終活で売れるもの一覧|生前整理の買取先の選び方と税金・押し買い対策

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生前整理で物を減らすとき、捨てる前に「売れないか」を考えると、片づけの負担がぐっと軽くなります。処分費がかからず、逆にお金が入ることもあるからです。

ただし、売るには順番があります。そして高齢者の自宅を狙った「押し買い」という手口が実際に報告されています。

この記事では、売れるもの・売れないものの一覧と買取先6種類の比較を示したうえで、税金と押し買い対策まで整理します。

先に結論だけ

  • 売る前に、まず家族に声をかける——あとで「あれはどこ」となるのを防げます
  • 買取先は6種類。品物によって適した先が変わります
  • 普段使っていた家財を売っても、通常は税金がかかりません
  • ただし1個30万円を超える貴金属・宝石・書画骨とうは課税対象になります
  • 「何でも買い取ります」と訪問してくる業者には注意(押し買い)
  • 訪問購入には8日間のクーリングオフがあり、その間は引き渡しを拒めます

目次

  1. 生前に売るメリットと注意点
  2. 売れるもの一覧【分野別】
  3. 売れない・売りにくいもの一覧
  4. 売ってはいけないもの
  5. 買取先6種類の比較【一覧表】
  6. 品物別・どこに売るのがよいか
  7. 売る順番【手順】
  8. 売る前に必ず確認する7項目
  9. 高く売るためのコツ
  10. 税金はかかるのか
  11. いくらから課税されるのか
  12. 継続的に売ると扱いが変わります
  13. 訪問購入(押し買い)とは
  14. 押し買いへの対策とクーリングオフ
  15. フリマアプリを使う場合の注意
  16. 売らずに手放す方法
  17. 売れたお金をどうするか
  18. 家族に伝えておくこと
  19. よくある質問
  20. まとめ

生前に売るメリットと注意点

生前に売るメリット

  • 本人が価値を分かっている——遺族には判断できません
  • 処分費がかからない、むしろ入る
  • 物が減り、片づけが進む
  • 遺品整理の費用が下がる
  • 思い出を語りながら手放せる
  • 売り先を自分で選べる

注意すること

  • 家族が欲しがっている物を売ってしまう
  • 売り急いで安く手放す
  • 押し買いの被害に遭う
  • 高額なものは税金がかかることも
  • 体力を使う(梱包・発送)
  • 売れるまで時間がかかる

最大の価値は「本人しか価値が分からない」こと

遺品整理の現場では、価値のあるものが分からずまとめて処分されてしまうことが頻繁に起こります。古い工具、着物、切手、カメラのレンズ、絵画——遺族には判断できません。

本人が生きているうちに仕分けるだけで、この取りこぼしがなくなります。これが生前に売ることの最大の意味です。

売れるもの一覧【分野別】

分野売れるもの売りやすさ
貴金属金・プラチナ・銀の製品、地金、コイン非常に高い
宝石・アクセサリーダイヤモンド、ブランドジュエリー高い
ブランド品バッグ、財布、時計、スカーフ非常に高い
時計機械式の腕時計、懐中時計。壊れていても値がつくことがあります高い
着物・帯作家物、証紙のあるもの、大島紬・結城紬など物による
カメラ・レンズフィルムカメラ、古いレンズ、三脚高い
楽器ギター、管楽器、和楽器高い
骨とう・美術品掛軸、茶道具、陶磁器、絵画、仏像物による
切手・古銭・記念硬貨高い
ウイスキー、ブランデー、未開封の古酒高い
工具・農機具電動工具、大工道具、耕運機高い
釣り具・ゴルフ用品
鉄道模型・フィギュアコレクション品全般高い
本・レコード専門書、初版、全集、アナログレコード物による
家電製造から5年以内のもの年式による
家具ブランド家具、桐たんす、無垢材低い
車・バイク高い

