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卒塔婆料の表書きは「御塔婆料」です。——ここまでは、調べればすぐ出てきます。ところが実際に封筒を前にすると、次の疑問が来ます。裏には何を書くのか。中袋があるときはどうするのか。名前は誰の名前を書くのか。金額は漢数字なのか。お布施と同じ封筒でよいのか。何本も申し込むときは。この記事は、その全部にそのまま真似できる記入例で答えます。封筒の図を4パターン、旧字体の早見表、複数本の計算表まで用意しました。
この記事の結論
- 表書きは「御塔婆料」(「卒塔婆料」「お塔婆料」でも可)
- 薄墨は使いません。濃い墨(黒)で書きます
- 封筒は白無地でよい。水引はなくて構いません
- 裏面には住所・氏名・金額を書くと丁寧です
- お布施とは別の封筒にするのが基本です
- 金額・本数・宗派の扱いは菩提寺が決めています。迷ったら聞くのがいちばん早い
この記事でわかること
- 卒塔婆料とは何か、お布施との違い
- 「卒塔婆料」「御塔婆料」「お塔婆代」の使い分け
- 封筒の表面・裏面・中袋それぞれの記入例
- 名前の書き方(個人・連名・会社)
- 旧字体漢数字の早見表
- やってしまいがちな間違い10
- 複数本を申し込むときの書き方
- 渡し方・タイミングと、そのときの言葉
- お寺への聞き方(電話の言い方つき)
- 卒塔婆に書かれている文字の意味
- 卒塔婆の種類と大きさ
- いつ立てるか(年忌の早見表)
- 行けないときの申し込み方
- 渡し忘れ・金額の間違いへの対応
まず確認|卒塔婆料の基本
| 表書き | 御塔婆料(卒塔婆料/お塔婆料/塔婆料でも可) |
|---|---|
| 墨の濃さ | 濃い墨。薄墨は使いません |
| 封筒 | 白無地の封筒でよい |
| 水引 | なくて構わない |
| お布施との関係 | 別の封筒にするのが基本 |
| 誰に渡すか | 寺院(住職) |
| いつ渡すか | 法要の当日、または申し込みのとき |
| 金額 | 寺院が1本あたりの額を定めていることが多い |
最初に確認していただきたいこと
ここから先の書き方は一般的な形です。ただし卒塔婆については、そもそも立てるかどうか、金額、申し込みの期限まで、菩提寺の考え方によって変わります。ネットの情報より、お寺に一本電話するほうが確実で早い——これが結論です。電話での聞き方は、記事の後半に用意しました。
卒塔婆・卒塔婆料とは?お布施との違い
卒塔婆(そとうば)は、お墓のうしろなどに立てる細長い板です。「塔婆(とうば)」とも呼ばれます。梵字、戒名、経文、年忌、施主名、日付などが書かれます。
| 卒塔婆料 | お布施 | |
|---|---|---|
| 何に対するものか | 卒塔婆を書いて用意していただくことに対して | 読経・供養へのお礼(本来は喜捨) |
| 金額 | 寺院が定めていることが多い | 気持ちで包む形が基本 |
| 本数で変わるか | 変わる(本数×単価) | 変わらない |
| 表書き | 御塔婆料 | 御布施 |
| 墨 | 濃い墨 | 濃い墨 |
| 封筒 | 別にする | 別にする |
「金額が決まっているかどうか」がいちばんの違いです
お布施は本来「気持ち」なので、いくらと決まっているものではありません。一方、卒塔婆料は「1本◯◯円」と寺院が定めていることが多くあります。これは卒塔婆という物を用意していただくためです。だから卒塔婆料は聞いてよいのです。「おいくらでしょうか」と尋ねて失礼になりません。
「卒塔婆料」「御塔婆料」「お塔婆代」の使い分け
| 表書き | 使えるか | ひとこと |
|---|---|---|
| 御塔婆料 | 最も一般的 | 迷ったらこれ |
| 卒塔婆料 | 使える | 正式な言い方 |
| お塔婆料 | 使える | やわらかい印象 |
| 塔婆料 | 使える | 「御」があるとより丁寧 |
