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忌み言葉とは簡単にいうとNGワードのことで、おめでたい場やお悔やみの場で使用を避けるべき言葉になります。
この記事では結婚式シーンでの「新郎・新婦側」「ゲスト側」、葬儀シーンにおいても「喪主・遺族側」「参列側」、どの立場においても使ってはいけない忌み言葉がわかるように紹介しています。
▼この記事を読んで理解できること ・忌み言葉の意味や使用を避ける理由 ・忌み言葉を使ってはいけないシーン ・主な忌み言葉一覧(50音順) ・忌み言葉の言い換え例 など |
忌み言葉とは?
はじめに「忌み言葉」とは何なのか?
読み方や意味など、わかりやすく解説していきます。
忌み言葉(読み方:いみことば)
英語:tabooed word(読み方:タブーワード)
ウィキペディア(Wikipedia)で忌み言葉は次のように記述されています。
忌み言葉(いみことば)とは、忌みはばかって使用を避ける語。忌詞、忌み詞、忌言葉とも。
簡単にいうと忌み言葉とは、NGワードのことです。
「忌みはばかって」とは「さしひかえる」という意味があり、忌詞・忌み詞・忌言葉の読み方はいずれも「いみことば」と読みます。
忌み言葉の意味を具体的に説明すると、『その場にふさわしくない不吉や不幸を連想させる言葉』です。
では、どんな言葉が忌み言葉なのか?
名詞・形容詞と様々ある忌み言葉ですが、軽く紹介すると「終わる」「消える」「切る」、これらは忌み言葉となります。
また、『重ね言葉』も忌み言葉と同じ種類の言葉としてNGワードといわれています。
重ね言葉とは「再三」「次々」「益々」など文字通り重ねられた言葉・繰り返された言葉です。
忌み言葉の使用を避ける理由
忌み言葉・重ね言葉を使うのを避けるのはなぜなのでしょうか?
それは、言霊信仰(ことだましんこう)の風習のためだとされています。
言霊信仰とは
日本には古来より「言葉には言霊が宿っている」といわれていて、言葉に宿る不思議な力で実際に「その言葉通りの事象が起こる」と信じられてきた風習があります。
・忌み言葉は、結婚式や葬式といった冠婚葬祭や、大切な行事などでは不吉や不幸を連想させる
・重ね言葉は、二度あってほしくない、繰り返されたくないことを連想させる
忌み言葉や重ね言葉の使用を避けるようになっているのは、習慣として残っているからなのです。
その場においてふさわしくない言葉が忌み言葉・重ね言葉なので、人によっては敏感になっている方もいます。
知らなかった方は今後気をつけるようにしましょう。
古文辞書や古語辞書に書かれているような歴史や背景に興味がある方は、以下のコトバンクをご覧ください。
・斎宮(さいぐう)の忌み言葉(伊勢の斎宮で用いられた忌み言葉)
・神道ではお寺のことを瓦葺(かわらふき)
・山や海にまつわる忌み言葉がある
上記のようなことが書かれていますので、興味がある方は一度目を通してみてはいかがでしょうか。
また、忌み言葉の本を読んでみるのもよいかもしれません。
様々なシーンで使ってはいけない忌み言葉はたくさんあるのに対し、実は忌み言葉に関する書籍は多くありません。
そういった意味では以下の『日本人の禁忌―忌み言葉、鬼門、縁起かつぎ…人は何を恐れたのか』は、貴重な1冊(中古価格1円で購入可能)なのかもしれません。
▼終活.comの感想
子供の頃に誰しも言われたであろう「夜に爪を切ってはいけない」「夜に口笛を吹くな」など、いろいろな「なぜ?」が一つ一つわかるたびに、心地の良い満足感を得られました。
歴史や風土、様々な要素が混ざっているタブーを掘り下げてみることは実に興味深いものでした。
読み終えると、思わず誰かに話したくなる1冊です。