見落とされやすいのが「工具」と「カメラ」

ご主人が使っていた電動工具や大工道具、古いカメラとレンズは、遺族が価値を知らずに処分してしまう代表格です。中古市場では安定した需要があります。

「使わないから捨てる」の前に、一度だけ査定に出してみてください。

売れない・売りにくいもの一覧

もの理由どうするか
大型の和家具(婚礼だんすなど)需要が少なく、運搬費が上回ります自治体の粗大ごみ/引き取りサービス
10年以上前の家電買い手がつきません家電リサイクル法の対象は所定の方法で
使用済みの衣類(普段着)ブランド品以外は値がつきにくいリサイクル・寄付
開封済みの化粧品衛生上の理由処分
下着・肌着同上処分
大量の食器ブランド物以外は需要が限られます寄付・処分
百科事典・古い全集需要がほぼありません古紙回収
仏壇・神棚買取に応じる業者は限られます閉眼供養のうえ処分
人形・ぬいぐるみ人形供養を受け付ける寺社もあります
アルバム・写真デジタル化して処分
手紙・日記本人が処分するのが最善です

売れないものこそ、本人が処分してください

手紙・日記・写真・仕事の資料——これらは値がつきませんが、遺族がいちばん処分に困るものです。「捨てていいのか分からない」と判断できず、何年も箱に入ったまま残ります。

本人が「これは処分してよい」と決めておくだけで、遺族の負担が大きく減ります。

売ってはいけないもの

もの理由
刀剣類登録証がなければ所持自体が違法です。登録証とともに手続きが必要
銃器・空気銃法令の規制対象です
象牙製品取引には登録・届出が必要な場合があります
剥製・希少動物の製品種によって規制されています
処方された薬販売できません
他人名義のもの
リコール対象品危険です。メーカーへ
模倣品(偽ブランド)販売は違法です
家族が相続を期待しているものトラブルの原因になります

刀剣が出てきたら、まず警察へ

蔵や押し入れから日本刀が出てくることは、実際にあります。登録証がない状態で所持していると法令違反になります。

売る・処分する以前に、まず警察署に発見の届出をしてください。そのうえで教育委員会の登録審査を経て、はじめて所持・譲渡が可能になります。自己判断で処分したり、業者に渡したりしないでください。

買取先6種類の比較【一覧表】

買取先価格手間向いている品物
専門の買取店高い貴金属・時計・カメラ・着物・骨とう(その分野に強い店へ)
総合リサイクルショップ低い小さいまとめて手放したいとき
フリマアプリ最も高い大きいブランド品・コレクション品・本
ネットオークション高い大きい希少品・コレクション品
宅配買取小さい小さくて軽いもの
出張買取最も小さい大量・大型のもの/外出が難しい方
質屋小さい貴金属・ブランド品。買取もしています
遺品整理業者の買取低い最も小さい片づけとまとめて依頼したいとき

※ 価格・手間は編集部がまとめた相対的な目安です。品物・状態・時期・店舗によって大きく異なります。

「高く売る」と「楽に手放す」は両立しません

フリマアプリは最も高く売れますが、写真を撮り、説明を書き、質問に答え、梱包して発送する手間がかかります。高齢の方には現実的でないことも多いでしょう。

「価値の高いものだけ専門店へ、あとはまとめて出張買取」——この使い分けが、体力と価格のバランスとして現実的です。

品物別・どこに売るのがよいか

品物おすすめの売り先ひとこと
金・プラチナ貴金属の専門店を複数相場が公開されているので、2〜3社で比べやすい
ブランドバッグ・財布ブランド買取の専門店/フリマアプリ箱・保証書があると価格が上がります
腕時計時計の専門店動かなくても値がつくことがあります
着物着物の専門店証紙・落款があると評価されます
カメラ・レンズカメラの専門店ジャンク品でも部品取りの需要あり
骨とう・掛軸・茶道具骨とうの専門店必ず複数で見てもらう。評価が大きく分かれます
切手・古銭切手・古銭の専門店
酒の買取専門店未開封・箱つきが条件のことが多い
工具・農機具工具の専門店/出張買取需要が安定しています
楽器楽器店
本・レコード専門古書店/フリマアプリまとめて出すと安くなります
家電(5年以内)リサイクルショップ/出張買取付属品を揃えると値が上がります
家具出張買取/地域の掲示板ブランド以外は難しい
車・バイク買取専門店を複数名義変更まで確実に

