ける避ける重ね言葉どうか、何とぞ
消える避ける避ける喪失を連想—(使わない)
ご冥福宗教による仏教語。神式・キリスト教式では使いません。浄土真宗でも避ける傾向心よりお悔やみ申し上げます
言葉が見つかりません使えるお悔やみでは適切な表現です

さ行〜な行

言葉葬儀結婚式理由・補足言い換え例
再三再四避ける避ける重ね言葉かつ「四」を含む何度も→改めて
裂ける避ける関係が裂けることを連想—(使わない)
寂しい場合による避ける葬儀では気持ちを表す自然な語として使えます。「寂しくなります」は問題ありません—(そのまま使える)
去る避ける年賀状の「去年」も同様昨年、旧年
避ける避ける「死」を連想。金額・個数で注意三、五に調整
しばしば避ける避ける重ね言葉たびたび→改めて
死ぬ・死亡避ける直接的すぎるご逝去、お亡くなりになる、永眠
次々避ける避ける重ね言葉相次いで→改めて整える
続いて避ける避ける不幸が続くことを連想このたびは、今後は
大変なことになる避ける避ける不安をあおる—(使わない)
絶える避ける避ける断絶を連想—(使わない)
倒れる避ける避ける新築祝い・お見舞いでも避けます—(使わない)
たびたび避ける避ける重ね言葉心より、深く
断つ避ける縁を断つことを連想—(使わない)
大切使える場合による「切」の字を含むため避ける説がある。近年は使って問題ないとする考えが主流かけがえのない、大事な
散る避ける—(使わない)
とんでもない場合による場合による「飛ぶ」を含むとする説があるが、一般には気にしません
なかなか場合による場合による重ね言葉に数える説がある。「なかなか」は一語なので、厳密には重ね言葉ではありません思うように、容易には
流れる避ける出産祝いでも避けます—(使わない)
なお避ける場合による「なお」=重ねる意を含むとされるまた→文を分ける
逃げる避ける—(使わない)
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は行〜わ行・その他

言葉葬儀結婚式理由・補足言い換え例
破れる・敗れる避ける—(使わない)
離れる避ける別離を連想—(使わない)
冷える・冷める避ける気持ちが冷めることを連想—(使わない)
再び避ける避ける不幸・離婚の再発を連想後日改めて
浮かばれない避ける成仏できない印象を与える—(使わない)
負ける避ける—(使わない)
迷う避ける避ける成仏できない印象/人生に迷う印象—(使わない)
また場合による場合による接続詞の「また」は繰り返しの意味ではないため、使って差し支えありません。詳しくは後述なお→文を分ける
ますます避ける場合による重ね言葉。結婚式では祝いの意で使われることもより一層
戻る避ける実家に戻ることを連想—(使わない)
燃える・焼ける場合による新築祝いでは必ず避けます—(使わない)
悩む場合による場合による忌み言葉として挙げられることは少ない。お悔やみで「思い悩む」は自然な表現です—(そのまま使える)
弱るお見舞いで避けます—(使わない)
別れる避ける離婚を連想。結婚式で最も代表的お別れの挨拶→ご挨拶
割れる避ける関係が割れることを連想—(使わない)
避ける避ける「苦」を連想。金額・個数で注意八、十に調整
頑張って避ける忌み言葉ではないが、遺族を追い詰めるご無理をなさらないでください
大往生避ける遺族が使う言葉。第三者が言うと軽く響く—(使わない)
天国宗教によるキリスト教の概念。仏式では「浄土」安らかに

※ 「—」はその場面で特に問題にならないことを示します。判定は一般的な傾向をまとめたもので、地域・家・世代によって考え方は異なります。

索引の使い方

「避ける」と書かれた語だけ言い換えれば十分です。「場合による」の語は、この記事の後半で個別に解説しています。「—」の語は気にしなくて構いません。

忌み言葉とは — 読み方と避ける理由

忌み言葉は「いみことば」と読みます。「忌む=避ける・嫌う」という意味で、その場にふさわしくないとされ、口にするのを避ける言葉を指します。

項目内容
読み方いみことば(忌詞とも書きます)
意味その場で縁起が悪いとされ、避けられる言葉
使われる場面葬儀・法要・弔電/結婚式・祝電/年賀状/お見舞い/出産・新築祝い
なぜ避けるのか言葉が現実を引き寄せると考える「言霊(ことだま)」の考え方にもとづきます
法的な決まりありません。あくまで慣習です
罰則ありません。使っても言い直せば済みます

