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親の聞こえが気になって調べ始めると、「補聴器」と「集音器」という2つの言葉が出てきます。値段は数千円から数十万円まで開いていて、見た目はよく似ている。何がどう違うのか分からないまま、通販サイトの安いものを買おうか迷っている——そこで手が止まる方は少なくありません。
結論から申し上げます。両者を分けているのは、性能でも値段でもなく「医療機器かどうか」です。補聴器は薬機法上の管理医療機器、集音器は医療機器ではありません。
そして、この一点から「その人の聞こえに合わせて調整するか、しないか」という決定的な差が生まれます。さらに医療費控除や自治体の助成が使えるのは補聴器だけです。この2つを知らずに値段だけで選ぶと、引き出しにしまわれる機器を1つ増やすことになります。
この記事でわかること
- 補聴器と集音器の法律上の違いと、そこから生まれる4つの差(調整・買う場所・公的制度・価格帯)
- どちらを選ぶべきか——状況別の早見表
- 補聴器・集音器それぞれの費用相場と、使える公的制度
- 「安いものを買って失敗した」が起きる3つの理由
- いきなり買わずに試す方法——貸出と返品保証のある選択肢
まずは30秒|どちらを検討すべきか
補聴器と集音器は、優劣ではなく用途で分かれます。当てはまる行だけ読んでも判断できます。
| ご自身・親の状況 | 検討するもの |
|---|---|
| まだ耳鼻咽喉科で聴力を測っていない | どちらでもなく、まず受診 |
| 検査で中等度以上の難聴と言われた | 補聴器 |
| 検査を受けたが「まだ補聴器の段階ではない」と言われた | 集音器も選択肢になる |
| テレビ・電話・来客のときだけ困る | 集音器 |
| 本人が「補聴器は嫌だ」と拒んでいる | 集音器から慣らすという道もある |
| 医療費控除や自治体の助成を使いたい | 補聴器のみ(集音器は対象外) |
| 片耳だけ/急に悪くなった/耳だれや痛みがある | 機器を買う前に受診 |
「まず受診」を飛ばさないでください
聞こえにくさの中には、耳あかを取るだけで戻るものが混ざっています。その場合、機器を買っても意味がありません。何にお金を使うかを決める前に、何が起きているかを知る順番です。詳しくは加齢性難聴のセルフチェックと受診の目安にまとめています。
補聴器と集音器は、法律上まったく別のもの
最初に、補聴器と集音器の法律上の位置づけを整理します。制度の話なので少し退屈に見えるかもしれませんが、この分類さえ分かれば、価格の差・買う場所の違い・公的制度が使えるかどうか、すべて理由がつながります。
補聴器は「管理医療機器」
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、補聴器を「普通の大きさの声で話される会話が聞き取りにくくなったときに、はっきりと聞くための管理医療機器」と説明しています(補聴器のやさしい解説)。
管理医療機器というのは、薬機法(旧・薬事法)に基づく分類です。販売するには営業所の管理者の届出が必要で、誰でも自由に売れる商品ではありません。
集音器は医療機器ではない
一方の集音器は、法律上は医療機器ではありません。位置づけとしては、周囲の音を大きくして耳に届ける家電製品に近いものです。届出も資格も不要で、通販でも家電量販店でも自由に売買できます。
この分類の違いから、実務上は「調整」「買う場所」「公的制度」「価格帯」の4点に差が出ます。表にすると次のとおりです。
| 補聴器 | 集音器 | |
|---|---|---|
| 法律上の分類 | 管理医療機器 | 医療機器ではない |
| 調整 | 聴力検査の結果に合わせて個別に調整する | 音量つまみなどを本人が操作する |
| 買う場所 | 補聴器販売店(認定補聴器専門店など) | 通販・家電量販店など |
| 医療費控除 | 条件を満たせば対象 | 対象外 |
| 手帳・自治体助成 | 対象になりうる | 対象外 |
| 価格帯の目安 | 片耳で数万円〜50万円程度と幅が大きい | 数千円〜6万円程度 |
