葬祭扶助とは?生活保護の葬儀費用はいくら?申請方法と流れを解説

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葬儀の費用が用意できない。そういう状況に置かれたときに使えるのが葬祭扶助という制度です。生活保護法にもとづくもので、火葬に必要な最低限の費用が支給されます。ただし、この制度には決定的な条件がひとつあります。それは「葬儀を行う前に申請しなければならない」ということです。先に葬儀を済ませてしまうと、原則として支給を受けられません。この記事では、使える条件、金額の目安、対象になる費用、そして申請の手順を順に整理します。

先にいちばん大事なことをお伝えします

葬祭扶助は、必ず葬儀を行う前に福祉事務所へ相談・申請してください。葬儀が済んだあとに申請しても、原則として認められません。「支払える資力がなかった」という前提が崩れてしまうためです。いま急いでいる方は、葬儀社に依頼する前に、まず福祉事務所へ電話してください。夜間や休日で連絡がつかない場合は、その旨を葬儀社に伝えたうえで、翌開庁日の朝いちばんに連絡してください。

この記事の結論

  • 葬祭扶助は生活保護法にもとづく制度。火葬に必要な最低限の費用が支給される
  • 使えるのは2つのパターン。故人が受給者だった場合と、葬儀を行う人に資力がない場合
  • 金額の目安は大人でおおむね20万円前後。地域と年度で変わる
  • 通夜・告別式は対象外。火葬のみを行う形(直葬)になる
  • 申請は必ず葬儀の前。ここを外すと支給されない
  • 健康保険の葬祭費・埋葬料とはまったく別の制度

この記事でわかること

  1. 葬祭扶助とはどんな制度か
  2. 使えるのはどんなときか(2つのパターン)
  3. 支給される金額の目安
  4. 対象になる費用・ならない費用
  5. 申請から葬儀までの流れ
  6. 申請のタイミングで気をつけること
  7. 健康保険の葬祭費との違い
  8. 断られたとき、生活保護を受けていない場合
  9. 基準額はどう決まるか
  10. 扶助で行う葬儀の当日の流れ
  11. 扶養義務者への照会
  12. 申請でつまずく5つの場面
  13. 遺骨の行き先
  14. よくある質問12問

葬祭扶助とはどんな制度か

根拠となる法律生活保護法
目的葬祭を行う費用を負担できない場合に、必要最低限の葬祭を行えるようにする
実施する機関福祉事務所(市区町村または都道府県)
支給の形現金給付ではなく、葬祭に必要な費用として支給される
対象となる範囲検案、遺体の運搬、火葬または埋葬、納骨その他葬祭のために必要なもの
申請のタイミング葬儀を行う前

「生活保護の8つの扶助」のひとつです

生活保護には、生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助という区分があります。葬祭扶助はそのひとつで、葬儀にかかる費用を担当する部分です。故人が生活保護を受けていなくても、葬儀を行う人の側の事情で使える場合があります。この点は誤解が多いところです。

使えるのはどんなときか|2つのパターン

パターン1パターン2
状況葬儀を行う人(喪主など)に資力がない故人に扶養義務者がおらず、遺留した金品で葬祭費用をまかなえない
誰が申請するか葬儀を行う親族など家主・施設長・民生委員など、葬祭を行う人
典型例子が生活保護を受けており、親の葬儀費用を出せない身寄りのない方が亡くなり、遺留金だけでは足りない
審査で見られること申請者本人の収入・資産故人の遺留金品、扶養義務者の有無

パターン1が見落とされがちです

故人が生活保護を受けていなくても、葬儀を行う人が費用を負担できない場合には対象になり得ます。逆に、故人が生活保護を受けていても、葬儀を行う親族に資力があれば認められないことがあります。「故人が受給者かどうか」ではなく、「葬祭費用を負担できる人がいるかどうか」で判断される、と考えてください。

使える人・使えない人

状況可能性ひとこと
葬儀を行う人が生活保護を受けている高い担当のケースワーカーにまず相談を
生活保護は受けていないが、収入も貯蓄もほとんどないあり得る諦めずに福祉事務所へ相談する
身寄りのない方が亡くなり、遺留金が足りない高い家主・施設長・民生委員なども申請できる
葬儀を行う親族に十分な収入・資産がある難しいその親族が負担できると判断される
故人に十分な預貯金がある難しいまずその遺留金を充てることになる
すでに葬儀を済ませてしまった原則不可これが最も多い失敗
通夜と告別式を行いたい対象外葬祭扶助の範囲では行えない

