エンゼルケアとは?内容・費用・家族ができることをわかりやすく解説

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「エンゼルケア」という言葉を、大切な方が亡くなられた直後に初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。

病院や施設、葬儀社のスタッフから「エンゼルケアを行います」と告げられたとき、「何をするのか」「立ち会えるのか」「費用はかかるのか」と、不安になるのは当然のことです。

この記事では、エンゼルケアとは何か、具体的にどのようなことが行われるのか、家族はどう関われるのか、費用や税務上の扱いはどう考えればよいのかを、できるだけわかりやすく整理します。

目次

まず知っておきたいこと

  • エンゼルケアとは、亡くなられた方の体を清め、身支度やお顔を整える死後のケアです。
  • 病院・施設・自宅・葬儀社によって、対応する人や内容、費用は異なります。
  • 家族が立ち会ったり、一部のケアに参加したりできる場合がありますが、可否や範囲は担当者への確認が必要です。
  • 費用がかかるかどうかは一律ではありません。依頼前に内容と追加料金の有無を確認しましょう。
  • エンゼルケア費用の医療費控除・相続税上の扱いは、請求内容によって判断が分かれる可能性があるため、税務署や税理士への確認が安心です。

エンゼルケアとは?エンジェルケアとの違いも解説

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エンゼルケアの意味

エンゼルケアとは、亡くなられた方の体を清め、必要な処置を行い、身支度やお顔を整える死後のケアのことです。「死後のケア」「死後処置」と呼ばれることもあります。

故人の尊厳を保ち、ご家族が穏やかにお別れしやすい姿に整えることが、大切な目的の一つです。

厚生労働省は、葬送の過程で御遺体を扱う事業者や従業員に向けて、「事業者等における適切な御遺体の取扱い等に関するガイドライン」を公表しています。このガイドラインでは、御遺体への敬意、感染対策、取り違え防止、腐敗防止、ご遺族への配慮などが整理されています。
(出典:厚生労働省「事業者等における適切な御遺体の取扱い等に関するガイドライン」令和7年10月29日

※上記ガイドラインは、葬送の過程で御遺体を扱う事業者・従業員向けの資料であり、医療従事者による御遺体の取扱いは対象として想定されていません。

「エンジェルケア」との違いは?

「エンゼルケア」と「エンジェルケア」は、一般に同じ意味で使われています。表記が異なるだけで、いずれも亡くなられた方の体を清め、身支度を整える死後のケアを指す言葉として用いられます。

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エンゼルケアはいつ行われる?

エンゼルケアは、死亡確認後、搬送・安置・納棺までの流れの中で行われます。病院で基本的な死後のケアを行った後、葬儀社や納棺師が安置後にメイクや着替えを追加で行う場合もあります。

実施されるタイミングや所要時間は、亡くなられた場所、ご遺体の状態、ご家族の希望、病院・施設・葬儀社の対応方針によって異なります。希望がある場合は、早めに担当者へ相談しておくと安心です。


エンゼルケアの内容|具体的に何をするのか

基本的な内容

エンゼルケアの内容は、亡くなられた場所や担当者、ご家族の希望によって異なります。一般的には、次のようなケアが行われます。

  • 体を清める:タオルなどで体を拭き、清潔に整えます。
  • 必要な処置を行う:状況に応じて、体液の漏出を抑えるための処置などが行われます。
  • 医療器具への対応:病院等では、必要に応じて点滴やカテーテルなど医療器具への対応が行われます。
  • お顔を整える:ひげ剃り、保湿、メイクなどで生前の印象に近づけます。
  • 着替え・身支度:ご家族が用意した衣服や旅支度の衣装などに着替える場合があります。
  • 髪型を整える:生前の雰囲気に近い形に髪を整えます。

「どの服を着せたいか」「普段使っていた口紅を使いたい」「ひげを整えてほしい」など、希望を伝えられる場合もあります。すべて対応できるとは限りませんが、気になることは遠慮せず相談してみてください。

