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最期に着る服を、自分で選んでおきたい。そう考える人が増えています。エンディングドレスは、納棺のときに着せてもらう「旅立ちの服」のことです。既製品を買う方法もありますが、実際に多いのは着物や手持ちの服から作る方法です。この記事では、白装束との違いから、火葬を前提にした素材の判断、具体的な作り方の手順、保管と伝え方までを順にまとめます。
結論
- 決まりはありません。白装束でなければいけない、ということはない
- 選ぶときに最も大事なのは見た目ではなく素材と、着せやすさ
- 金属・ガラス・厚い化学繊維は避ける。火葬場の規定は地域で異なる
- 作るなら着物や思い出の服からのリメイクが最も現実的
- 用意しても伝わっていなければ着せてもらえません。ここが最大の落とし穴
目次
- エンディングドレスと白装束の違い
- 準備する人が増えている理由と、判断の基準
- タイプ別の選び方と、火葬を前提にした素材の考え方
- 費用の目安と、抑える方法
- 着物・手持ちの服・型紙からの作り方の手順
- 手作りで失敗しやすい点
- 保管のしかたと劣化を防ぐ方法
- 家族と葬儀社への伝え方(文例つき)
エンディングドレス(死装束)とは?従来の白装束との違い
エンディングドレスとは、亡くなったあと、納棺のときに着せてもらう服のことです。「旅立ちの服」「エンディングウェア」と呼ばれることもあります。
従来、仏式では白装束(経帷子)と呼ばれる白い着物を着せる習わしがありました。これは旅立ちの装いを表すものとされ、いまも広く用いられています。エンディングドレスは、これに代わる選択肢として広まってきたものです。
| 白装束(経帷子) | エンディングドレス | |
|---|---|---|
| 形 | 白い着物の形 | 洋服の形が多い。和装もある |
| 色 | 白 | 自由に選べる |
| 用意する人 | 葬儀社が用意することが多い | 本人または家族 |
| 用意する時期 | 亡くなったあと | 生前に準備できる |
| 費用 | 葬儀の費用に含まれることが多い | 別に用意する |
| 決まり | 宗派によって作法がある | とくに定めはない |
どちらかを選ばなければいけない、というものではありません
白装束の上に好きな服を掛ける、上着だけ本人のものにする、といった組み合わせも可能です。宗派の作法を大切にしたい場合は、菩提寺や葬儀社に相談してください。
呼び方が複数あるので整理しておきます
| 呼び方 | 指しているもの |
|---|---|
| 死装束 | 最も広い言葉。白装束もエンディングドレスも含む |
| 白装束・経帷子 | 仏式で用いられてきた白い着物 |
| エンディングドレス | 洋服の形をした旅立ちの服 |
| 旅立ちの服・旅立ち着 | エンディングドレスとほぼ同じ意味 |
| エンディングウェア | 同上。男性用も含めて使われる |
調べるときは「死装束」で検索すると白装束の情報が、「エンディングドレス」で検索すると洋服の情報が出やすいという違いがあります。探しているものに合わせて言葉を変えてみてください。
なぜ今、生前にエンディングドレスを準備する人が増えているのか
理由は大きく3つあります。
- 自分の希望を形にできる最期の装いは、本人が何も言い残していなければ、家族が決めることになります。着たいものがはっきりしているなら、生前に用意しておくのが唯一確実な方法です。
- 家族の迷いや負担を減らせる亡くなった直後の家族は、短い時間で多くのことを決めなければなりません。「これを着せてください」と決まっているだけで、判断が1つ減ります。
- 思い出の服や布を生かせる着られなくなった着物、母から譲られた帯、若い頃に大切にしていた服。処分に迷っていたものを、意味のある形で使うことができます。
3つ目が、実際にはいちばん大きな動機です