「してはいけない」という意味を持つ禁忌(きんき)について、忌み言葉や縁起かつぎにまつわる話をより深く知りたい方は読んでみてはいかがでしょうか。
宗教による忌み言葉の違い
忌み言葉は宗教による違いがあります。
たとえば、「浮かばれない」や「迷う」は、仏教では忌み言葉として扱われます(神式・キリスト教式では特に問題なし)。
仏教は「故人が極楽浄土へと成仏することを願って供養する」という考えなので、成仏することができないことを連想させてしまいます。
※同じ仏教でも宗派(浄土宗や日蓮宗など)によって言い回しや捉え方が異なる場合もあります
ちなみに、忌み言葉とは違いますが、神式やキリスト教式では仏教用語は使えません。
日本の葬儀の90%以上は仏式葬儀で執り行われているので特に問題ないと思いますが、神式やキリスト教式の葬儀の場で仏教用語を使わないようにしましょう。
「冥福」「供養」「成仏」「往生」これらの仏教用語は神式やキリスト教式で用いるのはマナー違反となります。
忌み言葉を使ってはいけないシーン
先ほどの項目で忌み言葉を使ってはいけないシーンとして、おおまかに結婚式などのおめでたい席や、葬儀などのお悔やみの場というのは触れました。
ただ、具体的な場面がピンとこないと思いますので、より具体的なシーンについて解説したいと思います。
結婚式披露宴や二次会
結婚式披露宴(婚礼)や二次会では、忌み言葉の使用は避けるべきだとされています。
より具体的なシーンは以下の通りです。
挨拶・スピーチ
新郎新婦または司会者が披露宴の最初に参加者全員に対しておこなう挨拶であるウェルカムスピーチや、友人代表スピーチ、親族の挨拶時。
※友人代表スピーチでウケを狙って無理に作り出した嘘のエピソードでつくられた話も基本的にはしないほうがよいとされています
※余興などで歌う場合、邦楽・洋楽問わずにその楽曲(セリフのあるBGM含)の歌詞に忌み言葉がないものが好ましいです
落語家は忌み言葉が嫌い?
落語の噺家(はなしか)さんが結婚式の司会をするケースがありますが、エピソード部分に忌み言葉に対する苦言が入っていることがよくあるそうです。
電報(祝電)
お祝いの電報である祝電を送る際。
招待状
披露宴の招待状や返信はがき。
席次表や席札
席次表(せきじひょう)とは、披露宴の会場図に参加者・ゲストの座る位置を記した表で、プロフィール・メニュー・挨拶文など記されます。
席札(せきふだ)とは、披露宴の参加者・ゲストの名前が書かれたカードで簡単にメッセージが書かれている場合があり、それぞれ座る席に置かれます。
席札のゲストカードのメッセージや、席次表のプロフィール項目で忌み言葉の使用を避けるべきです。
席次表のプロフィール項目で多い間違い!
席次表のプロフィール項目に「どんな家庭にしたい?」という項目があります。
その回答でかなり多い間違いとなっているのが「笑顔の絶えない家庭」「夫婦2人とも笑いが絶えない家庭」という回答です。
「絶えない」という言葉が「絶える」を連想してしまう忌み言葉になるのでNGです。
「笑顔あふれる家庭」「笑顔いっぱいの家庭」と言い換えるようにするとOKです。
また、ひらがなで「笑顔のたえない家庭」としてもOKです。
プロフィールムービー
新郎・新婦のプロフィールビデオやエンドロールは写真やコメント、メッセージに注目が集まるため、忌み言葉に気をつけないといけません。
エンディングムービー(総称してウェディングムービー)も同様です。
花嫁の手紙
披露宴での花嫁の手紙(両親への手紙)の文面も忌み言葉を避けるようにしなければいけません。
新郎の謝辞も同様です。
※結婚内祝いのときのお礼の手紙やメッセージカードにおいても忌み言葉を避けるようにしましょう
句読点を使わないのがマナー!
