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終活の生みの親、佐々木広人さんが提案して今年でちょうど10年。
終活をする人は年々増加傾向にあります。
2010年に新語・流行語大賞にもノミネートされてから続く「終活ブーム」
今回はその理由に迫りたいと思います。
目次
終活ブーム
終活という言葉が生まれたのが2009年
そして新語・流行語大賞にノミネートされたのが2010年
今は「終活」という言葉が世間に認知され、有名人も度々メディアで終活を行っていることを告白しています。
なぜ10年足らずでここまでブームになったのか?
まずは終活の流れを見ていきましょう。
終活の生みの親
終活とは、佐々木広人さんが2009年に週刊朝日の特集記事「現代終活事情」で提案した言葉から始まりました。
佐々木広人さんは、アサヒカメラ編集長で、日本広告写真家協会APAアワードや住友不動産販売フォトコンテストの審査員として幅広く活躍されている方です。
AERA dot.(アエラドット)を立ち上げたり、写真著作権の啓蒙活動も行っています。
そして日本カメラの編集長の佐々木秀人さんと
「本音で語る一眼カメラの今と未来」
をテーマに夢の対談をされていますので、カメラや写真に興味がある方は是非ご覧になってみて下さい。
【2大カメラ誌 アサヒカメラ編集長 × 日本カメラ編集長の夢の対談】
「カメラグランプリ2018」で大賞を受賞したSONYの「フルサイズミラーレス一眼α9」についても語られています。
最近は2000万画素以上のカメラを搭載したスマホや、手ブレ補正機能、AIカメラ機能など性能が高い様々なスマホが登場しています。
ですがスマホにはない一眼カメラの良さをこの対談で知ってみて下さい。
終活のブームの始まり
終活は2009年に佐々木広人さんに生み出された翌年、2010年には新語・流行語大賞にもノミネートされます。
そして「現代用語の基礎知識」にも2010年版から追加されました。
ですがこの時の「終活」の意味合いは今とは違います。
当時の終活事情は葬儀とお墓をピックアップしたものに過ぎませんでした。
それがよくわかるのが、「わたしの葬式 自分のお墓」
この本は、終活が生み出された2009年の週刊朝日の特集記事「現代終活事情」を再編集した本です。
タイトルからもわかるように葬式とお墓がメインで、自分の問題として取り組んで終活をしようという形でした。
当時、宗教学者の島田裕巳さんの著書「葬式は、要らない」がベストセラーしたことも「終活ブーム」を後押しした背景にあります。
それでは今の終活、「エンディングノート」や「遺言書」、「財産分与」などの要素はどこで含まれるようになったのか?
それは金子哲雄さんの完璧な終活がメディアで報道されたことが大きく影響しています。
金子哲雄さんの終活
金子哲雄さんは2012年10月2日、41歳で急逝した流通ジャーナリストです。
2011年6月に急性の難病「肺カルチノイド」と診断され、余命0日と宣告されました。
金子哲雄さんは自分の死を受け入れ、残される妻、稚子さんのためにやらなければならないことを生前中に全て準備しました。
預金、生前整理、遺言書、葬儀、お墓、遺影、手紙、戒名、埋葬、会葬礼状の手配
そしてそれだけじゃなく、稚子さんが心の整理ができるよう自分の死後にやるべきことを遺しました。
この一部始終が綴られているのが「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」
金子哲雄さんが亡くなる1ヵ月前から書き上げた著書になります。
妻、稚子さんのために生前中に自分ができることを全て準備した金子哲雄さんの完璧な終活。
これがたくさんのメディアで取り上げられたことから、「終活」という言葉が幅広く知られるようになりました。
そして金子哲雄さんが亡くなった年の2012年に、新語・流行語大賞トップテンに「終活」が選出されます。
現在の終活
終活は一過性のブームで終わることなく、終活をする人は年々増加傾向にあります。
全国の20代から60代の男女1,000人を対象に行ったアンケートで、「終活」という言葉を知らないと回答した人は25人しかいませんでした。
出典元:楽天インサイト
全体の8割近くが「終活」を知っていると答え、2割近くが「終活」という言葉を聞いたことがあると回答しています。
この結果からも終活ブームは現在も続いていることがわかります。
このアンケート結果だけじゃなく、「終活」はメディアでも度々取り上げられるようになりました。