「箪笥の着物をどうするか」という悩みと、「最期に何を着るか」という問いは、1つの答えで同時に解けます。使わないまま処分するより、納得のいく形になったという声が多く聞かれます。
準備する人・しない人の判断基準
全員に必要なものではありません。次の表で、自分に当てはまるかを確かめてください。
| こういう場合は準備する価値が大きい | こういう場合は無理に用意しなくてよい |
|---|---|
| 着たいものがはっきりしている | とくにこだわりがない |
| 処分に迷っている着物や服がある | 家に活用したい布がない |
| 白装束に抵抗がある | 宗派の作法を大切にしたい |
| 家族に負担をかけたくない | 家族が決めてくれる状況にある |
| 裁縫ができる、または頼める人がいる | 費用をかけたくない |
| おひとりさまで、決める人がいない | ー |
迷ったら、まず「希望を書く」だけでも十分です
実物を用意しなくても、「箪笥の一番上の引き出しにある青い着物を着せてほしい」と書いておくだけで希望は伝わります。用意するかどうかは、そのあとで決めて構いません。
エンディングドレスの主なタイプ・選び方
準備のしかたは3つに分かれます。
| 方法 | 向いている人 | 手間 | 自由度 |
|---|---|---|---|
| 既製品を購入する | 手間をかけたくない人 | 小さい | 選べる範囲で |
| 仕立てを依頼する | 生地や形にこだわりがある人 | 中くらい | 高い |
| 自分で作る・作ってもらう | 思い出の布を生かしたい人 | 大きい | 最も高い |
| 手持ちの服を活用する | 費用をかけたくない人 | 最も小さい | 手持ち次第 |
既製品を購入する
専門に扱う店や通信販売で購入できます。サイズと色を選ぶだけで済むのが利点です。ただし実物を確かめにくいため、素材の表示は必ず確認してください。
仕立てを依頼する
着物や生地を持ち込んで仕立ててもらう方法です。和裁・洋裁を扱う店や、リメイクを請け負う工房が対応する場合があります。納期と費用を先に書面で確認してください。
手持ちのお気に入りの服を活用する
新しく用意せず、いま持っている服をそのまま使う方法です。費用はかかりません。ただし、次の章で説明する素材と着せやすさの点だけは確認しておいてください。
素材で選ぶ:火葬を前提に考える
見た目より先に、素材を確認してください
エンディングドレスは火葬されます。そのため、素材によっては使えない、または一部を外す必要があります。取り扱いの基準は火葬場によって異なります。必ず葬儀社を通じて確認してください。
| 素材・部品 | 一般的な扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 綿・麻・絹などの天然素材 | 問題になりにくい | 燃えやすい |
| 薄手の化学繊維 | 葬儀社に確認 | 火葬場の規定による |
| 厚手の化学繊維 | 避けたほうがよい | 溶けて残ることがある |
| 金属のボタン・ファスナー | 外す | 燃え残る |
| 金属の飾り・ラメ糸 | 避ける | 同上 |
| ガラス・石の装飾 | 外す | 燃え残る |
| ワイヤー入りの下着 | 外す | 金属が入っている |
| 厚い芯地・肩パッド | 確認する | 素材による |
| 革製品 | 避ける | 燃えにくい |
迷ったら「天然素材で、金属を使わない」
この2つを守れば、まず問題になりません。装飾を付けたい場合は、くるみボタン、ひも、リボン、レースなど布でできたものを選んでください。金属のボタンは、あとから布でくるむだけでも対応できます。
色とデザインの決め方
色に決まりはありません。ただし、選ぶときに考えておくと後悔が少ない点があります。
- 顔映りを見る顔のそばに来る布の色で、印象が大きく変わります。実際に肩に当てて鏡を見てください。
- 家族がどう感じるかも少し考えるあまりに華やかだと、家族が戸惑うことがあります。気になる場合は、生前に一度見せておくと安心です。