いちばん大きな差は「調整」です
この表の6行のうち、実際の満足度を左右するのは「調整」の行です。
加齢性難聴では、高い音から先に聞こえにくくなります。つまり落ちているのは音全体ではなく、特定の高さの音だけです。補聴器は聴力検査の結果をもとに「どの高さの音をどれだけ持ち上げるか」を個別に設定します。
ところが集音器は、原則として周囲の音をまとめて大きくします。すでにちゃんと聞こえている低い音まで一緒に大きくなるため、「うるさいだけで、肝心のことばは相変わらず聞き取れない」という状態が起こりえます。買ったのに使わなくなる理由の多くは、ここにあります。
学会も「微細な調整は素人やコンピュータではできません」として、医師の方針と、言語聴覚士や補聴器技能者の技術が必要だと明記しています。
それでも集音器に意味がある場面
ここまで読むと「では補聴器一択では」と思われるかもしれません。しかし実際にはそうなりません。集音器が現実的な選択になる場面が、はっきり3つあります。
1. 検査で「まだ補聴器の段階ではない」と言われたとき
軽度の難聴では、補聴器を勧められないことがあります。困っているのに、補聴器は早いと言われる。この谷間の期間に、テレビや電話の場面だけを補う道具として集音器が使われます。
2. 本人が補聴器を強く拒んでいるとき
「補聴器=年寄りの証明」と受け取って拒む方は多くいます。拒まれ続けて何年も過ぎるより、まず耳に何かを入れることに慣れてもらうほうが先に進みます。実際、集音器で「聞こえるとこんなに楽なのか」と実感して、あらためて補聴器に進む方もいます。
3. 使う場面が限られているとき
一日中つけるのではなく、テレビを見るとき、来客のとき、病院の受付でだけ——そういう使い方なら、集音器で足りることがあります。
ただし、この3つには共通の前提があります
いずれも「聴力検査を受けて、難聴の種類と程度が分かっている」ことが条件です。学会は「自分自身や家族の判断で補聴器が必要か、効果があるかを正しく決めることはできません」と明記しています。検査を受けずに集音器を買うのは、視力を測らずに老眼鏡を買うのと同じことになります。
費用の話|「高いほどよい」ではありません
補聴器の価格
補聴器は片耳あたり数万円から50万円程度まで、非常に幅があります。両耳なら単純に倍になる点も見落とされがちです。
ただし、ここで学会の指摘を引いておきます。「価格には大きな開きがありますが、高ければよいというものではありません。家庭での使用が主な場合には低価格のもので十分な機能を備えています。正しく調整されているかどうかが重要です」——公式の説明です。
高額なモデルを勧められて迷ったときは、この一文を思い出してください。価格差の多くは、騒がしい場所や大人数の会話に対応する機能によるものです。自宅での会話とテレビが中心なら、そこにお金をかける必要は必ずしもありません。
価格差は、何の差なのか
「同じ補聴器なのに、なぜ5万円と40万円があるのか」——ここが分からないと、店頭で言われるままに上位機種を選んでしまいます。価格差の中身は、おおむね次のものです。
| 上位機種で強くなる部分 | 効いてくる場面 |
|---|---|
| 雑音を抑える処理の細かさ | 飲食店、駅、大人数の集まり |
| 正面の声を選んで拾う機能 | 向かい合っての会話が周囲の音に埋もれる場面 |
| ピーピー音(ハウリング)の抑制 | 帽子やマスクの着け外しが多い方 |
| スマートフォン連携など | 使いこなせる方に限られる |
並べてみると分かるとおり、価格差の大部分は「外出先の騒がしい環境」への対応です。自宅での会話とテレビが中心の生活なら、そこに数十万円をかける必然性はありません。逆に、まだ仕事や会合に出ている方なら、上位機種の価値は実際にあります。
判断の材料は「予算」ではなく「どこで、誰と話すときに困っているか」です。店頭ではこれを具体的に伝えてください。伝えないと、標準的な提案として上位機種が出てきます。
集音器の価格