総合リサイクル店に骨とうを持ち込まない

何でも扱う店では、専門分野の価値を判断できません。掛軸や茶道具、古いカメラを総合リサイクルショップに持ち込むと、二束三文になることがあります。

価値がありそうなものは、その分野の専門店へ。これだけで結果がまったく変わります。

売る順番【手順】

  1. 家族に声をかける——これが最初です。「欲しいものがあれば言って」と一言
  2. 「売る」「譲る」「処分」「残す」の4つに分ける——箱や付箋を使って
  3. 価値がありそうなものを抜き出す——貴金属・ブランド・時計・カメラ・着物・骨とう
  4. 付属品を探す——箱・保証書・証紙・鑑定書。あるだけで価格が変わります
  5. 専門店に査定を依頼する——必ず2社以上
  6. 残りをまとめて出張買取に出す——1点ずつでは体力がもちません
  7. 売れなかったものを処分する——自治体の粗大ごみ、リサイクル
  8. 売った記録を残す——何をいくらで売ったか。あとで家族に聞かれます

最初の1歩を飛ばさないでください

家族に声をかけずに売ってしまうのが、最も多いトラブルです。「お母さんのあの指輪、私がもらうつもりだった」——こうなると、お金の問題では済みません。

とくに形見になりそうなもの(指輪・時計・着物・写真)は、必ず先に確認してください。

売る前に必ず確認する7項目

  • 家族が欲しがっていないか——最優先で確認
  • 付属品はあるか——箱・保証書・鑑定書・証紙・取扱説明書
  • 中に何か入っていないか——バッグ・財布・本の間に現金や書類が入っていることがあります
  • データが残っていないか——パソコン・スマートフォン・カメラのメモリー
  • 名義変更が必要か——車・バイクは手続きまで確実に
  • 写真を撮ったか——手放したあとに後悔しないため
  • 複数社で査定したか——1社だけで決めない

パソコン・スマートフォンはデータを消してから

売る前に初期化してください。写真・連絡先・ネットバンキングの情報が残ったまま手放すと、そのまま個人情報の流出になります。

初期化のしかたが分からない場合は、家族に頼むか、データ消去に対応した買取店を選んでください。詳しくはデジタル終活チェックリスト|SNS・ネット銀行・パスワード管理をご覧ください。

高く売るためのコツ

  1. 付属品をそろえる箱・保証書・鑑定書・証紙。これだけで価格が変わります
  2. 軽く手入れするほこりを払い、汚れを拭く。ただし磨きすぎない——骨とうや古い硬貨は、磨くと価値が下がることがあります
  3. 複数社で査定するとくに骨とう・着物・カメラは店によって評価が大きく分かれます
  4. まとめて出す点数が多いと交渉しやすくなります
  5. 相場を調べておくフリマアプリで同じ品を検索すれば、おおよその相場が分かります
  6. 売り急がない「今日中なら」と言われても、その場で決めない
  7. 時期を選ぶ季節物は需要のある時期に

磨きすぎに注意

骨とう品・古銭・古い金属製品は、汚れやくすみも含めて評価されます。きれいにしようとして磨くと、かえって価値を下げてしまうことがあります。

ほこりを払う程度にとどめ、判断は専門家に任せてください。

税金はかかるのか

売ったもの税金考え方
家具・家電・衣類・食器原則かかりません生活に通常必要な動産の譲渡は非課税とされています
普段使っていたバッグ・時計原則かかりません同上(ただし高額なものは下記を参照
1個30万円超の貴金属・宝石課税対象生活用動産から除かれます
1個30万円超の書画・骨とう・美術品課税対象同上
金地金・金貨課税対象譲渡所得として扱われます
車(通勤・生活用)原則かかりませんレジャー専用など用途により異なります
不動産課税対象別の計算方法になります
継続して売って利益を得ている課税対象雑所得・事業所得として扱われる場合があります

※ 所得税法上の一般的な考え方を整理したものです。個別の判断は取引の実態によって変わります。金額が大きい場合は、必ず税務署または税理士にご確認ください。

ふつうの生前整理なら、まず心配は要りません

使っていた家具・家電・衣類・食器を売っても、通常は税金がかかりません。「生活に通常必要な動産」の譲渡は非課税とされているためです。

気をつけるのは1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とう、そして金地金です。ここに該当しそうなら、売る前に税務署か税理士に相談してください。