- 白でなくてよい淡い色、薄紫、水色、生成りなどが選ばれることが多くあります。
- 柄は小さめが落ち着く横になった状態で見られるため、大きな柄は印象が強く出ます。
- 季節は気にしなくてよい納棺は室内で行われるため、季節に合わせて何着も用意する必要はありません。
サイズは「着せやすさ」で決める
これが最も実務的で、最も見落とされる点です
亡くなったあとの着付けは、本人が立てない状態で行われます。ふだん着るときの「ちょうどよいサイズ」では、着せられないことがあります。
- ふだんのサイズよりゆとりのあるものを選ぶ
- 頭からかぶる形より、前が開く形のほうが着せやすい
- 後ろが開く形(背開き)にしておくと、さらに扱いやすい
- 袖口とウエストがきつくないか確認する
- ボタンやホックが多すぎないか(少ないほうが早い)
- 体型が変わる可能性を見込んで、細身にしすぎない
手作りするなら、背中を開けておくと確実です
背中の中心を上から下まで開けられるようにしておき、着せたあとに合わせる。この形にしておくと、サイズが多少変わっても対応できます。手作りの最大の利点はここにあります。
エンディングドレスの費用相場|準備方法別の目安
| 方法 | 費用の考え方 | 変動する要素 |
|---|---|---|
| 手持ちの服を使う | かからない | ー |
| 自分で作る | 生地代と材料費のみ | 生地を買うか、家にあるものを使うか |
| 家族・知人に作ってもらう | 材料費が中心 | お礼をどうするか |
| 既製品を購入する | 商品によって幅がある | 素材、装飾、サイズ展開 |
| 仕立てを依頼する | 最も高くなりやすい | 生地の持ち込みの可否、工賃 |
※ 価格は取り扱う店や時期によって大きく異なります。本記事では具体的な金額は示していません。購入や依頼の前に、必ず複数から見積もりや価格を確認してください。
費用を抑える3つの方法
- 家にある布を使う着られなくなった着物、帯、大切にしていたスカーフ。生地代がゼロになるだけで、費用の大半が消えます。
- 作るのは上半身だけにする納棺後に見えるのは主に上半身です。全身をきちんと仕立てなくても、上に掛ける形で十分という考え方があります。
- 手持ちの服に一手間だけ加える気に入っている服の金属ボタンを布のボタンに替える、背中を開けられるようにする。これだけで「用意した」ことになります。
お金をかけないほうが本人らしくなることもあります
新しく買ったものより、長く着ていた服のほうが、家族には「その人らしい」と映ることがあります。費用は必須ではありません。
エンディングドレスを自分で作る・手作りする方法
ここからが実際の作り方です。作り方は大きく3つに分かれます。
| 作り方 | 難しさ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 着物や帯からリメイクする | 中 | 箪笥に着物がある人 |
| 手持ちの服を仕立て直す | やさしい | 裁縫に慣れていない人 |
| 型紙から作る | やや難しい | 洋裁の経験がある人 |
用意するもの
- 生地(着物、手持ちの服、購入した布)
- 裁ちばさみ、糸切りばさみ
- 糸(生地に合った色)
- まち針、しつけ糸
- メジャー、ものさし
- アイロン
- ミシン(手縫いでも作れます)
- くるみボタン、ひも、リボンなど金属以外の留め具
作り方1:着物や帯からリメイクする手順
最も選ばれている方法です。着物は直線で縫われているため、ほどけば長方形の布に戻ります。この性質を利用します。
- 着物をほどく。縫い目を切らずに糸を抜いていくと、布を傷めません
- ほどいた布を洗い、アイロンで整える
- しみや傷みのある部分を確認し、使う場所を決める(見える部分に傷みを持ってこない)
- 身頃・袖・衿の位置を決めて印を付ける
- 背中の中心を開けられるように裁つ
