補聴器の助成金はいくら?障害者手帳の等級・医療費控除・申請の流れ

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補聴器を勧められて、販売店で価格を聞いたところで話が止まってしまう。補聴器は片耳あたり数万円から数十万円まで幅があり、両耳ならその倍になります。提示された金額を前に「何か補助はないのか」と調べ始める方は少なくありません。

結論から申し上げます。補聴器の費用を軽くする公的な仕組みは、大きく3つあります。身体障害者手帳による支給、自治体独自の助成、そして医療費控除です。

ただし先に申し上げておくと、加齢性難聴の方の多くは、いちばん手厚い「身体障害者手帳による支給」には該当しません。手帳の基準が、かなり重い難聴を対象にしているためです。

該当するかどうかは、聴力の数値を見れば自分で見当がつきます。この記事では、その線引きを最初に示したうえで、該当しなかった場合に何が使えるかまで書きます。

この記事でわかること

  • 使える制度3つの全体像と、どれに当てはまるかの見分け方
  • 聴覚障害で身体障害者手帳が出る等級の基準(法令の条文そのまま)
  • 手帳が出た場合にいくら支給されるのか——補聴器の種類別の金額
  • 手帳に届かない方が使う自治体独自の助成の調べ方
  • 医療費控除を受けるための順番——これを間違えると1円も戻りません

まずは30秒|どの制度に当てはまるか

聞こえの程度と状況で、使える制度が変わります。当てはまる行だけ読んでも判断できます。

状況使える制度
まだ聴力検査を受けていないどの制度も使えない。まず耳鼻咽喉科へ
両耳とも70デシベル以上と言われた身体障害者手帳+補装具費支給の対象になりうる
語音明瞭度が50パーセント以下と言われたデシベルが軽くても手帳4級の対象になりうる
中等度(40〜70デシベル)と言われた自治体独自の助成+医療費控除
手帳には該当しないと言われた自治体独自の助成+医療費控除
すでに補聴器を買ってしまった原則、どれも間に合いません(理由は後述)

すべての制度に共通する大原則:受診が先、購入が後
3つの制度はいずれも「買う前に医師の診察と書類が必要」という構造になっています。良いものを見つけて先に買ってしまうと、あとから書類をそろえても使えません。順番だけは絶対に守ってください。

制度の全体像|3つの層に分かれている

補聴器の費用を助ける仕組みは、対象者の広さが違う3つの層になっています。上の層ほど手厚く、下の層ほど対象が広くなります。

第1層|対象は狭いが、いちばん手厚い

身体障害者手帳 → 補装具費支給制度
原則1割負担で補聴器が手に入る。ただし手帳の基準は重い難聴が対象

第2層|手帳に届かない方向け

市区町村の独自助成
実施の有無・金額・条件は自治体ごとに違う。やっていない自治体もある

第3層|条件を満たせば誰でも

医療費控除
購入費が所得控除の対象になる。全国共通で、所得税・住民税が軽くなる

第1層と第2層は併用しません。手帳が出れば第1層、出なければ第2層を探す、という関係です。第3層の医療費控除は、第2層で自己負担した分に対して使えます。

第1層|身体障害者手帳と補装具費支給制度

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聴覚障害で手帳が出る等級

手帳の等級は身体障害者福祉法施行規則の別表第五号で決まっています。聴覚障害の条文は次のとおりです。

等級基準
2級両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上(両耳全ろう)
3級両耳の聴力レベルが90デシベル以上(耳介に接しなければ大声語を理解し得ない)
4級①両耳の聴力レベルが80デシベル以上(耳介に接しなければ話声語を理解し得ない)
両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下
6級①両耳の聴力レベルが70デシベル以上(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ない)
②一側耳が90デシベル以上、他側耳が50デシベル以上

聴覚障害には1級・5級・7級がありません。いちばん軽い等級が6級で、そこが入口になります。

見落とされやすいのが4級の②です
デシベルの数値が80に届かなくても、言葉の聞き取り(語音明瞭度)が50パーセント以下であれば4級に該当することがあります。「音は聞こえるのに、言葉が分からない」という訴えが強い方は、この基準で判定される可能性があります。聴力検査だけでなく、語音明瞭度の検査も受けているかを確認してください。