避ける本当の理由

忌み言葉を気にするのは、「縁起」よりも「相手を不快にさせないため」です。悲しんでいる人の前で「また不幸がありますよ」と読める言葉を使わない、結婚したばかりの人に「別れる」を思い出させない——本質はこの配慮です。この視点で考えると、判断に迷う場面はぐっと減ります。

葬儀・弔電の忌み言葉一覧と言い換え表

避けたい表現気になる理由言い換え例
重ね重ね不幸が重なる印象を与えるため心より、深く
たびたび・度々・しばしば繰り返しを連想させるため心より、深く、何度も言わずに文章を整える
再び・またまた不幸の再発を連想させる場合があるため後日改めて、文章全体を組み替える
続いて・引き続き不幸が続く印象を与える場合があるためこのたびは、今後は、別の表現に置き換える
次々・追って・なお繰り返しを連想させるため文を分けて、接続詞を使わない
死ぬ・死亡死を直接的に表現しすぎるためご逝去、お亡くなりになる、永眠
急死・自殺・事故死死因への言及になるため触れない
生きていたころ直接的な表現に感じられる場合があるためご生前、お元気だったころ
浮かばれない・迷う仏式では成仏できないことを連想させる場合があるため表現そのものを避け、「安らかに」と整える
四・九「死」「苦」を連想させるため金額や個数を三・五・八などに調整する
頑張って・元気を出して遺族を追い詰めるためご無理をなさらないでください
大往生でしたね遺族が使う言葉で、第三者が言うと軽く響くため使わない
お気持ちは分かります分かるはずがないと受け取られるためかける言葉が見つかりません

弔電・お悔やみ文の自然な言い換え例

避けたい例文言い換え例
重ね重ね、お悔やみ申し上げます。心よりお悔やみ申し上げます。
返す返すも残念でなりません。本当に残念でなりません。
生きていたころのお姿が思い出されます。ご生前のお姿が思い出されます。
突然の死亡を知り、驚いています。突然のご逝去の報に接し、驚いております。
また改めてご連絡いたします。後日改めてご連絡いたします。
たびたびお世話になりました。生前は大変お世話になりました。
どうか頑張ってください。どうかご無理をなさらないでください。
引き続きお力落としのないように。どうかお力を落とされませんように。

宗教別|葬儀で使わない方がよい言葉

宗教避けたい言葉使える表現
仏式(一般)浮かばれない、迷う、天国ご冥福をお祈りします、哀悼の意を表します
浄土真宗ご冥福、霊前、供養(避ける傾向)哀悼の意を表します、お悔やみ申し上げます
神式ご冥福、成仏、供養、往生、弔う御霊のご平安をお祈りします、哀悼の意を表します
キリスト教式ご冥福、成仏、供養、哀悼、お悔やみ安らかなお眠りをお祈りします、神の慰めがありますように
宗教が分からない宗教色のある語すべて心よりお悔やみ申し上げます(どの宗教でも使えます)

なぜ浄土真宗で「ご冥福」を避けるのか

「冥福」は「冥途(死後の世界)での幸福」という意味です。浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀仏の力によってただちに浄土に生まれると考えるため、冥途をさまようという前提が教えに合いません。

結婚式・祝電の忌み言葉一覧と言い換え表

分類避けたい言葉言い換え例
別離を連想別れる、離れる、去る、帰る、戻る、出るお開き、中座、新たな門出
切断を連想切る、切れる、断つ、裂ける、割れる、ほどける入刀、区切り、結ぶ
終了を連想終わる、最後に、閉じる、これで、散る結びに、お開き、締めくくりに
破綻を連想破れる、壊れる、崩れる、倒れる、負ける—(使わない)
冷淡を連想冷える、冷める、飽きる、嫌う、薄い、浅い—(使わない)
再婚を連想(重ね言葉)重ね重ね、たびたび、再び、再度、二度、繰り返し心より、改めて
不幸を連想涙、泣く、悲しむ、苦しむ、忙しい感激の涙→喜びのひととき、ご多用
数字四、九三、五、八

結婚式スピーチ・祝電の自然な言い換え例

避けたい例文言い換え例
最後に、お二人の幸せを祈ります。結びに、お二人の幸せを祈ります。
これで私の挨拶を終わります。これをもちまして、ご挨拶とさせていただきます。
本日はケーキカットが行われます。本日はケーキ入刀が行われます。
宴もたけなわですが、これで終了です。宴もたけなわではございますが、お開きとさせていただきます。
ご列席の皆々様ご列席の皆様
重ね重ねおめでとうございます。心よりおめでとうございます。
新婦がご家族から離れる日ですね。新婦が新しい家庭を築く日ですね。
お忙しいところありがとうございます。ご多用のところありがとうございます。