「中居正広の終活って何なの!?~僕はこうして死にたい~」
2015年と2016年に放送された中居正広さんがMCを務めた特番です
この番組では、中居正広さんはステージの上で逝きたいと語ったり、父親の葬儀について語ったりと話題になりました。
「快傑えみちゃんねる」
他にも上沼恵美子さんが、関西テレビ「快傑えみちゃんねる」で終活に入ったことを明かしました。
兵庫県加東市内にあるマンションや、ハワイの別荘などを処分したことを語り、子供たちのために行ったことを明かしています。
「ぐるナイ」
最近では「ぐるナイ」のゴチになりますに出演した唐沢寿明さんが、奥さんの山口智子さんと終活について話し合っていることを明かしました。
唐沢寿明さんは一緒のお墓に入りたいと伝えたそうですが、山口智子さんは海に散骨して欲しいと却下されたそうです(笑)
「徳さんのアナタの“終活”拝見します」
日テレNEWS24では、徳光和夫さんがシニア世代の終活事情を取材している模様も放送されました。
こちらで放送を観ることができます。
このようにメディアで取り上げられ、有名人も終活を行っていることを告白する機会が増えてきています。
終活は認知度だけじゃなく、年々身近なものになってきています。
以上が終活ブームの流れです。
ですが終活は一過性のブームで終わることなく、なぜ急速に普及したのでしょうか?
次にその理由に迫ります。
終活ブームが続く理由
「終活」という言葉は、今では知らない人がほとんどいないというぐらいの認知度になりました。
この大きな要因として挙げられるのは
ネットの普及
だと考えています。
ネットの普及でスマホやSNSを利用する人が増え、情報が拡散するスピードがもの凄く早くなりました。
上の年齢別のインターネットの利用率からもわかるように、高齢者のネット利用率も増加傾向にあります。
このネットの普及が、終活ブームを一過性で終わらせることなく、急速に広めた要因です。
それでは具体的に説明していきます。
不安の解消
ネットが普及する前は、介護や葬儀、お墓、遺産相続や自分の死後のことに関して、漠然とした不安しかイメージすることができませんでした。
ですが現在はネットの普及で全ての情報を調べることができます。
それによって漠然としていた不安が明確となり、自分が生きている間に葬儀や遺産相続の不安を解消することができるようになりました。
これがいわゆる「終活」になります。
例えば、今までは葬儀にかかる費用に関しては不透明な部分が多く、不安を感じていたはずです。
ですが現在はネットの普及により、不透明な部分が徐々に明瞭化されるようになりました。
自分が死んだ後にしかわからなかった葬儀費用が、ネットの普及により生前中でも把握することができるようになったのです。
他にも老人ホームの金額やお墓の価格、老後にかかる費用、遺産相続トラブルなど、イメージしやすくなったのが大きな要因だと思います。
漠然とした不安だと対応するのは難しいですが、明確な不安であれば対応しやすいです。
だから生前中に自分ができることは対応しておこうと考える人が増え、終活を行う人が年々増加してるのではないでしょうか。
価値観の多様化
ネットの普及により、誰もがSNSを利用している時代となりました。
それにより「組織」から「個」が意識されるようになり、価値観も多様化しています。
特にミレニアル世代に続く新しい世代、ジェネレーションZ(Z世代)
この世代は自分だけの個性を追求する傾向が強く、今後は更なる価値観の多様化が生まれることになります。
ミレニアル世代とは、1980年代~2000年代生まれで、2000年代に社会人になる世代のことです。
ジェネレーションZとは、2000年から2010年生まれで、ネット社会が当たり前に存在する「デジタルネイティブ」な世代のことです。
この価値観の多様化が終活ブームに繋がっています。
例えば昔であれば葬儀は世間体を気にして、大金をかけて豪華な葬式にする傾向が強かったです。
ですが、最近では価値観の多様化により、従来の伝統的な葬儀にこだわらない人が増えてきました。
出典元:鎌倉新書
上のグラフからもわかるように葬儀の形態も多様化していることがわかります。
この多様化は葬儀形態だけじゃなく、埋葬方法など色んな面でも今後広がることが予想されます。
ネットの普及が価値観の多様化を生み、そして終活ブームを加速させている要因ともいえるでしょう。
注意点
ここまでは終活がブームになった流れや要因を説明しました。