エンゼルケアの基本的な流れ|死亡確認後から搬送・安置・納棺までの手順

死亡確認後 → 希望の確認 → 清拭・必要な処置 → お顔・髪・衣服を整える → 搬送・安置・納棺へ

病院・施設・葬儀社では、対応内容が異なる場合があります

場所・依頼先対応する人の例主な対応の例確認したいこと
病院看護師等清拭、医療器具への対応、身支度など家族参加の可否、費用、服装の希望
介護施設・在宅施設職員、訪問看護師、葬儀社等状況に応じた死後のケア、搬送前の身支度など最初の連絡先、対応者、費用
葬儀社・納棺師葬儀社スタッフ、納棺師等メイク、着替え、納棺前の身支度など基本料金に含まれる範囲、追加料金

病院で基本的な処置を行った後に、葬儀社へより丁寧なメイクや着替えを依頼することもあります。どこまで対応してもらえるかは施設や事業者によって異なるため、担当者へ確認しましょう。

事業者による御遺体の取扱いと国のガイドライン

厚生労働省のガイドラインでは、葬送の過程で御遺体を扱う事業者等に対し、エンゼルケアや搬送、湯灌、納棺などで御遺体に触れる際の感染対策や衛生管理、取り違え防止、腐敗防止、ご遺族への配慮などが示されています。

たとえば、御遺体へ直接触れる作業では使い捨て手袋を着用すること、状況に応じてマスク等の防護具を用いること、手指衛生を徹底することなどが整理されています。
(出典:厚生労働省「事業者等における適切な御遺体の取扱い等に関するガイドライン」令和7年10月29日

実際のケア内容や衛生管理の方法は、病院・施設・葬儀社によって異なります。不安なことがあれば、「どのようなケアを行うのか」「家族はどこまで立ち会えるのか」を事前に確認しておきましょう。


エンゼルケアは「怖い」?家族が感じる不安に答えます

「怖い」と感じるのは、ごく自然なことです

「エンゼルケア 怖い」と検索される方は少なくありません。亡くなった方の体に触れるケアを見ることや、その場に立ち会うことに不安を感じるのは、とても自然なことです。

エンゼルケアは、担当するスタッフが行うことが基本です。ご家族が無理に処置へ参加する必要はありません。立ち会いや一部参加を希望できる場合もありますが、可否や参加できる範囲は、感染対策や施設方針、ご遺体の状態によって異なります。

見ることへの不安がある場合は?

ケアの過程を見ることがつらい場合は、「整った後に会わせてください」と伝えることもできます。反対に、「できる範囲で一緒にしてあげたい」と思う場合は、顔を拭く、髪を整える、衣服を選ぶなど、参加できることがあるか相談してみてください。

大切なのは、ご家族が無理をせず、納得できる形でお別れの時間を持つことです。

立ち会いや参加は、気持ちの整理につながることもあります

ご家族が故人の身支度に関わることで、「最後にしてあげられることがあった」「自分なりに見送れた」と感じる方もいます。一方で、立ち会わないことを選ぶ方もいます。

どちらが正しいということではありません。無理をせず、ご自身やご家族にとって負担の少ない形を担当者と相談してください。


エンゼルケアの費用|病院・葬儀社への確認ポイント

費用は一律ではありません

エンゼルケアの費用は、病院・施設・葬儀社、依頼する内容によって異なります。病院での基本的な死後のケアが会計に含まれる場合もあれば、別途費用が設定されている場合もあります。葬儀社の場合も、葬儀プランに含まれている場合と、追加のメイクや着付けなどがオプションになる場合があります。

そのため、「エンゼルケアはいくらです」と全国一律の金額を示すことはできません。依頼前または会計前に、以下を確認しておくと安心です。

  • 基本料金に含まれるケアの内容
  • メイク・着替え・湯灌・納棺などの追加費用の有無
  • 家族が用意するものがあるか
  • 病院で行ったケアと葬儀社に依頼するケアが重複しないか
  • 見積書や請求書に、内容と金額が分かる形で記載されるか

「費用を聞くのは失礼では」と遠慮する必要はありません。内容と費用を確認しておくことは、ご家族が安心して依頼するために大切なことです。

医療費控除の対象になる?

医療費控除は、病気の治療や療養に必要な医療費を支払った場合に受けられる所得控除です。エンゼルケアは亡くなられた後のケアであるため、通常は病気の治療や療養のための費用とは整理しにくく、医療費控除の対象とは考えにくいものです。

ただし、病院の請求書に入院中の医療費とまとめて記載されている場合など、個別の請求内容によって確認が必要になることがあります。判断に迷う場合は、領収書を保管したうえで、税務署や税理士へ確認してください。
(参考:国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」

相続税の計算で差し引ける場合はある?