電報(祝電)、招待状、席次表や席札のメッセージには句読点をつけないのがマナーとされています。
メッセージに「、」「。」をつけない理由としては、「お祝いごとには終止符を打たない」という意味があるためだといわれています。
結婚式でメッセージを書く・送るときは気をつけるようにしましょう。
※挨拶・スピーチに関しては当人だけのものなので句読点は気にしなくても問題ありません
忌み言葉を使わないほうがよいとされている場面として、結婚式に関する具体的なシーンを紹介&解説しました。
新郎・新婦のお二人が10代や20代と若い場合、忌み言葉にあまり馴染みがないかもしれません。
最近は忌み言葉に対して厳しいことを言う年配の方も減ってきたようにも感じます。
ただ、不快に思うゲストがいるかもしれませんので、結婚式や二次会の場にいらっしゃる方は忌み言葉には気をつけるようしておきましょう。
「忙しい」は忌み言葉かどうか?
結婚式シーンだけでなく、葬式などお悔やみシーンの挨拶でも使われることがある「忙しい」という言葉。
これには様々な意見・見解を持つ方がいらっしゃいます。
下のツイートは、国語辞典編纂者で「三省堂国語辞典」編集委員を務める飯間浩明さんのツイートです。
「お忙しい」「ご多忙」は「亡」を含むので忌みことばだという主張を目にしました。不勉強でそんな話は聞いたことがない。最近のトンデモマナーの類ではないかと疑っています。「お忙しい」がだめなら「望み」「忘れました」もだめだし、「荒井」さんは出禁になっちゃう。言い出した人は誰でしょうか。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) September 19, 2019
「忙しい」に関しては皆さん様々な意見・見解があります。
ちなみに、一般的には「ご多忙」という言葉より「ご多用」と表現するのが好ましいようで、ビジネスシーンのメール等でもよく見られます。
忌み言葉は結婚式のようにおめでたい席だけでなく、お悔やみのシーンにおいても同様に考えられています。
以下、忌み言葉を使ってはいけない具体的なお悔やみシーンになります。
お通夜や葬式(葬儀)
通夜挨拶や喪主挨拶、葬儀司会者は挨拶全般。
参列者であっても弔辞など挨拶する場面はあります。
・弔辞(ちょうじ):故人への追悼の意を式中で読み上げることで、主に故人と親交の深かった方が読むケースが多い
電報(弔電)
弔電とは、お通夜や葬儀・告別式に参列できない方が故人へのお悔やみの気持ちを送る電報。
お悔やみの手紙や喪中はがき
・お悔やみの手紙:葬儀に参列できない方が香典と一緒に送る手紙
・喪中はがき:喪中につき、新年の挨拶を失礼させていただく旨を伝えるはがき
※葬儀に関係なく、新しい年の最初のご挨拶として送る年賀状やお礼状も忌み言葉を避けるべき(縁起の悪い表現は避ける)
▼忌み言葉を使ってはいけないそのほかのシーン
・入学式や卒業式行事
・出産祝い(妊娠・懐妊祝い)
・引越し祝い
・新築祝い
・入院中の方へのお見舞いの手紙
いずれも縁起が悪いということを避けるために、メッセージ内容に忌み言葉の使用は避けるようにしましょう。
忌み言葉に関する余談
小中学生のころ、校長や教頭先生の挨拶は皆さんも何度か聞く機会があったかと思います。
その挨拶や祝辞など、先生方は忌み言葉を使わないだけでなく、小さな子どもたちにも理解できるような言葉を選んでいたのです。
忌み言葉を一覧でチェック
主な忌み言葉として、50音順にまとめてみたので是非参考にしていただければと思います。
▼忌み言葉の使用を避けるシーン
✔ 結婚祝い
✔ 妊娠(懐妊)・出産祝い
✔ 新築祝い・引越し祝い
✔ 開店祝い・開業祝い
✔ お見舞い(災害見舞い)
