遺品整理は何から始める?進め方の手順|仕分けの基準と貴重品の探し方

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遺品整理を始めようとして、最初の一歩で手が止まってしまう方は少なくありません。部屋を見渡した瞬間に「何から手をつければいいのか分からない」と感じるのはごく自然なことです。

実は、遺品整理のやり方には押さえておきたい基本の流れがあります。仕分けの基準を先に決めておくと、作業のスピードが大きく変わります。このページでは、始めるタイミングの考え方、仕分けの基準、貴重品の探し方まで、順を追ってご紹介します。


遺品整理は「いつ」始めればいい?

遺品整理を始める時期に決まったルールはありません。気持ちの整理がつくまで時間を置いてもまったく問題ありません。

ただし、見落とされがちな法的な期限がいくつかあります。これらは遺品整理そのものの期限ではありませんが、遺品の中から必要な書類を早めに見つけておかないと間に合わなくなる可能性があるものです。

相続放棄を検討している場合は特に注意が必要です。財産を処分したり故人の預貯金から支払いをしたりすると、「相続を認めた」とみなされ、後から相続放棄ができなくなるおそれがあります。放棄をするかどうか迷っている段階では、貴重品や重要書類を見つけて保管するところまでにとどめ、処分は控えておきましょう。

相続税の申告についても、「うちには関係ない」と思い込んでいると後から慌てることがあります。相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は申告が必要になるため、遺品の中から預金通帳や証券会社からの郵便物、不動産の権利証などを早めに見つけておくと、財産の全体像を把握しやすくなります。

賃貸住宅にお住まいだった場合は、家賃が日割りで発生し続けることもあるため、大家さんや管理会社に退去の見通しを伝えておくとスケジュールが立てやすくなります。


仕分けの基準|3つに分けて考える

遺品整理でまず迷うのが「何を残して、何を手放すか」という仕分けの基準です。難しく考えず、次の3つに分けることから始めてみてください。

  • ①貴重品・思い出の品:通帳、印鑑、権利証、遺言書、写真、手紙など
  • ②リユース・リサイクルできるもの:まだ使える家具・家電、衣類、本など
  • ③処分するもの:明らかに不要なもの、劣化・破損しているもの

国民生活センターも遺品整理サービスを利用する際のトラブル防止策として、「残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておく」ことを呼びかけています(出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」)。これは自分で作業する場合にもそのまま役立つ考え方です。

判断に迷うものが出てきたらその場で結論を出そうとせず、一時的に別の段ボールへまとめておくのがおすすめです。作業を止めずに進められますし、後でまとめて見直すほうが落ち着いて判断できることも多いものです。目安として、1人暮らしのワンルームでも仕分け用の段ボールは4〜5箱ほど用意しておくと、作業中に足りなくなる心配がありません。

部屋全体を整理する場合は、家具や大きな荷物から手をつけると作業スペースが広がり、その後の細かい仕分けがしやすくなります。逆に、小さな引き出しや棚から始めてしまうと、大きな家具の陰に隠れた場所を見落としがちです。

②のリユース・リサイクルに分類したものについては、フリマアプリで売却するという選択肢もあります。具体的な出品のコツや注意点はこちらの記事で詳しく解説しています。

▶あわせて読みたい「遺品整理で不用品を売る方法|フリマアプリ活用ガイドと注意点


貴重品はどこにある?見落としやすい保管場所

仕分けの中でも特に慎重に進めたいのが貴重品の捜索です。国民生活センターに寄せられた相談の中には、通帳や印鑑、遺言書、保険証書といった重要書類を紛失してしまったというトラブルも報告されています。作業を急ぐあまり、こうした書類ごと処分してしまわないよう注意しましょう。

貴重品は、次のような場所に保管されていることが多いです。

  • 仏壇や神棚の引き出し、下段の収納
  • タンスや衣装ケースの奥、衣類に挟まれた場所
  • 机の引き出しの奥、書類棚、鍵付きの棚
  • クローゼットや押し入れの上段、普段使わない鞄やバッグの中
  • 食器棚など意外な生活空間

