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終活といえば「エンディングノート」や「お墓の準備」、「不用品の整理」などに目がいきがちですが、一番に考えておきたいのが「お金」についてです。
遺族が知らない財産があったりすると、相続税の申告に問題が出たり、遺産相続で後々揉めてしまうケースなどもあります。
ですので、まずはお金について考えてみることをオススメします。
▼この記事を読んで理解できること ・お金の整理とは何か ・お金の整理をする理由 ・お金の整理をするポイントと一連の流れ |
など、分かりやすく紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
終活に関するお金について
終活のお金は大きく分けて3つあります。
1.老後資金(お金を貯める、増やす)
2.お金の整理(詳細はこの記事で解説)
3.終活にかかる費用(墓地の準備や不用品の整理)
この記事では、2番のお金の整理について紹介していきます。
3番の終活にかかる費用については、下記記事で紹介しておりますので参考にしてみてください。
終活のお金の整理とは?
終活のお金の整理とは、自分自身が財産を見直し、残された遺族が後で困らないように整理することです。
お金といえば現金を思い浮かべる方が多いと思いますが、「お金に繋がるもの」は他にも沢山あります。
・預貯金
・有価証券(株式や投資信託など)
・各種保険(生命保険など)
・各種金融ローン(クレジットカードやカードローンなど)
・不動産
・口座整理(銀行口座の整理や証券口座の整理)
・宝石や美術品、骨董品など財産になるもの
・公共料金などの支払関係
大きく見積もってもこれだけお金に繋がるものがあります。
ご遺族が全てを把握している場合は問題ないかもしれませんが、そういったケースは非常に少ないです。
残された遺族、自分自身の老後のために、生前からお金の整理をしておきましょう。
お金の整理をする理由は?
お金を整理する一番の理由は遺族や自分自身のために行います。
お金を整理するときに合わせて老後資金のことを考えることもできますし、財産を把握しておくのはとても大切なことなんです。
銀行口座やクレジットカード、証券口座や不動産など財産になりえるものはいろいろとありますよね。
遺族がそういった財産を全て把握しているケースは稀なんですね。
ですのでお金の整理はしっかりして、残された遺族が困らないようにしましょう。
—–残された遺族が困るケース—–
・財産の存在を知らずに放置してしまう
例えばへそくりをしている銀行口座があったとします。
ご家族に内緒で作った銀行口座だとしたら、あなたの死後、その口座の発見が遅れてしまうことになります(もしかしたら永久にご遺族は気付かないかもしれません)。
発見が遅れることで相続税の申告もできませんのでペナルティを課せられる可能性もあります。
結果的にご遺族を困らせてしまうことになりますので、お金の整理はしっかり行いましょう。
・気付かぬうちに支払いを滞納してしまう
公共料金や家賃などいろいろとありますが、あなたが亡くなったあと、残された遺族は気付かぬうちに支払を滞納してしまうケースがあります。
理由:銀行はあなたが亡くなったことがわかると銀行口座を凍結するので、その口座から自動引落しされていたものがストップしてしまうから。
ですので銀行口座で自動引落しされているものは、遺族も把握できるように書き出しておきましょう。
・FX取引で追証発生、最悪の場合は借金も
FX取引のことをご家族にお話している方なら良いですが、内緒にしたまま亡くなってしまった場合、ご遺族はFXの存在を知りませんよね。
そうなると損切りすることも利益を確定することもできません。
しかし法的には財産を相続した時点で、FX取引の資産もご遺族のものになります。
もし、このときに相場の急激な変動が行ったらどうなるでしょうか?
最悪の場合、証拠金以上の損失が出てしまい、借金として遺産が残ってしまいますね。
この借金は、財産を相続しているご遺族へ請求されることになります。
ですのでFX取引や先物取引などしている場合は、こちらについてもしっかりリストへ書き出しておきましょう。
お金の整理をする流れ
では、お金の整理とは具体的にどのようなことをすればよいのか?