- しつけをして、仮に形を作る
- 本縫いをする
- 留め具(ひも・くるみボタン)を付けて仕上げる
帯は「一部だけ」使うのがコツ
帯は生地が厚く、全身に使うと重くなります。衿、前身頃の一部、上に掛ける布として使うと、厚みを生かしつつ扱いやすくなります。金糸・銀糸が入っている部分は避けてください。
金糸・銀糸の入った布は使わないでください
豪華な帯や訪問着には、金糸・銀糸が織り込まれていることがあります。これらは金属を含むため、火葬で残る可能性があります。使いたい場合は、その部分を避けて裁つか、葬儀社に確認してください。
作り方2:手持ちの服を仕立て直す手順
裁縫に慣れていなくてもできる方法です。ゼロから作るのではなく、いまある服に手を加えるだけです。
- 着せたい服を1着決める
- 金属のボタン・ファスナー・飾りを外す
- 外した部分に、くるみボタンやひもを付ける
- 背中の中心を、衿から裾まで切り開く
- 切った端をほつれないように始末する
- 背中を留めるひもかスナップ(布製)を数か所付ける
- 洗って、アイロンをかけて保管する
この方法なら半日で終わります
新しく作る必要はありません。気に入っていた1着に、金属を外して背中を開ける。これだけで十分に「用意した」ことになります。裁縫が苦手なら、洋服のお直しを扱う店に頼むこともできます。
作り方3:型紙から作る場合の手順
洋裁の経験がある方向けです。自由度が最も高くなります。
- ゆったりしたワンピースかローブの型紙を用意する
- ふだんのサイズより大きめに調整する
- 背中の中心を「わ」にせず、開くように製図する
- 生地を裁つ(縫い代を多めに取っておくと後で調整できる)
- 身頃を縫い、袖を付ける
- 衿ぐりと袖口を始末する
- 裾を始末する
- 背中の留め具を付けて完成
型紙は「ゆったりしたローブ」が扱いやすい
体に沿った形より、まっすぐ落ちる形のほうが着せやすく、体型が変わっても対応できます。パジャマや部屋着の型紙を大きめにして流用することもできます。
既存の服をリメイクする場合の注意
| 確認すること | 対応 |
|---|---|
| 素材表示のタグ | 化学繊維の割合を確認する |
| 裏地 | 裏地が化学繊維のことが多い。外すか確認する |
| 芯地 | 衿や前立てに厚い芯が入っていないか |
| 肩パッド | 外しておく |
| 金属の部品 | ボタン、ファスナー、ホック、飾り |
| ビーズ・スパンコール | 素材を確認する。ガラス製は外す |
| しみ・変色 | 時間が経つと目立ってくることがある |
手作りで失敗しやすい5つの点
| 失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
| サイズを合わせすぎた | ゆったり作る。背中を開ける |
| 金属の部品を見落とした | 完成後にもう一度、全部の部品を確認する |
| 凝りすぎて完成しない | まず1着を仕上げる。装飾は後から足せる |
| 作ったことを家族が知らない | 保管場所とセットで伝える |
| 保管中に傷んだ | 次の章の保管方法を守る |
3つ目に注意してください
刺繍を入れよう、レースを付けよう、と考えているうちに何年も未完成のままという例があります。まず着られる状態のものを1着仕上げてください。飾りは、そのあとで足せます。
家族が作る場合・本人が作る場合
本人が作る場合
- 希望が確実に反映される
- 作る時間そのものが心の整理になる
- 体力があるうちに始める必要がある
- 家族に知らせておくこと
家族が作る場合
- 本人の希望を必ず聞いてから
- 本人の目の前で作ると気まずいことも
- 闘病中は、時期を慎重に
- 作ること自体が支えになる場合もある
家族が作る場合の切り出し方
「死装束を作る」と言うと重くなります。「この着物、何かに仕立て直したいんだけど、どんな形がいい?」と、布の話から入るほうが自然です。
準備したエンディングドレスはどう保管・共有する?