葬祭扶助で支給される金額の目安

区分基準額の目安
大人(12歳以上)おおむね20万円前後
子ども(12歳未満)おおむね16万円前後

※ 編集部が公開情報をもとにまとめた目安です。基準額は地域(級地)や年度によって異なり、改定されることがあります。実際の金額は必ず福祉事務所にご確認ください。

金額の考え方は「上限の範囲内で実費」です

基準額がそのまま支給されるわけではありません。実際にかかった費用を、基準額の範囲内で支給するという考え方です。したがって、基準額より安く済めば、その実費分だけが支給されます。逆に基準額を超えた分は、原則として自己負担になります。

対象になる費用・ならない費用

対象になるもの対象にならないもの
遺体の扱い検案、遺体の運搬特別な保全処置
火葬に必要な最低限のもの装飾のあるもの、高価なもの
火葬火葬料
骨壺最低限のもの装飾のあるもの
儀式通夜・告別式の費用
祭壇・供花対象外
宗教者へのお礼対象外
会食対象外
返礼品対象外
お墓・納骨納骨に必要な範囲墓石の購入、永代供養の契約料

※ 対象範囲の細かい取扱いは自治体によって異なる場合があります。必ず福祉事務所にご確認ください。

葬祭扶助で行える葬儀の形

対象になるのは火葬に必要な最低限のものだけです。したがって、実際に行われるのは直葬(火葬式)と呼ばれる形になります。

形式内容葬祭扶助で可能か
直葬(火葬式)通夜も告別式も行わず、火葬のみこれになる
一日葬通夜を省き、告別式と火葬を1日で対象外
家族葬近しい人だけで通夜と告別式を行う対象外
一般葬広く参列者を招く対象外

火葬場でのお別れの時間は取れます

直葬でも、火葬の前に炉の前でお別れをする時間は設けられるのが一般的です。数分から十数分ですが、手を合わせ、言葉をかけることはできます。「何もできない」わけではありません。希望があれば、葬儀社に事前に伝えておいてください。

「通夜・告別式ができない」ということ

気持ちの整理について

儀式ができないことに、申し訳なさを感じる方が多くいます。けれども、お別れの仕方に優劣はありません。後日、落ち着いてから自宅で手を合わせる、四十九日に近しい人だけで集まる、写真を飾って過ごす。形式がなくても、弔うことはできます。費用をかけられなかったことを、ご自身の責任として抱え込まないでください。

  • 火葬前のお別れの時間を取ってもらう
  • 後日、自宅で写真を飾って手を合わせる
  • 四十九日の頃に、近しい人だけで集まる
  • お骨は自宅に置いておくこともできる(手元供養)
  • 納骨は急がなくてよい。期限はありません
  • 費用の見通しが立ってから、後日あらためて法要を行う方もいます

葬祭扶助の申請から葬儀までの流れ

  • 亡くなったことを確認する(死亡診断書・死体検案書を受け取る)病院や医師から交付されます。
  • ★葬儀社に依頼する前に、福祉事務所へ連絡するここが最重要です。「葬祭扶助を利用したい」と伝えてください。生活保護を受けている方は、担当のケースワーカーへ。
  • 相談・申請を行う状況を伝え、申請書を提出します。窓口で必要書類を案内されます。
  • 葬儀社に「葬祭扶助を利用する」と伝える対応している葬儀社であれば、内容と手続きを調整してもらえます。福祉事務所から紹介を受けられる場合もあります。
  • 支給の可否が決定される収入・資産、遺留金品、扶養義務者の有無などが確認されます。
  • 火葬を行う死亡届の提出と火葬許可証の取得が必要です。葬儀社が代行してくれることが多くあります。
  • 費用の支払い多くの場合、福祉事務所から葬儀社へ直接支払われます。喪主が立て替える必要がない形です。
  • 納骨納骨に必要な範囲は対象になる場合があります。急ぐ必要はありません。

申請のタイミングで特に気をつけたいこと

この制度でいちばん多い失敗は、順番の取り違えです

「まず葬儀社に依頼し、あとから福祉事務所に相談する」。これをやってしまうと、支給されません。すでに葬儀の契約をして費用を支払った(または支払う約束をした)ということは、「その費用を負担できる状態だった」と判断されうるからです。順番は、必ず福祉事務所が先です。

