介護用品の準備リスト|買う前に借りられる物を確認

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介護用品の準備は、買う前に3つに分けると無駄がありません。「借りる物」「介護保険で買う物」「自費で買う物」の3つです。

介護が始まると、まず何を揃えるか迷います。ところが手すりや杖のように、買わずに介護保険で借りられる物が数多くあります。そこを知らずに買い揃えると、同じ物が保険で用意できたと後から分かることになります。

この記事では、厚生労働省が示している品目の一覧をもとに、借りられる物・介護保険で買える物・自費で買う物を分けました。そのうえで、自費で揃える消耗品をどこで買うかまでまとめています。

この記事でわかること

  • 介護用品を「借りる・介護保険で買う・自費で買う」に分ける考え方
  • 介護保険で借りられる13品目と、介護保険で買える9品目
  • 要介護度によって使えない品目があること
  • 自費で揃える消耗品の一覧
  • 買う前に確認する3つのこと

介護用品は3つに分かれる

介護に使う物は、値段ではなく「介護保険が使えるかどうか」で分けると判断しやすくなります。値段で選ぼうとすると、高い物ほど保険で借りられる、という逆転が起きていることに気づけません。車いすも介護ベッドも、買えば数万円から十数万円かかりますが、どちらも借りられる品目です。

分け方は次の3つです。

区分どうするか
① 借りる
(福祉用具貸与・13品目)
車いす、介護ベッド、手すり、スロープ、歩行器、杖買う前にケアマネジャーへ相談する
② 介護保険で買う
(特定福祉用具販売・9品目)
自己負担 1〜3割
腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽全額で買わず、指定事業者から手続きをして買う
③ 自費で買う
(保険の対象外)
おむつ、パッド、おしりふき、使い捨て手袋、食事用エプロンこれは自分で揃える

①と②に当てはまる物を先に外すと、実際に買い物が必要なのは③だけになります。金額でいえば、ここがいちばん大きく変わるところです。

①②の具体的な品目は、次の章から順に見ていきます。自分の家に必要な物がどこに入るかを照らし合わせながら読み進めてください。要介護認定の申請そのものについては、介護保険の使い方|要介護認定の受け方と自己負担額で扱っています。

買ってしまうと損をする3つのパターン

介護用品の買い物でつまずくのは、たいてい次の3つのどれかです。

① 借りられる物を、知らずに買ってしまう

手すりも杖も歩行器も、介護保険で借りられる品目です。介護用品店やホームセンターで普通に売られているため、そのまま買えるものだと思ってしまいます。

② 指定を受けていない店で買ってしまう

介護保険で買える9品目は、どこで買っても保険が使えるわけではありません。指定を受けた事業者から買う必要があり、一般の店や通販で買うと対象にならない場合があります。買う前にケアマネジャーか福祉用具専門相談員へ確認してください。

③ 体に合わなくなる量を、まとめ買いしてしまう

おむつやパッドは、体調が変わるとサイズも吸水量も変わります。安いからと箱でまとめ買いすると、使い切れないまま残ることがあります。

①と②は、品目の一覧さえ知っていれば避けられます。その一覧を、次の2つの章に載せました。

借りられるもの|福祉用具貸与の13品目

介護保険で借りられる福祉用具(福祉用具貸与。レンタルとも呼ばれます)は13品目です。自己負担は所得に応じて1割から3割で、その分を負担して借ります。

品目要支援1・2/要介護1の扱い
手すり○ 使える
スロープ○ 使える
歩行器○ 使える
歩行補助杖○ 使える
車いす/車いす付属品原則として対象外
特殊寝台(介護ベッド)/特殊寝台付属品原則として対象外
床ずれ防止用具原則として対象外
体位変換器原則として対象外
認知症老人徘徊感知機器原則として対象外
移動用リフト原則として対象外
自動排泄処理装置原則として対象外
(尿のみを自動的に吸引するものを除き、要介護2・3も対象外

要支援1・2と要介護1で、原則として対象にならない8品目

  • 車いす/車いす付属品
  • 特殊寝台/特殊寝台付属品
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト

厚生労働省は、この8品目について「要支援1・2、要介護1の人は原則保険給付の対象となりません。」と示しています。

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「福祉用具貸与」

自動排泄処理装置は、さらに範囲が広い

「(※)自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引するものは除く)については、要介護2及び要介護3の者も、原則給付の対象外。」

出典:厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」(PDF)

移動を支える4品目は、要支援でも借りられます。介護が始まったばかりの時期に必要になりやすいのは、まさにこの4つです。杖を自費で買う前に、まず介護保険の対象になるか確認してください。

表の「原則として対象外」は、まったく使えないという意味ではありません。医師の所見をもとに市町村が判断した場合、例外的に給付されることがあります。当てはまりそうなときは、ケアマネジャーにその旨を伝えてください。

一方で、車いすや介護ベッドは要支援1・2と要介護1では原則として対象外です。同じ「借りられる品目」でも、要介護度によって扱いが変わります。自分の場合にどれが使えるかは、ケアマネジャーか地域包括支援センターで確認してください。

借りる場合の費用は品目ごとに違い、毎月かかる形になります。要介護度ごとに1か月の支給限度額が決まっているため、訪問介護やデイサービスなど他のサービスと合わせた枠の中で選ぶことになります。何をどれだけ借りるかは、ケアプランを作るときに一緒に決めます。

なお、工事をして手すりを取り付ける場合は住宅改修という別の制度です。こちらは介護保険の住宅改修費20万円|対象の6工事と申請の流れにまとめました。

介護保険で買えるもの|特定福祉用具販売の9品目

入浴や排泄に使う物のように、他の人が使った物を借りるのになじまない用具は、買う形で介護保険が使えます。対象は9品目です。

品目備考
腰掛便座
入浴補助用具
簡易浴槽
排泄予測支援機器
自動排泄処理装置の交換可能部品
移動用リフトのつり具の部品リフト部分は含まない
固定用スロープ借りるか買うかを選べる
歩行器(歩行車は除く)借りるか買うかを選べる
歩行補助つえ(松葉づえは除く)単点杖(松葉づえを除く)・多点杖のみ借りるか買うかを選べる

利用者がいったん全額を支払った後、費用の9割(一定以上所得者の場合は8割又は7割)が介護保険から払い戻されます。(償還払い)/同一年度で購入できるのは10万円までです。

出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「特定福祉用具販売」

どこで買っても介護保険が使えるわけではありません。厚生労働省は、特定福祉用具販売について「福祉用具販売の指定を受けた事業者が」販売するサービスだと説明しています。指定を受けていない一般の店や通販で買うと、保険給付の対象にならない場合があります。同じ商品が並んでいても、買う先によって扱いが変わります。

買う前に必ず確認すること

腰掛便座や入浴補助用具を自己判断で店頭や通販で買う前に、ケアマネジャーか福祉用具専門相談員へ確認してください。どの事業者が指定を受けているかは、本人や家族が見ただけでは分かりません。

支払い方法は、原則としていったん全額を支払い、後から給付分が戻る償還払いです。ただし自治体によっては、自己負担分だけを支払う「受領委任払い」を利用できる場合があります。どちらになるかはお住まいの市区町村で確認してください。償還払いの場合は手元のお金が一時的に必要になるため、金額の大きい物ほど先に確かめておくほうが安心です。

2024年度から、一部の杖・歩行器・固定用スロープは「借りる」「買う」を選べます

一部の杖と歩行器は、以前は借りるものでした。制度が変わったのは令和6年、つまり2024年4月1日です。対象になったのは固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4つで、すべての杖や歩行器が選べるわけではありません。

令和6年4月1日より、利用者負担を軽減し、制度の持続可能性の確保を図るとともに、福祉用具の適時・適切な利用、安全を確保する観点から、「固定用スロープ、歩行器(歩行車は除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖」が福祉用具貸与と特定福祉用具販売の選択制の対象福祉用具となりました。

出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」

どちらを選ぶかは、ケアマネジャーか福祉用具専門相談員が説明したうえで提案します。「杖は自分で買うもの」と思い込んでいると、この提案を受ける機会そのものを逃します。

選ぶときの目安は、使う期間です。長く使う見込みがあるなら買う、体の状態が変わりそうなら借りるという分け方になります。借りていれば、体に合わなくなったときに別の物へ替えられます。買った物は替えが利きません。