✔ お悔やみ(お通夜・葬儀・告別式)
✔ 法事・法要(初七日や四十九日)
※重ね言葉も忌み言葉として含む
【あ行】
50音 | 忌み言葉 |
あ | 相次いで、相次ぎ、相次ぐ、赤・緋 (あか)、飽きる、浅い、焦る、褪せる、あせる、煙り、炙り(炙る)、慌ただしい(慌しい) |
い | 生きていたころ、逝く、痛い、痛々しい、痛ましい、いよいよ、いろいろ |
う | 浮かばれない、失う、薄い(うすい)、移る、疎んずる(うとんずる)、憂(うれ)い、うれえる |
え | 延々と |
お | 追う、*おから(お空)、落ちる、追って、衰える、折れる、終わり、終わる |
お陰(おかげ)は忌み言葉にならない
「お陰(おかげ)」は、よく忌み言葉として勘違いされやすいですが、葬儀の場での挨拶などで使っても問題ありません
※お陰をもちまして葬儀 告別式も滞りなく…など
*おから(お空)の「から」が「空・空っぽ」を連想させる忌み言葉とされ、縁起をかついで「卯の花(うのはな)」と呼ばれています。
※主に関東では「卯の花」で、包丁で切らずに食べられることから関西や東北では「雪花菜(きらず)」と呼ぶ
【か行】
50音 | 忌み言葉 |
か | 返す、かえすがえす、帰る、重なる、重ね重ね(かさねがさね)、重ねて、重ねる、方々、傾く、かつまた、悲しい、変わる、枯れる、頑固 |
き | 消える、刻む、傷つく、切る、去年、嫌い、嫌う、ぎりぎり(ギリギリ)、切れる |
く | 括り、括る、崩す、崩れる、朽ちる、繰り返し、繰り返す、苦しい、苦しむ、くれぐれも、苦労 |
け | 消す、喧嘩 |
こ | ご多忙(ご多用ならOK)、ご無沙汰、今度、今度こそ、今度こそは、壊れる(こわれる) |
【さ行】
50音 | 忌み言葉 |
さ | 再会、最後、最後に、再度、桜が散る季節、寂しい、淋しい、さびれる、冷める(さめる)、去る |
し | 塩、重々、事故、七転八倒、しなびる、死ぬ、しばしば、死亡、終う・仕舞う(しまう)、徐々に、退く |
す | *するめ |
せ | 生存中、是非是非(ぜひぜひ)※是非(ぜひ)はOK |
そ | 早々に、それぞれ、そろそろ |
▼「するめが忌み言葉?なぜ?」その理由は…
イカの「*するめ(スルメ)」は「お金をする」「お金を使い果たす」を連想させるため、忌み言葉とされていますが、縁起をかついで言い換えた「あたりめ(アタリメ)」という反対の表現となる言葉が用いられるようになりました。
「する」→「あたる」といったように逆に言い換えて定着した例であり、日本では縁起物とされているので、結納品などにも用いられています。
【た行】
50音 | 忌み言葉 |
た | 大切、大変、倒れる、出す、多々、度々(たびたび)、たまたま、たれる |
ち | 散る(ちる) |
つ | 疲れた、疲れる、次、次に、次々、続いて、潰れる(つぶれる)、つまづく、詰まる、辛い(つらい) |
て | 出る |
と | とうとう、時々、閉じる、飛ぶ、取る、撮る、どんどん、とんでもない、とんでもないこと |
共々(ともども)は忌み言葉・重ね言葉にならない
「共々(ともども)」は、よく忌み言葉・重ね言葉として勘違いされやすいですが、新郎の謝辞などで使っても問題ありません
※夫婦共々など
【な行】
50音 | 忌み言葉 |
な | なお、なおまた、なかなか、長々、長々と、流れる、泣く、亡くなる、*梨・無(なし)、悩む、何度も |
に | 二度、二度と |
ぬ | — |
ね | — |
の | 残る |
漫画雑誌・週刊少年ジャンプで長寿連載されていた「こち亀」こと「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で有名な「亀有」。
