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四十九日法要(読み方:しじゅうくにちほうよう)とは、仏教において故人の命日から49日目に行われる法要の事を言います。
参列者であれば「お供え物はどんなものがいいのか?」、喪主側(遺族側)であれば「法要にかかる費用はどれくらいだろうか?」それぞれ気になるところかと思います。
ほかにも案内状や納骨についてなど、やることが何かと多い四十九日はとても重要な法要だと言えます。
▼この記事を読んで理解できること ・四十九日法要の意味 ・四十九日法要の重要性、必要性 ・四十九日法要の流れ ・四十九日法要の香典の金額、お布施の金額 ・四十九日法要の香典袋、お布施の表書きの書き方 など |
故人が亡くなられてから始めて行われる法要、初七日法要とはまた違った意味を持つ四十九日法要について、できるだけわかりやすく各ポイントを解説していますので、ぜひ最後までお読み下さい。
四十九日法要の意味・読み方
はじめに、四十九日法要(読み方:しじゅうくにちほうよう)の意味から解説していきます。
ウィキペディア(Wikipedia)では「四十九日法要」としての掲載がなく、「年忌」や「中陰」の項目の中に「四十九日」について触れられています。
ただ、直接的に「四十九日法要」の意味がわかるものではありません。
直接的な意味としては、goo国語辞書に書かれている「四十九日」が、わかりやすく書かれていると思います。
1 人の死後、49日間。今生 (こんじょう) の死と来世の生との中間の期間。中陰。
2 人の死後、49日目。また、その日に行う法要。七七日 (なななぬか・しちしちにち) 。
出典:goo国語辞書
2つの記述がありますが、1が四十九日の概念であり、2が直接的な意味だと言えます。
1の「中陰」の意味ですが、仏教では人が亡くなってから次の生を受けるまでの49日間の事を中陰(ちゅういん)と呼びます。
2は、四十九日とは死後49日目に行われる法要の事を言い表していて、これが一般的に言われる四十九日法要の事を指しています。
四十九日法要を英語では?
forty-ninth day after a person’s death(フォーティーナインス デイ アフター ア パーソンズ デス)が日本語での意味合いを考えると適した英語だと思えます
訳すと「(人の)死後49日目」となります
四十九日法要の基礎知識
四十九日法要の中身を知る上で、前提として知っておくべき事が以下の三点です。
・忌日法要
・年忌法要
・繰り上げ法要(繰り込み法要)
順番にそれぞれ解説していきます。
▼忌日法要
仏教では、故人が三途の川に到着する日が命日も含めて七日目だと言われているため、故人が極楽浄土へ行けるように七日ごとに法要を行う習慣があります。
つまり、仏教では法要を行う日が決まっており、死後七日ごとに四十九日まで行う法要の事を忌日法要(きにちほうよう)と言います。
忌日法要の名称・別称 | 時期(いつ行うのか) |
初七日法要(しょなぬかほうよう) 初願忌(しょがんき) 所願忌(すげんき) | 命日から数えて七日目(死後7日目) |
二七日法要(ふたなぬかほうよう) 以芳忌(いほうき) | 命日から数えて十四日目(死後14日目) ※省略される事が多い |
三七日法要(みなぬかほうよう) 洒水忌(しゃすいき) | 命日から数えて二十一日目(死後21日目) ※省略される事が多い |
四七日法要(よなぬかほうよう) 阿経忌(あぎょうき) | 命日から数えて二十八日目(死後28日目) ※省略される事が多い |
五七日法要(いつなぬかほうよう) 小練忌(しょうれんき) | 命日から数えて三十五日目(死後35日目) |