時間帯どうするか
平日の日中すぐ福祉事務所へ電話する
夜間・休日葬儀社に「葬祭扶助を申請予定」と必ず伝え、契約を進めない
病院から搬送を急かされている搬送だけ依頼し、葬儀の契約はしない。事情を葬儀社に伝える
すでに搬送・安置しているこの段階なら間に合うことが多い。すぐ相談を
すでに火葬を済ませた原則として認められない

申請に必要なもの

  • 申請書(窓口で受け取ります)
  • 死亡診断書または死体検案書の写し
  • 申請する人の本人確認書類
  • 故人との関係が分かるもの(戸籍など。求められる場合)
  • 申請する人の収入・資産の状況が分かるもの(通帳など)
  • 故人の遺留金品の状況が分かるもの
  • 葬儀社の見積書(求められる場合)
  • 生活保護を受けている場合は、その受給者証など

※ 必要書類は自治体によって異なります。電話で相談した際に、必ず確認してください。

申請先はどこか

状況申請先
申請者が生活保護を受けている担当のケースワーカー(所管の福祉事務所)
申請者が生活保護を受けていない申請者の居住地を所管する福祉事務所
故人が生活保護を受けていた故人を所管していた福祉事務所
身寄りがなく、家主や施設が行う故人の居住地を所管する福祉事務所
どこか分からない市区町村の代表電話に「葬祭扶助の相談」と伝える

審査で見られること

確認される点内容
申請者の収入葬祭費用を負担できる状態か
申請者の資産預貯金など、充てられるものがあるか
故人の遺留金品まずこれを葬祭費用に充てることになる
扶養義務者の有無ほかに費用を負担できる親族がいないか
受け取れる給付健康保険の葬祭費・埋葬料などがあるか
葬儀の内容必要最低限の範囲に収まっているか

故人の預貯金は、まず葬祭費用に充てることになります

故人に預貯金などが残っている場合、その範囲でまず葬祭費用をまかない、不足する分について扶助が検討されるのが基本です。「預貯金があるから絶対に使えない」ということではなく、足りない分が対象になると理解してください。金額を隠さず、正確に伝えることが結果的にいちばん早く進みます。

香典や保険金はどう扱われるか

扱い
香典一般に収入として認定されない取扱いとされています
健康保険の葬祭費・埋葬料葬祭費用に充てるものとして扱われます
故人の預貯金まず葬祭費用に充てることになります
生命保険金受取人や内容により扱いが異なります

※ 具体的な取扱いは自治体や個別の事情によって異なります。必ず福祉事務所にご確認ください。

健康保険の「葬祭費」との違い

名称が似ているため取り違えが非常に多い2つです。まったく別の制度です。

葬祭扶助葬祭費・埋葬料
根拠生活保護法健康保険の制度
対象葬祭費用を負担できない人加入者が亡くなった場合、葬儀を行った人
資力の要件あるない(誰でも申請できる)
申請先福祉事務所市区町村(国保・後期高齢者)/保険者(会社の健康保険)
申請のタイミング葬儀の前葬儀の後
金額基準額の範囲内で実費保険者ごとに定額
時効2年

葬祭費・埋葬料は「申請しないともらえません」

健康保険の葬祭費(会社の健康保険では埋葬料)は、資力の要件がなく、誰でも申請できます。ところが申請しなければ支給されず、時効は2年です。忘れやすい手続きの代表格で、実際に請求されないまま終わっている例が少なくありません。葬祭扶助を使わなかった方も、こちらは必ず確認してください。都道府県別の金額や申請方法は、当サイトの別記事にまとめています。

相続放棄との関係

疑問考え方
相続放棄をしたら葬儀を行えないのか葬儀を行うこと自体は相続とは別の問題
故人の預貯金を葬儀費用に使ってよいか使い方によっては相続を承認したとみなされるおそれがある
相続放棄を考えているお金に手をつける前に、必ず専門家に相談する

相続放棄を考えている方は、ここで止まってください

故人に借金がある可能性があり相続放棄を検討している場合、故人の預貯金を引き出して使うと、相続を承認したものとみなされるおそれがあります。そうなると相続放棄ができなくなり、借金も引き継ぐことになりかねません。お金に手をつける前に、家庭裁判所の手続案内、法テラス、または弁護士・司法書士にご相談ください。相続放棄の期限は、相続の開始を知った時から3か月です。

