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「年金だけで老後は暮らしていけるのだろうか」——多くの方が一度は感じる不安ではないでしょうか。老後資金の準備は、早く始めるほど選択肢が広がります。
物価が上がり続ける中、年金額も毎年見直されていますが、生活費の伸びに追いついているとは言い切れないのが実情です。
不安な気持ちが大きくなると思いますが、現状を正しく知り、少しずつ準備すれば、安心してセカンドライフを迎えることができます。
この記事では、日本年金機構や総務省統計局などの公的データをもとに、年金だけで老後資金が足りるのかを具体的な数字で確認し、無理のない準備方法を一緒に考えていきます。
目次
年金だけでは老後資金は足りない?最新家計収支から見る現実

2026年度の年金額はどのくらい?
日本年金機構によると、令和8年度(2026年度)の年金額は前年度から国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引き上げとなりました。
令和8年度の年金額の例(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)として、国民年金(老齢基礎年金(満額))月額70,608円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)月額237,279円が挙げられています。
厚生年金については、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準、昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額・1人分)は月額70,408円となっております。
ご自身が将来受け取れる年金額の目安は、厚生労働省の公的年金シミュレーターで手軽に試算できますので、一度確認しておくと安心です。
実際の家計は毎月いくら不足しているのか
総務省統計局の家計調査(2025年)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、可処分所得が月約22.2万円であるのに対し、消費支出は月約26.4万円。
つまり、毎月約4.2万円の赤字が生じている計算になります。
一人暮らしの高齢者世帯(65歳以上単身無職世帯)でも、可処分所得は月約11.8万円、消費支出は月約14.8万円と、毎月約3.0万円の不足が生じています。
「年金だけで老後」を乗り切るのは、実はどちらの世帯でもなかなか難しいというのが現実なのです。
ただ、これは「平均」の話です。ご自身の年金見込額や生活スタイルによって不足額は変わりますので、まずは現状を知ることから始めましょう。
夫婦世帯と単身世帯別の必要老後資金シミュレーション

厚生労働省の簡易生命表(令和6年)によると、65歳時点の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年となっています。
つまり、65歳でリタイアした後も20〜25年前後の生活が続く可能性が高いということです。この年数をもとに、毎月の赤字額を掛け合わせてみましょう。
■ 夫婦世帯の必要老後資金シミュレーション(毎月赤字4.2万円の場合)
| 老後の期間 | 65歳〜85歳(20年) | 65歳〜90歳(25年) | 65歳〜95歳(30年) |
|---|---|---|---|
| 必要な準備額の目安 | 約1,008万円 | 約1,260万円 | 約1,512万円 |
■ 単身世帯の必要老後資金シミュレーション(毎月赤字3.0万円の場合)
| 老後の期間 | 65歳〜85歳(20年) | 65歳〜90歳(25年) | 65歳〜95歳(30年) |
|---|---|---|---|
| 必要な準備額の目安 | 約720万円 | 約900万円 | 約1,080万円 |
かつて話題になった「老後資金2,000万円問題」は、より長い老後期間を想定した試算でした。
物価などの最新のデータで見直すと金額は変動しますが、いずれにせよ現時点では1,000万円前後の備えが目安になると考えておくと、心づもりがしやすくなります。
持ち家か賃貸か、老後をどのように過ごしたいか、医療・介護費用の見込みによっても必要額は変わりますので、ご自身の状況に合わせて考えていきましょう。
老後資金を効率的に準備する具体的な方法

「そんなに貯められるだろうか」と不安になった方もいらっしゃるかもしれません。でも、一気に準備する必要はありません。
複数の方法を組み合わせることで、無理なく着実に近づいていけます。
① 就労期間を延ばす
令和7年の年金制度改正により、令和8年度からは在職老齢年金の基準額が月51万円から月65万円に引き上げられました。
これまでより「働いても年金が減りにくく」なったため、体力や希望に応じて働く期間を延ばすことも、有力な選択肢のひとつです。
② 支出を見直す
総務省統計局の消費者物価指数(CPI)を見ながら、家計のどこにインフレの影響が出やすいかを把握しておくことも大切です。
固定費(住居費・保険料・通信費など)を見直すだけでも、毎月の赤字幅を縮められることがあります。
③ 資産形成制度を活用する
就労収入や節約だけでなく、税制優遇のある制度を使って資産を育てる方法もあります。次の章で詳しくご紹介します。
iDeCo・NISAなどおすすめの資産形成術
「投資は怖い」と感じる方も多いと思いますが、国が用意している税制優遇制度をうまく使えば、リスクを抑えながら老後資金を育てることができます。
| 制度 | NISA(新NISA) | iDeCo(個人型確定拠出年金) |
|---|---|---|
| 特徴 | 運用益が非課税。いつでも引き出し可能 | 掛金が全額所得控除の対象。原則60歳まで引き出し不可 |
| 向いている人 | 柔軟に使えるお金を育てたい方 | 老後資金として着実に積み立てたい方 |
| 注意点 | 元本保証ではない | 途中で資金を引き出せない |
金融庁のライフプランシミュレーターでは、毎月の積立額に応じた将来の資産額を試算できますので、まずは無理のない金額でシミュレーションしてみることをおすすめします。
なお、公的年金等を受け取る際の税金については、国税庁のページで確認できますので、あわせてチェックしておくと安心です。
実は、少額から始められる制度がほとんどです。「まとまったお金がないと始められない」と思い込まなくて大丈夫ですよ。
老後資金準備の始め方・ステップ

何から手をつければよいか迷う方のために、始めやすい順番でまとめました。
- 年金見込額を確認する:厚生労働省の公的年金シミュレーターや「ねんきんネット」で、将来の受給額を把握しましょう。
- 毎月の不足額を試算する:現在の生活費と年金見込額を比べ、おおよその赤字額を出してみましょう。
- 目標額を決める:本記事のシミュレーション表を参考に、ご自身の老後期間に合わせた目標額を設定しましょう。
- 無理のない範囲で積立を始める:NISAやiDeCoなど、ご自身に合った制度を少額から試してみましょう。
- 定期的に見直す:物価や年金制度は毎年改定されるため、年に一度は状況を確認しましょう。
おひとりさまで老後を迎える方は、資金準備に加えて、身の回りのことを託せる人や仕組みを整えておくこともより重要になります。おひとりさまの終活については、別記事でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
最後に|今から始める老後資金対策で安心のセカンドライフを
ここまで、年金だけでは老後資金がやや不足しがちであるという現実と、その対策を見てきました。
数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、早めに知って、少しずつ準備を始めることが何よりの安心につながります。
老後資金の準備は、エンディングノートの作成や資産の整理といった、終活全体の取り組みとも深くつながっています。
資産管理やエンディングノートについての記事もあわせてご覧いただくと、より具体的なイメージが持てるはずです。
ご自身のペースで、できるところから始めていきましょう。
📊 まずは無料で試算・確認してみませんか
老後資金の準備は、ご自身の年金額や生活費を「知る」ことから始まります。以下の公的機関のツールは、どなたでも無料で使えます。
▶ 厚生労働省 公的年金シミュレーター(将来の年金見込額を試算)
▶ 金融庁 ライフプランシミュレーター(積立による資産形成を試算)
▶ iDeCo公式サイト(制度の詳細を確認)
▶ 日本年金機構(年金制度全般の確認)
不安を一人で抱えず、まずは現状を数字で確認するところから始めてみてください。