| 御塔婆代 | 使われることがある | 「料」のほうが一般的 |
| 御布施 | 卒塔婆料としては使わない | 別のもの |
どれを書いても意味は通じます。迷ったら「御塔婆料」にしてください。地域や寺院によって呼び方の習慣が違うことはありますが、これで失礼になることはありません。
卒塔婆料の封筒の書き方
書く場所は3か所です。表面の上段(表書き)、表面の下段(名前)、裏面(住所・氏名・金額)。中袋がある場合は、中袋に金額と住所氏名を書きます。
| 場所 | 書くこと | 必須か |
|---|---|---|
| 表面・上段 | 御塔婆料 | 必須 |
| 表面・下段 | 施主の氏名(または「◯◯家」) | 必須 |
| 裏面・左下 | 住所・氏名・金額 | あると丁寧 |
| 中袋・表 | 金額(旧字体漢数字) | 中袋がある場合 |
| 中袋・裏 | 住所・氏名 | 中袋がある場合 |
縦書きが基本です
表書きも名前も縦書きにします。筆ペンで構いません。薄墨は使いません。薄墨は「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味を表すもので、香典に使われます。卒塔婆料は供養をお願いするためのものなので、濃い墨で丁寧に書きます。
封筒の表面|記入例
表面(縦書き・白無地の封筒)
山田 太郎
上段に「御塔婆料」、下段に施主の氏名を書きます
- 上段の「御塔婆料」は、やや大きめに書く
- 下段の名前は、表書きより少し小さめに書く
- 中央にそろえる
- フルネームで書く(姓だけでも通じるが、フルネームが丁寧)
- 「◯◯家」と書く形もある(家として申し込む場合)
- ボールペンではなく筆ペンを使う
封筒の裏面|記入例
裏面(左下に寄せて縦書き)
東京都◯◯区◯◯一丁目二番三号
山田 太郎
金額・住所・氏名を、封筒の左下に寄せて書きます
裏面を書く理由
お寺は同じ日に何件もの卒塔婆を扱います。誰からいくら受け取ったかが分かる形になっていると、寺院側の管理がとても楽になります。必須ではありませんが、書いておくほうが確実で、丁寧です。とくに複数の親族がそれぞれ申し込む法要では、書いておかないと取り違えが起こり得ます。
中袋がある場合の書き方
| 書く場所 | 書く内容 | |
|---|---|---|
| 中袋の表 | 中央 | 金 伍阡圓也(旧字体漢数字) |
| 中袋の裏 | 左下 | 住所・氏名 |
| 外袋の表 | 上段・下段 | 御塔婆料・氏名 |
| 外袋の裏 | 中袋があれば書かなくてよい | — |
中袋の表
(中央に大きく)
中袋がある場合、金額は中袋の表に書きます
中袋がなくても問題ありません
白無地の封筒1枚で十分です。中袋のある不祝儀袋を使った場合だけ、この書き方になります。またお札を入れる向きに厳格な決まりはありませんが、肖像がある面を表・上にそろえて入れると整います。
名前の書き方|個人・連名・会社
| 状況 | 書き方 | 注意 |
|---|---|---|
| 施主ひとりで申し込む | フルネーム | いちばん多い形 |
| 家として申し込む | ◯◯家 | 「家」の字まで書く |
| 夫婦で申し込む | 世帯主のフルネーム+左に配偶者の名 | 姓は1回でよい |
| 兄弟で連名 | 右から年長順に3名まで | 4名以上は「◯◯家一同」 |
| 親族一同 | ◯◯家一同/親族一同 | 別紙に全員の名を書いて同封する形も |
| 会社として | 会社名+代表者名 | 役職を右肩に小さく |
連名にするか、別々に包むかは先に決めてください
卒塔婆は申し込んだ人ごとに立てるのが基本です。つまり3人が別々に申し込めば3本になり、卒塔婆料も3本分になります。連名で1本にするのか、それぞれ1本ずつ立てるのか。ここを決めずに当日を迎えると、本数と金額が合わなくなります。親族間で先に相談してください。