自費で揃えるもの|保険が使えない消耗品

おむつやおしりふきなど、ここから紹介する日常的な消耗品は、原則として介護保険の福祉用具貸与・販売の対象外です。つまり、実際に買い揃えるのは毎日使う消耗品が中心になります。

種類具体例選ぶときの目安
排泄まわり大人用おむつ、尿とりパッド、おしりふき、におい対策の袋サイズと吸水量。最初は少量で試す
衛生用品使い捨て手袋、マスク、ガーゼ手袋はサイズ違いを混ぜない
食事まわり食事用エプロン、とろみをつけるための粉末洗って使うか使い捨てかで分かれる
身につけるもの失禁に備えた下着、介護シューズ、爪切りサイズを測ってから選ぶ

このうち排泄まわりと衛生用品は、使う量が読みにくいのが難しいところです。体調によって1日の枚数が変わるため、最初から大量に買うと合わなくなります。

そこで、最初に揃える物と、様子を見てから足す物を分けておくと無駄が出にくくなります。

タイミング揃える物
すぐ揃えるおしりふき、使い捨て手袋、におい対策の袋。いずれも使い道が変わりにくく、余っても困りません
少量で試すおむつ、尿とりパッド、失禁に備えた下着。サイズと吸水量が合うか確かめてから量を増やします
必要になってから食事用エプロン、とろみをつけるための粉末。食事の様子を見てから判断します

おむつ代については、自治体によって助成の制度がある場合があります。条件は地域ごとに違うため、地域包括支援センターで確認してください。

どこで買うか|まとめ買いに向く通販2社

ここまでで、買う必要があるのは保険の対象外である消耗品だけだと絞り込めました。次はどこで買うかです。

消耗品は、切らすと困る一方で、買いに行く時間を作りにくいという性質があります。介護をしている家族が毎回店頭へ足を運ぶのは、負担として積み重なります。まとめて届く通販が向いているのはそのためです。

価格はいずれも2026年8月30日時点のもので、変わることがあります。

【毎日使う消耗品】よろずやマルシェ

食品や日用品をまとめ買いできる総合通販です。大人用おむつ、おしりふき、使い捨て手袋、食事用エプロン、とろみをつけるための粉末まで、この記事で挙げた消耗品がひととおり揃います。おしりふきは110円前後から扱いがあり、同じ商品の単品とセットが並んでいるため、まず単品で試してから箱で買うという進め方ができます。

おむつやパッドを切らしたくない方に向いています。使う量が読めない時期は少量で、落ち着いてきたらまとめて、と買い方を変えられるのが利点です。

よろずやマルシェ 食品・日用品の総合通販

【身につけるもの】ファミリー・ライフ

通信販売で生活用品を扱っている会社で、失禁に備えた下着や介護シューズ、爪切りがあります。下着は2,680円前後から、5枚組などのまとめ売りも用意されています。

紙のパッドではなく、洗って繰り返し使える物を探している方に向いています。サイズと吸水量の表示を見て選ぶ商品なので、買う前にウエストを測っておいてください。合わないと使われないまま残ります。

ファミリー・ライフ 生活用品の通信販売

※どちらの通販にも、手すりや杖など介護保険の対象になる用具が並んでいる場合があります。前の章の一覧に載っている品目は、買う前にケアマネジャーへ確認してください。同じ物が保険で用意できることがあります。

買う前に確認する3つのこと

消耗品は安く見えても、続けて使うため合計は小さくありません。買う前に3つだけ確認しておくと、無駄が減ります。

① サイズ ウエスト・足のサイズを 測ってから選ぶ ② 量 1日に何枚使うかを 実際に数えてみる ③ 置き場所 箱で届く前提で 空きを作っておく この3つを確かめてから、まとめ買いに進みます

サイズは、実際に測ってから選んでください。おむつも下着も靴も、これまで着ていた服のサイズと同じとはかぎりません。体重が減っていると、以前のサイズでは合いません。

量は、実際に使った枚数を数えてみると見当がつきます。夜だけ多く使う、日中はほとんど使わない、といった偏りが分かると、必要な枚数を絞り込めます。

置き場所も先に決めておいてください。箱で届く物は、思っているより場所を取ります。介護を始めると、片づけの手を止める余裕がなくなります。残す物と処分する物の分け方は、生前整理で捨ててはいけないもの|再発行できる・できない一覧にまとめています。