加齢性難聴では、手帳の基準に届かないことがほとんど

加齢性難聴だけで手帳の基準に達する方は少数です。数字を並べれば理由がはっきりします。

日常会話に困って補聴器を検討する段階の聴力は、多くの場合40〜70デシベルの中等度難聴です。一方、手帳のいちばん軽い6級でも70デシベル以上が必要です。補聴器が必要になる範囲と、手帳が出る範囲は、ほとんど重なりません。

手帳の解説を読み進めて「自分は対象外だった」と分かっても、そこで終わりではありません。この記事の後半にある第2層と第3層は、中等度難聴の方のための制度です。

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手帳が出た場合、いくら支給されるのか

手帳が交付されると、補装具費支給制度の対象になります。補聴器の種類ごとに上限価格が国の告示で定められており、次の金額です。

補聴器の種類上限価格
高度難聴用 ポケット型44,000円
高度難聴用 耳かけ型46,400円
重度難聴用 ポケット型59,000円
重度難聴用 耳かけ型71,200円
耳あな型(レディメイド)92,000円
耳あな型(オーダーメイド)144,900円
骨導式 ポケット型74,100円
骨導式 眼鏡型126,900円

出典:厚生労働省「補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準」。上限価格に消費税相当分を加えた額が費用の基準になります。デジタル式で専門的な調整が必要な場合は2,000円が加算されるなど、条件による加算があります。金額は改定されることがあります。

読み方の注意点です。これは「この金額がもらえる」ではなく「この金額を上限に、実際にかかった費用が支給される」という意味です。上限を超える高機能なモデルを選んだ場合、超えた分は全額自己負担になります。

また、耐用年数は5年と定められています。原則として5年間は再支給されません。壊れた場合はまず修理での対応になります。

自己負担はいくらか

原則はかかった費用の1割です。そのうえで、所得に応じた月額の負担上限が設けられています。

ここで、混同しやすい点を先に整理しておきます。「毎月いくら払うか」と「そもそも制度を使えるか」では、見る所得の範囲が違います。

何が決まるか誰の所得を見るか
負担上限月額自己負担の月額の上限世帯の課税状況
所得制限制度を使えるかどうか本人または配偶者(18歳以上の場合)

問題になりやすいのは下の行です。一定以上の所得がある場合は、支給の対象外になります。18歳以上の方では、判定の対象になるのは本人または配偶者の市町村民税所得割額です。

厚生労働省は「障害者又はその配偶者のうち市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の場合には補装具費の支給対象外とする」としています(補装具の利用者負担)。

同居している子の所得は判定に含まれません
誤解されやすい部分です。見るのは本人と配偶者の所得だけで、同居する成人の子の収入が高いというだけで対象外になることはありません。「子と同居しているから無理だろう」と申請をあきらめる必要はありません。

負担上限月額の区分と所得の基準は改定されるため、市区町村の障害福祉担当窓口で確認してください。

申請の流れ

STEP 1

市区町村の窓口に相談する
申請書と、指定医の診断書・意見書の用紙を受け取る

STEP 2

指定医を受診して診断書を書いてもらう
どの医師でもよいわけではない。窓口で指定医のリストを確認する

STEP 3

手帳を申請し、交付を受ける
認定と交付を行うのは都道府県・指定都市・中核市。1〜2か月ほどかかることが多い

STEP 4

補装具費の支給を申請する
意見書と、販売店の見積書を提出する

STEP 5

支給決定を受けてから購入する
決定前に購入すると対象外。ここがいちばんの落とし穴

手帳の詳細は厚生労働省の障害者手帳のページにあります。STEP1からSTEP5まで、早くても2〜3か月かかります。急いで補聴器が必要な場合は、この期間をどうするかも含めて窓口で相談してください。

申請の前に知っておきたい実務的なこと

診断書は自費です

意外に知られていない点です。手帳の申請に必要な診断書・意見書は、健康保険が使えません。全額自己負担で、目安は3,000〜5,000円程度(医療機関によって異なります)。

そして重要なのは、審査の結果として手帳が出なかった場合でも、この費用は戻らないということです。該当しそうかどうかを、診断書を依頼する前に医師に聞いておくと無駄が減ります。「この聴力で手帳の対象になりそうですか」という聞き方で構いません。