いくらから課税されるのか

項目内容
課税対象になるもの1個(1組)30万円超の貴金属・宝石・書画・骨とう、金地金など
所得の区分譲渡所得(総合課税)
計算のしかた売った金額 − 買ったときの金額 − 売るためにかかった費用
特別控除年間50万円の特別控除があります
所有期間が5年超の場合課税される金額が2分の1になります
買ったときの金額が不明売った金額の一定割合を取得費とする方法があります
申告確定申告が必要な場合があります

利益が50万円を超えなければ、申告は不要なことが多い

譲渡所得には年間50万円の特別控除があります。「売った金額」ではなく「利益(もうけ)」が50万円以内なら、課税される所得は生じません。

ただし、買ったときの金額を証明できるかどうかで計算が変わります。購入時の領収書があれば残しておいてください。判断に迷う場合は税務署にご相談ください。

継続的に売ると扱いが変わります

売り方税金の扱い
自宅の不用品を整理して売る原則として非課税
高額な貴金属・骨とうを売る譲渡所得
仕入れて転売する雑所得または事業所得
継続的・反復的に売って利益を得ている同上
ハンドメイド作品を売る雑所得または事業所得

生前整理が「商売」になっていないか

不用品の整理として売っている限りは問題ありませんが、仕入れて売る、継続的に反復して利益を得るという形になると、扱いが変わります。

フリマアプリで大量に出品を続けている場合など、判断に迷うときは税務署にご相談ください。あとから指摘されるより、先に確認するほうが確実です。

訪問購入(押し買い)とは

押し買いは、業者が自宅を訪問して、安く買い叩いたり、売るつもりのないものまで持ち去ったりする手口です。高齢者の自宅が狙われています。

1電話がかかってくる「不用品を無料で引き取ります」「着物を買い取ります」
2訪問してくる約束した品物以外も見せるよう求めます
3「他にもありませんか」とくに貴金属・指輪を執拗に聞いてきます
4安い価格を提示する相場を知らないことを前提にした金額
5長時間居座る断りきれない状況をつくります
6持ち去る書面を渡さない/内容があいまいなことがあります
7連絡が取れなくなる

「不用品を引き取ります」の電話に応じない

訪問購入では、売買契約の勧誘の要請をしていない人に対して、訪問して勧誘することが禁じられています。

つまりこちらから「来てください」と頼んでいないのに来る業者は、その時点で問題があります。玄関を開ける必要はありません。

押し買いへの対策とクーリングオフ

知っておくこと内容
クーリングオフ訪問購入には8日間のクーリングオフがあります
引き渡しを拒めるクーリングオフができる間は、物品の引き渡しを拒むことができます
事業者の義務氏名・目的・買い取る物品の種類を明示する義務があります
書面の交付契約時に書面を渡す義務があります
不招請勧誘の禁止要請していない人への訪問勧誘は禁止されています
規制の対象外がある自動車(二輪を除く)・家電(携行が容易なものを除く)・家具・書籍・有価証券・音楽映像ソフトなどは訪問購入の規制対象外です
相談先消費者ホットライン「188」

※ 特定商取引法にもとづく制度の概要です。適用の有無は取引の実態によって判断が分かれます。個別の対応は消費生活センター(188)にご確認ください。

最も大事なのは「その場で渡さない」こと

クーリングオフができる間は引き渡しを拒めます。つまり「8日間は考えます。品物はお渡ししません」と言えば、それで守れるということです。

一度持ち去られてしまうと、転売されて取り戻せなくなることがあります。売ると決めていない物は、絶対にその場で渡さないでください。

断り方の文例

電話で:
「訪問での買取はお断りしています。失礼します」

玄関で:
「頼んでいませんので、お引き取りください」

査定を受けたが売りたくないとき:
「今日は決めません。品物もお渡ししません。家族と相談します」

居座られたとき:
「お引き取りください。これ以上続けられるようでしたら警察に連絡します」

売ってしまったあとでも間に合うことがあります

8日以内なら、クーリングオフで契約を解除して品物を取り戻せる場合があります。「もう渡してしまったから」とあきらめず、すぐ消費者ホットライン「188」に電話してください。