卒塔婆料の金額の書き方|旧字体漢数字・アラビア数字
| 旧字体漢数字 | アラビア数字 | |
|---|---|---|
| 丁寧さ | より丁寧 | 略式 |
| 書き換えの防止 | できる | できない |
| 使ってよいか | 基本はこちら | 使っても失礼ではない |
| 書き方の例 | 金伍阡圓也 | 金5,000円 |
| 「也」 | つけるのが丁寧 | つけなくてよい |
アラビア数字でも失礼にはなりません
旧字体が正式ですが、読み間違いを防ぐという意味では、はっきり書けることのほうが大事です。字に自信がなければ、「金5,000円」と書いても構いません。実際、そのように書かれる方は少なくありません。大切なのは、いくら入っているかが確実に伝わることです。
旧字体漢数字の早見表
| 数字 | 旧字体 | 数字 | 旧字体 |
|---|---|---|---|
| 1 | 壱 | 6 | 六 |
| 2 | 弐 | 7 | 七 |
| 3 | 参 | 8 | 八 |
| 4 | 四 | 9 | 九 |
| 5 | 伍 | 10 | 拾 |
| 1,000 | 阡(仟) | 10,000 | 萬 |
| 円 | 圓 | — | 也(末尾につける) |
| 金額 | 書き方 |
|---|---|
| 3,000円 | 金参阡圓也 |
| 5,000円 | 金伍阡圓也 |
| 10,000円 | 金壱萬圓也 |
| 20,000円 | 金弐萬圓也 |
| 30,000円 | 金参萬圓也 |
| 50,000円 | 金伍萬圓也 |
※ 表は書き方の例です。実際にお包みする金額は、菩提寺の定めにしたがってください。
卒塔婆料に使う封筒・水引の選び方
| 封筒の種類 | 使えるか | ひとこと |
|---|---|---|
| 白無地の封筒 | 最も一般的 | これで十分です |
| 郵便番号枠のない白封筒 | よい | 枠があるものは避けたい |
| 「御布施」と印刷された封筒 | 卒塔婆料には使わない | 別のもの |
| 蓮の花が印刷された袋 | 仏式なら使える | 神式・キリスト教式には使わない |
| 黒白の水引 | 地域により使う | なくても構わない |
| 双銀の水引 | 地域により使う | — |
| 黄白の水引 | 関西などで使われる | 地域の慣習にしたがう |
| 赤白の水引 | 使わない | 慶事用です |
迷ったら「白無地・水引なし」でよい理由
卒塔婆料はお寺にお納めするものであって、香典のように「不幸に対して贈るもの」ではありません。そのため水引は必須ではなく、白無地の封筒で十分です。ただし地域によって慣習があるので、親族に「うちはどうしている?」と一言聞いておくと安心です。
やってしまいがちな間違い10
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 薄墨で書いてしまう | 濃い墨で書く(薄墨は香典) |
| 表書きを「御布施」にする | 「御塔婆料」にする |
| お布施と同じ封筒に入れる | 封筒を分ける |
| 赤白の水引を使う | 慶事用なので使わない |
| 郵便番号枠のある封筒を使う | 白無地の封筒を使う |
| 金額を書かない | 裏面か中袋に書く(丁寧) |
| 名前を書き忘れる | 表面下段に施主名を書く |
| 横書きで書く | 縦書きにする |
| 本数を確認せずに包む | 本数×単価で用意する |
| 当日いきなり申し込む | 事前に申し込む(書くのに時間がかかる) |
最後の1つが、いちばん実害があります
卒塔婆は、住職が一本ずつ手書きで用意されるものです。当日に「お願いします」と言っても間に合わないことがあります。法要の日程が決まったら、その時点で本数を伝えて申し込んでください。目安として、遅くとも法要の1週間前までには連絡しておくと確実です。
卒塔婆料の金額相場|1本あたりいくら?