用意したあとの扱いで、実際に着てもらえるかどうかが決まります。
保管するときのポイント
- 湿気の少ない場所に置く
- 直射日光が当たらない場所にする
- 畳んで箱に入れるか、たとう紙に包む
- 防虫剤を入れる(天然素材は虫がつきます)
- ビニール袋に密閉しない(湿気がこもります)
- 年に1度は取り出して風を通す
- 家族が開けられる場所に置く(金庫に入れない)
一緒に保管しておきたいメモ
箱に入れておくメモの例
これは私の旅立ちの服です。納棺のときに着せてください。
・素材は絹です(母の着物を仕立て直しました)
・背中が開くようになっています
・金属は使っていません
・一緒に入れてほしいもの:この写真1枚
・葬儀社の方に、この紙を見せてください
(〇年〇月 名前)
このメモが、いちばん重要です
服だけ置いてあっても、家族はそれが何なのか判断できません。「旅立ちの服です」と書いた紙を一緒に入れておくだけで、確実に伝わります。素材を書いておけば、葬儀社の確認も早くなります。
保管中の劣化を防ぐ
| 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|
| 黄ばみ・変色 | 洗ってから保管する。汚れが残ると変色します |
| 虫食い | 防虫剤を入れる。年1回入れ替える |
| カビ | 密閉しない。湿気の少ない場所へ |
| 折り目の傷み | 年に1度たたみ直す |
| 金属部品のさび | そもそも金属は使わない |
| 存在を忘れられる | 終活ノートに書く。家族に伝える |
エンディングノートへ書く内容
- 旅立ちの服を用意していること
- 保管している場所(「寝室の押入れ上段、白い箱」など具体的に)
- 素材(葬儀社が確認するときに必要)
- 誰が作ったか、どんな由来のものか
- 一緒に入れてほしいものがあれば、その内容
- 用意がない場合は、着せてほしい服の場所
書き方の全体像は終活ノートの書き方例、ノート自体の選び方は終活ノートの選び方を参照してください。
家族に伝えるときの文例
文例1:さらっと伝える
押入れの白い箱、開けてみて。母さんの着物を仕立て直したの。最後にこれを着たいと思ってるから、そのときはよろしくね。
文例2:重くしたくないとき
着物をどうしようか迷ってたんだけど、仕立て直したらすっきりしたわ。あの箱に入れてあるから、いつか使ってちょうだい。
文例3:おひとりさまの場合(第三者へ)
寝室の押入れに白い箱があります。中に旅立ちの服とメモが入っていますので、葬儀社の方にお渡しください。
葬儀社に伝えるタイミング
ここを知らないと、用意していても間に合わないことがあります。
納棺は思ったより早く行われます
家族が「あとで出そう」と思っているうちに、すでに着替えが済んでいたという例があります。用意していることは、葬儀社へ最初に連絡する段階で伝えてください。葬儀全体の流れは納棺式とは?流れ・費用・持ち物と立ち会いのマナーを参照してください。
素材や副葬品の最終確認
| 確認する相手 | 確認する内容 |
|---|---|
| 葬儀社 | この服で問題ないか。外すべき部品はあるか |
| 葬儀社を通じて火葬場 | 地域の規定に合っているか |
| 菩提寺(ある場合) | 宗派の作法として問題ないか |
| 家族 | 誰が服を出すのか決まっているか |
一緒に入れるものにも制限があります
写真、手紙、思い出の品などを一緒に納めたい場合、入れられるものと入れられないものがあります。眼鏡、指輪、腕時計などの金属製品、厚い本、ガラス製品は一般に入れられません。希望がある場合は、事前に葬儀社に確認してください。
男性の場合・和装を選ぶ場合
| 選択 | 考えること |
|---|---|
| 男性が洋服を選ぶ | スーツを選ぶ人が多い。金属のボタン・ベルトの留め具は外す |
| 作務衣・甚平 | 着せやすく、素材も扱いやすい |
| 浴衣・着物 | 綿や絹なら扱いやすい。帯は簡素なものに |
| ふだん着ていた服 | 「その人らしい」と受け取られやすい |
| 白装束と組み合わせる | 上に掛ける、上着だけ替える、といった方法がある |
男性の場合も、確認する点は同じです。天然素材であること、金属を外すこと、ゆとりがあること。スーツを選ぶ場合、ベルトのバックル、袖のボタン、ネクタイピンは外してください。
エンディングドレスについてよくある質問
- 宗教上、白装束以外を着てはいけないのですか?
- 一般には、白装束でなければならないという決まりはありません。ただし宗派によって作法を大切にする場合があります。菩提寺がある場合は、事前に相談しておくと安心です。白装束の上に好きな服を掛けるといった組み合わせも可能です。
- 準備しておけば、必ず希望どおり着せてもらえますか?