ケアマネジャーに相談する前にやっておくこと

借りられる物も介護保険で買える物も、入口はケアマネジャーへの相談です。相談の前に手元を整理しておくと、話が早く進みます。

相談前にメモしておくと役立つこと

  • 困っている場面を具体的に。「立ち上がるとき」「夜トイレに行くとき」など
  • いつ困るか。朝だけ、夜だけ、といった時間帯
  • すでに買った物と、その使い心地
  • 家の中で移動しにくい場所

用具の名前ではなく、困っている場面を伝えてください。どの用具が合うかは、専門相談員のほうが詳しく知っています。

家族が離れて暮らしている場合は、帰省したときに家の中を一緒に歩いてみると、困っている場面が見つかります。本人は慣れてしまって気づかないことがあるためです。

急な入院に備えて持ち物をまとめておく話は、救急搬送・急な入院に備える|家族に渡す医療情報の1枚と持ち物リストで扱っています。

よくある質問

Q. 杖は買ってもいいのでしょうか?

2024年4月1日から、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖は、借りるか買うかを選べるようになりました。すべての杖や歩行器が対象ではありません。ケアマネジャーか福祉用具専門相談員が両方の説明をしたうえで提案しますので、自己判断で店頭や通販で買う前に相談してください。

Q. 要支援でも福祉用具は借りられますか?

手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖は要支援でも借りられます。一方で車いす、特殊寝台(介護ベッド)、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフトは、要支援1・2と要介護1では原則として保険給付の対象になりません。

Q. 特定福祉用具は、どこで買っても介護保険が使えますか?

いいえ。原則として、指定を受けた特定福祉用具販売事業者から購入する必要があります。指定を受けていない一般の店や通販で買うと、保険給付の対象にならない場合があります。支払いは原則として、いったん全額を支払い後から給付分が戻る償還払いですが、自治体によっては自己負担分だけを支払う受領委任払いを利用できる場合があります。同一年度で購入できるのは10万円までとされています。

Q. 介護保険の対象になる物と、ならない物の見分け方は?

厚生労働省が示している貸与13品目と販売9品目の一覧に載っているかどうかで分かれます。この記事の表と照らし合わせてください。載っていない消耗品は自費で揃えます。

Q. おむつはどのくらい買っておけばよいですか?

まず、1日に何枚使うかを実際に数えてから決めてください。体調によって枚数もサイズも変わるため、最初から箱でまとめ買いすると使い切れないことがあります。少量で試してから量を増やすほうが無駄が出ません。

Q. おむつ代の助成はありますか?

自治体によって助成の制度がある場合があります。条件や対象は地域ごとに異なりますので、お住まいの地域包括支援センターか市区町村の窓口で確認してください。

まとめ

介護用品の準備は、次の順で進めると迷いにくくなります。

  • まず3つに分ける。借りる/介護保険で買う/自費で買う
  • 借りられるのは13品目。手すり・スロープ・歩行器・杖は要支援でも借りられる
  • 車いすと介護ベッドは要支援1・2と要介護1では原則対象外
  • 介護保険で買えるのは9品目。指定を受けた事業者から買う。自己負担は1〜3割
  • 2024年4月から、一部の杖・歩行器・固定用スロープは借りるか買うかを選べる
  • 自費で買うのは消耗品が中心。おむつ・パッド・手袋・エプロンなど
  • 買う前にサイズ・量・置き場所を確認する

保険が使える物を先に外せば、あとは消耗品を揃えるだけです。買う物が決まったら、まとめて届く通販を使うと、買いに行く時間を作らずに済みます。

消耗品をまとめて揃えるなら

まずはここから。おむつ・おしりふき・手袋・食事用エプロンまで一度に揃います

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本記事は一般的な情報をまとめたものです。介護保険で使える福祉用具は要介護度によって異なり、自治体ごとの取り扱いにも違いがあります。実際に利用する際は、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、お住まいの地域包括支援センターにご確認ください。価格は2026年8月30日時点のもので、変わることがあります。

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