「また」は使ってよいか — 判断が割れる代表例

忌み言葉の中で、最も問い合わせが多いのが「また」です。結論から言うと、使い方によります

使い方意味判定
接続詞の「また」「そして」「加えて」使ってよい「◯◯様は誠実な方でした。また、面倒見のよい方でもありました」
「再び」の意味の「また」繰り返し避ける「またこのようなことがないよう」
「またお会いしましょう」再会場面による葬儀では避ける/結婚式では問題なし
「またまた」重ね言葉避ける
「また改めて」後日避けたほうが無難「後日改めて」に言い換えます

判断の基準は「繰り返しの意味を含むか」

接続詞として文をつなぐ「また」は、繰り返しの意味を持ちません。そのため厳密には忌み言葉にあたりません。ただし、読み上げられる弔電やスピーチでは「また」という音が耳に残るため、気にする方もいます。

不安なら、文を分けてしまうのが最も簡単な解決です。「◯◯様は誠実な方でした。面倒見もよく、いつも周囲を気にかけておられました」——「また」を消しても意味は変わりません。

「また」を使わずに文をつなぐ言い換え

また → 文を分ける(最も自然)
また → そして
また → さらに(重ね言葉に近いので弔事では注意)
また → 加えて
また改めて → 後日改めて
またお会いしましょう → お目にかかれる日を楽しみにしております

「大切」「寂しい」「悩む」「なかなか」はどうか

いずれも「忌み言葉ではないか」と検索される言葉です。1つずつ整理します。

言葉指摘される理由実際のところ
大切「切」の字が入っているため、結婚式では避けるという説近年は使って問題ないとする考えが主流です。ただし高齢の親族が多い場ではまれに気にされます。気になるなら「かけがえのない」「大事な」に置き換えられます
寂しいネガティブな語だから避けるという説葬儀では自然な表現です。「寂しくなります」は故人を悼む素直な言葉で、遺族の共感を得ます。結婚式では避けます(別離を連想するため)
悩むネガティブな語だから避けるという説忌み言葉として挙げられることはほとんどありません。「思い悩む」「言葉を選ぶのに悩みました」は自然です。ただし遺族に「悩まないで」と言うのは配慮に欠けます
なかなか同じ音の繰り返しなので重ね言葉だという説「なかなか」は一語なので、厳密には重ね言葉ではありません。ただし音が重なって聞こえるため、読み上げられる場では避ける方もいます。「思うように」「容易には」で置き換えられます
いろいろ同じ音の繰り返しだという説「なかなか」と同じ考え方です。気になるなら「さまざま」に置き換えます
ときどき同じ音の繰り返しだという説同上。「折にふれ」で置き換えられます

迷ったら「言い換えても意味が変わらないか」で決める

「大切」を「かけがえのない」にしても意味は変わりません。なら置き換えればいい。置き換えると不自然になる、意味が変わる——そういう語なら、そのまま使ってください。不自然な文章のほうが、はるかに強く印象に残ります。

重ね言葉は必ずNG?

重ね言葉とは、同じ言葉を重ねた表現のことです。「不幸や離婚が繰り返される」ことを連想させるため避けられます。

重ね言葉葬儀結婚式言い換え例
重ね重ね避ける避ける心より、深く
たびたび避ける避ける何度も→改めて
返す返す避ける避ける本当に、誠に
くれぐれも避ける避けるどうか、何とぞ
次々避ける避ける相次いで→改めて
ますます避ける場合によるより一層
いよいよ避ける場合によるこれから、いっそう
日々場合による場合による毎日、常に
皆々様避ける避ける皆様
わざわざ場合による場合によるご足労いただき

結婚式で「ますます」「いよいよ」が許容される理由

これらは幸せが積み重なる意味で使われることがあるためです。「いよいよこの日を迎えました」「ますますのご発展を」といった使い方は、実際の披露宴でよく耳にします。

一方、弔事では明確に避けます。不幸が積み重なる意味にしか読めないためです。迷ったときは「弔事は厳しく、慶事はやや緩やか」と覚えておくと判断できます。

年賀状・喪中はがきで避けたい言葉

避けたい言葉理由言い換え例
去年「去る」を含むため昨年、旧年
衰える・滅びる使わない
失う・枯れる・落ちる使わない
病・倒れる・絶える使わない
賀正・迎春・寿忌み言葉ではありませんが、目上の方への年賀状では略式とされます謹賀新年、恭賀新年
句読点「区切り」を連想させるため、慣例として使いませんスペースまたは改行
「元旦」の使い方「元旦」は1月1日の朝を指すため、2日以降に届く場合は「一月」に令和◯年 一月