手口と対処の詳細は終活詐欺の手口一覧|高齢者を狙う勧誘の見分け方とクーリングオフの手順にまとめています。

フリマアプリを使う場合の注意

項目内容
良い点最も高く売れる可能性があります/相場を調べやすい
手間撮影・説明文・質問対応・梱包・発送。1点あたり30分ほどかかります
売れるまでの時間数日〜数か月
手数料販売手数料と送料がかかります
トラブル返品要求、評価をめぐるやり取り
個人情報匿名で配送できる仕組みを使うと安心です
向いている品ブランド品・コレクション品・本・小物
向かない品大型家具・大量の品物

家族に手伝ってもらうのが現実的です

フリマアプリは高く売れますが、手間が大きいのが実情です。高齢の方が一人で続けるのは負担が大きいでしょう。

「価値のあるものだけ、子や孫に出品を手伝ってもらう」という形が現実的です。売り方は終活でメルカリ!登録から出品方法までシニアにもやさしい画像つき手順遺品整理で不用品を売る方法|フリマアプリ活用ガイドと注意点で解説しています。

売らずに手放す方法

方法向いているものひとこと
家族・親族に譲る思い出のあるもの全般いちばん喜ばれます
友人・知人に譲る趣味の道具・本使ってくれる人に
地域の掲示板・譲渡サイト家具・家電引き取りに来てもらえます
寄付衣類・食器・本・車いす受け入れ先の条件を確認
施設・団体に寄贈楽器・本・画材
自治体の粗大ごみ売れないもの費用は比較的安い
不用品回収業者大量にあるとき許可のある業者か確認を
供養して処分仏壇・人形・写真寺社やお焚き上げ業者へ

「譲る」は生前だからできることです

亡くなったあとに遺族が「誰にあげればいいか」を判断するのは困難です。本人が「これは◯◯さんに」と決めて渡すことができるのは、生きているうちだけです。

金額にはならなくても、喜んで受け取ってくれる人に渡せたという満足は、売却では得られません。

売れたお金をどうするか

使い道ひとこと
片づけの費用に充てる処分費・回収費と相殺できます
葬儀費用として取り分ける口座は凍結されるので、現金で残す意味があります
家族と食事に行く思い出の品を手放した区切りとして
自分のために使う旅行・趣味。これがいちばんよい使い道かもしれません
寄付する
そのまま貯金する老後資金に

現金を少し手元に残しておく

亡くなると預貯金口座は凍結され、葬儀費用を口座から出せなくなります。売って得たお金の一部を現金で残し、その場所を家族に伝えておくと、いざというとき役立ちます。

詳しくは家族が亡くなったら銀行口座はいつ凍結される?をご覧ください。

家族に伝えておくこと

エンディングノートに書いておくこと

  • 売った物と、その金額——「あの指輪はどこ?」を防げます
  • 誰に譲ったか
  • まだ売っていない、価値のあるもの——これが最も重要です
  • その品物の保管場所
  • 買ったときの領収書・鑑定書の場所
  • 付き合いのある買取店の名前
  • 「これは処分してよい」というもの

記入例

売却済父の腕時計 令和◯年◯月 ◯◯時計店へ ◯万円
譲渡済着物一式 姪の◯◯さんへ
未売却桐の箱に入った掛軸(床の間の地袋)
   鑑定書あり(同じ地袋の中)。価値があるかもしれません
未売却父の大工道具一式(物置)
処分可本棚の本・古い食器はすべて処分して構いません
残す母の指輪は長女へ渡してください