相続税の計算では、一定の相続人等が負担した葬式費用のうち、通常葬式に必要と認められる費用を遺産総額から差し引ける場合があります。

国税庁は、葬式や葬送、火葬・埋葬・納骨にかかった費用、遺体や遺骨の回送にかかった費用、通常葬式に欠かせない費用などを、差し引ける葬式費用の例として案内しています。一方、香典返しや墓石・墓地の購入費、初七日などの法要費用は対象外とされています。

エンゼルケア費用が相続税上の「葬式費用」に該当するかは、サービス内容や請求区分によって確認が必要です。具体的な判断は、税理士や税務署へ相談してください。
(参考:国税庁「相続財産から控除できる葬式費用」


家族がエンゼルケアに立ち会う・希望を伝える方法

立ち会いを希望する場合の伝え方

エンゼルケアに立ち会いたい場合は、できるだけ早めに担当者へ相談しましょう。病院であれば看護師等へ、施設や在宅の場合は担当職員・訪問看護師等へ、葬儀社に依頼する場合は担当者へ確認します。

立ち会いの可否や参加できる範囲は、施設の方針、衛生管理、ご遺体の状態などによって異なります。そのため、

  • 立ち会いはできますか
  • 家族が顔や手を拭くことはできますか
  • 着せたい服や使いたい化粧品を用意できますか
  • 整った後に対面することはできますか

といった希望を、遠慮せず相談してみてください。

家族ができることの例

状況によっては、ご家族が次のようなことに関われる場合があります。

  • 着せたい洋服や思い出の品を選ぶ
  • 使ってほしい化粧品や整髪方法の希望を伝える
  • 顔や手を拭くケアに参加する
  • 髪を整える、衣服を整えるなどの身支度を手伝う
  • ケア後にゆっくり対面し、お別れの時間を過ごす

何ができるかは状況によって異なります。希望がある場合は、「できる範囲で一緒にしてあげたいです」と担当者に伝えてみてください。

遠方にいる家族がいる場合は?

遠方のご家族がすぐに到着できない場合、搬送や安置、ケアのタイミングについて調整できるか、担当者へ早めに相談してください。ただし、ご遺体の状態や施設・葬儀社の運用によって、希望どおりに待てない場合もあります。

事前に終活の一環として、着せたい服、希望する葬儀の形、連絡してほしい人などをエンディングノートに書き残しておくと、ご家族や関係者が判断しやすくなります。
(参考:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート『あなたに届け、わたしの想い』」


自宅で亡くなった場合・身寄りがない場合のエンゼルケア

自宅で亡くなった場合は、最初の連絡先が状況によって異なります

ご自宅で亡くなられた場合は、予定された在宅看取りであったか、突然の死亡であったかによって、最初に連絡すべき相手が異なります。

  • 在宅医療や訪問看護を利用し、看取りについて事前に相談していた場合:主治医や訪問看護師など、事前に案内されていた連絡先へ連絡します。
  • 突然亡くなっているのを発見した場合や状況が不明な場合:救急や警察への連絡が必要になることがあります。自己判断で葬儀社だけに連絡せず、適切な確認を受けてください。

死亡確認後、必要に応じて訪問看護師、施設職員、葬儀社、納棺師などが、死後のケアや搬送・安置の対応を行います。

身寄りがない方の場合は?

身寄りがない方が亡くなられた場合については、厚生労働省・法務省が、遺体の取扱い、火葬、遺留金品などに関する手引きを公表しています。状況に応じて、病院・施設・葬儀社・市区町村などが対応を検討することになります。
(出典:厚生労働省・法務省「身寄りのない方が亡くなられた場合の遺留金等の取扱いの手引」令和7年10月第3次改訂

また、生前に死後事務委任契約などを検討しておくことで、契約内容に応じて、葬儀や行政手続き、遺品整理などに関する希望を専門家等へ託せる場合があります。契約の内容や費用、依頼先については、弁護士・司法書士等の専門家へ確認してください。


よくある質問|怖い?自分でできる?病院と葬儀社の違いは?