元々は「亀梨(かめなし)」という地名だったそうです。
1645年(正保元年)に江戸幕府が国の絵図を作成する際、地元の人たちから「*梨(なし)」では縁起が悪いという声が上がったため、「有(あり)」に変更したといわれています。
【は行】
50音 | 忌み言葉 |
は | 離れて、離れる、はるばる |
ひ | 火(ひ)、引き続き、必死、ひどい、日々 |
ふ | 不運、無事、再び(ふたたび) |
へ | 閉会、別々、減る、返事 |
ほ | 炎(ほのお)、程々(ほどほど)、亡ぶ(滅ぶ)、滅びる |
※「ぶつかる」という言葉(壁にぶつかる、等)は忌み言葉と思われがちですが、使用して問題ありません
【ま行】
50音 | 忌み言葉 |
ま | 負けた、負ける、ますます、益々(増々)、また、またまた、まだまだ、迷う |
み | 短い |
む | 無(む) |
め | — |
も | もう一度、燃えた、燃える、戻る |
これってNGワード?忌み言葉クイズ 問題.結婚式の友人代表スピーチでのメッセージ内容、「お二人の新居にお邪魔する日を…」 さて、「邪魔」は忌み言葉? ①忌み言葉 |
【や行】
50音 | 忌み言葉 |
や | 焼けた、焼ける、破れる、敗れる、辞めた、辞める、病に倒れる、病む |
ゆ | — |
よ | 弱い |
【ら行】
50音 | 忌み言葉 |
ら | 楽々 |
り | — |
る | — |
れ | — |
ろ | — |
【わ行】
50音 | 忌み言葉 |
わ | 別れる、我侭(わがまま)、分ける、分かれる(わかれる)、患う、忘れる、割る、割れる、悪い |
ご覧いただいたように、忌み言葉は数多くあります。
まだまだあるぞ忌み言葉
ほかにも数字・漢数字の「4(四)」、「9(九)」は「死」や「苦」を連想させてしまうためNGです。
※四六時中、九州、九死に一生など
上記以外にも世の中には忌み言葉はまだまだあります。
意外に思われるかもしれませんが、ビジネスでの「詫び状・お詫び状」(取引先からのクレームに対して)を書く場合にも忌み言葉の使用は避けるべきだといわれています。
そのほか、地域によっては神社などの神域に古くから伝わる忌み言葉があるとかないとか…。
(中には迷信のような忌み言葉にまつわる怖い話も今やネット内に挙がっていたりも)
忌み言葉は全部を覚える・暗記するというのは無理があると思いますし、スピーチや手紙など文章に起こす必要があるときは都度チェックする形がよいでしょう。
また、結婚式のプロフィールムービーやエンドロールを適正価格で作成することができるサービス「firstfilm」のサイト内でも忌み言葉に関する事項が掲載されています。
佐川急便100%子会社の電報サービス「VERY CARD」も、忌み言葉が含まれていない祝電や弔電の文例が豊富に用意されています。
下記事で弔電のオススメ業者など紹介しています。
忌み言葉の言い換え例文
主な忌み言葉の一覧を紹介しましたが、この項目では「よく使われやすい忌み言葉」の言い換えや例文を紹介したいと思います。
そのままの言い回しだと忌み言葉なのでもちろんNGですが、変換することで使用OKな言葉になります。
※以下よく使われやすい忌み言葉と言い換え例は順不同となっています
▼忌み言葉「大切」の言い換え
「大切」の言い換えは「たいせつ」
大切は、ひらがなで言い換えればOKです。
× 結婚おめでとう 大切にしてもらってね
〇 結婚おめでとう たいせつにしてもらってね
▼忌み言葉「次」「次に」の言い換え
「次」や「次に」の言い換えは「その後」または「後(あと)」
× いつも優秀で私はいつも○○ちゃん(新婦の名前)の次でした
〇 いつも優秀で私はいつも○○ちゃん(新婦の名前)の後でした