この点について紹介していきます。
まずは財産をリスト化しよう
お金の整理をするために、まずは自分の財産を把握するようにしましょう。
先ほども書きましたが、主に以下のようなものを書き出していきます。
・預貯金・銀行口座
・株式や投資信託などの有価証券・仮想通貨など
・各種保険(生命保険など)
・各種金融ローン(クレジットカードやカードローンなど)
・不動産
・宝石や美術品、骨董品など財産になるもの
・公的年金
・公共料金などの支払関係
一番良い方法はノートなどに書き出してリスト化する方法です。
1つずつ書き出していくことで、うっかり忘れていたものを思い出すかもしれないですし、ノートならご遺族も確認して把握しやすいからです。
また、リスト化するときは細かく書き出すようにしましょう。
「○○銀行」だけでなく「○○銀行 ○○支店 口座番号1234567」というようにすぐに分かるようにリスト化することで、もしあなたが亡くなったときに遺族も手続きなど簡単に行うことができます。ネット証券やネット銀行であれば「ログインIDやパスワード」も合わせてリストに書き出しておくといいでしょう。
自分ひとりでやるのもいいですし、ご家族と一緒にリストを作成するのもありだと思います。
じっくり考えてリスト化していきましょう。
—–遺言書の作成—–
相続人が多い場合や遺産が多い場合は、遺言書の作成も検討しておきましょう。
考えたくはありませんが、お金が絡むと相続人同士で揉めるケースもあります。
せっかく残した遺産で揉めてほしくはありませんよね。
そのような場合に備えて遺言書を作成しておくのも1つの手段です。
リスト化した財産の整理をしよう
財産のリスト化ができたら整理をしていきましょう。
中には不要なものがある場合もありますので、そういったものは解約手続きなどして身軽にしておくといいでしょう。
では、項目ごとに整理する方法や準備するものなど紹介していきます。
預貯金・銀行口座
預貯金は亡くなるまで必要なものです。
銀行口座に関しては必要なものと不要なものがある場合があります。
複数の銀行口座をお持ちの方も多いと思いますが、長年利用していない銀行口座もあるのではないでしょうか。
そういった銀行口座は今後も利用しないと思うので解約手続きをしておくといいでしょう。
理由としては故人の銀行口座を解約するのは簡単なことではないからです。
口座名義人が亡くなったことを銀行に伝えると、まずは口座を凍結し、引き出しなど取引が一切できないようになります。
払い出しを行うには書類を揃えて手続きをする必要があります。
書類については「遺言書」や「遺産分割協議書」の有無で異なります。
詳しくは「全国銀行協会の預金相続の手続に必要な書類」をご覧ください。
有価証券(株式や投資信託など)
株式投資や投資信託、先物やFX取引など証拠金取引をされている方もいらっしゃると思います。
投資をする理由は人それぞれあると思います。
「家族に資産を残すために」
「老後をより豊かに過ごすために」
投資をすること自体はなんら問題ありませんが、これらの資産は変動するもので、場合によって資産価値が減ってしまう可能性もあります。
FX取引など証拠金以上の取引ができるものは、相場の急激な変動で借金になることもありえますので、リスク管理の徹底はしておきましょう。
また、あなたがもし亡くなってしまった場合にご家族がすぐ売却できるように
・売却方法を伝えておくこと
・ネット証券のログインパスワードやIDをリストに記入しておく
・証券会社の連絡先を伝えておく
などできることはしっかり行うようにしましょう。
また、最近はビットコインなどの仮想通貨も投資対象として人気を集めています。
株式やFX取引に比べるとやや複雑な側面もありますので、こちらについても同じように上記の点を伝えるなど対応を取っておきましょう。
ウォレットで管理している場合は操作ミスで資産が喪失する可能性もありますので、しっかり伝えておくようにしましょう。
各種保険(生命保険など)
いざというときの為に生命保険に加入している方も多いでしょう。
若い頃に両親に言われるがままに加入した保険、お子さんが小さいのでいざという時に加入した保険、いろいろあると思います。
保険はいざというときに非常に役立ちますが、一度見直してみるのも1つの手段です。
お子さんが成人し、すでに独り立ちしている場合は、そこまで大きな保障は必要ありませんよね。
無駄な出費を削減することもできますし、保険の整理にも繋がります。
最近では「ほけんのトータルプロフェッショナル」など保険の見直しや無料相談を受けることができるサービスもあります。
この機会に、一度こういうサービスを利用してみるのもいいでしょう。
各種金融ローン(クレジットカードやカードローンなど)
各種金融ローンについても整理しておきましょう。
住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険に加入することが多いです。
これは住宅ローンを組んだ名義人に万一のことがあった場合(死亡や高度障害状態)、住宅ローンの残高を立て替えてくれる保険です。
ですので残高の返済は不要となります。
しかし自動車ローンやクレジットカードの利用残高、カードローン残高はそうもいきません。
相続したご遺族が、返済義務を引き継ぐ形になります。
ですのでもしカードローンでのお借り入れやクレジットカードでのキャッシング、ショッピング枠のリボ払いなどで利用残高が残っている場合は生前に完済しておくようにしましょう。
—–返済目処が付かない方—–
相続を放棄することで、ご遺族は返済義務を引き継ぐことはありませんが、今のままでは有意義な老後を過ごすのは難しいと思います。
ですので有意義な老後を過ごすために、どうしても返済目処が付かないという片は「法テラス」などに相談してみてはいかがでしょうか。
債務整理や自己破産も「お金の整理」の一つです。
不動産
不動産はすぐに売却できず、現金化に時間がかかってしまいます。
ですので相続の際、相続人同士でトラブルになるケースもあります。
では、不動産の整理はどのようにすればよいのか?