葬儀社への伝え方

  • 最初の電話で「葬祭扶助を利用予定です」とはっきり伝える
  • 福祉事務所に相談中であることも伝える
  • 相談が終わるまで契約はしないと明言する
  • 葬祭扶助での取扱い経験があるか確認する
  • 基準額を超える分がある場合、その金額を書面で示してもらう
  • 追加の物品やサービスをすすめられても、その場で決めない
  • 福祉事務所から葬儀社を紹介してもらえる場合もあるので、聞いてみる

その場で契約を求められたら、いったん止めてください

ご家族を亡くした直後は、判断が難しい状態です。「今決めないと」と急かされても、契約書に署名する前に一度止まってください。費用や内容で納得できない点があれば、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。相談は無料です。

断られたとき・不服があるとき

状況できること
要件に当てはまらないと言われた理由を具体的に聞き、書面で示してもらう
説明に納得できない審査請求などの不服申立ての方法を尋ねる
相談自体を受けてもらえない法テラスや弁護士会の相談窓口に相談する
どこに相談してよいか分からない市区町村の代表電話、または民生委員に相談する

生活保護を受けていないが、費用が出せない場合

方法内容
まず葬祭扶助を相談する生活保護を受けていなくても対象になり得る
健康保険の葬祭費・埋葬料を申請する誰でも申請できる。時効2年
直葬(火葬式)を選ぶ儀式を行わないことで費用を抑える
市区町村の火葬場を使う住民は料金が抑えられる場合がある
故人の遺留金を充てる相続放棄を考えている場合は先に専門家へ
市区町村の福祉窓口に相談する地域独自の支援がある場合がある

相談窓口・次のアクション

窓口相談できること費用
福祉事務所葬祭扶助の相談・申請(★まずここ)無料
市区町村の国民健康保険窓口葬祭費の申請無料
加入している健康保険の保険者埋葬料の申請無料
民生委員地域での相談の入口無料
家庭裁判所の手続案内相続放棄の手続き無料
法テラス法制度と相談先の情報提供情報提供は無料
消費生活センター(188)葬儀社との契約トラブル無料

基準額はどう決まるか|大人と子どもで違います

支給される額は「いくらでも出る」わけではなく、あらかじめ上限が決まっています。その上限は、次の2つで変わります。

決まり方内容
亡くなった方の年齢大人(12歳以上)と小人(12歳未満)で額が違います
お住まいの地域地域の区分によって額が変わります
実際にかかった費用上限の範囲内で、かかった額が支給されます
上限を超えた分支給されません。差額は自己負担になります
額の根拠国が定める基準にもとづきます

金額を確かめる、いちばん確実な方法

基準額は改定されることがあり、地域によっても違います。正確な額は、申請する福祉事務所で教えてもらうのがいちばん確実です。聞き方は「葬祭扶助の基準額はいくらになりますか」で通じます。葬儀社に見積もりを頼む前に、この額を知っておくと話が早く進みます。

上限を超えた分は自分で払うことになります

「葬祭扶助を使えば費用はかからない」と説明されることがありますが、正確には上限までしか出ません。祭壇を立てたい、参列者に料理を出したいといった希望を足すと、その分は全額が自己負担になります。まず「扶助の範囲でできる形」を葬儀社に確認してから、足すかどうかを考えてください。

葬祭扶助で行う葬儀の当日の流れ

実際に当日どう進むのかが分からず、不安に感じる方が多い部分です。火葬を中心とした、簡素だが必要なことは揃った形になります。

順番すること補足
1安置場所から出発します自宅・施設・安置施設から
2火葬場へ移動寝台車で運びます
3炉の前で最後のお別れ短い時間ですが、必ず設けられます
4火葬1時間半〜2時間ほど待ちます
5骨上げ(収骨)家族が行えます
6埋葬許可証を受け取る納骨に必要です。なくさないでください
7遺骨を持ち帰る納骨先が決まるまで自宅に置けます

お花や写真は、持ち込めば飾れます

扶助の対象には含まれませんが、ご自分で用意した花や写真を持ち込んで、お別れのときに添えることはできます。費用はほとんどかかりません。「何もしてあげられなかった」と後から悔やむ方が多いので、できる範囲で構いません。写真1枚でも、そこにあるだけで違います。持ち込みの可否は火葬場と葬儀社に確認してください。