「次々」の言い換えは「たくさん」
× 次々と困難が待ち受けていると思いますが、お二人で力を合わせ…
〇 たくさんの困難が待ち受けていると思いますが、お二人で力を合わせ…
▼忌み言葉「益々(ますます)」の言い換え
「益々(ますます)」の言い換えは「末永く」「もっと」「さらに」
× 益々期待しています
〇 さらに期待しています
猿(さる、サル)は、「去る」を連想させる忌み言葉とされているため、「エテ」と言い換えられます。
言い換えの由来として、「得手(えて)」は得意・得意なことを意味するため、「優る(まさる)」=猿に掛けたシャレだという説など、その起源は諸説あるようです。
▼忌み言葉「最後」の言い換え
「最後」の言い換えは「結び」または文章によっては「ラスト」、「最後に」の場合は「結びに」
× 最後にお二人に…
〇 結びにお二人に…
× 高校最後の文化祭では…
〇 高校ラストの文化祭では…
▼忌み言葉「終わり」「終わる」の言い換え
「終わり」や「終わる」の言い換えは「結び」または「お開き」
× 終わりに
〇 結びに
× 終わる
〇 お開きになる
▼忌み言葉「頑固」の言い換え
「頑固」の言い換えは「意志が強い」
× 頑固な父は…
〇 意志が強い父は…
▼忌み言葉「返す返す(かえすがえす)」の言い換え
「返す返す(かえすがえす)」の言い換えは「ほんとうに」
× 返す返すも残念で…
〇 ほんとうに残念で…
植物の葦(あし)は「良し悪し」の「悪し」に通じるということから忌み言葉とされています。
そのため、「よし(ヨシ)」と言い換えられています。
▼忌み言葉「弱い」の言い換え
「弱い」の言い換えは「優しさに溢れて」
× 高校時代はとても気が弱い…
〇 高校時代はとても優しさに溢れて…
▼忌み言葉「泣く」の言い換え
「泣く」の言い換えは「涙がほほを伝う」
× 泣くこともあったけど…
〇 涙がほほを伝うこともあったけど…
※結婚式では「涙」が忌み言葉とされる場合もあるようです
▼忌み言葉「切る」の言い換え
「切る」の言い換え例文
× 今日から新たなスタートを切るお二人に…
〇 今日から新たな出発をするお二人に…
▼忌み言葉「悪い」の言い換え
「悪い」の言い換え例文
× 一時期グレて悪いことをした私を…
〇 お父さんお母さんが私のことをどれだけ心配していたか…
※上記は結婚式のケースで新婦の両親への手紙例ですが、昔のエピソードなどを振り返るときには注意しましょう
※過去の非行などマイナスイメージでしかないので避けるべきです
うまく言い換えよう!忌み言葉言い換え選択クイズ 問題.「益々のご発展をお祈り申し上げます」を言い換えるなら、① ②どっち? ①増々のご発展をお祈り申し上げます |
▼忌み言葉「まだまだ」の言い換え
「まだまだ」の言い換えは「まだ」
× まだまだ未熟なふたりですが
〇 まだ未熟なふたりですが
▼忌み言葉「くれぐれも」の言い換え
「くれぐれも」の言い換えは「どうか」
× くれぐれもご体調にはお気をつけください
〇 どうかご体調にはお気をつけください
▼忌み言葉「焼き」の言い換え
「焼き」の言い換え例文
× 世話焼きな面もあり…
〇 面倒見が良い面もあり…
▼忌み言葉「いよいよ」の言い換え
「いよいよ」の言い換えは「ついに」
× いよいよ新たな生活がはじまります
〇 ついに新たな生活がはじまります
▼忌み言葉「負ける」の言い換え
「負ける(負け)」の言い換え例文
× 部活のサッカーの勝負では負けることなく…
〇 同じ部活で共に切磋琢磨(せっさたくま)して…
お正月にまつわる忌み言葉クイズ 問題.お正月の忌み言葉として「嫁が君(よめがきみ)」という言葉があります。 「嫁が君」は「ある動物」の別名になります。 さて、その「ある動物」とは次の①~③どれでしょう? ①ヘビ |
