終活の費用はいくら?項目別の相場一覧と3パターンの総額シミュレーション

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「終活にはいくらかかるのか」——これは検索してもはっきりした答えが出てきにくい質問です。理由は、人によって金額が10倍以上違うからです。

お墓を建てれば数百万円、散骨を選べば数万円。一般葬なら150万円、直葬なら20万円。同じ「終活」でも、選択次第で総額は50万円にも600万円にもなります。

この記事では、8つの費用項目ごとの相場を一覧にしたうえで、3つのパターンで総額をシミュレーションしました。自分がどのあたりに当てはまるかを掴んでいただけると思います。

しっかり型
約540万円
一般葬+一般墓+業者依頼
標準型
約190万円
家族葬+樹木葬+自力整理
最小限型
約35万円
直葬+散骨+自力整理

※ 各項目の相場中央値を積み上げた編集部の試算です。内訳は本文で解説します。

この記事でわかること

  • 終活の費用8項目それぞれの相場(表で一覧)
  • 「しっかり型/標準型/最小限型」の総額と内訳
  • あとから戻ってくるお金(葬祭費・埋葬料・高額療養費)
  • 費用を抑える5つの現実的な方法
  • 生前に払っておくべきもの/払わなくていいもの

目次

  1. 終活の「お金」は3種類ある
  2. 費用8項目の相場一覧
  3. ①葬儀の費用
  4. ②お墓・供養の費用
  5. ③生前整理・遺品整理の費用
  6. ④エンディングノート・遺言書の費用
  7. ⑤医療・介護の費用
  8. ⑥相続の手続き費用
  9. ⑦デジタル・その他の費用
  10. 3パターンの総額シミュレーション
  11. 戻ってくるお金を忘れずに
  12. 費用を抑える5つの方法
  13. よくある質問
  14. まとめ

終活の「お金」は3種類ある

まず混同を整理します。終活で語られるお金には3種類あり、この記事で扱うのは3番目です。

種類内容解説記事
老後資金これから生活していくためのお金対象外
お金の整理今ある財産と負債の洗い出し終活のお金の整理
終活にかかる費用終活そのものに支払うお金この記事

費用8項目の相場一覧

全体像を先に示します。すべてを支払う人はほとんどいません。自分に必要な行だけを拾って足してください。

#項目最小中央的な目安最大
葬儀10万円100万円250万円
お墓・供養5万円80万円350万円
生前整理0円15万円70万円
エンディングノート・遺言書0円1万円20万円
医療・介護(自己負担分)0円50万円300万円超
相続の手続き0円15万円100万円超
デジタル・その他0円3万円20万円
各種手続き代行0円0円100万円超
合計の幅約15万円約264万円約1,200万円

※ 編集部が一般的に公表されている情報をもとにまとめた目安です。地域・施設・宗派・業者によって大きく変動します。

①葬儀の費用

終活費用の中で最も大きく、そして形式の選択で最も差が出る項目です。

形式費用の目安内容参列者
直葬・火葬式10〜40万円通夜・告別式を行わず火葬のみごく近親者のみ
一日葬30〜80万円通夜を省き、告別式と火葬を1日で10〜30名
家族葬40〜150万円通夜・告別式を近親者だけで10〜30名
一般葬100〜250万円通夜・告別式を一般会葬者も招いて50名以上
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葬儀費用の内訳は3つに分かれます

  • 葬儀一式費用/祭壇、棺、寝台車、式場使用料、スタッフ人件費など。見積もりに出るのは主にここ
  • 飲食接待費/通夜振る舞い、精進落とし、返礼品。参列者の人数に比例します
  • 宗教者へのお礼/読経、戒名。見積もりに含まれないことが多いので注意

「セットプラン◯◯万円」に含まれないものがあります

広告で見る低価格プランには、火葬料、式場使用料、ドライアイス追加、宗教者へのお礼、返礼品などが含まれていないことがよくあります。総額がプラン価格の2倍になるケースも珍しくありません。