Q. エンゼルケアは自分でできますか?

ご家族が、故人の顔や手を拭く、髪を整える、着せたい服を選ぶといった形で参加できる場合はあります。ただし、体液への接触や感染対策が必要になる処置もあるため、自己判断で行わず、担当者の説明を受けながら関わることをおすすめします。

Q. エンゼルケアを希望しない場合は断れますか?

メイクや衣服などについて、希望しない内容がある場合は担当者へ相談できます。ただし、衛生管理や搬送・安置のために必要な対応がある場合もあります。何が必要な処置で、何が希望に応じて選べる内容なのか、説明を受けて確認しましょう。

Q. 病院でケアを受けた後、葬儀社にメイクをお願いできますか?

病院で基本的な死後のケアを行った後、葬儀社や納棺師へメイクや着替えなどを追加で相談できる場合があります。対応内容や追加費用は事業者によって異なるため、依頼前に確認してください。

Q. エンゼルケアはいつまでに行うものですか?

全国一律の期限が定められているものではありません。ただし、亡くなられた後は体の状態が時間とともに変化するため、必要なケアや安置方法については、死亡確認後に早めに担当者へ相談することが大切です。

Q. 在宅で亡くなった場合、まず葬儀社へ電話すればよいですか?

必ずしもそうではありません。予定された在宅看取りであれば主治医や訪問看護師など事前に案内された連絡先へ、突然の死亡や状況が不明な場合は救急・警察への連絡が必要になることがあります。死亡確認後に、葬儀社へ搬送や安置、必要なケアについて相談します。

Q. 子どもや乳幼児の場合もエンゼルケアは行われますか?

小児・乳幼児の場合も、亡くなられた場所や状況に応じて死後のケアが行われます。対応内容や家族の関わり方については、病院や担当者へ相談してください。ご家族の気持ちに配慮した対応を希望することも大切です。

Q. エンゼルケアの希望を生前に残しておくことはできますか?

はい。着せてほしい服、使ってほしい化粧品、連絡してほしい人、葬儀の希望などを、エンディングノートに書き残しておく方法があります。法的効力を持つ遺言書とは役割が異なりますが、ご家族や関係者が判断するときの助けになります。


まとめ|エンゼルケアを知っておくことで、大切な人を丁寧に送り出せる

エンゼルケアは、亡くなられた方の体を清め、必要な処置を行い、身支度やお顔を整える死後のケアです。

  • 対応する人や内容は、病院・施設・自宅・葬儀社によって異なります。
  • 家族が立ち会ったり、一部の身支度に参加したりできる場合がありますが、可否や範囲は担当者へ確認しましょう。
  • 費用は一律ではありません。依頼前に内容と追加料金の有無を確認することが大切です。
  • エンゼルケア費用は通常、医療費控除の対象とは考えにくいものですが、請求内容により確認が必要です。
  • 相続税では、一定の葬式費用を遺産総額から差し引ける場合があります。エンゼルケア費用の扱いは税理士・税務署へ確認しましょう。
  • 自宅で亡くなられた場合は、在宅看取りか突然の死亡かによって、最初の連絡先が異なります。
  • 生前にエンディングノートや死後事務委任契約を検討することで、葬儀やお別れに関する希望を残しやすくなります。

「最後にきれいにしてあげたい」「穏やかな姿で送り出したい」——その気持ちは、とても自然で大切なものです。わからないことや不安なことがあれば、病院・施設・葬儀社の担当者に遠慮なく確認してください。

この記事が、あなたとご家族が大切なお別れの時間を考えるうえで、少しでもお役に立てれば幸いです。


📋 葬儀・終活の不安は、一人で抱え込まなくて大丈夫です

エンゼルケアについて確認したいことがある場合は、まず病院・施設・葬儀社の担当者に、「どのようなケアを行うのか」「家族はどこまで関われるのか」「費用はかかるのか」を確認してみてください。

また、生前に自分の希望を書き残したい方は、エンディングノートを活用する方法もあります。

知っておくだけでも、いざというときの不安は少し軽くなります。できるところから、無理のない範囲で確認してみてください。

【免責事項】本記事は、厚生労働省・法務省・国税庁等の公式資料をもとに作成した一般的な情報提供を目的としています。エンゼルケアの内容・費用・立ち会いの可否は、病院・施設・葬儀社等によって異なります。また、医療費控除・相続税上の扱いは個別事情により異なる場合があります。具体的な内容は、病院・施設・葬儀社・税務署・税理士等にご確認ください。本記事は医療・法律・税務上の助言を提供するものではありません。

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