六七日法要(むなぬかほうよう) 檀弘忌(だんこうき) | 命日から数えて四十二日目(死後42日目) ※省略される事が多い |
七七日法要(なななぬかほうよう) 大練忌(だいれんき) 漫中陰(まんちゅういん) 忌明け法要 など、様々な呼び方がある 四十九日法要(しじゅうくにちほうよう)と呼ばれるのが一般的 | 命日から数えて四十九日目(死後49日目) |
故人の死後、最初の法要である初七日法要から始まり、四十九日の法要まで七回の忌日法要があるのがわかります。
そして、二十七日法要から四十七日法要においては省略される事が多いです。
曹洞宗では初七日や四十九日に参列できない人のために、葬儀当日にその場で五七日法要が行われたりするようです。
※五七日法要を重要視して行われる理由としては、閻魔大王が裁判官を務める日だから等、諸説あります
▼年忌法要
忌日法要と同様に、仏教では法要を行う「年」も決まっています。
それが年忌法要(ねんきほうよう)です。
年忌法要とは、死後満1年目に一周忌を行い、その翌年の2年目に三回忌を行います。
三回忌以降は死亡した年を含めて数え、七年目に七回忌 → 十三回忌 → 二十三回忌 → 三十三回忌まで行うのが一般的です。
年忌法要の名称・別称 | 時期(いつ行うのか) |
一周忌 (いっしゅうき) | 死後満1年目(亡くなられた翌年) |
三回忌 (さんかいき) | 死後満2年目 |
七回忌 (ななかいき) | 死後満6年目 |
十三回忌 (じゅうさんかいき) | 死後満12年目 |
十七回忌 (じゅうななかいき) | 死後満16年目 |
二十三回忌 (にじゅうさんかいき) | 死後満22年目 |
二十七回忌 (にじゅうななかいき) | 死後満26年目 |
三十三回忌 (さんじゅうさんかいき) | 死後満32年目 |
三回忌や七回忌までは、遺族や親族に加え、友人・知人も参列する形が多く、十三回忌以降は遺族だけで行われる形が一般的です。
忌日法要と同様に、地域や宗派によっては省略する年忌もあるようですが、年忌法要は「満」で数えるという事は覚えておくといいでしょう。
▼繰り上げ法要(繰り込み法要)
近年、初七日法要や四十九日法要を葬儀当日に行われる事が、都心部を中心に増えてきています。
初七日や四十九日を繰り上げて葬儀の当日に行う事を、繰り上げ法要と言います。
葬儀当日の法要を行う事は、厳密には次の2つの言い方があります。
✔ 繰り上げ法要…火葬が終わって葬儀場へ移動してから行う場合
✔ 繰り込み法要…火葬前または火葬中に行う場合
ただ、葬儀当日に繰り上げ法要が行われるのは初七日法要が多く、一般的には「繰り上げ四十九日法要」は行われていないという認識で捉えておけばよいと思います。
※北海道地域では初七日と合わせて、四十九日法要も葬儀当日に繰り上げて行われる事が多いようです。
繰り上げて法要を行う理由 ・繰り上げ初七日や四十九日を行う一番の理由は、遠方に住む親族や知人友人への配慮 ⇒ 告別式、葬儀から日にちもあまり開いてないのに、法要で再びご足労をかけてしまうのは遠方の方は大変ですし、喪家側からすれば申し訳ないという思いから繰り上げ法要が行われると考えるのが一般的だと思います。 |
▼宗教による違い
四十九日法要は、仏式(仏教)での言い表し方で、神式(神道)やキリスト教式では四十九日法要はありません。
仏式(仏教)で言う四十九日法要は、他宗教では次のように言い表されています。
神式(神道)…命日から50日目に「五十日祭」
キリスト教式(カトリック)…命日から一ヶ月目に追悼ミサ
キリスト教式(プロテスタント)…命日から一ヶ月目に召天(昇天)記念日
四十九日法要を知る上で、忌日法要・年忌法要・繰り上げ法要(繰り込み法要)・宗教による違い、このあたりの事は前提として知っておくといいでしょう。
四十九日法要 いつ行う?
四十九日法要はいつ行うものなのか?