喪中はがきで特に注意すること

喪中はがきは「年賀欠礼の挨拶」なので、お祝いの言葉を書きません。「あけましておめでとうございます」はもちろん、「年賀」という語も本文では避け、「年始のご挨拶」と書きます。句読点を使わないのも同じ考え方です。書き方は喪中はがきの書き方|文例・出す時期・続柄・年賀状じまいで詳しく解説しています。

年賀状をやめる旨を伝える文面は年賀状じまい文例集|70代・80代向けのマナーと失礼にならない伝え方にまとめています。

お見舞い・出産祝い・新築祝いの忌み言葉

場面避けたい言葉理由言い換え例
お見舞い落ちる、寝つく、根づく、繰り返す、長引く、弱る、四、九病状の悪化・再発・長期化を連想お大事に、一日も早いご回復を
お見舞いの品鉢植え(「根づく=寝つく」)、シクラメン(「死」「苦」の音)、椿(花ごと落ちる)切り花のアレンジメント、日持ちする菓子
出産祝い落ちる、流れる、消える、失う、破れる、薄い、四、九流産・喪失を連想健やか、すくすく、ご成長
新築祝い火、燃える、焼ける、煙、倒れる、崩れる、傾く、流れる火事・倒壊を連想使わない
新築祝いの品ライター、灰皿、ストーブなど火に関わるもの観葉植物、食器、カタログギフト
開店・開業祝い倒れる、傾く、閉じる、赤(赤字を連想)ご繁栄、ご発展
還暦・長寿祝い老いる、衰える、朽ちる、枯れる、終わるご健勝、ますますお元気で

品物にも忌み言葉と同じ考え方があります

言葉だけでなく、贈る品にも「音」や「連想」で避けられるものがあります。お見舞いの鉢植え、新築祝いの火に関するもの、弔事の鉢植え——いずれも同じ発想です。迷ったら「その品の名前を声に出して、悪い意味に取れないか」を考えると判断できます。

招待状・祝電・席札の句読点はどうする?

文書句読点理由
結婚式の招待状使わない「区切り」「終わり」を連想させるため。スペースか改行で区切ります
祝電使わないのが通例同上
席次表・席札使わない同上
弔電使わないのが通例「滞りなく進むように」という意味
法要の案内状使わない同上
喪中はがき使わない同上
年賀状使わない同上
お悔やみの手紙使ってよい私信のため。読みやすさを優先します
メール・メッセージ使ってよい

句読点を使わない文の作り方

読点(、)の代わりに全角スペース、句点(。)の代わりに改行を使います。

例:「このたびはご結婚おめでとうございます お二人の末永いお幸せをお祈りいたします」

慣れないうちは読みにくく感じますが、短い文に区切ると自然になります。

数字の「4」「9」はいつ避けるべき?

場面避けるか具体例
香典の金額避ける4,000円・9,000円・40,000円は避け、3,000円・5,000円・30,000円に
ご祝儀の金額避ける4万円・9万円は避ける。2万円は近年は許容されることが増えました
贈り物の個数避ける4個・9個は避け、3個・5個に
お見舞いの金額避ける「死」「苦」を連想するため
引き出物の品数避ける
日付・時刻気にしない4月・9時などは問題ありません
年齢気にしない
電話番号・住所気にしない

気にするのは「自分が決められる数」だけ

金額や個数のように自分で選べる数だけ調整すれば十分です。日付・時刻・年齢・住所などの動かせない数は誰も気にしません。

結婚式と葬儀では、避ける理由が違う

葬儀で避ける理由

  • 不幸が繰り返されることを避ける
  • 重ね言葉が中心
  • 死を直接表す語も避ける
  • 宗教によって避ける語が変わる
  • 遺族を傷つけない配慮が本質

結婚式で避ける理由

  • 別れ・切れることを連想させる語を避ける
  • 重ね言葉は「再婚」を連想させるため
  • 破綻・冷淡を表す語も避ける
  • 宗教はほぼ関係しない
  • 新郎新婦と両家への祝意が本質

