エンディングドレスの作り方・費用・選び方|死装束を生前準備

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「自分の最期は、好きな色や自分らしい服で迎えたい」——そんな思いから、エンディングドレスを生前に準備する方が注目されています。

エンディングドレスは、専門店の既製品を購入するだけでなく、オーダーメイドで作ったり、思い出の服をリメイクしたり、自分で手作りしたりすることもできます。

ただし、普通の洋服を選ぶと、納棺の際に着せにくかったり、金属パーツや素材の種類によっては火葬場で対応できなかったりする場合があります。

この記事では、エンディングドレスの選び方・作り方・費用相場・生前準備の進め方を、初めて考える方にも分かりやすく解説します。

先に結論|エンディングドレスを準備する5つのポイント

  1. 見た目だけでなく、納棺時の「着せやすさ」を確認する
  2. 金属パーツや厚手の生地を避け、素材を葬儀社へ確認する
  3. 既製品・オーダー・手作り・手持ち服から自分に合う方法を選ぶ
  4. 購入・制作後は、保管場所を家族へ伝える
  5. エンディングノートに写真・保管場所・希望を書いておく

目次

エンディングドレス(死装束)とは?従来の白装束との違い

エンディングドレス(死装束)とは?従来の白装束との違い

エンディングドレスとは、亡くなった方が納棺の際に身につける、現代的な「旅立ちの衣装」です。

ドレスという名称が使われていますが、必ずしも華やかな洋装だけを指すわけではありません。ガウンのような衣装、着物風の仏衣、男性向けの上着、故人が愛用していた服なども、広い意味で旅立ちの装いに含まれます。

従来の仏式葬儀では、白い経帷子をはじめとする白装束が使われてきました。ただし、実際の装いは宗派・地域・寺院・家族の考えによって異なります。

白装束とエンディングドレスのどちらが正しいということではありません。伝統を大切にしたい方は白装束、自分らしさを表現したい方はエンディングドレスというように、本人や家族の希望に合わせて選べます。

比較項目従来の白装束エンディングドレス
考え方宗教的・伝統的な旅立ちの装い本人らしさや好みを表す装い
主な色白が中心白・淡色・花柄など幅広い
デザイン着物・経帷子などドレス・ガウン・和装・普段着など
準備方法葬儀社が用意することが多い購入・オーダー・手作り・リメイク
注意点宗派や地域の習慣を確認着せやすさ・素材・火葬場の規則を確認

なぜ今、生前にエンディングドレスを準備する人が増えているのか

なぜ今、生前にエンディングドレスを準備する人が増えているのか

エンディングドレスを生前に考えることは、決して縁起の悪い準備ではありません。

「最期まで自分らしくありたい」「家族に服選びで悩ませたくない」という、前向きな終活の一つです。

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自分の希望を形にできる

亡くなった後は、自分で服を選ぶことができません。何も希望を残していない場合、葬儀社が用意する白装束や、家族が選んだ衣装になることが一般的です。

元気なうちに選んでおけば、好きな色、形、雰囲気を自分で決められます。

家族の迷いや負担を減らせる

家族は葬儀の短い準備期間に、多くのことを決めなければなりません。

そのなかで「どの服を着せれば喜ぶだろう」と悩むこともあります。本人が希望する衣装を準備しておけば、家族にとっても一つの判断材料になります。

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思い出の服や布を生かせる

結婚式で着たドレス、大切にしてきた着物、好きだったワンピースなどを、旅立ちの衣装へリメイクすることもできます。

人生の思い出が込められたものを、最後の装いとしてもう一度使えることも、エンディングドレスならではの魅力です。

エンディングドレスの主なタイプ・選び方

【図解】エンディングドレスの主なタイプ

【図解】エンディングドレスの主なタイプ

① ドレスタイプ
レースやギャザーを使った洋装。白・クリーム・ピンク・紫などが選ばれます。

② ガウン・ローブタイプ
全身をやさしく包む形。ゆったりしていて、体型が変化した場合にも対応しやすいタイプです。

③ 和装・着物タイプ
白装束に近いものから、色柄のある着物風衣装まであります。

④ 普段着・リメイクタイプ
愛用していたワンピース、スーツ、着物などを、そのまま使うか着せやすく直します。

⑤ 男性・ユニセックスタイプ
スーツ風、作務衣風、シャツ型、ガウン型など、性別にとらわれない装いも選べます。

デザインを選ぶ際は、見た目だけでなく、次の点を確認しましょう。

  • 前・後ろ・脇のどこが開く構造か
  • 腕や肩を大きく動かさず着せられるか
  • 体型が変わっても対応できるゆとりがあるか
  • 金属製のファスナー・ワイヤー・装飾が多くないか
  • 厚手の生地や重ね着になっていないか
  • 利用する葬儀社や火葬場で対応できる素材か