▼忌み言葉「わがまま」の言い換え
「わがまま」の言い換え例文
× わがままな…
〇 素直で裏表のない…
▼忌み言葉「離れる(離れて)」の言い換え
「離れる(離れて)」の言い換え例文
× 東京と大阪で離れて暮らしていたころ…
〇 東京と大阪の遠距離で暮らしていたころ…
▼忌み言葉「苦労」の言い換え
「苦労」の言い換え例文
× 苦労をいとわず 辛いことがあっても嫌がらない▲▲さんは…
〇 骨身を惜しまない▲▲さんは…
▼忌み言葉「流れる」の言い換え
「流れる」の言い換え例文
× 月日が流れて…
〇 月日が経過し…
または「月日が過ぎて」でも可
▼忌み言葉「帰る」の言い換え
「帰る」の言い換え例は「失礼する」「帰省する」「帰宅する」
結婚式披露宴でのケーキ入刀は「ケーキをカットする」ことです。
しかし、「カット」が「切る」を意味するので忌み言葉となってしまいます。
× ケーキをカットする
〇 ケーキにナイフを入れる
と言い換えるのがよいです。
ちなみに、「きっと勝つ」という縁起をかついで合格祈願のお菓子になっている「キットカット」は「カット」が入っているため忌み言葉だと捉える意見もあるようです。
合格祈願の縁起もあって忌み言葉でもある…何だか不思議ですね。
▼忌み言葉「お返事」の言い換え
「お返事」の言い換えは「 ご一報」
▼忌み言葉「また」の言い換え
「また」の言い換えは「改めて」
▼忌み言葉「悲しい」の言い換え
「悲しい」の言い換えは「せつない」
▼忌み言葉「忘れる」の言い換え
「忘れる」の言い換え例文
× 忘れることなく…
〇 いつまでも心にとどめ…
▼忌み言葉「はるばる」の言い換え
「はるばる」の言い換え例文
× 遠路はるばるお越し頂きまして…
〇 遠いところをお越し頂きまして…
▼忌み言葉「出る」の言い換え
「出る」の言い換え例文
× 家を出る
〇 新しい暮らしをはじめる
果物の梨(なし)は「無し」を想像させてしまうという理由から忌み言葉として捉えられています。
そのため、結婚式の披露宴などでお品書きに「ありの実(ありのみ)」と記すようになっています。
「無し」の反対で「有り」ということから「あり」の実と呼ぶようになったそうです。
▼忌み言葉「辞める」の言い換え
「辞める」の言い換えは「勤めあげる」
▼忌み言葉「辛い」の言い換え
「辛い」の言い換えは「楽ではない」
▼忌み言葉「戻る」の言い換え
「戻る」の言い換え例文
× 仕事に戻る
〇 仕事に復帰する
× こちらに戻る際…
〇 こちらに赴く(おもむく)際…
▼忌み言葉「日々」の言い換え
「日々」の言い換えは「毎日」
▼忌み言葉「時々」の言い換え
「時々」の言い換えは「たまに」
よく使われやすい忌み言葉の言い換え例をざっと紹介しましたが、忌み言葉同様にまだまだたくさんあります。
ですが、丸暗記して覚えるのは難しいと思いますし「こうやって言い換えられるな」と、なんとなくイメージすることが大切だと思います。
忌み言葉を使ってしまったそのときは
忌み言葉の一覧や、言い換え例をご覧になって、気を抜くとうっかり使ってしまいそうな忌み言葉もあると感じたのではないでしょうか。
ですが忌み言葉のすべてを絶対に使ってはダメ、となるとかなり難しいものです。
結婚式や葬儀、特定のシーンで使用を避ける言葉ではありますが、使ってしまう可能性もあると思います。
もしうっかり忌み言葉を使ってしまった場合でも、悪気があって使うわけではないので素直にお詫びの言葉を述べるようにしましょう。
例)「失礼いたしました」
忌み言葉をまったく気にしないのも問題ですが、気にしすぎるのもかえって不自然になってしまいます。