扶養義務者への照会について

申請すると、「ほかに葬儀費用を出せる親族がいないか」を確認されます。ここで不安になる方が多いので、実際に何が行われるのかを整理します。

よくある不安実際は
親族全員に連絡が行く?状況に応じて、範囲が判断されます
疎遠な親族にも知られる?事情を先に伝えておくと配慮される場合があります
親族が出せると言ったら?扶助の対象外になります
親族が拒否したら?その事実をふまえて判断されます
連絡先が分からない親族は?分かる範囲で伝えれば足ります
自分に少し貯金がある申請者の資力も判断の対象になります

事情がある場合は、隠さずに伝えてください

長年の断絶、暴力があった、音信不通が続いている——そうした事情がある場合は、申請のときに正直に伝えてください。黙っていると、機械的に照会が進んでしまうことがあります。事情を説明すれば、範囲や方法について相談に応じてもらえる場合があります。言いにくいことですが、ここは伝えたほうが結果的に守られます。

申請でつまずく5つの場面と対処

つまずく場面何が起きるか対処
葬儀を先に済ませてしまった原則として申請できません必ず葬儀の前に相談します
どこの福祉事務所か分からない手続きが進みません市区町村の代表番号に電話すれば案内されます
葬儀社が扶助に対応していない断られることがあります福祉事務所に対応できる葬儀社を尋ねます
亡くなったのが夜間・休日窓口が開いていませんまず葬儀社に「扶助を使いたい」と伝え、開庁後すぐ連絡します
亡くなった場所と住所地が違うどこに申請するか迷いますまずどちらかの福祉事務所に電話して確認します

夜間・休日に亡くなった場合の動き方

いちばん多い不安がこれです。順番はこうです。
① 葬儀社に連絡し、「葬祭扶助を申請する予定です」と最初に伝える
② 搬送と安置だけを先に依頼する
火葬の予約は、福祉事務所に連絡がついてから
この順番なら、「申請前に葬儀を済ませてしまった」という事態を避けられます。

遺骨の行き先|引き取る人がいない場合

状況どうなるか
家族が引き取る自宅で保管できます。期限はありません
納骨先が決まっていない決まるまで自宅に置いて差し支えありません
お墓を用意できない合祀の永代供養なら費用を抑えられます
引き取る人がいない自治体が保管し、無縁の墓所などに納められます
納骨の費用が出せない納骨は扶助の対象に含まれる場合があります。確認してください
あとから引き取りたい自治体によって扱いが違います。早めに相談します

「納骨まで対象になりますか」と聞いてください

葬祭扶助には納骨に関する費用が含まれる場合があります。ただし扱いは自治体によって差があるため、申請のときに「納骨までは対象になりますか」と必ず確認してください。火葬までで終わりだと思い込んで、あとから遺骨の置き場所に困る——これがよくある流れです。