金額は「相場」ではなく「そのお寺の定め」で決まります
卒塔婆料は、多くの寺院が1本あたりの金額を定めています。これはお布施と違い、卒塔婆という物を用意していただく対価にあたるためです。したがって「相場はいくらか」を調べるより、菩提寺に直接聞くほうが正確です。そして聞いても失礼になりません。本記事で金額を掲載していないのは、地域と寺院による差が大きく、目安を示すとかえって誤解を生むためです。
| 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 1本あたりの金額 | 「お塔婆は1本おいくらでしょうか」 |
| 本数の数え方 | 「申し込むのは1人1本でよろしいでしょうか」 |
| 申し込みの期限 | 「いつまでにお伝えすればよいでしょうか」 |
| 渡すタイミング | 「当日にお渡しすればよろしいでしょうか」 |
| お布施との扱い | 「お布施とは分けてお持ちすればよいでしょうか」 |
| そもそも立てるか | 「お塔婆はお立てするものでしょうか」 |
複数本を申し込むときの計算と書き方
| 状況 | 本数 | 封筒 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 施主が1本 | 1本 | 1通 | 単価×1 |
| 施主が家族の分もまとめて | 人数分 | 1通にまとめてよい | 単価×本数 |
| 兄弟がそれぞれ申し込む | 各1本 | 各自1通ずつ | 各自 単価×1 |
| 親族一同で1本 | 1本 | 1通 | 単価×1 |
| 施主が取りまとめて集金 | 人数分 | 1通 | 単価×本数 |
まとめて申し込む場合の裏面の書き方(例)
金弐萬圓也(4本分)
東京都◯◯区◯◯一丁目二番三号
山田 太郎
※ 別紙に、卒塔婆に書いていただく名前を一覧にして同封すると確実です。
名前の一覧を紙に書いて渡してください
複数本を申し込むときは、誰の名前で立てるのかを紙に書いて渡すのが最も確実です。口頭で伝えると、聞き間違いや書き間違いが起こります。「山田太郎」「山田花子」「山田一郎」のように、フルネームを縦に並べた紙を1枚。これだけで当日のやり取りが減ります。
お布施と一緒に渡す場合・別にする場合
封筒は分ける(基本)
- 「御布施」と「御塔婆料」で2通
- 金額の性格が違うため
- 寺院側の管理もしやすい
- 切手盆に2通並べて渡す
お寺の指示がある場合
- 「一緒で構いません」と言われることがある
- その場合は指示にしたがう
- 迷ったら事前に確認する
- これで失礼にはならない
分けるのが基本。ただしお寺の言い方が優先です
お布施と卒塔婆料は性格が違うので、封筒を分けるのが基本です。ただし寺院によっては「まとめて構いません」と言われることがあります。その場合は、その言葉にしたがってください。形式より、そのお寺のやり方に合わせることのほうが大切です。
宗派による卒塔婆の考え方の違い
| 宗派 | 卒塔婆 | ひとこと |
|---|---|---|
| 多くの仏教宗派 | 立てる | 追善供養として用いられる |
| 浄土真宗 | 原則として立てない | 追善供養の考え方が異なるため |
| 神式 | 立てない | 仏教の作法です |
| キリスト教式 | 立てない | 同上 |
浄土真宗のお寺に卒塔婆料を持参しないでください
浄土真宗では、亡くなった方はすぐに浄土に生まれるという教えのため、追善供養としての卒塔婆を立てないのが一般的です。知らずに用意して持参すると、双方が気まずくなります。ご自身の家の宗派が分からない場合は、まず菩提寺に確認してください。「お塔婆はお立てするものでしょうか」と聞けば大丈夫です。
卒塔婆料の渡し方・タイミング
| 場面 | 渡すタイミング | ひとこと |
|---|---|---|
| 法要の当日 | 法要の前の挨拶のとき | 最も一般的 |
| 法要の当日 | 法要が終わったあと | これでも構わない |
| 事前に申し込むとき | 申し込みの際に一緒に | 寺院により |
| お墓参りのとき | 寺務所で申し込むとき | お彼岸・お盆など |
- 切手盆(小さなお盆)にのせて渡すのが丁寧
- 切手盆がなければ袱紗(ふくさ)の上にのせて差し出す
- 手渡しでも失礼ではない
- 相手から見て文字が読める向きにして差し出す
- 両手で差し出す
- 渡すときは一言添える(次の項参照)
渡すときの言葉(例)
「本日はどうぞよろしくお願いいたします。
お塔婆をお願いいたしました分でございます。
こちらはお布施でございます。」
※ 長い口上は必要ありません。この程度で十分です。
申し込みの手順|いつまでに・誰に
