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終活は残された家族のことを想ってエンディングノートを書いたり、相続問題で揉めないように遺言書を書いたり、その形は様々です。
自身の情報をある程度まとめて、残された家族へ引継ぐことの必要性について、この記事を通して知っていただけるんじゃないかと思います。
是非、最後までお読みください。
引継について
「引継書(ひきつぎしょ)」と聞くとほとんどの人が仕事を連想すると思います。
仕事を辞めるとき、自身が受け持っていた業務に関して、後任の担当者へと引継を行います。
業種によっては引継は不要な場合もあるとは思いますが、大半は引継を行うものです。
自身が受け持っていた業務内容を簡単に後続の人に伝える形もあれば、こと細かくマニュアル化して残すなど、業種・人によって引継の形は様々だと思います。
会社の就業規則などで「退職時は引継を行う」と決められている場合以外は、引継を行わなくても仕事を辞めることは可能でしょう。
ですが、もしもその会社において重要なポストを任されていたり、対外的な業務を担当していた場合、何の引継もなく辞められてしまったら会社は困ってしまいます。
会社や後任の人は「せめて何か情報を残してほしかった」と、思うんじゃないでしょうか。
例えば、取引先の担当者の立場にある人が会社を辞めることになりました。
その人は、先方の特徴だったり癖だったり「こうすれば上手く付き合える」といった仕事の進め方・やり方を知っている人です。
いなくなったら当然会社も後任の人も困ってしまいますよね。
まったく引継がないと損害賠償も?
場合によっては会社から損害賠償を請求される可能性も考えられます。
実際は会社側が立証することが難しいため、請求されることにはならないとは思いますが可能性はゼロではありません。
仕事においては、その人しか持っていない独自のスキルなどを引継ぐことはできないかもしれません。
それでも簡単な引継事項や引継書など、最低限は引継ぐべきだと考えられます。
少し長くなってしまいましたが、引継は終活に置き換えても同じように考えられます。
終活における引継
終活は法的に義務付けられてもいませんし、特に決まった定義はありません。
概要的には、自身の人生の最後に向けての活動です。
家族など大切な人たちのことを想って活動することも含まれます。
だからこそ終活は「自身のためでもあり、家族のため」でもあるといわれているわけです。
仕事においての引継書が最低限あったほうが良いと考えられるのと同様に、終活においても引継書はあったほうが良いと考えられます。
家族の誰かが病気で亡くなられたり、高齢による老衰や事故などの突然死にしても、身内が亡くなると残された家族は「相当な数のやること」があるからです。
死後すぐに親族や葬儀社へ連絡を入れ、死亡を知った日から7日以内に死亡届の提出をしなければいけない等、沢山やるべきことがあります。
家族の方の死後の手続きについて詳しくは下記事でまとめていますので別途参考にしてみてください。
もし、亡くなった家族の一員が自身の会社で保険の証券も保管していたりすると、生前の内にその情報を家族に知らせていなければ残された家族の人たちは困ってしまいます。
残された家族が「保険に加入していることすら知らなかった」といったケースも実際にあるようです。
亡くなった場合、遺品整理においても故人が所有していたパソコンやスマホなど、デジタル遺品のパスワードがわからなくて困るというケースも実際にあります。
また、死亡だけでなく病気を患ってしまった場合なども家族の人たちが困るケースがあります。
「認知症になったらどうするのか」
「要介護となったらどうするのか」
「延命治療はどうするのか」
など、家族間で話し合いがなかった場合、その本人以外の家族は困ってしまうわけです。
例えば認知症になってしまったら、進行によって日常会話も困難な状態となってしまいます。
実際に介護を経験したことがある人はその大変さは理解できると思いますが、介護は家族など第三者の協力が不可欠です。
終活として引継書を書く方法
最低限の情報がないと、死亡や病気・介護の際、家族が困ることになるのがわかっていただけたかと思います。
仕事における引継が最低限必要だと考えられるのと同じで、
「自身の万一のことを考えると、終活における引継は必要」
だと考えられます。
仕事においての引継は、形として書面やパソコン内のファイルにデジタルデータとして引継書を書いて残すことができます。
では、終活における引継書はどう書けばいいのでしょうか?
答えは、終活における引継書も仕事の引継書と同じように考えればよいのです。
具体的に「終活で引継書を書く」方法は以下の通りです。
・遺言書
・エンディングノート
終活で引継書を書くというのは「遺言書を書く」「エンディングノートを書く」ことだと考えられます。
なぜ終活における引継書が、遺言書やエンディングノートを書くことなのか?
次の項目でわかりやすく解説しています。
遺言書を書く
遺言書とは、故人が自身の死後のために残した法的な書面のことをいいます。
一般的には遺言書と書いて「ゆいごんしょ」と読みますが、「遺言」の読み方としては複数あります。
遺言書は「遺言状(ゆいごんじょう)」とも呼ばれます。
なぜ、遺言書が終活の引継書になるのか?