診断書を書けるのは「指定医」だけ

手帳用の診断書は、都道府県知事などが指定した医師(指定医)でなければ書けません。かかりつけの耳鼻咽喉科が指定医とは限らない点に注意してください。

市区町村の窓口で指定医のリストをもらえます。先に受診してから「指定医ではなかった」と分かると、診断書代を二重に払うことになります。順番としては窓口が先です。

申請に持っていくもの

持ち物注意点
指定医の診断書・意見書窓口でもらった様式でなければ受理されない
顔写真縦4cm×横3cmが一般的。サイズは自治体で確認を
マイナンバーが分かるもの通知カードまたはマイナンバーカード
本人確認書類家族が代理で申請する場合は代理人の分も
印鑑不要な自治体も増えています

厚生労働省の説明でも、必要なものは「指定医の診断書」「写真」「申請書」とされています(障害者手帳)。細かい様式は自治体ごとに違うため、最初に窓口で一式そろえるのが結局いちばん早い進め方です。

第2層|市区町村の独自助成

手帳に該当しない方向けの制度

手帳の基準に届かない中等度難聴の方向けに、市区町村が独自に補聴器の購入費を助成している場合があります。これは国の制度ではなく自治体の事業なので、実施しているかどうかから自治体ごとに違います。

近年、高齢者向けに新設する自治体が増えている分野です。数年前に調べて「なかった」場合でも、今はできているかもしれません。

条件として設定されやすい項目

項目よくある内容
年齢65歳以上、または住民登録があること
聴力手帳に該当しない程度の難聴であること(一定のデシベル以上という下限を設ける例が多い)
医師の書類耳鼻咽喉科医の意見書・証明書が必要
所得住民税非課税世帯に限る、など
購入先認定補聴器専門店に限定している例がある
申請の時期購入前の申請が必須の例が多い

調べ方は電話1本で済みます

検索で探すより、市区町村の高齢福祉課に電話するのが確実です。「補聴器の購入費の助成はありますか」と聞けば済みます。担当課の名称は自治体によって違うので、代表番号にかけて用件を伝えれば回してもらえます。

離れて暮らす親の分を調べる場合も、家族が親の住む自治体に電話して問い合わせられます。その際、聴力の数値と年齢を手元に用意しておくと話が早く進みます。

第3層|医療費控除

ここは全国共通で、手帳の有無に関係なく使えます。ただし手順を1つでも飛ばすと対象外になります。

受けるための3ステップ

STEP 1

補聴器相談医を受診する
「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を作成してもらう

STEP 2

認定補聴器専門店で購入する
書類を持参し、購入時に「写し」と「領収書」を受け取る

STEP 3

確定申告で医療費控除として申告する
書類の写しと領収書は提出を求められることがあるため保管しておく

出典は日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の補聴器購入者が医療費控除を受けるためにです。制度そのものは国税庁の医療費控除のページにあります。

認定補聴器専門店もしくは認定補聴器技能者以外から購入した場合には、控除を受けることができません。通販や一般の家電量販店で買った場合は対象外です。

「補聴器相談医」と「認定補聴器専門店」

ここで出てくる「補聴器相談医」「認定補聴器技能者」「認定補聴器専門店」の3つは、すべて別のものです。認定する団体も役割も違います。混同すると手続きが途中で止まります。

名称誰が認定するか役割
補聴器相談医日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会医師。難聴の種類を診断し、診療情報提供書を書く
認定補聴器技能者公益財団法人テクノエイド協会販売店の担当者。選定・調整・フィッティングを行う
認定補聴器専門店公益財団法人テクノエイド協会認定補聴器技能者が常勤し、測定・調整の設備を備えた店

認定補聴器専門店になるには、認定補聴器技能者の常勤に加え、測定設備や特性試験の装置、耳鼻咽喉科専門医との連携などが求められます(テクノエイド協会)。医師の側は学会の補聴器相談医とは?で確認できます。

いくら戻るのか

医療費控除は「払った金額が戻る」制度ではありません。課税対象の所得から差し引かれる仕組みなので、戻る額はその方の税率によって変わります。

年間の医療費が10万円(所得によってはそれ以下)を超えた分が控除の対象です。補聴器は数十万円になるため、これだけで基準を超えることが多くなります。同じ家計で暮らす家族の医療費は合算できるので、通院費や薬代もまとめて計算してください。