重ね言葉が両方でNGな理由が違う

同じ「重ね重ね」でも、葬儀では「不幸が重なる」、結婚式では「再婚を繰り返す」という別の連想から避けられます。理由が分かっていると、リストになかった言葉でも自分で判断できるようになります。

縁起を意識した言い換えの例

もとの言葉言い換え使われる場面
梨(なし)ありの実「無し」を避けるため
するめあたりめ「する(失う)」を避けるため
すり鉢あたり鉢同上
ケーキカットケーキ入刀披露宴(「切る」を避ける)
終わり・閉会お開き披露宴・宴席
最後に結びにスピーチ
忙しいご多用案内状・挨拶
皆々様皆様
死ぬご逝去、永眠弔事
四(金額)三、五に調整香典・祝儀

ビジネス文書・弔辞での実例チェック

実際に書いた文をどう直すか、例で確認します。

例1:取引先への弔電(直す前)

貴社◯◯様の突然の死亡を知り、重ね重ねお悔やみ申し上げます。また、生前は大変お世話になりました。今後も引き続きよろしくお願いいたします。

例1:直したあと

貴社◯◯様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。ご生前は格別のご厚情を賜り、深く感謝申し上げます。安らかなお眠りをお祈りいたします。

直した点「死亡」→「ご逝去」/「重ね重ね」→「心より」/「また」→文を分ける/「引き続き」を削除/「生前」→「ご生前」

例2:結婚式の祝電(直す前)

ご結婚おめでとうございます。最後に、皆々様のますますのご多幸をお祈りします。忙しい中、素敵な式になりますように。

例2:直したあと

ご結婚おめでとうございます
結びに 皆様のご多幸を心よりお祈りいたします
すばらしい門出となりますよう お祈り申し上げます

直した点「最後に」→「結びに」/「皆々様」→「皆様」/「ますます」→削除/「忙しい」→削除/句読点をスペースと改行に

例3:弔辞(直す前)

◯◯さん、あなたが亡くなって寂しいです。たびたび相談に乗っていただきました。またお会いしたかった。どうか浮かばれてください。

例3:直したあと

◯◯さん、あなたがいらっしゃらないのは、本当に寂しいことです。何度も相談に乗っていただきました。もう一度お話ししたかった——それが心残りです。どうぞ安らかにお眠りください。

直した点「亡くなって」→「いらっしゃらない」/「たびたび」→「何度も」/「またお会いしたかった」→「もう一度お話ししたかった」/「浮かばれて」→「安らかにお眠りください」。「寂しい」はそのまま残しました——弔辞では自然で、心が伝わる言葉です

どこまで気にするべきか — 相手と場で決める

場面厳しさ理由
読み上げられる弔電・祝電厳しめに参列者全員が聞くため
弔辞・スピーチ厳しめに同上
招待状・案内状厳しめに形式的な文書のため
格式を重んじる家・地域厳しめに年長者が気にすることがあります
お悔やみの手紙(私信)ほどほどに気持ちが伝わることが優先
親しい相手へのメッセージ気にしなくてよい不自然な言葉のほうが違和感を与えます
口頭での会話気にしなくてよい言い直せば済みます
受付での短い挨拶気にしなくてよい

避けすぎるほうが失礼になることがあります

忌み言葉を気にするあまり、意味の通らない文章になったり、他人事のような冷たい文面になったりすることがあります。それでは本末転倒です。

優先順位は「気持ちが伝わること」が第一、「言葉づかい」は第二です。明らかな重ね言葉と直接的な死の表現だけ直せば、実務上はほぼ十分です。

忌み言葉を使ってしまったときはどうする?

状況どうするか
会話中に気づいたそのまま言い直せば十分です。「失礼しました、◯◯でした」と続ければ問題になりません
スピーチ中に気づいた止まらずに続けます。指摘されない限り、気づく人はほとんどいません
弔電を送ってしまった訂正の必要はありません。気持ちが伝わっていれば問題になりません
手紙を出してしまった同上。追って訂正の連絡をするほうが、かえって気を遣わせます
相手に指摘された素直に詫びて言い直します。それ以上こだわる必要はありません
送る前に気づいた迷わず書き直します。これが一番よい

実際に指摘されることはほとんどありません

忌み言葉に詳しい人ほど、指摘しないのがマナーだと知っています。指摘すること自体が場を乱すからです。気づかれても、たいていは黙って受け流されます。過度に恐れる必要はありません。