主には遺産相続のためです。
遺言書は遺産相続のために作成されるのが一般的です。
遺産の分配(分割)は遺言書が無い場合、基本的には民法によって定められた法定相続分を目安に分配されます。
ただ、あくまで目安なので必ずしも法定相続分に縛られるわけではないため、トラブルが生まれがちです。
血の繋がった家族でも遺産相続が原因で疎遠となってしまうケースもあります。
また、疎遠になるということではありませんが、近年のケースとして多いのがネット銀行(ネットバンク)の相続についてです。
ネット銀行は基本的に預金通帳が従来の銀行のようにありません。
名義人が生前の間に家族へ伝えていなかった場合、死後の相続における財産調査で発見されにくくなってしまいます。
そのため、残された家族がネット銀行口座を解約するのは大変な負担となるわけです。
ネット銀行にある財産をきちんと相続対象にするためには遺言書に書いておくのが一番確実だとされています。
遺言書にネット銀行の情報を記す場合、口座情報は支店名くらいで問題ありません。
IDやパスワードがなくとも相続に問題はないので、遺言書に記載しないようにしましょう。
ID・パスワードがわからない場合でも、該当のネット銀行のコールセンターなど(例えばジャパンネット銀行ならカスタマーセンター)に連絡することで対応していただけます。
▼ジャパンネット銀行の相続に関する基本的な流れ
ネット銀行の相続には、ひと手間かかるというのがわかります。
残された家族にとっては、「ネット銀行の口座がある」という存在を知ることになるだけでも、負担はかなり軽減されるものです。
※ネット銀行や一般的な銀行情報はエンディングノートに記載する方法もあります
人によっては「遺言書なんて有名人や芸能人が書くもの」と認識されていたりもしますが、土地や不動産を所有している等、ある程度の財産を残す場合は遺言書は用意しておくべきでしょう。
遺言書の作成や種類について詳しくは下記事にてまとめています。
遺書やエンディングノートとの違いなども書いていますので、あわせてお読みいただければと思います。
エンディングノートを書く
エンディングノートとは、家族へ向けて自身の情報や意思を書き記すノートです。
なぜ、エンディングノートが終活の引継書になるのか?
自身の「もしも」の時(万一の時)のことを家族の人にメッセージとして残せるためです。
一般的にエンディングノートには、以下のようなことを書きます。
✔ マイナンバーなど自分の情報
✔ クレジットカード情報
✔ 株式や不動産に関する情報
✔ 負債(借金があれば詳細に)
✔ 保険や年金に関する情報
✔ パソコンやスマホに関する情報(SNS利用者ならIDやパスワード)
✔ もしものときに連絡する人たちに関する情報
✔ もしものときの治療方法(介護が必要になったら・延命治療のことなど)
✔ 家族へのメッセージ(相続のこと・遺言書の有無など)
✔ 葬儀に関すること(懇意にしている葬儀社の有無や葬儀の形・菩提寺の有無)
✔ お墓のこと( 納骨、散骨、墓石、永代供養など自身が希望する供養の形態など)
✔ ペットのこと(ペットを飼っている場合、残されたペットをどうするか)
他に、銀行情報(ネット銀行含む)を書かれる方も多いです。
「エンディングノート」として市販されているノートは預金情報についてなど、様々な項目で構成されています。
上の画像はエンディングノートの中でも人気の「コクヨの終活ノート」の実際のページ内容です。
市販のエンディングノートの場合は書く項目があらかじめ用意されているので、項目ごとに記入するだけです。
※先ほど遺言書のところでも触れましたが、ネット銀行情報を記入の際はID・パスワードは記入しないようにしましょう
市販のエンディングノート以外でも、自身で100円ショップなどで一般的な大学ノートを購入して書くこともできます。
決まった書き方はなく、自由です。
遺言書もエンディングノートも「残された家族」の立場になって考えると、かなり助かるものだということがわかっていただけたのではないでしょうか。
市販のエンディングノートは多数販売されており、下記事にてランキング化してまとめています。
エンディングノート選びの参考になれば幸いです。
まとめ
仕事における引継書のことに始まり、終活における引継書について解説&紹介してきました。
直接的な「終活の引継書」と言える遺言書やエンディングノートの必要性もあわせて紹介させていただきました。
終活の本質的な意味となる「自身のためであり、家族のためでもある」というのを踏まえると
・遺言書は自身のお金の引継書
・エンディングノートは自身の情報引継書
このように見解できます。
つまり
遺言書はお金の引継書であり
エンディングノートは自身の情報引継書であるため
終活とは人生の引継書を書くことである
そう捉えることができると考えられます。
ちなみに、人生の引継を考える方に向けた書籍も出版されています。
▼人生の引継ぎを考える方にアドバイスしたい70のこと―高齢期ライフプランにおける金融サービスと「エンディング・ノート」の活用ポイントQ&A
著者の山田静江さんは、終活の専門家集団「NPO法人ら・し・さ」で副理事長(事務局長兼任)を務めている方です。
本の内容的には医療や介護、お墓や財産管理・相続のことなど終活に大切な各項目について解説されているのでオススメです。