手帳が出たら|補聴器以外にも使えるものがある

手帳の価値は補聴器の支給だけではありません。むしろ長い目で見ると、税の軽減のほうが金額は大きくなります。

所得税・住民税の障害者控除

身体障害者手帳を持っていると、障害者控除という所得控除が毎年使えます。

区分控除額
障害者27万円
特別障害者40万円
同居特別障害者75万円

身体障害者手帳では1級・2級が特別障害者、3級から6級が障害者に区分されます。前述のとおり聴覚障害に1級はないため、聴覚障害では2級が特別障害者、3級から6級が障害者にあたります。そして重要なのは、扶養している家族が自分の申告で使えるという点です。親を扶養に入れている場合、子の側の税金が軽くなります。

医療費控除が補聴器を買った年だけの一度きりなのに対し、障害者控除は手帳がある限り毎年使えます。手帳が出たなら、こちらのほうが長い目で見た効果は大きくなります。

相続税の障害者控除

終活という観点では、こちらも押さえておく価値があります。相続人が障害者に該当する場合、相続税の障害者控除が使えます。

控除額の計算

一般障害者 … 85歳になるまでの年数 × 10万円
特別障害者 … 85歳になるまでの年数 × 20万円

1年未満の期間は切り上げて1年として計算します。

これは所得から差し引く控除ではなく、税額そのものから差し引く控除です。効き方が大きく違います。さらに控除しきれなかった分は、扶養義務者の相続税から差し引くことができます。

ただし対象になるのは、相続で財産を取得する法定相続人であることなどが条件です。親が手帳を持っている場合ではなく、相続人の側が障害者に該当する場合の制度である点に注意してください。

そのほかの減免・割引

手帳の交付を受けると、次のような制度も対象になりえます。

制度内容
NHK受信料の減免全額免除と半額免除がある。世帯の課税状況や、誰が世帯主かで条件が分かれる
公共交通機関の運賃割引鉄道・バス・タクシー・航空など。事業者ごとに条件が異なる
携帯電話料金の割引各社が独自に設定している
公共施設の入場料減免自治体の施設を中心に設定されている
自動車税・軽自動車税の減免障害の種類と等級によって対象が変わる(自動車取得税は2019年に廃止済み)

※いずれも条件・金額は制度や事業者、自治体ごとに異なります。NHK受信料はNHKの放送受信料免除の案内で、その他は市区町村の障害福祉担当窓口でご確認ください。

手帳を申請するかどうか迷っている場合は、この一覧も判断材料に入れてください。補聴器の支給額だけで比べると割に合わないように見えても、毎年の税と生活費への影響まで含めると、結論が変わることがあります。

よくある失敗 3つ

1. 先に補聴器を買ってしまう

この記事でいちばん伝えたい失敗です。3つの制度すべてが「購入前の手続き」を前提にしています。補装具費支給は支給決定前の購入が対象外、自治体助成も購入前申請が必要な例が多く、医療費控除は診療情報提供書を持って認定店で買う必要があります。良いものが見つかった時点で買ってしまうと、数万円から十数万円を取り逃がします。

2. 「手帳が出なかった」で調べるのをやめる

手帳の基準は重い難聴が対象なので、加齢性難聴では該当しないほうが普通です。そこで終わりにせず、必ず自治体の高齢福祉課に独自助成の有無を聞いてください。電話1本、数分で終わります。

3. 語音明瞭度の検査を受けていない

手帳4級には「両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下」という基準があります。デシベルだけで判断すると、該当するのに見逃すことがあります。「音は聞こえるが言葉が分からない」という訴えがある場合は、この検査を受けているか確認してください。

相談先の一覧

聞きたいこと相談先
難聴の程度と種類耳鼻咽喉科(できれば補聴器相談医)
手帳に該当するか/補装具費支給市区町村の障害福祉担当窓口
自治体独自の助成があるか市区町村の高齢福祉課
医療費控除・障害者控除税務署/確定申告
認定補聴器専門店の場所テクノエイド協会/受診した医療機関の紹介
何から始めればいいか分からない地域包括支援センター(無料)

よくある質問

Q. 加齢性難聴でも手帳はもらえますか

基準を満たせば原因は問われません。ただし両耳70デシベル以上(6級)が最低ラインなので、該当しないことのほうが多くなります。指定医が診断書・意見書を作成し、最終的な認定と手帳の交付は都道府県・指定都市・中核市が行います。自己判断せず、まず検査を受けてください。