特に通帳や印鑑、権利証、保険証書、遺言書は、後の相続手続きに直接関わる重要書類です。見つけたらすぐに処分せず、まとめて保管しておきましょう。判断に迷う書類が出てきた場合も自己判断で捨てず、いったん取っておくことをおすすめします。

遺言書が見つかった場合は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言のいずれかによってその後の扱いが変わります。公正証書遺言であれば、公証役場に原本が保管されているため、最寄りの公証役場に問い合わせることで有無を確認することもできます。自筆証書遺言の場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所での検認手続きが必要になる点も覚えておいてください。

大型の家具や家電は中身の確認も忘れずに行いましょう。特に冷蔵庫は、生ごみが入ったままだと処分の手間が増えるため、その日のうちに片付けておくと安心です。タンスや押し入れの奥、普段あまり開けない引き出しも、一度は必ず確認しておきたい場所です。


自分でやるか、業者に頼むか

ここまでの手順は、自分で遺品整理を進める場合の基本的な流れです。ただし、荷物の量が多い場合や、遠方で何度も足を運べない場合は、業者に依頼したほうが結果的にスムーズなこともあります。

自分で進める場合と業者に依頼する場合の判断基準としては、部屋の広さ、荷物の量、時間的な余裕、体力面での負担が挙げられます。ワンルーム程度であれば自分でも対応しやすい一方、一戸建てで荷物が多い場合は体力的にも時間的にも負担が大きくなりがちです。

業者に依頼する場合は、複数の事業者から見積もりを取り、契約内容を書面で確認することが、トラブルを避けるうえで重要です(出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」)。「今なら安くなる」といった急かす営業トークで即決を求められても、その場では契約せず、家族に相談してから判断することをおすすめします。費用の相場感や業者選びのポイントについては、こちらの記事でくわしく解説しています。

▶あわせて読みたい「遺品整理の費用相場|業者の選び方と自分でやる手順


よくある質問

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Q. 何日くらいで終わらせればいいですか?

明確な期限はありませんが、賃貸住宅の場合は退去日、相続放棄を検討している場合は3か月以内という目安があります。まずはご自身の状況で、期限になりうるものがあるかどうかを確認しておくとよいでしょう。

Q. 判断に迷うものが多くて作業が進みません。どうすればいいですか?

迷うものは、その場で結論を出そうとせず、一時保管用の箱に分けておくのがおすすめです。すべてを一度に判断しようとせず、まずは「貴重品・思い出の品」「リユース・リサイクル」「処分」の3つに大まかに分けることを優先してください。

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Q. 家族や親族と一緒に進めたほうがいいですか?

可能であれば、形見分けの対象になりそうな品物だけでも、家族と一緒に確認しながら進めることをおすすめします。後から「勝手に処分された」といったトラブルを避けやすくなります。

Q. 貴重品が見つからないまま処分してしまったらどうなりますか?

通帳や証書などは、金融機関や発行元に相談すれば再発行できることが多いです。ただし、遺言書のように再発行できないものもあるため、仕分けの段階で「怪しいものは開けて確認する」という姿勢を徹底しておくことが、何よりの予防策になります。


まとめ

  • 遺品整理を始める時期に決まりはないが、相続放棄(3か月)や相続税申告(10か月)など見落としがちな期限がある
  • 仕分けは「貴重品・思い出の品」「リユース・リサイクル」「処分」の3つに分けて考える
  • 通帳・印鑑・権利証・遺言書などの貴重品は、仏壇の引き出しやタンスの奥など見落としやすい場所に注意
  • 相続放棄を検討中は、財産の処分や使用を控え、まずは保管を優先する
  • 業者に依頼する場合は、複数見積もりと書面での契約内容確認がトラブル防止の基本

すべてを一度に終わらせようとせず、仕分けの基準さえ決めてしまえば、あとは少しずつ進めていくだけです。焦らず、ご自身のペースで取り組んでください。

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