数千円のものから6万円程度まであります。数千円台のものは、音量を上げるだけの単純な構造であることが多く、雑音がそのまま大きくなりやすい傾向があります。「安く試す」つもりが「使えないものを1つ買う」で終わることがあるのは、この価格帯です。
使える公的制度は補聴器だけ
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 医療費控除 | 補聴器相談医の「診療情報提供書」を得て認定補聴器専門店で購入した場合が対象 |
| 身体障害者手帳 | 高度以上の難聴が対象。認定されれば購入費の一部が支給される |
| 自治体の助成 | 手帳に該当しない方向けに独自に実施している市区町村がある |
| 集音器 | いずれも対象外 |
医療費控除には順番があります。学会が示している手順は、次の3段階です。
STEP 1
補聴器相談医を受診する
「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を作成してもらう
↓
STEP 2
認定補聴器専門店で購入する
書類を持参し、購入時に「写し」と「領収書」を受け取る
↓
STEP 3
確定申告で医療費控除として申告する
書類の写しと領収書は提出を求められることがあるため保管しておく
出典は日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の補聴器購入者が医療費控除を受けるためにです。
認定補聴器専門店もしくは認定補聴器技能者以外から購入した場合には、控除を受けることができません。先に買ってしまうと後追いできない点に注意してください。詳しくは国税庁の医療費控除のページもあわせてご確認ください。
補聴器を買うときの流れ
補聴器を選ぶ場合、通販で商品を選ぶのとは進み方がまったく違います。買った時点が終わりではなく、始まりだからです。ここを知らないと「思っていたのと違う」が起きます。
販売店は「紹介を受ける」のが基本
学会は「自分に最適な補聴器を選ぶために、補聴器相談医から販売店の紹介を受けてください」と案内しています。自分で店を探すのではなく、診察した医師から紹介してもらう流れです。
紹介先の多くは認定補聴器専門店で、ここには認定補聴器技能者が在籍しています。医療費控除を使う場合、この認定を受けた店で買うことが条件になります。制度を使うつもりなら、店選びの段階で決まってしまう話です。
一度で決まらないことが前提
補聴器は、買ったその日に完成しません。実際に生活の中で使ってみて、「この場面がまだ聞き取れない」「この音がうるさい」を持ち帰り、調整する——これを何度か繰り返して合わせ込みます。数週間から数か月かかることもあります。
学会が「微細な調整は素人やコンピュータではできません。医師の正しい方針と熟練した言語聴覚士、補聴器技能者などの技術が必要です」と書いているのは、この工程を指しています。通販で買って終わり、という商品とは構造そのものが違います。
裏を返せば、通いやすい距離にある店を選ぶことが実務的に重要だということです。片道1時間の店を選ぶと、調整のたびに往復2時間かかります。年配の方が何度も通えるかどうかは、機種の性能と同じくらい結果を左右します。
試聴や貸出は販売店にもある
多くの補聴器販売店は、購入前の試聴や一定期間の貸出を用意しています。数十万円の買い物を、試さずに決める必要はありません。店頭で「試せますか」と聞いてください。断られる店であれば、そこで買わないという判断もできます。
買ったあとも診てもらう
学会によれば、補聴器相談医は補聴器が決まったあとも、聴力が悪くなっていかないかの経過観察を行い、適切な使い方の指導もするとされています。加齢性難聴は少しずつ進むため、数年前に合わせた設定のままでは、いずれ合わなくなります。買い替えではなく再調整で済むことも多いので、まず相談してください。
失敗する買い方、うまくいく買い方
✕ 通販で一番売れている集音器を買う
○ 先に聴力検査を受けて、難聴の種類を確認する
✕ 家族が選んで、本人に渡す
○ 本人が実際に試して、本人が決める
✕ 一度つけて「合わない」とやめる
○ 数週間かけて、静かな家の中から慣らしていく