既製品を購入する

既製品を購入する

手軽に準備したい方には、専門店や通販で販売されている既製品が向いています。

専門のエンディングドレスは、背面や脇が大きく開く、布ひもで留められるなど、納棺時の着せやすさを考えて設計されている商品があります。

購入前には、写真だけで判断せず、サイズ、開閉方法、素材、付属品、返品条件を確認しましょう。

既製品を選ぶときの確認項目

  • ドレス本体のほかにベールや靴下が含まれるか
  • フリーサイズか、体型別のサイズ展開があるか
  • 洗濯・保管方法が明記されているか
  • 注文後、どのくらいで届くか
  • 金属・プラスチック装飾の有無

オーダーメイドで作る

オーダーメイドで作る

色・素材・デザインにこだわりたい場合は、専門店や洋裁工房へのオーダーも選択肢です。

好きな花、思い出のモチーフ、体型に合わせたシルエットなどを取り入れられます。

一方、制作期間が数週間から数か月かかる場合があり、既製品より費用も高くなります。打ち合わせ回数、修正料金、納期、キャンセル条件まで確認しましょう。

オーダーする際は、通常のパーティードレスではなく、「納棺時に着せる衣装として使いたい」と最初に伝えることが重要です。

手持ちのお気に入りの服を活用する

手持ちのお気に入りの服を活用する

必ずしも、エンディングドレス専用品を購入する必要はありません。

愛用していたワンピース、スーツ、着物、パジャマ、制服などを旅立ちの服として希望することもできます。

ただし、亡くなった後のお身体は、普段どおりに腕や脚を動かして着替えられるとは限りません。

細身の服、首元が狭い服、硬いジャケット、金属ファスナーのある服などは、そのままでは着せにくい場合があります。

希望する服がある場合は、事前に葬儀社へ見せて相談し、必要に応じて背面を開く、留め具を変えるなどのリメイクを検討しましょう。

エンディングドレスの費用相場|準備方法別の目安

エンディングドレスの費用は、準備方法や素材によって大きく異なります。

以下は一般的な目安です。実際の金額は販売店・工房・素材・サイズ・装飾によって変わるため、購入前に見積もりを確認してください。

準備方法費用の目安特徴
手持ちの服を使う0〜2万円程度購入費は不要。クリーニングや簡単な補修・加工費がかかる場合があります。
自分で手作り5,000〜3万円程度生地・レース・糸などの材料費が中心。使用する素材で変動します。
既製品を購入1万〜15万円程度比較的選びやすく、専門品は着せやすい構造になっていることがあります。
既存の服・着物をリメイク3万〜15万円程度思い出の服や布を活用できます。加工内容によって費用差が大きくなります。
オーダーメイド10万〜30万円以上素材・サイズ・デザインを細かく指定できます。高級素材ではさらに高くなる場合があります。

「本体価格」だけでなく、送料、ベール、靴下、補正、保管袋、リメイク料金なども含めて比較しましょう。

依頼先による違い

依頼先向いている人確認したいこと
エンディングドレス専門店納棺用に設計された衣装を選びたい人素材、サイズ、開閉構造、納期、返品条件
葬儀社葬儀全体と合わせて相談したい人プラン料金に含まれるか、持ち込み料があるか
洋裁・リメイク工房着物や思い出の服を再利用したい人納棺用衣装の制作経験、素材制限、修正範囲
一般のドレス店好みのデザインを優先したい人着せやすく加工できるか、金属や厚手素材の有無

