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「任意後見制度に興味はあるけれど、実際にどうやって手続きするのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。
任意後見契約の手続きは、大きく分けると「公証役場での契約締結」「登記」「判断能力低下後の申立て」の3つのステップです。この記事では、法務省・厚生労働省・裁判所の公式資料をもとに、流れ・必要書類・費用を順を追って解説します。
任意後見制度の基本については、「任意後見制度とは?おひとりさまが今すぐ備えるべき理由」もあわせてご覧ください。
目次
任意後見契約の手続き全体の流れ

任意後見制度を利用するための手続きは、大きく次の2段階に分かれます。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
- 元気なうちに:任意後見契約を公正証書で締結し、登記する
- 判断能力が低下したら:家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、任意後見を開始する
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ①|任意後見契約を結ぶ(公証役場での手続き)

まず「任意後見受任者」を決める
最初に、将来後見人になってもらう方(任意後見受任者)を決めます。家族・友人・知人のほか、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家に依頼することもできます。誰を選ぶかについては、このシリーズの別記事「任意後見人は誰に頼む?」で詳しく解説しています。
公証役場に相談・予約する
任意後見契約は、必ず公証人が作成する公正証書によって締結しなければなりません。口約束や自筆の書面では法的効力が生じません。まずはお近くの公証役場に相談・予約の連絡をしてください。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
公証役場への相談窓口については、日本公証人連合会(TEL:03-3502-8050)または全国の公証役場でご確認いただけます。
(出典:同上)
契約内容を決める
公証役場での相談を経て、任意後見契約の内容を具体的に決めます。主に決めておく事項は以下のとおりです。
- 任意後見受任者は誰か
- 任せる事務の範囲(財産管理・生活・療養看護に関する手続きなど)
- 任意後見人への報酬の有無・金額
- 本人の生活に関する希望(自宅で暮らし続けたいなど)
公正証書を作成・署名する
内容が決まったら、本人と任意後見受任者がそろって公証役場に出向き、公証人の面前で公正証書に署名・押印します。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)と印鑑が必要です。
東京法務局に登記される
公正証書が作成されると、公証人の嘱託によって東京法務局に任意後見契約の内容が登記されます。この登記によって、任意後見受任者の権限などが公的に記録されます。申請者が手続きする必要はなく、公証人が行います。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
ステップ②|判断能力が低下したら「任意後見監督人の選任」を申し立てる

本人の判断能力が低下してきた段階で、任意後見受任者等が家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者などです。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
家庭裁判所が任意後見監督人(主に弁護士・司法書士などの専門家)を選任した時点で、任意後見契約の効力が生じ、任意後見人として活動がスタートします。
(出典:裁判所「任意後見監督人選任」)
なお、任意後見受任者は、本人の判断能力が低下した場合には速やかに申立てをすることが求められます。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
任意後見契約の公正証書作成にかかる費用

公正証書の作成にかかる費用の目安は以下のとおりです。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
| 費用の種類 | 金額 |
|---|---|
| 公正証書作成の基本手数料 | 11,000円 |
| 登記嘱託手数料 | 1,400円 |
| 法務局に納付する印紙代 | 2,600円 |
| その他(証書代・切手代など) | 実費 |
上記のほかに、任意後見監督人選任の申立て費用が別途必要になります。また、契約内容によっては任意後見人への報酬、任意後見監督人への報酬(家庭裁判所の判断による)が発生します。費用の詳細はシリーズの別記事「任意後見の費用相場」で詳しく解説します。
(出典:同上)
手続きの流れをまとめると

- 任意後見受任者を決める
- 公証役場に相談・予約
- 契約内容(任せる事務の範囲・報酬など)を決める
- 公証役場で公正証書に署名・押印
- 公証人の嘱託により東京法務局に登記(自動)
- 判断能力低下後:家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申立て
- 監督人選任と同時に任意後見スタート
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット、厚生労働省「成年後見はやわかり」)
まとめ
- 任意後見契約は必ず公正証書で。公証役場で公証人が作成します。(出典:法務省民事局「成年後見制度」パンフレット)
- 登記は公証人が自動で行う。本人が法務局に行く必要はありません。(出典:同上)
- 任意後見のスタートは監督人選任のとき。契約締結後すぐに始まるわけではありません。(出典:裁判所「任意後見監督人選任」)
- 公正証書作成費用は約15,000円〜。監督人選任費用・報酬は別途必要です。(出典:法務省民事局「成年後見制度」パンフレット)
任意後見制度と法定後見制度の違いについては、前の記事「任意後見と法定後見の違い|認知症になる前にやるべきこと」もあわせてご覧ください。
📞 まずは公証役場・専門家に相談を
手続きに不安がある方は、お近くの公証役場や司法書士・弁護士への相談をおすすめします。初回相談を無料で受け付けている窓口も多くあります。
▶ 法務省「任意後見制度 Q&A」
▶ 厚生労働省「任意後見制度とは(手続きの流れ・費用)」
▶ 裁判所「任意後見監督人選任の手続き」
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