✕ 店頭で説明を聞いたその日に高額なものを決める
○ 持ち帰って考える。調整は何度も必要になる前提で選ぶ
上の4つのうち、3つ目の「一度つけて『合わない』とやめる」について補足します。長く聞こえにくい状態が続いた耳は、急に音が戻ると「うるさい」と感じます。これは機器が悪いのではなく、脳が慣れていないためです。集音器の販売元でも、慣れるまでに数週間を見込むよう案内している例があります。初日の感想だけで判断すると、ほぼ確実に失敗します。
よくある失敗 3つ
1. 検査を受けずに買い、合わずに引き出しへ
いちばん多い失敗です。伝音難聴なら治療で戻るかもしれず、感音難聴なら調整された機器が要る。その切り分けは検査をしないと分かりません。数千円の買い物でも、無駄になれば「もうこの手のものは要らない」という結論を本人の中に作ってしまいます。損失は金額だけではありません。
2. 「安いほうでいい」と最安値を選ぶ
数千円台の集音器は雑音がそのまま大きくなりやすく、「うるさいから使わない」で終わる確率が高い価格帯です。試すこと自体は正しいのですが、試す対象が悪いと「集音器は使えない」という誤った結論に行き着きます。
3. 本人が納得しないまま買う
家族がよかれと思って調べ、購入し、渡す。この形で買われた機器は引き出しにしまわれる確率が非常に高いです。聞こえの機器は、耳に入れる違和感を引き受けるのが本人である以上、本人が「これなら使ってもいい」と思わない限り使われません。
集音器を選ぶときに見る4つの点
集音器は種類が多く、値段の幅も大きい商品です。カタログの言葉だけでは差が分かりません。実際に使われ続けるかどうかを分けるのは、次の4点です。
1. 試せる仕組みがあるか
これが最も重要です。集音器は、本人の耳につけてみるまで合うかどうか分かりません。音の感じ方は個人差が大きく、レビューの星の数はほとんど参考になりません。
貸出があるか、返品保証があるか。どちらもない商品は、合わなかったときに丸ごと損失になります。この一点だけで候補はかなり絞れます。
2. 雑音への対処が書かれているか
安価な集音器の多くは、入ってきた音をそのまま大きくします。食器の音、テレビ、エアコン、外の車——全部が一緒に大きくなり、結果として会話が埋もれます。
商品説明に雑音を抑える仕組みや、音の方向を捉える構造について具体的な記述があるかを見てください。「高性能」「クリアな音質」といった言葉だけで、何をどうしているのか書かれていないものは、単純な増幅器である可能性が高くなります。
3. 形状を本人が受け入れられるか
| 形状 | 向いている点 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 耳かけ型 | 扱いやすく、落としにくい | 眼鏡やマスクと干渉する/目立つ |
| 耳あな型 | 目立ちにくい | 小さいので落としやすく、なくしやすい |
| イヤーカフ型 | 耳をふさがない/見た目が装身具に近い | 装着位置がずれると聞こえ方が変わる |
| 本体分離型 | 操作部が大きく、指先で扱いやすい | 持ち運びに向かない場合がある |
見落とされやすいのが手先の器用さです。小さい機器は、指先の感覚が落ちてくると扱えません。「目立たないもの」を優先した結果、朝つけられずに放置されるという失敗は珍しくありません。本人の手を見てから決めてください。
4. 電池式か、充電式か
電池式は電池交換が必要で、小さなボタン電池を毎回入れ替える作業が負担になることがあります。一方の充電式は交換不要ですが、充電を忘れると翌日使えません。
どちらが良いかは、本人の生活リズム次第です。毎晩決まった場所に物を置く習慣がある方なら充電式が向きます。逆に、予定に左右されやすい生活なら、電池を何個か持っておけるほうが確実です。
この4点で見ると、候補は自然に絞られます
「試せる仕組みがある」「雑音への対処が具体的に書かれている」「本人が扱える形」「生活に合う電源」——この4つを満たすものは、通販の検索結果の上位に並ぶ商品の中にはあまり残りません。
いきなり買う前に|先に試す方法と、買ってから返せる方法