- 法要の日程が決まったら、まずお寺に連絡するこの時点で卒塔婆の話をします。当日では間に合わないことがあります。
- 本数を確定する誰が申し込むかを親族に確認し、人数をまとめます。
- 名前の一覧を用意する卒塔婆に書いていただくお名前をフルネームで。紙に書いて渡すと確実です。
- 1本あたりの金額を確認する「お塔婆は1本おいくらでしょうか」と聞いて構いません。
- 本数×単価で封筒を用意するお布施とは別の封筒にします。
- 当日、法要の前の挨拶で渡す切手盆か袱紗にのせて、両手で差し出します。
目安は「1週間前まで」
卒塔婆は住職が一本ずつ手書きされます。遅くとも法要の1週間前までには本数と名前を伝えておくと確実です。お彼岸やお盆は申し込みが集中するため、さらに早めに連絡してください。
立てたあとの卒塔婆はどうなるか
| 疑問 | 一般的な扱い |
|---|---|
| いつまで立てておくのか | 決まりはない。傷んできたら下げる |
| 古いものはどうするか | 寺院や霊園が回収し、お焚き上げなどで処分する |
| 自分で処分してよいか | まず寺院・霊園に確認する |
| 持ち帰れるか | 通常は持ち帰りません |
| 毎回立てるのか | 年忌法要・お彼岸・お盆などの節目に立てることが多い |
| 立てなければいけないか | 義務ではありません |
古い卒塔婆をご自身で処分しないでください
供養のために立てたものなので、ごみとして出すことは避けてください。多くの寺院・霊園には古い卒塔婆を集める場所が設けられています。どこに置けばよいか分からない場合は、寺務所や管理事務所に聞いてください。
迷ったときのお寺への聞き方
電話の言い方(そのまま使えます)
「お世話になっております。◯◯家の◯◯と申します。
◯月◯日の◯回忌の法要の件でお電話いたしました。
お塔婆をお願いしたいのですが、
何本お願いできるかと、1本おいくらかを教えていただけますでしょうか。
また、いつまでにお伝えすればよろしいでしょうか。」
聞くことは、失礼ではありません
「金額を聞くのは失礼ではないか」と気にされる方が多いのですが、卒塔婆料に関しては聞いて構いません。寺院側も金額を定めていることが多く、聞かれることに慣れています。むしろ確認しないまま用意して足りないほうが、双方にとって困ります。
卒塔婆に書かれている文字の意味【表面・裏面】
お墓のうしろに立っている板に、何が書かれているのかを知っている方は多くありません。意味が分かると、申し込むときに何を伝えればよいかもはっきりします。
| 書かれているもの | 意味 | 誰が決めるか |
|---|---|---|
| いちばん上の切り込み | 五輪塔の形をかたどったもの(上から空・風・火・水・地) | 形として決まっています |
| 梵字(ぼんじ) | 五大や仏を表す文字 | 宗派によって異なります |
| 経文の一句 | お経の一節 | 寺院が決めます |
| 戒名(法名) | 供養する方の戒名 | 位牌と同じものです |
| 年忌(何回忌か) | 一周忌・三回忌などの区分 | 申し込むときに伝えます |
| 施主名 | 卒塔婆を立てる人の名前 | 申し込む人が伝えます |
| 日付 | 法要を行う日 | 寺院が入れます |
申し込むときに伝えるのは、この3つだけ
すべてを自分で用意する必要はありません。伝えるのは「誰の供養か(戒名)」「何回忌か」「立てる人の名前」の3つ。あとは寺院が書いてくださいます。戒名が分からない場合は、位牌か過去帳を写真に撮って持参するのがいちばん確実です。
卒塔婆の種類と大きさ
卒塔婆にはいくつか種類があり、場面によって使うものが違います。単価が変わることもあるため、申し込む前に確認しておくと安心です。
| 種類 | 読み方 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 板塔婆 | いたとうば | 最も一般的。年忌法要やお彼岸に立てます |
| 角塔婆 | かくとうば | 四角い柱状。建碑や特別な法要で使われます |
| 経木塔婆 | きょうぎとうば | 薄い木の札。水塔婆とも呼ばれます |
| 水塔婆 | みずとうば | 水回向(施餓鬼など)で使います |
| 七本塔婆 | しちほんとうば | 四十九日までの中陰に用いる地域があります |
| 梢付塔婆 | うれつきとうば | 葉のついた木を使う地域の習慣です |
※ どの種類を用いるかは宗派・地域・寺院の考え方によって異なります。迷ったら菩提寺に「どのお塔婆になりますか」と確認してください。
大きさで金額が変わることがあります
板塔婆は長さに何種類かあり、大きいものは単価が上がる場合があります。またお墓の卒塔婆立てに入る長さが決まっていることもあるため、「うちのお墓に合う大きさはどれですか」と聞いておくと、当日に困りません。