ですが終活ブームの裏では注意しなければならないことがあります。
終活は自分や家族のためにする活動です。
ですが逆に取り返しのつかないことになる可能性も・・・
そうならないためにも注意しましょう。
孤独死
終活がブームになった要因は「ネットの普及」が大きく関わっていることは書いた通りです。
ネットの普及で、「集団」からより「個」が注目されるようになり、個の発信はSNSが中心になっています。
その背景で注意が必要なのが「人間関係の希薄化」です。
SNSが普及するのと比例して、現代は近所付き合いだけじゃなく、家族とのコミュニケーションも減っています。
この「人間関係の希薄化」が現代の社会問題となっている「孤独死」の増加をもたらしています。
「孤独を身近に感じますか?」という質問のアンケート結果が下のグラフになります。
全体の30%以上の人が孤独を感じていると回答していることからも、現代の「人間関係の希薄化」が見て取れます。
東京都監察医務院で取り扱った、東京都区部における性・年齢階級別の孤独死数のグラフは以下になります。
このグラフからもわかる通り、若くして孤独死で亡くなる方もいます。
ネットの普及はいい面もあれば悪い面もあります。
ネット上の関係も大切ですが、それ以上に大切なのは「家族」です。
だから終活云々はさておき、「家族とのコミュニケーション」は大切にするようにしましょう。
悪徳業者
終活ブームに便乗して、高齢者を騙す悪徳業者は年々増えています。
今後も増加するのは間違いありません。
その理由は
この215兆円という数字は、2030年度に認知症患者が保有する金融資産の金額です。
この数字は、日本全ての金融資産の10%を占めることから社会的問題となっています。
このように金融資産の高齢化が進んでいることが、より一層悪徳業者に狙われることになります。
それは年齢を重ねれば重ねるほど、数的思考力と読解力は低くなってしまうからです。
数的思考力と年齢の関係
読解力と年齢の関係
保有する金融資産が多く、思考力や読解力が低下していることからも、悪徳業者からすると「恰好の的」です。
そして高齢者は、不正や詐欺行為を報告せず、泣き寝入りするケースが多いです。
だから家族が注意する必要があります。
参考までに悪徳業者の手口例を挙げると、終活ブームで生前整理、老前整理、断捨離など片付けをする高齢者が増えました。
その際に片付け業者などに不要な物を引き取ってもらいますが、中には高額費用を請求する悪徳業者もいます。
あまり知られていませんが、不用品回収業者は「一般廃棄物処理業の免許」が必要です。
「どんなものでも無料で引き取ります」と大音量で回っているトラックを見たことありませんか?
あれは無許可で不用品を回収している違法業者です。
悪徳業者の手口は、無料回収と最初だけ言って、不用品を回収後に高額請求をします。
そして回収した不用品は不法投棄するという最悪のパターンです。
しかも悪徳業者が不法投棄したのにも関わらず、責任は依頼者側が問われてしまいます。
更に酷い悪徳業者もいます。
全く依頼もしていないのに家まで押しかけ、不用品を買い取ると言って高価な物をタダ同然で持ち去るパターンもあります。
このように終活ブームに便乗し、法律違反もお構いなしで高齢者を狙う悪徳業者は後を絶ちません。
他にも終活詐欺は増え続けています。
その詳細に関しましては下の記事でまとめていますので参考にして下さい。
詐欺の手口を把握し、前もって対策をすることで、今以上に気をつけるようにしましょう。
まとめ
今回は「終活ブームはなぜ続く?」をテーマに、終活.comの答えは
ネットの普及
が大きな要因だと辿り着きました。
もちろんこれは当サイトの解釈であり、色んな意見はあると思います。
当記事でも書いたように、年々「個の価値観の多様化」が進んでいます。
Z世代が成人となり、社会へ進出してくればその流れは加速することになるでしょう。
そうなれば今「当たり前」のことが将来「当たり前じゃなくなる」ことになります。
昔では考えられなかった「仮想通貨」
それが現在は、日本政府がビットコインを「貨幣」に認定したようにです。
今後ネットの普及が社会にどういう影響をもたらすかは誰も知るよしはありません。
10年後、50年後、100年後の葬儀や埋葬、介護や遺産相続がどう変わっているのか期待と不安が半々です(笑)
ですがどう変わっていようとも家族への愛情は変わらないはずです。
終活がブームという話題がなくなり、終活をすることが普通だという時代が将来訪れることを期待したいと思います。