1つは生前に名義変更をして所有権を移動してしまう方法です。
複数の不動産があるのでしたら、一つは長男、一つは次男、一つは長女といったように事前に名義変更をして所有権を分けておくといいでしょう。
他には生前に売却してしまう方法があります。
自宅は死後もご遺族がお住まいになると思うので難しいですが、複数所有物件がある場合は生前に売却し、現金化しておくことで、相続問題も解決できます。
不動産の価値についても購入時より上昇している可能性もありますし、この機会に「不動産査定サービス」など利用してみるのもいいでしょう。
宝石や美術品、骨董品など財産になるもの
宝石や美術品、骨董品などお持ちの方もいるでしょう。
ご遺族が必要としているのでしたら、そのまま保管しておくのもいいですが、不動産と同じように売却するという手段もあります。
骨董品や美術品は専門業者を利用するようにしましょう。
その辺のリサイクルショップでは、本来の価値を見出してくれない可能性もありますので注意しましょう。
骨董品、美術品、宝石、ブランド品などでしたら、【ザ・ゴールド】など実績ある業者がオススメです。
公的年金
既に年金を受給している方も多いと思いますが、年金受給者が亡くなった場合は「年金受給権者死亡届」という報告書の提出が必要です。
ご家族がご存知の場合は問題ありませんが、年金に対する知識が乏しく、こういったことを知らない場合は後々問題になるケースもあります。
近年不正受給のニュースもありますね。
これもそういった問題の1つです。
死亡後に受給された年金については返還義務が生じますので、万一知らずに使ってしまった場合などは大変です。ご家族と年金についてのお話をしておくのも1つのお金の整理になるのではないでしょうか。
なお、一定の遺族がいる場合は、遺族年金等を受け取ることができます。
詳細は「日本年金機構の公式ページ」をご覧ください。
公共料金や家賃などの支払関係
「預貯金・銀行口座」と関連するのが、公共料金などの支払い関係です。
お財布を握っているのがあなたで、支払い関係も全てあなたが管理している場合は特に注意してください。
「残された遺族が困るケース」で書きましたが、故人の銀行口座は凍結してしまい、自動引落しが無効になります。
自動引落しができないので、当然支払いがされていない状態です。
もちろん催促は残されたご遺族へ向かいますが、あなたの口座はまだ凍結されているので引出ができません。
家賃、電気、ガスや水道、電話料金など普段あなたが全て管理していたとしたら、ご遺族はなかなか大変な目にあいます。
ですので支払い関係は「口座引落にしているものを書き出しておくこと」や「ご家族で共有できる資金をある程度、別管理しておくこと」なども大切です。
以上が終活のお金整理の流れとなっています。
あとは整理したもの(解約したものなど)をリストから削除して更新するだけです。
このとき気をつけたいのが、「解約前のものは削除しない」ことです。
削除してうっかり忘れてしまうこともありますので、解約などしてから削除はするようにしましょう。
まとめ
今回はお金の整理について紹介しました。
終活をする上でお金の整理は欠かせないポイントになると思います。
預貯金(現金)についてはもちろんですが
・有価証券など
・各種保険や金融ローン
・不動産や美術品など財産になるもの
・年金関係
・口座引落の支払いについて
「お金」に関するものは色々あるのがわかったと思います。
一度に整理するのは大変ですので、少しずつできるところから整理しておくといいでしょう。
すぐに整理できない部分については、エンディングノートへ記載、日頃からご家族と話し合うなどの対策を取っておくのも有効です。
遺族のために、そして自身の老後を有意義に過ごすために、「お金の整理」については早い段階で考えておくといいでしょう。
お金の整理と合わせて読みたい「生前整理」については、下記の記事で詳しくし紹介しております。
身の回りを整理することで、より良い老後を過ごすことができると思うので、こちらも参考にしてみてください。