「未売却で価値がありそうなもの」が最も大切です

遺族がいちばん困るのは、価値があるかどうか分からない物です。判断できずに、まとめて処分してしまいます。

「これは価値があるかもしれない」と一行書いておくだけで、遺族は査定に出すという選択ができます。書き方は終活ノートの書き方例|項目別の記入サンプルをご覧ください。

よくある質問

終活で売れるものには何がありますか?
貴金属・ブランド品・時計・カメラ・着物・骨とう・切手・古銭・酒・工具・楽器などが売れます。とくに工具とカメラは、遺族が価値を知らずに処分してしまう代表格なので、本人が仕分けておく意味が大きい分野です。
売る前に何をすればいいですか?
まず家族に「欲しいものがあれば言って」と声をかけてください。これを飛ばして売ってしまうのが、最も多いトラブルです。とくに指輪・時計・着物など形見になりそうなものは、必ず先に確認してください。
どこに売るのがいちばんよいですか?
品物によります。価値のありそうなものはその分野の専門店へ2社以上、残りはまとめて出張買取——この使い分けが現実的です。総合リサイクルショップに骨とうや古いカメラを持ち込むと、二束三文になることがあります。
売ると税金がかかりますか?
使っていた家具・家電・衣類・食器を売っても、通常は税金がかかりません。ただし1個30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうや金地金は課税対象になります。譲渡所得には年間50万円の特別控除があります。金額が大きい場合は税務署か税理士にご確認ください。
フリマアプリで売り続けても大丈夫ですか?
不用品の整理として売る分には問題ありませんが、仕入れて転売する、継続的・反復的に利益を得るという形になると、雑所得や事業所得として扱われる場合があります。判断に迷うときは税務署にご相談ください。
「不用品を引き取ります」という電話が来ました。
応じないでください。訪問購入では、勧誘を要請していない人への訪問勧誘が禁じられています。こちらから頼んでいないのに来る業者は、その時点で問題があります。「訪問での買取はお断りしています」と言って切ってください。
その場で品物を渡してしまいました。
8日以内ならクーリングオフができる場合があります。訪問購入には8日間のクーリングオフがあり、その間は引き渡しを拒むこともできます。すでに渡してしまった場合も、すぐに消費者ホットライン「188」へ電話してください。
押し買いから身を守るには?
「その場で渡さない」——これに尽きます。クーリングオフの期間中は引き渡しを拒めるので、「8日間は考えます。品物はお渡ししません」と言えば守れます。一度持ち去られると、転売されて取り戻せないことがあります。
刀が出てきました。売れますか?
まず警察署に発見の届出をしてください。登録証がない状態で所持していると法令違反になります。そのうえで教育委員会の登録審査を経て、はじめて所持・譲渡が可能になります。自己判断で処分したり、業者に渡したりしないでください。
高く売るコツはありますか?
付属品(箱・保証書・鑑定書・証紙)をそろえることと、複数社で査定することです。ただし磨きすぎに注意してください——骨とう品や古銭は、汚れも含めて評価されるため、磨くと価値が下がることがあります。
売れないものはどうすればいいですか?
家族・知人に譲る、地域の譲渡サイトに出す、寄付する、自治体の粗大ごみに出す、といった方法があります。仏壇・人形・写真は、供養してから処分するという選択もあります。
売ったことを家族に伝える必要はありますか?
伝えておいてください。「あの指輪はどこ?」と探されるのを防げます。さらに大切なのが、まだ売っていない「価値がありそうなもの」を書き残すことです。遺族は判断できず、まとめて処分してしまうためです。

まとめ

終活で売る・要点

  • 売る前に必ず家族へ声をかける。形見になりそうな物は特に
  • 本人しか価値が分からない物がある。工具・カメラ・着物・骨とう
  • 価値のある物は専門店へ2社以上、残りはまとめて出張買取
  • 付属品をそろえると価格が変わる。ただし磨きすぎない
  • 使っていた家財を売っても通常は非課税
  • 1個30万円超の貴金属・書画骨とう、金地金は課税対象
  • 「不用品を引き取ります」の電話には応じない
  • 訪問購入は8日間のクーリングオフ。その間は引き渡しを拒める
  • 刀剣が出てきたら、まず警察へ届け出る
  • 「未売却で価値がありそうな物」を書き残すのが最大の備え

生前整理で物を売るのは、お金のためだけではありません。本人にしか分からない価値を、正しく次へ渡すためです。

遺品整理の現場では、価値のあるものが判断されないまま処分されていきます。元気なうちに仕分けておくだけで、この取りこぼしはなくなります。

今日できるのは、家族に「欲しいものがあれば言って」と一言かけること。売る作業は、そのあとで構いません。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法律に関する助言ではありません。譲渡所得の課税・非課税の判断、特別控除の適用、申告の要否は、取引の実態と個別の事情によって異なります。金額が大きい場合や判断に迷う場合は、必ず税務署または税理士にご確認ください。訪問購入に関する規制の適用範囲、クーリングオフの可否と期間は特定商取引法の定めによりますが、対象外となる品目があり、取引の実態によって判断が分かれます。買取価格は品物・状態・時期・店舗によって大きく変動します。実際の対応にあたっては、消費者ホットライン「188」または消費生活センターにご相談ください。

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