エンディングドレスを自分で作る・手作りする方法

エンディングドレスを自分で作る・手作りする方法

裁縫が好きな方なら、自分でエンディングドレスを作ることもできます。

通常の服のように体へぴったり合わせる必要はありません。むしろ、体を締めつけず、納棺時に無理なく整えられる形が向いています。

【図解】エンディングドレスを手作りする基本の流れ

【図解】エンディングドレスを手作りする基本の流れ

STEP1:イメージを決める
ドレス、ガウン、着物風など、大まかな形と色を決めます。

STEP2:葬儀社へ相談する
使用できる素材や装飾、着せやすい構造を確認します。

STEP3:生地を選ぶ
薄手でやわらかく、扱いやすい生地を中心に選びます。

STEP4:ゆったりした形で裁断する
Aラインやガウン型など、体を締めつけない形にします。

STEP5:背面や脇を大きく開ける
腕や肩を大きく動かさなくても着せられる構造にします。

STEP6:金属を使わず留められるようにする
共布のひもや綿テープなど、事前に確認した留め方を選びます。

STEP7:完成写真と説明書を残す
着せたときの完成イメージや保管場所を家族へ伝えます。

用意するもの

  • 表地となる生地
  • 必要に応じて薄手の裏地
  • ミシンまたは手縫い用の糸・針
  • 布ひも・綿テープ
  • 型紙または手持ちのゆったりしたワンピース
  • 裁ちばさみ・メジャー・チャコペン
  • 装飾用のレースや布花

生地を購入する前に、火葬場や葬儀社へ素材の可否を確認してください。地域や施設によって扱いが異なります。

手作りする際のポイントと注意点

手作りする際のポイントと注意点

体にぴったり合わせすぎない

病気や年齢によって、購入・制作時から体型が変化する可能性があります。

ウエストを細く絞った服より、肩・胸・腹部に十分なゆとりがあるAラインやガウン型が使いやすいでしょう。

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背面や脇を大きく開ける

普通のワンピースのように、頭からかぶったり、腕を袖へ深く通したりする形は、納棺時に着せにくい場合があります。

正面は美しく見える形にしながら、背中や脇を大きく開け、布ひもなどで調整できる構造にすると扱いやすくなります。

硬い部品や重い装飾を避ける

金属ファスナー、ワイヤー、金属ボタン、大量のビーズ、厚いパッドなどは、着せにくさや火葬時の問題につながることがあります。

装飾は「少なく、軽く、取り外しやすく」を意識しましょう。

完成後に葬儀社へ確認する

見た目だけでは、実際に納棺できる構造か判断しにくいことがあります。

可能であれば、完成後の写真や実物を葬儀社に見てもらい、着せ方や素材について確認しておくと安心です。

既存の服をリメイクする場合

新しく一から作るのが難しい場合は、手持ちの服をリメイクする方法があります。

比較的加工しやすいのは、ゆったりしたワンピース、ロングシャツ、ガウン、薄手の着物などです。

リメイク例

  • 背中の縫い目を開き、布ひもで留める
  • 細い袖を広げる、または袖口へ切り込みを入れる
  • 金属ファスナーを外し、布ひもへ変える
  • 硬い裏地・肩パッド・ワイヤーを取り外す
  • 前身頃へ思い出のレースや布を縫いつける
  • 着物をガウン型や上掛け型へ仕立て直す

大切な服を切ることに抵抗がある場合は、実際には着せず、身体の上から掛ける方法が取れることもあります。

服の状態や葬儀社の対応によって異なるため、加工前に相談してください。

準備したエンディングドレスはどう保管・共有する?

準備したエンディングドレスはどう保管・共有する?

せっかく衣装を準備しても、家族が存在を知らなければ使ってもらえない可能性があります。

購入・制作と同じくらい、保管場所と希望を家族へ共有しておくことが重要です。

保管するときのポイント

  • 汚れや湿気を残さず、完全に乾かしてから保管する
  • 直射日光、高温多湿、極端に乾燥する場所を避ける
  • 通気性のある衣装袋や布袋を使用する
  • 強く折りたたまず、シワや装飾のつぶれを防ぐ
  • 防虫剤が生地へ直接触れないようにする
  • 年に一度を目安に、変色・カビ・虫食いを確認する