ここまでの話をまとめると、集音器選びの要点は「買う前に、本人が実際に試せるかどうか」に集約されます。カタログの数値では判断できず、初日の感想でも判断できないからです。
その観点で、試し方の仕組みを持つ2社を取り上げます。この2つは「試す」の方向が正反対です。先に試すか、買ってから返すか。ここが選択の分かれ目になります。
買う前に10日間試せる|立体集音器みみ太郎
株式会社SinasSP シマダ事業所が製造する集音器です。特徴は人間の耳の形をかたどった「人工耳介」を使った構造で、音の方向や距離感が分かりやすいことを狙った設計になっています。開発から20数年、13万人以上が利用してきたとされています。
この記事の文脈で決定的なのは、10日間の無料貸出があることです。貸出専用機が送られてきて、返却時の送料だけを負担します。購入義務はなく、公式サイトには「試用中の汚れ・破損等を理由に購入を強制することは一切ございません」と明記されています。
もうひとつ、離れて暮らす家族にとって実務的な点があります。注文時に伝えれば、親の家に直接届けてもらえます。本人に試してもらうまでの手間が、電話1本ぶん減ります。
製品は耳掛け式・本体集音型・モバイル型があり、価格は55,000円〜80,300円(税込)の範囲です。貸出は全機種が対象で、どれが合うか分からない場合は申し込み前に相談できます。
買ってから45日間返せる|Cearvol
Cearvol(セアボル)は集音器のブランドで、小型で目立ちにくいことを軸にした製品をそろえています。イヤーカフ型、耳あな型、充電ケース一体型などがあり、価格は29,900円〜56,000円程度です。
こちらの試し方は逆方向で、購入後45日間の返品保証という形をとっています。届いてから45日以内であれば、購入代金の返金を受けられる仕組みです(送料・付属品の状態などの条件があります)。
注目したいのは、公式の返品ポリシーが「増幅された音に慣れるまで少なくとも3週間は使ってほしい」と案内している点です。前の章で書いた「初日の感想で判断すると失敗する」を、販売元自身が認めている形になります。45日という長さは、その慣らし期間を見込んだものだと読めます。
見た目を気にして拒む方には、この方向が現実的です。耳掛け式の存在感が受け入れられないケースで、選択肢として挙がってきます。
2つを並べて比べる
| みみ太郎 | Cearvol | |
|---|---|---|
| 試し方 | 買う前に10日間無料で貸出 | 買ってから45日間の返品保証 |
| 試すときの負担 | 返却送料のみ | いったん全額を支払う |
| 価格帯 | 55,000〜80,300円 | 29,900〜56,000円 |
| 設計の狙い | 人工耳介で音の方向・距離感を出す | 小型・目立ちにくさ |
| 見た目 | 耳掛け式・本体集音型など | イヤーカフ型・耳あな型 |
| 親の家に直送 | 依頼できる | 通常の配送先指定 |
| 向いている方 | 本人が乗り気でない/失敗したくない | 見た目が気になる/費用を抑えたい |
※価格・貸出条件・返品条件は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
※いずれも集音器であり、医療機器ではありません。難聴の治療を目的とするものではありません。
どちらを選ぶかの判断基準
迷う場合は、今いちばん引っかかっていることを1つ選んでください。それで決まります。
本人が乗り気でない/お金を出して失敗するのが怖い
→ みみ太郎(先に無料で試せます。合わなければ返すだけで、支出はほぼ発生しません)
「耳につけているのを人に見られたくない」と本人が言っている/費用を抑えたい
→ Cearvol(小型で目立ちにくく、3万円台から。合わなければ45日以内に返品できます)
※内容は変更される場合があります。申し込み前に各公式サイトで条件をご確認ください。
ケース別|こんなときどうする
耳鼻科で補聴器を勧められたが、金額に迷っている