見積もりを取るときは「これ以外に一切かからない金額はいくらですか」と必ず聞いてください。

戒名を授かる場合の相場は位号によって大きく変わります。詳しくは戒名とは?ランクと相場の記事をご覧ください。家族だけで小規模に行いたい方は家族葬の準備と費用が参考になります。

②お墓・供養の費用

葬儀と並ぶ大きな支出で、選択肢の幅が最も広い項目です。

供養の方法費用の目安年間管理費特徴
一般墓(墓石を建てる)100〜350万円5,000〜2万円永代使用料+墓石代+工事費
納骨堂20〜150万円0〜1.5万円屋内。天候に左右されない
樹木葬20〜80万円0〜1万円近年人気。管理費不要の型が多い
永代供養墓(合祀)5〜30万円不要が多い寺院・霊園が永続的に供養
散骨(海洋葬)5〜30万円不要委託散骨なら最も安価
手元供養1〜30万円不要ミニ骨壺・遺骨ペンダントなど
墓じまい(既存墓の撤去)30〜300万円離檀料が別途かかることも

「継ぐ人がいるか」で選ぶべき形が変わります

お墓は建てて終わりではなく、年間管理費を払い続ける人が必要です。継承者がいない場合、無縁墓になって撤去されることがあります。

継ぐ人がいない、あるいは子に負担をかけたくないなら、永代供養墓・樹木葬・納骨堂が現実的な選択になります。

詳しい選び方はお墓の選び方と費用の記事、方式別には永代供養墓の完全ガイド樹木葬の費用相場墓じまいの費用と手続きをご覧ください。お墓を持たない選択についてはお墓はいらないと考える人へで解説しています。

③生前整理・遺品整理の費用

自分で片付ければ0円です。業者に頼む場合の目安は間取りで決まります。

間取り費用の目安作業時間の目安
1R・1K3〜8万円1〜3時間
1DK・1LDK5〜20万円2〜6時間
2DK・2LDK9〜30万円2〜6時間
3DK・3LDK15〜50万円4時間〜1日
4LDK以上・一戸建て20〜70万円以上1〜2日

買取のある業者なら費用が相殺されることもあります。遺品買取の相場、自治体の助成については遺品整理の補助金の記事をご確認ください。自分で進める手順は生前整理の進め方にまとめています。

④エンディングノート・遺言書の費用

種類費用の目安備考
エンディングノート(自治体配布)0円市役所・地域包括支援センターで受け取れます
エンディングノート(市販)500〜3,000円書店・文具店・通販
自筆証書遺言(自分で書く)0円形式を外すと無効になります
自筆証書遺言書保管制度(法務局)3,900円1件あたりの保管申請手数料。検認が不要になります
公正証書遺言数万円〜十数万円公証人手数料は財産額により変動
専門家に遺言作成を依頼10〜30万円程度弁護士・司法書士・行政書士

ここは節約しやすい項目です

エンディングノートは多くの市区町村が無料配布しています。自治体版は地域の相談窓口が載っているぶん、市販品より実用的なこともあります。お住まいの自治体の状況は終活支援を行っている自治体一覧で確認できます。

書き方はエンディングノートとは?書き方10項目で解説しています。

⑤医療・介護の費用

最も読みにくく、最も差が大きい項目です。健康状態と期間で決まるため、事前に見積もることはできません。

項目目安備考
医療費の自己負担1〜3割年齢と所得で変わります
高額療養費制度の自己負担上限月数万円程度〜所得区分により異なります
介護保険の自己負担1〜3割要介護度で支給限度額が決まります
介護施設の月額月10〜30万円施設の種類で大きく変動
在宅介護の月額月5〜10万円サービス利用量による

高額療養費制度を知らないと損をします

1か月の医療費の自己負担が上限を超えた分は、あとから払い戻されます。事前に「限度額適用認定証」またはマイナ保険証を使えば、窓口での支払い自体を上限までに抑えられます。

