死後のSNSアカウントはどうなる?追悼アカウントと削除の手順

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亡くなったあと、SNSのアカウントは自動では消えません。投稿も写真もそのまま残り、誕生日には友人へ通知が届き続けます。家族が消したくても、勝手にログインすることはできません。この記事は、アカウントの行き先は3つしかないという前提から、追悼アカウントの仕組み、削除の申請手順、そして生前にやっておくべきことをまとめたものです。

この記事の結論

  • アカウントは自動では消えない。誰かが申請しない限り残り続けます
  • 行き先は3つ。そのまま残す・追悼の状態にする・削除する
  • 家族がログインするのは避けてください。規約で禁じられているのが一般的です
  • 正解はアカウントの存在を知らせ、正規の申請で進めてもらうこと
  • 放置の最大の実害はなりすましと乗っ取りです

この記事でわかること

  1. 亡くなったあとアカウントがどうなるか
  2. 放置すると起きる4つの問題
  3. 追悼アカウントという仕組み
  4. 削除を申請する手順と必要書類
  5. 家族がログインしてはいけない理由
  6. 生前にできる設定と管理人の指定
  7. 書き残し方(文例つき)
  8. 発信していた人・仕事で使っていた場合

亡くなったあと、アカウントはどうなるか

結論から言えば、何もしなければ、そのまま残ります。サービス側が自動的に気づくことはありません。

時間の経過起きること
直後何も変わらない。投稿も写真も残っている
数か月誕生日の通知が友人に届く
1年後「久しぶりに連絡してみては」といった案内が出ることがある
数年後そのまま残る。長期間使われないと停止される場合もある
いつでも乗っ取られる危険は続く

サービス側は、亡くなったことを知りません

当然ですが、誰かが伝えない限り、サービス側は把握できません。だから「申請」という仕組みがあるのです。家族が動かなければ、何年でもそのままです。

放置すると起きる4つの問題

  • なりすまし・乗っ取り最も実害の大きい問題です。使われていないアカウントは狙われやすく、乗っ取られると友人へ不審な連絡が送られます。故人の名前で詐欺の連絡が届くという事態が実際に起きています。
  • 誕生日の通知が届く友人や家族に「お誕生日です」という通知が届きます。知らない人には何気ない通知でも、近しい人にはつらいものです。
  • 家族が見られない残された写真や文章を見たくても、ログインできないため確認できません。
  • 連絡していた相手に伝わらないネット上だけの付き合いだった人には、亡くなったことが永久に伝わりません。

1番目が最も深刻です

亡くなったあとに乗っ取られ、故人の名前で友人にお金を要求する連絡が送られたという例があります。放置は防犯上の問題でもあります。

アカウントの3つの行き先

行き先状態誰が決めるか
そのまま残す何も手続きしない結果的にそうなる
追悼の状態にする投稿は残るが、新たな利用はできなくなる家族が申請する
削除するアカウントごと消える家族が申請する

「そのまま残す」は選んだ結果ではありません

ほとんどの場合、誰も何もしなかった結果です。本人が「残してほしい」と望むなら、それを書き残しておくべきですし、望まないなら申請してもらう必要があります。どちらにしても、書いておかないと決まりません。

追悼アカウントという仕組み

主要なSNSの一部には、亡くなった方のアカウントを追悼の状態にする仕組みがあります。名称や条件はサービスによって異なりますが、考え方は共通しています。

一般的な特徴内容
亡くなったことが分かる表示名前の近くに表示されることがある
新たなログインができない乗っ取りを防げる
これまでの投稿は残る友人が見返せる
誕生日の通知が止まる遺族の負担が減る
友人が追悼の言葉を残せるサービスによる
検索や案内に出にくくなるサービスによる