シルク、着物地、レースなどは、保管環境によって変色・劣化する場合があります。購入店や制作した工房の保管方法を優先してください。

一緒に保管しておきたいメモ

一緒に保管しておきたいメモ

衣装に添える説明書の例

  • 「私の旅立ちの衣装です」
  • 着せたときの完成写真
  • 前後・上下の向き
  • ひもや留め具の使い方
  • 付属するベール・靴下・小物
  • 相談済みの葬儀社
  • 火葬前に取り外してほしい装飾

エンディングノートへ書く内容

エンディングノートへ書く内容

エンディングノートには、次のように記載すると家族へ伝わりやすくなります。

記入例

「納棺の際は、寝室のクローゼット上段に保管している白い衣装を着せてください。衣装袋に写真と着せ方のメモを入れています。使用できるか、葬儀社と火葬場へ確認してください。」

可能であれば、家族へ口頭でも伝え、葬儀社の事前相談を利用した場合は、その記録も一緒に残しておきましょう。

エンディングドレスについてよくある質問

エンディングドレスについてよくある質問

宗教上、白装束以外を着てはいけないのでしょうか?

すべての宗教・宗派で、白装束だけが必須というわけではありません。

ただし、寺院や地域、家族の考えによって伝統的な装いを重視する場合があります。菩提寺がある方は、事前に僧侶や葬儀社へ相談すると安心です。

準備しておけば、必ず希望どおり着せてもらえますか?

本人の希望は大切ですが、実際の対応は、お身体の状態、葬儀形式、火葬場の規則、衣装の構造などによって変わります。

希望を実現しやすくするには、衣装を準備するだけでなく、家族と葬儀社へ事前に伝えておくことが重要です。

化学繊維のドレスは使えないのでしょうか?

化学繊維を一律に禁止しているとは限りませんが、火葬場によっては化学繊維製品を制限・自粛の対象としている場合があります。

素材の割合、衣装の厚さ、装飾品によっても判断が変わるため、購入・制作前に確認してください。

季節に合わせて夏用・冬用を準備する必要はありますか?

納棺後は棺の中で過ごすため、一般の外出着と同じような防寒性は必要ありません。

厚手の衣装や重ね着は火葬へ影響する場合があります。季節感を出したい場合は、色や薄手の生地、花柄などで表現するとよいでしょう。

男性もエンディングドレスを準備できますか?

もちろん可能です。

スーツ風、シャツ型、作務衣風、着物、ガウンなど、本人の好みに合った衣装を選べます。愛用のスーツを使用したい場合は、着せやすい加工が必要か事前に確認しましょう。

体型が変わってサイズが合わなくならないか心配です

生前準備では、現在の体型にぴったりの衣装より、ゆったりした形を選ぶ方が対応しやすくなります。

背面や脇が開くタイプ、布ひもで調整できるタイプ、身体の上から掛けられるタイプを選ぶと安心です。

購入せず、写真だけ残す方法でもよいですか?

問題ありません。

希望する色・形・雰囲気を写真やイラストで残し、「同じような衣装を選んでほしい」と家族へ伝える方法もあります。

保管中の劣化や体型変化が気になる方は、具体的な衣装を購入せず、希望だけをエンディングノートへ残す方法も現実的です。

まとめ|自分らしい最期の装いを、無理のない方法で準備しよう

エンディングドレスには、決まった一つの正解があるわけではありません。

専門店のドレスを購入しても、思い出の服をリメイクしても、自分で手作りしても構いません。白装束を選ぶことも、もちろん大切な選択です。

重要なのは、自分がどのような姿で見送られたいかを考え、その希望を家族へ伝えておくことです。

今日からできる準備

  1. 好きな色や衣装のイメージを考える
  2. 既製品・手作り・手持ち服のどれにするか決める
  3. 候補の素材や構造を葬儀社へ確認する
  4. 家族に希望を話す
  5. エンディングノートへ保管場所を書く

いきなり衣装を購入する必要はありません。まずは「この色が好き」「この服で旅立ちたい」と書き残すことから始めてみましょう。

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【免責事項】
本記事に記載した費用は一般的な目安であり、販売店、制作会社、素材、サイズ、装飾、配送、加工内容などによって異なります。エンディングドレスや手持ちの衣類を実際に使用できるかどうかは、お身体の状態、葬儀形式、宗教・宗派、葬儀社、火葬場の規則によって異なります。購入・制作・リメイクを行う前に、利用予定の葬儀社や火葬場へご確認ください。

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