まず、勧められたモデルが生活のどの場面に対応するためのものかを聞いてください。学会が言うとおり、家庭での使用が中心なら低価格帯で機能が足りることがあります。「自宅とテレビが中心なので、その範囲で十分なものを」と伝えて構いません。あわせて医療費控除の対象になるか、自治体の助成があるかも確認してください。
本人が「補聴器なんて要らない」と言い張る
正面から説得しても、たいてい平行線になります。効くのは、「買う」「つける」という言葉を使わずに始められる形です。
たとえば、無料の貸出で10日間だけ家に置いてみる。買う話をしていないので、断る理由がなくなります。切り出し方そのものに困っている場合は、親が終活をしない理由と切り出し方の考え方が応用できます。
離れて暮らしていて、一緒に選びに行けない
親の家に直送できる貸出を使い、電話で感想を聞くやり方が現実的です。そのとき「聞こえた?」ではなく、具体的な場面で聞いてください。「テレビの音量、いくつにした?」「電話は前より楽?」のほうが、状態が正確に分かります。
一度、安い集音器で失敗している
「集音器は使えない」という結論を本人が持っている状態です。同じ言葉で再提案しても拒まれます。失敗の原因が「調整できない安価なもので、雑音まで大きくなったこと」にあった可能性を伝えたうえで、無料で試せるものから入り直すのが穏当です。
補聴器を買ったのに、使っていない
すでに買ったものが引き出しに入っている——これは非常に多いケースです。捨てる前に、購入した販売店で再調整を受けられないか確認してください。
使われなくなる理由の多くは「うるさい」「ピーピー鳴る」「耳が痛い」で、いずれも調整や耳せんの交換で改善しうるものです。本人が「合わなかった」と言っていても、それは機器の失敗ではなく調整が途中で止まっただけ、という場合があります。数十万円を出したものであれば、確認する価値は十分あります。
本人が「ちゃんと聞こえている」と言い張る
加齢性難聴は進み方がゆるやかなので、本人には自覚が生まれにくいという特徴があります。「聞こえている」というのは嘘ではなく、本当にそう感じています。
この場合、聞こえの話をするより起きている事実を並べるほうが通じます。「インターホンに気づかなかった」「電話を折り返してくれなかった」——本人が困った経験のほうが、家族の指摘より説得力を持ちます。それでも動かないなら、無理に説得せず、検査だけ受けてもらう形に切り替えてください。数字が出ると、話が一段進みます。
両親とも聞こえにくい
二人分となると費用は倍になります。先に二人とも聴力検査を受けてください。程度が違えば必要なものも違い、片方は補聴器・片方は集音器という結論も普通にあります。まとめて同じものを買うのは、いちばん無駄が出やすい進め方です。
よくある質問
Q. 集音器で難聴は治りますか
治りません。集音器は音を大きくする機器であり、治療のためのものではありません。補聴器も同じで、聞こえを補うものであって、耳の機能を元に戻すものではありません。
Q. 補聴器と集音器、見た目で見分けられますか
見分けられません。形はよく似ています。確認すべきは商品説明に「管理医療機器」の表示があるかどうかです。表示がなければ集音器です。
Q. 集音器は医療費控除の対象になりますか
なりません。医療機器ではないためです。控除の対象は、補聴器相談医の診療情報提供書を得て認定補聴器専門店で購入した補聴器に限られます。
Q. 通販の安い集音器はやめたほうがいいですか
「絶対にだめ」ではありませんが、数千円台のものは雑音まで大きくなりやすく、使われなくなる確率が高いのは事実です。試すこと自体は正しいので、試す対象に返品や貸出の仕組みがあるかを基準にしてください。
Q. 片耳だけでいいですか
聞こえ方の左右差によります。両耳とも同じように落ちている場合、片耳だけだと音の方向が分かりにくくなることがあります。これも検査結果を見ないと判断できない部分です。
Q. つけたらすぐ楽になりますか
なりません。長く聞こえにくかった耳は、音が戻ると最初は「うるさい」と感じます。静かな家の中から始めて、数週間かけて慣らしてください。返品や貸出の期間は、この慣らし期間を見込んで設定されています。