「入院費が何百万円もかかる」と心配される方が多いのですが、公的保険が使える治療であれば、実際の自己負担はこの上限までです。

介護保険の仕組みは介護保険制度と介護施設の記事で詳しく解説しています。

⑥相続の手続き費用

自分で手続きすれば実費のみです。専門家に頼むと費用が発生します。

手続き費用の目安
戸籍謄本・住民票などの取得数千円〜1万円程度
相続登記(登録免許税)固定資産税評価額の0.4%
相続登記を司法書士に依頼5〜15万円程度
相続税の申告を税理士に依頼遺産総額の0.5〜1%程度
遺産分割で弁護士に依頼数十万円〜

相続登記は2024年4月から義務化されています

不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象になります。義務化前に相続した不動産も対象です。

なお、相続税は誰にでもかかるわけではありません。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、これを超えなければ申告そのものが不要です。法定相続人が3人なら4,800万円までは非課税ということになります。

⑦デジタル・その他の費用

  • デジタル遺品の整理代行/数万円〜。パソコンのデータ復旧を伴うと高額に
  • 写真・アルバムのデータ化/1枚数十円〜。詳しくは写真整理の記事
  • 遺影写真の撮影/数千円〜数万円。生前撮影が増えています
  • 身元保証・死後事務委任契約/数十万円〜100万円超。おひとりさま向け

3パターンの総額シミュレーション

ここまでの項目を、3つの現実的なパターンで積み上げてみます。

項目しっかり型標準型最小限型
葬儀150万円
一般葬
80万円
家族葬
20万円
直葬
お墓・供養250万円
一般墓
50万円
樹木葬
10万円
散骨
生前整理40万円
業者に依頼
10万円
一部依頼
0円
自分で
ノート・遺言書20万円
公正証書+専門家
4,000円
法務局保管
0円
自治体の無料ノート
遺影・その他5万円2万円0円
相続手続き30万円
司法書士+税理士
10万円
司法書士のみ
1万円
自分で
介護・医療(1年分の目安)50万円40万円5万円
合計約545万円約192万円約36万円

差を生んでいるのは2項目だけです

545万円と36万円、その差509万円のうち約370万円は「葬儀」と「お墓」の2項目で生まれています。

つまり終活費用を考えるうえで本当に重要なのは、この2つをどうするかだけ。他の項目は数万円〜数十万円の差にすぎません。まず葬儀とお墓の形を決める。それだけで総額はほぼ確定します。

戻ってくるお金を忘れずに

支出ばかり見てきましたが、申請すれば受け取れるお金もあります。いずれも自動では支給されず、遺族が請求しなければもらえません。

制度金額の目安誰が対象か期限
葬祭費3〜7万円
多くは5万円
国民健康保険・後期高齢者医療の加入者葬儀から2年
埋葬料・埋葬費5万円健康保険(会社員など)の加入者死亡から2年
高額療養費上限超過分医療費が自己負担上限を超えた人2年
遺族年金条件により要件を満たす遺族5年
生命保険金契約による指定された受取人多くの契約で3年