卒塔婆を立てる場面はいつか【年忌の早見表】
「いつ立てるものなのか」が分かりにくいという声が多い部分です。決まりではありませんが、次の場面で立てるのが一般的です。
| 場面 | 時期 | 立てることが多いか |
|---|---|---|
| 四十九日 | 亡くなってから49日目 | 立てます |
| 納骨 | 四十九日に合わせることが多い | 立てます |
| 一周忌 | 亡くなった翌年 | 立てます |
| 三回忌 | 亡くなった年から数えて3年目(満2年) | 立てます |
| 七回忌 | 満6年 | 立てます |
| 十三回忌・十七回忌 | 満12年・満16年 | 立てることが多いです |
| 二十三回忌以降 | 家や寺院の考え方による | 省く家もあります |
| お彼岸 | 春・秋 | 立てる家があります |
| お盆 | 夏 | 立てる家があります |
| 施餓鬼会 | 寺院の年中行事 | 経木塔婆を用いる地域があります |
年忌の数え方を間違えやすい
一周忌は「満1年」ですが、三回忌は「満2年」です。三回忌以降は亡くなった年を1回目として数えるため、年数が1つずれます。申し込むときに「何回忌ですか」と聞かれて迷ったら、「亡くなったのが◯年◯月です」と伝えれば、寺院が判断してくださいます。
お墓が遠い・当日行けないときの申し込み方
遠方に住んでいて法要に行けない、体調が優れない——そうした場合でも卒塔婆だけを立てていただくことはできます。
| 方法 | 手順 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電話で申し込み、現金書留で送る | 寺院に電話 → 本数と名前を伝える → 現金書留 | 現金を普通郵便で送ることはできません |
| 振込で納める | 口座を教えていただけるか確認します | 受け付けていない寺院もあります |
| 親族に託す | 封筒を渡し、当日代わりに納めてもらう | 誰の名前で立てるかを明記します |
| 後日、墓参のときに納める | 先に電話で伝えておきます | お礼の一言を添えます |
| 霊園の管理事務所に相談 | 寺院墓地でない場合の窓口です | 取り扱いがあるか確認します |
現金書留に同封する手紙の例
拝啓 このたびは◯◯の三回忌にあたり、お塔婆を一本お願い申し上げます。
当日は所用により伺うことができず、失礼いたします。
お塔婆に記していただくお名前は「山田 太郎」でお願いいたします。
同封のもの、お納めくださいますようお願い申し上げます。 敬具
渡し忘れた・金額を間違えたときの対応
| 起きたこと | どうするか |
|---|---|
| 当日、渡すのを忘れた | 後日、電話でお詫びして持参するか郵送します |
| 金額が足りなかった | 気づいた時点で連絡し、不足分を納めます |
| 多く入れてしまった | そのままで差し支えありません |
| 本数を間違えて伝えた | 早めに連絡します。書き始める前なら直せます |
| 名前の漢字が違っていた | その場で伝えて構いません。失礼にはあたりません |
| お布施と同じ封筒に入れた | 次回から分けます。その場では何も言わなくて構いません |
| 薄墨で書いてしまった | 書き直せるなら書き直します。当日なら気にしすぎないでください |
間違えても、たいていは取り返しがつきます
お寺は、こうした行き違いに慣れています。黙って済ませるより、「先日は失礼いたしました」と一言添えて対応するほうが、はるかに良い形になります。いちばん避けたいのは、気まずさから連絡しないまま次の法要を迎えることです。
よくある質問
- 卒塔婆料の表書きは何と書けばよいですか。
- 「御塔婆料」が最も一般的です。「卒塔婆料」「お塔婆料」「塔婆料」でも構いません。「御布施」とは書きません。別のものだからです。薄墨ではなく濃い墨(筆ペン)で、縦書きにしてください。
- 封筒は何を使えばよいですか。
- 白無地の封筒で十分です。水引はなくて構いません。郵便番号の枠が印刷されたものは避けてください。地域によって黒白や黄白の水引を使う慣習があるので、気になる場合は親族に「うちはどうしている?」と聞いておくと安心です。赤白の水引は慶事用なので使いません。
- 裏面には何を書きますか。
- 金額・住所・氏名を、封筒の左下に寄せて縦書きします。必須ではありませんが、書いておくほうが丁寧です。お寺は同じ日に何件もの卒塔婆を扱うため、誰からいくら受け取ったか分かる形になっていると確実です。中袋がある場合は、中袋の表に金額、裏に住所氏名を書きます。
- 金額は旧字体で書かないといけませんか。