Q. 補聴器の寿命はどれくらいですか
おおむね5年前後が目安とされますが、使い方と手入れで変わります。汗や湿気に弱いため、毎晩ケースで乾燥させる習慣があるかどうかで差が出ます。本体が壊れていなくても、聴力が変われば再調整が必要になります。
Q. 耳鼻科に行かずに補聴器店へ直接行ってもいいですか
順番としては勧められません。治療で治る難聴が混ざっていた場合、それを見つけられるのは医師だけだからです。学会も、補聴器相談医の診察を受けたうえで販売店の紹介を受ける流れを案内しています。医療費控除を使う場合も、受診が先になります。
Q. 集音器から補聴器に移ることはできますか
できます。むしろ集音器で「聞こえると楽だ」と実感したことをきっかけに、補聴器へ進む方は珍しくありません。順番として悪いものではありません。
Q. 集音器をつけると、かえって耳が悪くなりませんか
音量を上げすぎた状態で長時間使うことは、耳にとって負担になります。音量は「会話が聞き取れる最小限」に設定してください。大きくすれば聞こえるというものではなく、大きすぎると音が割れてかえって聞き取りにくくなります。
Q. 家族が使っていた補聴器を譲り受けて使えますか
勧められません。補聴器は、その人の聴力検査の結果に合わせて調整されたものだからです。他人の設定のまま使っても合いませんし、耳あなの形も人それぞれです。使うのであれば、販売店で自分の聴力に合わせて調整し直す必要があります。
Q. 家電量販店で買っても大丈夫ですか
集音器なら問題ありません。ただし補聴器で医療費控除を使いたい場合は、認定補聴器専門店で買う必要があります。店頭で「認定補聴器技能者がいるか」を確認してください。
まとめ
補聴器と集音器の違いは、突き詰めれば「医療機器かどうか」の一点です。そこから、調整の有無、買う場所、公的制度が使えるかという差が生まれます。
進める順番
- 耳鼻咽喉科で聴力を測る——ここを飛ばすと、あとの判断がすべて当てずっぽうになります
- 治せる難聴が混ざっていないか確認する——耳あかだけ、ということもあります
- 補聴器の段階か、そうでないかを医師に聞く——ここで進む道が分かれます
- 補聴器なら、制度を使えるか先に確認する——買ってからでは間に合いません
- 集音器なら、試せるものから始める——初日の感想では判断しない
もうひとつ、費用について。高い機種ほど良いわけではありません。価格差の多くは騒がしい外出先への対応であり、自宅での会話が中心なら、そこに大きな金額をかける必要はありません。「どこで、誰と話すときに困っているか」を店頭で具体的に伝えてください。伝えないまま相談すると、標準的な提案として上位機種が出てきます。
そして、いちばん大事なことをもう一度書いておきます。機器を選ぶのは本人です。家族ができるのは、選択肢を並べて、試せる形を用意するところまで。ここを取り違えると、どれだけ良いものを選んでも引き出しの中で終わります。
補聴器についての公式の解説は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の難聴でお困りの方へにまとまっています。近くの医療機関は耳鼻咽喉科専門医の検索ページから探せます。
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※本記事は一般的な情報の解説であり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。聞こえに不安がある場合は、必ず耳鼻咽喉科を受診してください。
※本記事で紹介している製品はいずれも集音器であり、医療機器ではありません。難聴の治療・改善を目的とするものではありません。
※価格・貸出条件・返品条件・保証内容は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
※医療費控除・身体障害者手帳・自治体の助成の取り扱いは変更される場合があります。詳細は税務署または市区町村の窓口でご確認ください。

