よくある質問

忌み言葉の読み方は?
「いみことば」です。「忌詞」と書くこともあります。「忌む=避ける」という意味で、その場にふさわしくないとされ、口にするのを避ける言葉を指します。
「また」は忌み言葉ですか?
使い方によります。接続詞として文をつなぐ「また」は繰り返しの意味を持たないため、厳密には忌み言葉ではありません。ただし「またこのようなことが」のように再発の意味で使う場合は避けます。不安なら文を分けてしまうのが簡単な解決です。
「大切」は結婚式で使ってはいけませんか?
「切」の字を含むため避けるという説がありますが、近年は使って問題ないとする考えが主流です。気になる場合は「かけがえのない」「大事な」に置き換えられます。
「寂しい」は葬儀で使ってもいいですか?
使えます。「寂しくなります」は故人を悼む自然な表現で、遺族の共感を得ます。ただし結婚式では避けます(別離を連想するため)。
「日々」「ますます」は結婚式で絶対に使ってはいけませんか?
絶対ではありません。結婚式では「幸せが積み重なる」意味で許容されることが多く、実際の披露宴でもよく使われます。一方弔事では明確に避けます。「弔事は厳しく、慶事はやや緩やか」と覚えておくと判断できます。
「なかなか」は重ね言葉ですか?
厳密には重ね言葉ではありません。「なかなか」は一語だからです。ただし音が重なって聞こえるため、読み上げられる場では避ける方もいます。気になるなら「思うように」「容易には」に置き換えられます。
葬儀で「亡くなる」は使ってはいけませんか?
使えます。避けるのは「死ぬ」「死亡」といった直接的な表現です。「お亡くなりになる」「ご逝去」は適切な言い方です。
神式やキリスト教式で「ご冥福をお祈りします」は使えますか?
使いません。「冥福」は仏教の考え方にもとづく言葉です。神式では「御霊のご平安をお祈りします」、キリスト教式では「安らかなお眠りをお祈りします」を使います。
宗教が分からない場合、お悔やみの言葉はどうすればよいですか?
「心よりお悔やみ申し上げます」が最も安全です。どの宗教でも使えます。「謹んで哀悼の意を表します」も広く使えますが、キリスト教式では「哀悼」を避ける考え方もあります。
祝電や弔電は文例をそのまま使っても大丈夫ですか?
問題ありません。むしろ定型文のほうが失敗が少なくなります。可能であれば、故人や新郎新婦との具体的なエピソードを一文加えると、ぐっと心に残る文面になります。
忌み言葉を避けすぎて文章が不自然になったらどうすればよいですか?
不自然になるくらいなら、そのまま使ってください。忌み言葉を気にする本来の目的は「相手を不快にさせないこと」です。ぎこちない文章のほうが強く印象に残ります。明らかな重ね言葉と直接的な死の表現だけ直せば十分です。
年賀状で「去年」と書いてしまいました。
大きな問題にはなりません。次回から「昨年」「旧年」を使えば十分です。年賀状では句読点を使わないこと、目上の方には「賀正」「迎春」ではなく「謹賀新年」を使うことも、あわせて覚えておくとよいでしょう。

まとめ

忌み言葉・要点

  • 忌み言葉(いみことば)=その場で縁起が悪いとされ、避けられる言葉
  • 葬儀は「不幸の繰り返し」、結婚式は「別れ・切れる」を避ける。理由が違う
  • 重ね言葉は弔事では厳しく、慶事ではやや緩やか
  • 接続詞の「また」は使ってよい。再発の意味なら避ける
  • 「大切」「寂しい」「悩む」「なかなか」は、多くの場面で使える
  • 「ご冥福」は仏教語。神式・キリスト教式・浄土真宗では避ける
  • 数字の4・9は「自分が決められる数」だけ調整すればよい
  • 招待状・案内状・弔電では句読点を使わない
  • 使ってしまっても言い直せば済む。指摘されることはほとんどない
  • 避けすぎて不自然になるほうが問題。気持ちが伝わることが第一

忌み言葉は、覚えるものというより「相手がどう受け取るか」を想像するための手がかりです。理由が分かっていれば、リストにない言葉でも自分で判断できます。

それでも迷ったら、五十音順の索引に戻ってきてください。「避ける」と書かれた語だけ言い換えれば、実務上はほぼ十分です。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の宗派・地域・家の慣習を保証するものではありません。忌み言葉として避けられる語、許容される範囲、句読点や数字の扱いは、地域・世代・家・宗教によって考え方が異なります。索引の判定は一般的な傾向をまとめたものであり、絶対的な決まりではありません。格式を重んじる場面では、地域の事情に詳しい方や式場・葬儀社にご確認ください。

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