「いつ?」という答えとしては、全国的にみると繰り上げ四十九日は一般的ではなく、「命日から数えて四十九日目(死後49日目)」に行うのが基本だと言えます。
命日から数えて四十九日目(死後49日目)当日に行う事が好ましいですが、僧侶や参列される方の都合などで実際は49日目に近い土日・祝日に行われる事が多いです。
▼四十九日法要は特に大事な法要
この記事の最初の項目で、「仏教では人が亡くなってから次の生を受けるまでの49日間の事を中陰と呼ぶ」事について触れましたが、四十九日法要は中陰の中でも特に大事な日とされています。
なぜ四十九日が特に大事な日とされているのか?
✔ 「忌明け」なので死者が仏の位に入るため(※1)
✔ 現世に残っていた故人の霊魂があの世に旅立つ日だから
✔ 閻魔大王の最後の裁きが下され、極楽浄土に行く事ができるかどうかが決まる日だから
✔ 一般的に、遺骨の納骨が行われる日となっているため(※2)
など、法要だけではなく様々な重要な節目でもある事から、四十九日が中陰の中でも特に大事な日であるとされています。
(※1)忌明けとは?
読み方:きあけ、いみあき
忌の期間(喪に服している期間)が終わる事を表しています
(※2)納骨とは?
読み方:のうこつ
一般的に、遺骨を納骨する納骨式が執り行われるのが四十九日法要時とされています
「四十九日の納骨まで遺骨は大切に保管しておく」等、言われるのはそのためです
四十九日法要は必ず必要?
四十九日までの忌日法要の中で、二十七日法要から四十七日法要は省略される事がありますが、四十九日法要が省略されるという事は基本的にありません。
上でも書いたように四十九日法要は中陰の中でも特に大事な日とされているためです。
つまり、「四十九日法要は必ず必要?」という答えとしては「必ず必要」だと言えます。
必ず必要だとは言えますが、「必ず四十九日法要を行わなければいけない」という決まりはありません。
四十九日法要は友引にやらないほうがいい? 初七日や四十九日などの法要を行う際、友引の日にやらないほうがいいのか、気にされる方もいらっしゃるようですが、友引や大安、仏滅などの六曜は、仏教(仏時)においては関係ないとされています。 実際、四十九日法要は友引でも行われています。 |
四十九日法要の内容について
四十九日法要の必要性がわかっていただけたかと思いますが、実際に四十九日法要の内容や流れはどうなっているのか?
この項目では四十九日法要での食事や喪主の挨拶、法要の流れについて、それぞれ順に解説します。
四十九日法要での食事
お通夜の後に振舞われる料理の事を「通夜振る舞い(つやぶるまい)」、葬儀・告別式や初七日法要時に振舞う料理の事を「精進落とし(しょうじんおとし)」と言います。
※浄土真宗では通夜振る舞い、精進落とし、どちらも「お斎(おとき)」と言います
法要の後の会食の場を総じて「お斎」と言われているので、『四十九日法要を終えた後の会食=お斎』という認識で問題ないと思います。
実際に、四十九日法要を終えた後に会食が行われるケースは多いです。
※必ず会食の席を設けなければいけないという決まりはありません
お斎の席での料理の内容ですが、もともとは精進料理をお出ししていました。
しかし近年では、特に精進料理にこだわる事がなくなってきていて、仕出し弁当を注文するケースが多くみられます。
四十九日などの法要の後の会食はどんな料理メニューがいいのか?