Q. 助成を受けると好きな補聴器が選べなくなりますか

選べますが、上限価格を超えた分は自己負担になります。高機能なモデルを選ぶこと自体は妨げられません。差額を払う形になります。

Q. 両耳分は支給されますか

両耳とも必要と判定されれば対象になりえます。ただし片耳のみの支給になる場合もあり、判断は医師の意見書と市区町村の決定によります。

Q. 集音器は助成の対象になりますか

なりません。集音器は医療機器ではないため、3つの制度すべてで対象外です。両者の違いは補聴器と集音器の違いで詳しく扱っています。

Q. 買ったあとに申請できませんか

原則できません。補装具費支給は支給決定前の購入が対象外で、自治体助成も購入前申請を条件にしている例が多くあります。医療費控除も、診療情報提供書を持って認定補聴器専門店で買うという順番が要件です。

Q. 手帳を持つと不利になることはありますか

制度上、不利になることはありません。税の控除や各種割引など、使える制度が増える方向にだけ働きます。年金や医療保険の扱いが悪くなることもありません。

ただし手帳を持つこと自体に心理的な抵抗を感じる方はいます。制度の説明と、取る取らないの判断は別のものです。本人の意向を尊重してください。

Q. 診断書を書いてもらったのに手帳が出ませんでした。費用は戻りますか

戻りません。診断書の作成費用は保険がきかず、結果にかかわらず自己負担です。依頼する前に「この聴力で対象になりそうか」を医師に確認しておくと、無駄を避けられます。

Q. 家族が代理で申請できますか

できます。離れて暮らす親の分を、家族が親の住む自治体で手続きすることも可能です。代理人の本人確認書類が必要になるほか、自治体によって扱いが異なるため、事前に窓口へ確認してください。

Q. 何年かごとに買い替えられますか

補装具費支給の場合、耐用年数は5年です。原則としてその間は再支給されず、まず修理での対応になります。故障や聴力の変化があれば窓口に相談してください。

Q. 申請にはどれくらい時間がかかりますか

手帳の交付だけで1〜2か月、そこから補装具費の支給決定を経て購入するまで、全体で2〜3か月を見ておいてください。急ぐ場合は、その期間をどうするかも含めて窓口に相談する形になります。

まとめ

補聴器の費用を助ける制度は3層あり、加齢性難聴の方の多くは第2層と第3層が現実的な選択肢になります。第1層に該当しなくても、使えるものは残っています。

進める順番

  1. 耳鼻咽喉科で聴力を測る——語音明瞭度の検査も受けているか確認する
  2. 市区町村の障害福祉担当窓口へ——手帳に該当するかを確認
  3. 該当しなければ高齢福祉課へ——独自助成の有無を電話で聞く
  4. 補聴器相談医のいる医療機関を選ぶ——医療費控除の書類はここでしか出ない
  5. 認定補聴器専門店で購入する——ここまで済ませてから買う

繰り返しになりますが、すべての制度が「買う前の手続き」を前提にしています。先に買ってしまうと、どれも使えません。数万円から十数万円の差になるので、順番だけは守ってください。

制度の詳細は、厚生労働省の障害者手帳補装具費支給制度のページ、税の扱いは国税庁の医療費控除障害者控除のページで確認できます。

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※本記事は一般的な制度の解説であり、個別の支給・認定を保証するものではありません。指定医が診断書・意見書を作成し、障害の認定と手帳の交付は都道府県・指定都市・中核市が、補装具費の支給決定は市区町村が行います。
※補装具費の上限価格・負担上限月額・所得の基準は改定される場合があります。最新の情報は市区町村の窓口でご確認ください。
※自治体独自の助成は、実施の有無・対象条件・金額が市区町村ごとに異なります。お住まいの市区町村にご確認ください。
税に関する記述について。本記事の医療費控除・障害者控除・相続税の障害者控除の説明は、国税庁が公表しているタックスアンサーの内容を、補聴器を検討する方向けに要約したものです。適用の可否・控除額・申告の方法は、所得や家族構成、相続の状況など個別の事情によって変わります。実際の申告にあたっては、必ず所轄の税務署または税理士にご確認ください。本記事の内容にもとづく判断について、当サイトは責任を負いかねます。
※相続税の障害者控除は、相続で財産を取得する法定相続人が障害者に該当する場合の制度です。要件の判定は個別性が高いため、相続が発生した際は税理士へのご相談をおすすめします。

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