※ 仕組みの有無、名称、できることの範囲はサービスによって異なり、変更されることがあります。必ず利用中のサービスの案内でご確認ください。

追悼の状態でできること・できないこと

できること

  • これまでの投稿を見る
  • 友人がメッセージを残す
  • 乗っ取りを防ぐ
  • 誕生日の通知を止める

できないこと

  • ログインして操作する
  • 過去のやり取りを読む
  • 設定を自由に変える
  • アカウントを引き継ぐ

過去のやり取りは、原則として読めません

「故人が誰とどんなやり取りをしていたか知りたい」という要望はよくありますが、非公開のやり取りは、追悼の状態にしても読めないのが一般的です。プライバシーの保護のためです。

削除を申請する場合

1サービスの案内を探す「追悼」「故人」「死亡」といった言葉で、サービスのヘルプを探します。
2申請の窓口を見つける専用の申請フォームが用意されていることが多くあります。
3必要書類を準備する死亡が確認できる書類と、申請者と故人の関係が分かる書類が求められます。
4申請するアカウントの情報(登録名や利用者名)が必要です。
5審査を待つすぐには処理されません。時間がかかります。
6結果の連絡を受ける追加の資料を求められることもあります。

申請に必要になるもの

種類
亡くなったことが分かる書類死亡診断書、死亡が記載された戸籍、訃報の記事など
申請者の身分証明運転免許証など
関係が分かる書類戸籍謄本など
アカウントの情報登録名、利用者名、登録していたメールなど

4番目でつまずく例が最も多い

書類はそろっても、「どのアカウントか」を家族が特定できないのです。利用者名を知らない、どのサービスを使っていたかも分からない。だから生前に一覧を残しておく必要があります。

申請しても時間がかかります

実際に起きること備え
処理まで日数がかかる急ぎでないと理解しておく
追加の資料を求められる書類は多めに用意しておく
やり取りが英語になることがある翻訳の手段を考えておく
電話での問い合わせ窓口がないフォームでのやり取りが中心
申請が通らないことがある条件を満たしているか確認する

急ぐ必要のある手続きではありません

死亡後の手続きには期限のあるものが多くありますが、SNSの申請に法的な期限はありません。役所や金融機関の手続きを先に済ませ、落ち着いてから取りかかって構いません。期限のある手続きは死亡後の手続き一覧|期限順チェックリストを参照してください。

家族がログインして操作するのは避けてください

「合言葉を家族に教えておく」は勧められません

多くのサービスで本人以外の利用は規約により禁じられています。また、二段階認証があると本人の端末がないとログインできません。さらに、本人になりすまして投稿や削除を行うことは、受け取る側から見れば「故人が生きているかのような振る舞い」になり、混乱を招きます。

やろうとすること問題
家族がログインして削除する規約に反する可能性がある
本人の名前で最後の投稿をする受け取る側が混乱する
本人の携帯で認証する携帯を解約すると使えなくなる
合言葉のメモを保管しておく紛失・盗難の危険がある
友人に頼んで消してもらう同じく規約の問題がある

正解は「存在を知らせて、正規の申請で進めてもらう」こと

合言葉を渡す必要はありません。どのサービスを使っていて、利用者名は何か。この情報さえあれば、家族は正規の手順で申請できます。ネット銀行についても同じ考え方です(終活でネット銀行を整理する手順)。

生前にできる設定

サービスによっては、あらかじめ死後の扱いを指定できる仕組みがあります。

設定できること内容
管理人を指定する亡くなったあと、限られた範囲で対応してもらう人を決める
死後の扱いを選ぶ追悼の状態にするか、削除するかを事前に指定する
一定期間利用がない場合の動作連絡先へ通知したり、データを渡したりする仕組み
公開範囲を見直す残ることを前提に、見せてよい範囲を整理する

まず、利用中のサービスに設定があるか確認してください

設定画面で「アカウント」「プライバシー」「データ」あたりを見ると、該当する項目が見つかることがあります。設定できるなら、これが最も確実な備えです。ただし設定したことを家族に伝えておくのを忘れないでください。

管理人を指定する場合の注意

  • 指定する相手に、事前に伝えて了解を得る
  • その人ができることの範囲を理解しておく(全権ではありません)
  • その人が自分より先に亡くなる可能性も考える
  • 指定したことを終活ノートに書く
  • 数年に一度、設定が有効か確認する