⇒ 法要後の会食の料理メニュー例やについては、精進落としの料理を参考にしていただければと思います。
四十九日法要の挨拶
葬儀では喪主や遺族代表の方が挨拶する機会が幾つかありますが、法要でも喪主による挨拶をするタイミングがあります。
四十九日法要での挨拶は基本的には3回あると言えます。
法要始めの挨拶、献杯の挨拶、それから法要締めの挨拶になりますので、例文とともに解説します。
四十九日法要の挨拶のタイミング | 僧侶による四十九日法要の読経後、一通り焼香が終わったら |
誰が挨拶するのか? | 喪主 |
▼四十九日法要【法要始めの挨拶例】 皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠に有難うございます。 ただいまより、故〇〇(故人の名前)の四十九日法要を執り行いたいと存じます。 ご住職、宜しくお願いいたします。 |
▼四十九日法要【法要締めの挨拶例】※会食あり 皆様、本日はお忙しい中、亡き〇〇(故人の名前)の四十九日法要にお集まりいただきまして誠に有難うございました。 おかげさまで四十九日法要も無事終える事ができました。 無事に忌明けを迎え、〇〇(故人の名前)も安心していることだと思います。 ※※※ここで故人とのエピソードや、四十九日を過ぎる事で感じている喪主の心境などを入れる※※※ ささやかではございますが、別室にて心ばかりの会食の席をご用意させていただきました。 お時間の許す限り、皆様どうぞごゆっくりとお過ごしいただければ幸いです。 本日は有難うございました。 |
▼四十九日法要【法要締めの挨拶例】※会食なし 皆様、本日はご多忙の中、亡き〇〇(故人の名前)の四十九日法要にお集まりいただきまして誠に有難うございました。 おかげさまで四十九日法要も無事終える事ができました。 無事に忌明けを迎え、〇〇(故人の名前)も安心していることだと思います。 ※※※ここで故人とのエピソードや、四十九日を過ぎる事で感じている喪主の心境などを入れる※※※ 本来であれば皆様と〇〇(故人の名前)の思い出など話しながら、会食の席を囲みたいところではございますが、遠方からお越しいただいてる方もいらっしゃいますので、本日はこれでお開きとさせていただきたいと存じます。 皆様には、お荷物になるかとは存じますが、心ばかりのものを用意してございます。 お帰りの際には皆様どうかお忘れなきよう、お持ち帰り下さい。 本日は誠に有難うございました。 |
締めの挨拶で会食の用意がしてある場合の「別室にて心ばかりの会食の席」というのが、お斎の事になります。
会食の用意がない場合の「心ばかりのもの」というのは、お返しの品の事になります。
※お返しに関してはこのあとの「【四十九日法要】お供え物・お返し」にて解説しています。
また、挨拶の際に行うのが、献杯(けんぱい)になります。
※祝事ではないので、乾杯ではなく献杯
献杯のタイミング | 四十九日法要締めの挨拶をした後 |
誰が献杯の挨拶するのか? | 喪主または親族代表(挨拶をする方が行っても問題ありません) |
▼精進落としの挨拶をする方が行う場合 それでは皆様、これより献杯をさせて頂きます。 どうぞ、お手元のグラスをお持ち下さい。 故人の御冥福と、皆様の御健勝を祈念いたしまして献杯させて頂きます。 皆様、御唱和をお願いします。 献杯。 ▼他の方が献杯を行う場合 皆様、喪主の〇〇に代わりまして、私、○○が献杯の辞を述べさせていただきます。 (この間で故人との思い出話を一言添える) 故人の御冥福と、皆様の御健勝を祈念いたしまして献杯させて頂きます。 どうぞ皆様、お手元のグラスをお持ち下さい。 皆様、御唱和をお願いします。 献杯。 |
「献杯」と発する際、祝辞席での乾杯ではないので、なるべく静かに言うように心がけましょう。
※献杯の際、隣同士でグラスを乾杯して音を立てないようにするのがマナーです
挨拶に関して紹介しましたが、メモやカンペのような形で用意して観ながらでも特にマナー違反とはなりません。