「方言を気にしすぎると上手くしゃべれない」というのと同じで、気にしすぎに注意しましょう。
病気で入院中の方を励ます際、ネガティブな言葉よりも前向きでポジティブな言葉を選ぶのが一般的だと思いますし、そこまで忌み言葉にとらわれることはありません。
むしろ忌み言葉より気をつけないといけないのが「話題のエピソード」です。
たとえば「長い間ご入院なさっており…」という文章、直接的にこれが忌み言葉という言葉はありませんが、マイナスイメージを抱かせてしまいます。
「病院」や「病気」の話題は決してポジティブとはいえません。
このような前向きでない話題は避けるべきでしょう。
忌み言葉チェックランキング
「これは確かによく使われてしまう」と感じた忌み言葉を終活.comが独自にランキング化してみたので、おさらいもかねてチェックしておきましょう。
第1位「いよいよ」→言い換えは「ついに」
第2位「また」→言い換えは「改めて」
第3位「次に」→言い換えは「その後」または「後(あと)」
第4位「くれぐれも」→言い換えは「どうか」
第5位「続いて」→言い換えは「同様に」
第6位「去年」→言い換えは「昨年」
第7位「帰る」→言い換えは「失礼する」「帰省する」「帰宅する」
第8位「とうとう」→言い換えは「これから」※「ついに」でも可
第9位「日々」→言い換えは「毎日」
第10位「返事」→言い換えは「一報」
いかがだったでしょうか?
あなたが感じる忌み言葉が入っていたのではないでしょうか。
ちなみに「いよいよ」を1位にした理由としては、一般的な重ね言葉だということ、葬儀や結婚式において緊張感から自身の心の声が表に出てしまいそうだと感じたからです。
結婚式シーンでの新婦の父親:「いよいよ結婚なのか…」
葬儀シーンでの喪主:「いよいよ次は喪主挨拶か…」
※「」は心の声です
「頭が真っ白になる」という状態があるように、人は緊張しすぎると「思っていることをそのまま口にしやすくなる」といわれています。
適度な緊張は大切ですが、緊張しすぎは失敗のもと!
まとめ
忌み言葉について紹介しました。
忌み言葉とは簡単にいうとNGワードです。
忌み言葉の使用を避ける理由:日本では昔から言霊(ことだま)という言葉があるように、言葉(日本語)には霊が宿っていて、特別な力があると考えられてきたため
忌み言葉に関して、基本的には次のように頭に入れておくとよいでしょう。
▼結婚式シーン(慶事)
夫婦の離婚や再婚を連想させる言葉がNG
▼葬儀シーン(弔事)
葬儀:不幸や不吉、死を連想させる言葉がNG
※結婚式・葬儀共通して重ね言葉
忌み言葉をすべて覚えようとするのではなく、「これは縁起が悪い言葉かな」ぐらいのイメージで頭に入れておくとよいでしょう。
たとえば結婚式や病気見舞い、葬儀の場で「死ぬ」という言葉は大人であれば誰も使いませんし、受験生へのメッセージに「落ちる」は使用を避けるものです。
一般的な常識で考えれば特に悩むこともないと思います。
結婚式のスピーチや葬儀での弔辞で、ご自身が考えた文面が不安であれば、身内の年配者やブライダル会社・葬儀社の担当者に一度添削してもらうとよいでしょう。
ご自身だけのチェックでも十分に素敵なスピーチかもしれませんが、チェックしてもらうことは全然恥ずかしいことではありません。
結論:『忌み言葉は気にしすぎず、言い換える言葉があるかを探す努力をすることが大切』
ほどよく意識していれば、きっとそれぞれの役割を無事に果たすことができると思います。
今回の忌み言葉もそうですが、各シーンにおいてマナーは常に隣り合わせです。
例えば、葬儀の花として知られる供花(きょうか・くげ)を送るタイミングにもマナーが関係します。
下記事で供花に関して詳しくまとめていますので、一度読んでみてください。