生前に決めておく3つのこと

決めること書く場所
1どのサービスを使っているか終活ノート(名前だけ)
2それぞれの利用者名終活ノート
3削除してほしいか、残してほしいか終活ノート

合言葉は書かないでください

必要なのはサービス名と利用者名だけです。合言葉は書かず、保管場所だけを伝えてください。この点はデジタル終活チェックリストでも扱っています。

書き残し方(文例)

終活ノートへの書き方

【使っているサービス】
・写真を投稿するもの(利用者名:〇〇〇)→ 削除してください
・短い文章を投稿するもの(利用者名:〇〇〇)→ そのまま残して構いません
・友人とのやり取りに使うもの(利用者名:〇〇〇)→ 削除してください

※ 合言葉は書きません。各サービスに「故人のアカウント」として申請すれば手続きできます。
※ 過去のやり取りは読めない仕組みです。無理に見ようとしなくて構いません。
※ 知らせてほしい人:〇〇さん(電話:〇〇〇)。ネット上だけの付き合いの方です。

最後の1行を入れてください

ネット上だけで付き合いのあった人には、亡くなったことが伝わりません。知らせてほしい相手がいるなら、名前と連絡手段を書いておいてください。これは家族には絶対に分からない情報です。

発信していた人・フォロワーが多い場合

考えること内容
知らせるかどうか読者に伝えるか、静かに終えるか
誰が伝えるか家族か、あらかじめ頼んだ人か
何と伝えるか詳細を書くか、簡潔にするか
投稿を残すか資料としての価値がある場合も
収益がある場合規約上どう扱われるか確認する
誹謗中傷への対応知らせたあとに何が起きるか考えておく

家族から読者へ伝える場合の文例

いつも見てくださっていた皆様へ。家族です。〇月〇日に本人が亡くなりました。生前は温かい言葉をいただき、ありがとうございました。このアカウントはこのまま残す予定です。個別のご返信はできませんが、皆様のお気持ちに感謝しております。

頼む相手を決めておくと家族が助かります

家族はその世界のことを知りません。「もし何かあったら、〇〇さんに知らせてください」と1人決めておくだけで、家族の負担が大きく減ります。

仕事に使っていた場合

  • 会社や団体の名義か、個人の名義かを確認する
  • 会社名義なら、引き継ぎ先を決めておく
  • 取引先との連絡に使っていないか
  • 収益が発生している場合、その扱いを確認する
  • 顧客の情報が含まれていないか
  • 廃業する場合の告知をどうするか

個人名義と会社名義を分けておいてください

個人のアカウントで仕事のやり取りをしていると、亡くなったあと誰も引き継げません。取引先が連絡手段を失うことになります。生前に分けておくのが確実です。

写真・動画をどう残すか

SNS上の写真は、アカウントが消えれば一緒に消えます。残したいものがあるなら、別に保存しておいてください。

やること内容
まとめてダウンロードするデータを一括で取得できる機能があるサービスが多い
手元の機器に保存するサービスが終わっても残る
本当に残したいものを選ぶ全部残しても、誰も見返せません
印刷する機器がなくても見られる形が最も長く残る
保存場所を家族に伝えるこれがないと意味がありません

写真の整理そのものは終活でアルバムの大切な写真を整理して綺麗に残す方法を参照してください。

アカウントを減らすという選択

状態どうするか
毎日使っている残す
たまに見るだけ残してよいが、一覧に書く
1年以上使っていない削除を検討
登録したことを忘れていた削除
試しに作っただけ削除

使っていないアカウントは今日消してください

本人なら数分で削除できます。家族がやろうとすると、書類をそろえて申請し、審査を待つことになります。この差は非常に大きいものです。

一人暮らしの場合の備え

  • アカウントの一覧を、紙で分かる場所に置く
  • 誰か1人に「書いてある」と伝える
  • 死後の手続きを頼む相手を決める
  • ネット上だけの知人がいれば、その連絡先も書く
  • 設定で死後の扱いを指定できるなら、しておく
  • 使っていないアカウントは減らしておく