よくある質問

葬祭扶助はいくらもらえますか。
目安は大人でおおむね20万円前後、子ども(12歳未満)でおおむね16万円前後です。ただし地域(級地)と年度によって異なり、改定されることがあります。また基準額がそのまま支給されるのではなく、基準額の範囲内で実際にかかった費用が支給されるという考え方です。正確な金額は福祉事務所にご確認ください。
故人が生活保護を受けていないと使えませんか。
そんなことはありません。葬儀を行う人の側に資力がない場合も対象になり得ます。逆に、故人が受給者でも、葬儀を行う親族に資力があれば認められないことがあります。判断されるのは「故人が受給者か」ではなく「葬祭費用を負担できる人がいるか」です。
葬儀のあとで申請できますか。
原則としてできません。すでに葬儀を行ったということは、その費用を負担できる状態だったと判断されうるためです。必ず葬儀を行う前に福祉事務所へ相談してください。夜間や休日で連絡がつかない場合は、葬儀社に「葬祭扶助を申請予定」と伝え、契約を進めずに翌開庁日の朝に連絡してください。
通夜や告別式はできますか。
できません。葬祭扶助の対象は火葬に必要な最低限の費用のみで、通夜・告別式・祭壇・供花・会食・返礼品は対象外です。実際には直葬(火葬式)という形になります。ただし火葬の前に炉の前でお別れの時間を取ることは一般にできます。
お坊さんを呼べますか。
宗教者へのお礼は葬祭扶助の対象外です。呼ぶこと自体を禁じられるものではありませんが、その費用は自己負担になります。読経を希望される場合は、費用の見通しを先に確認してください。
故人に少し預貯金があります。使えませんか。
使えないとは限りません。まず故人の遺留金品を葬祭費用に充て、不足する分について扶助が検討されるのが基本です。金額を隠さず正確に伝えてください。そのほうが結果的に手続きが早く進みます。ただし相続放棄を考えている場合は、預貯金に手をつける前に専門家にご相談ください。
香典をもらったら、支給額が減りますか。
香典は一般に収入として認定されない取扱いとされています。ただし具体的な扱いは自治体によって異なる場合があるため、心配な場合は福祉事務所に確認してください。
健康保険の葬祭費と両方もらえますか。
この2つはまったく別の制度です。ただし葬祭費・埋葬料は葬祭費用に充てるものとして扱われるため、葬祭扶助の支給額に影響することがあります。いずれにしても、健康保険の葬祭費は申請しなければもらえず、時効は2年です。葬祭扶助を使わなかった方も、必ず市区町村または保険者に確認してください。
お金は自分で立て替える必要がありますか。
多くの場合、福祉事務所から葬儀社へ直接支払われます。喪主が立て替えなくてよい形です。ただし取扱いは自治体によって異なる場合があるため、相談時に確認してください。
身寄りのない人が亡くなりました。家主でも申請できますか。
できる場合があります。故人に扶養義務者がおらず、遺留した金品で葬祭費用をまかなえないとき、実際に葬祭を行う人が申請できる仕組みです。家主、施設長、民生委員などが該当し得ます。故人の居住地を所管する福祉事務所にご相談ください。
納骨はどうなりますか。
納骨に必要な範囲は対象になる場合がありますが、墓石の購入や永代供養の契約料は対象外です。なお納骨に法律上の期限はありません。お骨を自宅に置いておくこと(手元供養)もできます。費用の見通しが立ってから決めて構いません。
断られてしまいました。どうすればよいですか。
まず断られた理由を具体的に聞き、可能であれば書面で示してもらってください。納得できない場合は、審査請求などの不服申立ての方法を尋ねることができます。相談自体を受けてもらえないという場合は、法テラスや弁護士会の相談窓口、民生委員にご相談ください。

まとめ|葬祭扶助を申請するときの5つのポイント

最後に、この記事の要点を5つに絞ります。

1つめ。必ず葬儀の前に福祉事務所へ相談してください。これがすべての前提です。先に葬儀社と契約してしまうと、原則として支給されません。夜間や休日なら、葬儀社に「葬祭扶助を申請予定」と伝えて契約を進めず、翌開庁日の朝に連絡してください。

2つめ。故人が生活保護を受けていなくても対象になり得ます。判断されるのは「葬祭費用を負担できる人がいるかどうか」です。生活保護を受けていない方でも、収入も貯蓄もほとんどないなら、諦めずに相談してください。

3つめ。金額の目安は大人でおおむね20万円前後です。ただし地域と年度で変わり、基準額の範囲内で実費が支給されます。対象になるのは火葬に必要な最低限のもので、通夜・告別式・祭壇・会食・返礼品は対象外です。

4つめ。健康保険の葬祭費・埋葬料は、まったく別の制度です。こちらは資力の要件がなく誰でも申請できますが、申請しなければもらえず、時効は2年です。忘れずに確認してください。

5つめ。相続放棄を考えているなら、お金に手をつける前に相談してください。故人の預貯金を使うと、相続を承認したとみなされるおそれがあります。相続放棄の期限は、相続の開始を知った時から3か月です。

ご家族を亡くされた直後に、費用の心配までしなければならないのは、たいへんなことです。けれども、この制度は使うためにあります。遠慮せず、まず福祉事務所に電話してください。相談は無料です。

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本記事は、編集部が生活保護法および公的機関の公開情報をもとにまとめたものです。葬祭扶助の基準額は地域(級地)および年度によって異なり、改定されることがあります。本記事に記載した金額は目安であり、支給額を保証するものではありません。また支給の可否は個別の事情にもとづいて判断されます。対象となる費用の範囲や手続きの運用も自治体によって異なる場合があります。実際の申請にあたっては、必ずお住まいの地域を所管する福祉事務所にご相談ください。相続放棄をご検討の場合は、故人の財産に手をつける前に、家庭裁判所の手続案内、法テラス、または弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。葬儀社との契約に不安がある場合は、消費生活センター(消費者ホットライン188)にご相談いただけます。特定の葬儀社・サービスの紹介や順位付けは行っていません。

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