- いいえ。「金5,000円」のようにアラビア数字で書いても失礼にはなりません。旧字体(金伍阡圓也)が正式ですが、大切なのはいくら入っているかが確実に伝わることです。字に自信がなければ、はっきり読める書き方を選んでください。
- 卒塔婆料はいくら包めばよいですか。
- 菩提寺にお尋ねください。卒塔婆料は多くの寺院が1本あたりの金額を定めており、これはお布施と違って「物を用意していただく対価」にあたるためです。聞いても失礼になりません。「お塔婆は1本おいくらでしょうか」で通じます。地域と寺院で差が大きいため、本記事では金額を掲載していません。
- お布施と同じ封筒に入れてもよいですか。
- 分けるのが基本です。「御布施」と「御塔婆料」で2通用意し、切手盆に並べて渡します。ただし寺院によっては「まとめて構いません」と言われることがあり、その場合はその言葉にしたがってください。迷ったら事前に確認するのがいちばん確実です。
- 何本申し込めばよいですか。
- 卒塔婆は申し込んだ人ごとに立てるのが基本です。施主が1本、参列する兄弟がそれぞれ1本ずつ、という形が一般的です。連名で1本にするか、それぞれ立てるかを親族間で先に決めてください。決めずに当日を迎えると、本数と金額が合わなくなります。
- 複数本まとめて申し込むときはどう書きますか。
- 封筒は1通で構いません。裏面に「金弐萬圓也(4本分)」のように本数を添えて書き、卒塔婆に書いていただくお名前をフルネームで一覧にした紙を同封してください。口頭で伝えると聞き間違いが起こります。
- いつまでに申し込めばよいですか。
- 遅くとも法要の1週間前までを目安にしてください。卒塔婆は住職が一本ずつ手書きされるため、当日では間に合わないことがあります。お彼岸やお盆は申し込みが集中するので、さらに早めに連絡してください。
- 渡すタイミングと渡し方を教えてください。
- 法要の前の挨拶のときに渡すのが最も一般的です。終わったあとでも構いません。切手盆にのせて、なければ袱紗の上にのせて、相手から見て文字が読める向きで両手で差し出します。「お塔婆をお願いいたしました分でございます」と一言添えれば十分です。
- 卒塔婆を立てない宗派はありますか。
- 浄土真宗では原則として立てません。亡くなった方はすぐに浄土に生まれるという教えのため、追善供養としての卒塔婆を用いないのが一般的です。神式やキリスト教式でも立てません。ご自身の家の宗派が分からない場合は、菩提寺に「お塔婆はお立てするものでしょうか」と確認してください。
- 古い卒塔婆はどうすればよいですか。
- ご自身で処分せず、寺院や霊園にお任せください。多くの場所に古い卒塔婆を集める場所が設けられており、お焚き上げなどで処分されます。どこに置けばよいか分からない場合は、寺務所や管理事務所にお尋ねください。ごみとして出すことは避けてください。
まとめ|卒塔婆料は菩提寺に確認しながら準備すると安心
ここまでの内容を、封筒を前にしたときに思い出せる形で並べておきます。
表面の上段に「御塔婆料」、下段に施主のフルネーム。裏面の左下に金額・住所・氏名。墨は濃い墨で、縦書き。封筒は白無地で、水引はなくて構いません。お布施とは別の封筒にします。金額は旧字体(金伍阡圓也)が正式ですが、アラビア数字でも失礼にはなりません。
複数本を申し込むときは、封筒は1通でよいので、裏面に本数を添え、名前の一覧を紙に書いて同封してください。渡すのは法要前の挨拶のときに、切手盆か袱紗にのせて両手で。申し込みは、遅くとも1週間前までに。
そして、いちばんお伝えしたいこと。金額も、本数の数え方も、そもそも卒塔婆を立てるかどうかも、菩提寺が決めています。調べるより、電話を1本かけるほうが確実で早いのです。「お塔婆は1本おいくらでしょうか」「いつまでにお伝えすればよろしいでしょうか」。この2つを聞けば、迷う部分はほとんどなくなります。
聞くことは失礼ではありません。確認しないまま用意して足りないほうが、双方にとって困ります。安心して尋ねてください。
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本記事は、編集部が公開情報および一般的な作法をもとにまとめたものです。卒塔婆を立てるかどうか、1本あたりの金額、申し込みの期限、渡すタイミング、封筒や水引の扱いは、宗派・地域・寺院によって異なります。本記事の内容は一般的な形を示したものであり、すべての寺院に当てはまるものではありません。実際の準備にあたっては、必ず菩提寺にご確認ください。金額については、地域と寺院による差が大きく目安を示すとかえって誤解を生むため、本記事では掲載していません。特定の寺院・霊園・仏具店・葬儀社の紹介や順位付けは行っていません。

