身寄りがない場合の備えは身寄りなし・子なし夫婦が任意後見で備えるべき5つのこと、頼める内容は終活の代行サービスを参照してください。

よくある質問

亡くなったらアカウントは自動で消えますか。
消えません。誰かが申請しない限り、そのまま残ります。サービス側が亡くなったことを知る手段はないためです。
家族が代わりにログインして消してもよいですか。
避けてください。本人以外の利用は規約で禁じられているのが一般的です。正規の申請窓口から手続きしてください。
追悼アカウントとは何ですか。
亡くなった方のアカウントを、新たなログインができない状態にしつつ、投稿は残す仕組みです。誕生日の通知が止まり、乗っ取りも防げます。名称や条件はサービスによって異なります。
過去のやり取りを読むことはできますか。
原則としてできません。非公開のやり取りは、追悼の状態にしても読めないのが一般的です。プライバシー保護のためです。
削除の申請には何が必要ですか。
亡くなったことが分かる書類、申請者の身分証明、故人との関係が分かる書類、そしてアカウントの情報です。最後の「どのアカウントか」で家族がつまずくことが最も多くあります。
申請すればすぐ消えますか。
時間がかかります。追加の資料を求められることもあります。ただし法的な期限のある手続きではないので、役所や金融機関の手続きを先に済ませて構いません。
合言葉を書き残しておいたほうがよいですか。
書かないでください。必要なのはサービス名と利用者名だけです。それがあれば家族は正規の手順で申請できます。
放置すると何が困りますか。
最も深刻なのは乗っ取りです。故人の名前で友人に不審な連絡が送られる事態が実際に起きています。ほかに、誕生日の通知が届き続けるという問題もあります。
写真を残したいのですが。
アカウントが消えれば写真も消えます。データを一括で取得できる機能があるサービスが多いので、手元に保存してください。本当に残したいものは印刷しておくと確実です。
ネットだけの友人に知らせたいのですが。
家族はその存在を知りません。名前と連絡手段を終活ノートに書いておいてください。これは書き残さない限り、絶対に伝わらない情報です。
仕事で使っているアカウントがあります。
個人名義と会社名義を分けておいてください。個人のアカウントで仕事のやり取りをしていると、亡くなったあと誰も引き継げず、取引先が連絡手段を失います。
まず何をすればよいですか。
使っているサービスの名前と利用者名を紙に書き出してください。あわせて、1年以上使っていないアカウントは今日削除してください。本人なら数分で終わります。

まとめ

亡くなったあと、SNSのアカウントは自動では消えません。誰かが申請しない限り、投稿も写真も残り続け、誕生日には通知が届き、そして乗っ取られる危険も続きます。

行き先は3つ。そのまま残す、追悼の状態にする、削除する。ただし「そのまま残す」は、たいてい誰も何もしなかった結果です。望むかどうかにかかわらず、書いておかないと決まりません。

そして、家族に合言葉を渡す必要はありません。規約で禁じられているのが一般的で、二段階認証があればログインもできません。正解は、サービス名と利用者名を書き残しておくことです。それだけで家族は正規の手順で申請できます。

今日やることは2つだけです。使っているサービスの名前と利用者名を書き出すこと。そして、1年以上使っていないアカウントを削除すること。本人なら数分ですが、家族がやろうとすると書類をそろえて審査を待つことになります。この差は、とても大きいものです。

本記事は、編集部が公開情報と一般的な運用をもとにまとめたものです。特定のサービスの紹介や順位付けは行っておらず、個別の操作手順も掲載していません。追悼の仕組みの有無、名称、申請の窓口、必要書類、処理にかかる期間、生前に設定できる項目は、サービスによって異なり、頻繁に変更されます。必ず利用中のサービスの公式の案内でご確認ください。アカウントの利用や譲渡に関する取り扱いは各サービスの規約により定められています。相続に関わる財産の扱いについては、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

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