葬祭費・埋葬料は自治体や健保に申請してください

葬祭費は市区町村の国保窓口、埋葬料は加入していた健康保険組合や協会けんぽへの申請が必要です。金額は自治体によって異なり、多くは5万円前後です。

申請しなければ1円も支給されません。「そういう制度がある」とエンディングノートに書いておくだけでも、遺族にとっては大きな助けになります。

費用を抑える5つの方法

  1. 葬儀は必ず複数社で見積もりを取る同じ内容でも社によって数十万円の差が出ます。亡くなってから探すと比較する時間がありません。元気なうちに2〜3社の資料を取り寄せておくだけで、大きく変わります。
  2. お墓は「継ぐ人がいるか」から逆算する継承者がいないのに一般墓を建てると、将来の墓じまいで数十万〜数百万円が追加でかかります。永代供養墓や樹木葬なら、その心配がありません。
  3. 市民葬・区民葬を確認する自治体が葬儀社と提携し、定額で葬儀を提供している制度があります。制度がある自治体では一般的な葬儀より安く抑えられます。市区町村名と「市民葬」で検索してみてください。
  4. 生前整理は自分でやれる範囲を増やす業者費用は物量で決まります。元気なうちに少しずつ減らしておくと、最終的な依頼費用が確実に下がります。
  5. 公的給付を取りこぼさない葬祭費・埋葬料・高額療養費・遺族年金。合計すれば数十万円になることもあります。前章の表を家族に共有しておいてください。

保険で備えるという選択肢

葬儀費用に備える手段として、少額短期保険の葬儀保険(死亡保険金の上限は300万円)や、加入時の告知が簡単な保険があります。高齢でも入れる商品がある一方、払込総額が受取額を上回ることもあるので、必ず総支払額で比較してください。詳しくは終活で考える保険の種類と選び方で解説しています。

よくある質問

終活の費用は生前に払っておくべきですか?
項目によります。お墓・エンディングノート・生前整理は生前に払うのが自然です。一方、葬儀費用を前払いする互助会などは、解約時の手数料や、途中で葬儀社が変わった場合の扱いを必ず確認してください。前払いした事実を家族が知らないと、二重に支払うことになります。
お金がなくても終活はできますか?
できます。費用0円でできることが、実は最も効果が大きいのが終活です。自治体の無料エンディングノート、自筆の遺言書、自分でやる生前整理、財産の一覧作成——これらはすべて無料で、家族への効果は業者に払う数十万円より大きいことがあります。お金がない人こそ終活すべき理由もご覧ください。
葬儀費用は誰が払うのですか?
法律で決まっていません。実務上は喪主が立て替え、あとから相続財産や香典で精算することが多いです。なお、故人の口座は死亡が知られると凍結されますが、遺産分割前でも一定額(相続開始時の残高×3分の1×法定相続分、1金融機関につき150万円が上限)を払い戻せる制度があります。
相続税はいくらからかかりますか?
基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。相続人が2人なら4,200万円、3人なら4,800万円まで非課税で、申告も不要です。なお生命保険金には500万円×法定相続人の数の非課税枠が別にあります。
終活はいつから始めれば費用を抑えられますか?
早いほど抑えられます。理由は比較する時間があるからです。亡くなってから3日で葬儀社を決めれば、比較のしようがありません。逆に元気なうちなら、複数社の見積もりも、お墓の見学も、じっくりできます。終活を始めるタイミングもご覧ください。

まとめ

終活費用の要点

  • 総額はおよそ35万円〜550万円。選択次第で15倍の差がつく
  • 差の7割は「葬儀」と「お墓」の2項目。まずここを決めれば総額はほぼ確定する
  • 葬儀は複数社見積もりが必須。亡くなってからでは比較できない
  • お墓は「継ぐ人がいるか」から逆算する
  • 葬祭費・埋葬料・高額療養費は申請しないともらえない
  • 相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 0円でできる終活のほうが、家族への効果は大きいことがある

「いくらかかるか」を調べ始めた時点で、すでに終活は始まっています。まずはこの記事の3パターン表を見て、自分がどのあたりを望むのかを考えてみてください。それが決まれば、あとの計算はずっと簡単になります。

この記事の次に読むと理解が深まります

※ 本記事の金額はすべて編集部が一般に公表されている情報をもとにまとめた目安であり、特定の商品・サービスの価格を保証するものではありません。地域・施設・宗派・業者・時期によって大きく変動します。公的給付の金額や要件は制度改正で変わることがあるため、必ずお住まいの市区町村・加入する健康保険・年金事務所の公式案内をご確認ください。相続税や登記など個別の判断は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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