- 必ずとは言えません。家族が存在を知らなければ着せられません。また素材によっては火葬場の規定で使えない場合もあります。保管場所を家族に伝え、葬儀社には最初の連絡時に伝えてください。
- 化学繊維のドレスは使えないのですか?
- 薄手であれば問題にならないことが多いですが、厚手のものは溶けて残ることがあります。取り扱いの基準は火葬場によって異なります。葬儀社を通じて確認してください。迷う場合は天然素材を選ぶのが確実です。
- 季節に合わせて夏用・冬用を準備する必要はありますか?
- 必要ありません。納棺は室内で行われるため、季節に合わせて何着も用意する必要はありません。1着で十分です。
- 男性もエンディングドレスを準備できますか?
- できます。スーツ、作務衣、浴衣、ふだん着ていた服など、選び方は自由です。確認する点は同じで、天然素材であること、金属を外すこと、ゆとりがあることです。
- 体型が変わってサイズが合わなくならないか心配です
- ゆったりした形にし、背中の中心を開けられるようにしておくと対応できます。手作りの最大の利点はここにあります。既製品を買う場合も、ふだんのサイズより大きめを選んでください。
- 購入せず、写真だけ残す方法でもよいですか?
- 構いません。「この服を着せてほしい」と写真と保管場所を書き残しておけば、希望は伝わります。実物を用意しなくても始められます。
- 着物からしか作れませんか?
- いいえ。手持ちの服に手を加えるだけでも十分です。金属の部品を外し、背中を開けられるようにする。この2つだけで、着せやすい旅立ちの服になります。
- 裁縫ができません。
- 洋服のお直しを扱う店や、和裁・洋裁の工房に依頼できる場合があります。また、金属ボタンを布のボタンに付け替えるだけでも意味があります。家族や知人に頼む方法もあります。
- 金糸・銀糸の入った帯は使えますか?
- その部分は避けてください。金属を含むため、火葬で残る可能性があります。金糸の入っていない部分を選んで裁つか、葬儀社に確認してください。
- 一緒に入れたいものがあります。
- 入れられるものと入れられないものがあります。眼鏡、指輪、腕時計などの金属製品、厚い本、ガラス製品は一般に入れられません。希望がある場合は事前に葬儀社にご確認ください。
- いつまでに用意すればよいですか?
- 期限はありませんが、作るなら体力があるうちです。また、用意したことを家族に伝えるところまでが準備です。作って保管しただけでは、伝わりません。
まとめ|自分らしい最期の装いを、無理のない方法で準備しよう
エンディングドレスに決まりはありません。白装束でなければいけない、ということもなければ、必ず用意しなければいけないということもありません。
ただし、用意すると決めたなら、押さえるべき点は3つです。天然素材を選び、金属を使わないこと。ゆったりした形にし、背中を開けられるようにすること。そして、家族に伝えること。
作り方は難しく考えなくて構いません。いちばん手軽なのは、気に入っている服の金属部品を外して、背中を開けるだけ。半日で終わります。箪笥に着物があるなら、ほどいてリメイクする方法もあります。使わないまま処分するより、納得のいく形になります。
そして用意しても、伝わっていなければ着せてもらえません。服と一緒に「これは私の旅立ちの服です」と書いた紙を入れ、保管場所を家族に伝える。ここまでやって、準備は完成です。
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本記事は、編集部が公開情報と一般的な実務の流れをもとにまとめたものです。特定のブランド・商品・店舗の紹介や順位付けは行っておらず、価格も掲載していません。火葬場で使用できる素材や、棺に納めることができるものの範囲は、地域や施設によって基準が異なります。実際の準備にあたっては、必ず葬儀社を通じて火葬場の取り扱いをご確認ください。宗派の作法については菩提寺にご相談ください。健康状態により作業が負担になる場合は、無理をせず家族や専門の店に依頼してください。

