マナー違反や失礼にあたるといった事はありませんが、一度挨拶の文章を紙にでも書き出して、当日の挨拶直前に確認する程度が理想的ではあります。
四十九日法要の流れ
四十九日法要当日の流れは宗教や地域によって違うと言えます。
法要を行う場所について「何処で行うのか?」気になる方がいらっしゃるかと思われますが、四十九日法要を行う場所は菩提寺がある寺院を選ばれる方が多いです。
※菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓がある寺院(お寺)の事
▼寺院が四十九日法要の場所として多く選ばれる理由
一般的に、忌明けである四十九日に伴って納骨式を行うケースが多いため、お寺であれば四十九日の法要後に納骨を合わせて行えるという点からも、寺院での四十九日法要を選ばれる方が多いです。
寺院で四十九日法要を行う際、当日の一般的な流れとしては以下のようになります。
このように四十九日法要当日の流れは、僧侶による読経 ⇒ 焼香 ⇒ 僧侶説話 ⇒ 開眼供養 ⇒ 納骨式 ⇒ お墓参り ⇒ 喪主挨拶 ⇒ 会食という流れになっているのが一般的です。
では、読経から順にそれぞれ解説していきます。
読経 四十九日法要のためのお経が、僧侶によって読経(どっきょう:お経を読んでもらう事)されます 焼香 焼香(しょうこう)とは? 香をたいて仏や死者を供養する事。 仏事の一つ。 焼香について詳しくは、「焼香の仕方やマナー」をご覧下さい 僧侶説話 僧侶による説話(法話)が行われます 開眼供養 故人が亡くなられた時は位牌は白木位牌(仮の位牌)として葬儀の際など祭壇上に安置されるものです ただ、白木位牌は言わば仮の位牌とされているので、故人の魂が入ったままの状態です そのため、白木位牌から本位牌へ切り替える事になります 喪主側は四十九日法要までに新たに本位牌を購入し、その本位牌に魂を入れる(魂を宿す)のが僧侶による開眼供養(かいがんくよう)で、四十九日法要で行われるのが一般的です ※四十九日法要の場所が自宅であっても、自宅の仏壇に開眼供養していただきます ※白木位牌は基本的には葬儀社が用意してくれますが、本位牌は喪主側(遺族)が用意する事になります 納骨式 納骨方法は宗派・地域の習慣、お墓の種類によって違ってきます お墓参り 喪家や近親者だけではなく、四十九日法要へ参列した方もお墓参りをするのが通例です ※お墓を建てる際、四十九日法要の日までに間に合わない事もあるかと思いますが、その場合は納骨堂へ預けるか、自宅で供養されるので、墓地や霊園へのお墓参りは省かれる事になります 喪主挨拶 喪主が四十九日法要始めの挨拶を行います 会食 四十九日法要の喪主挨拶後、献杯の挨拶とともに会食が始まります ※初七日法要の場合は精進落としの席順ですが、四十九日法要など(以降の年忌法要・法事の席)での席次(席順)は下図のようになっています 基本的に上座に僧侶、下座(出入口側)に喪主が座るようにします 頃合を見て、四十九日法要締めの挨拶をします |
一概には言い切れませんが、四十九日法要にかかる時間は読経から会食まで大体2時間程です。
午前中10時ぐらいから始めてお昼には会食の席といった流れになるのが一般的です。
寺院で行われるほか、家族や身内だけでの法要を希望される方は、自宅で行うケースが多くみられます。
四十九日法要当日までに喪主側(遺族)が用意するもの ・本位牌 ・仏壇 ・埋葬許可証(納骨を行う際に必要) ・お供え物のお返しの品や香典返しの品の手配 ほか、宗派や地域によっては卒塔婆(そとば)を用意する事があります ※卒塔婆(そとば)とは、供養に用いられる細長い形の板(大体長さ1~2メートル)で、一般的には塔婆(とうば)と呼ばれています |
四十九日法要にかかる費用
四十九日法要に関する費用について、喪主側(故人の遺族)と参列者側それぞれに関係する項目と費用は以下のようになっています。
対象 | 費用名目 |
喪主側 | お布施、会食費用、お返し、香典返し |
参列者側 | お供え物、香典 |
費用名目に関して、特に若い世代の方は「聞いた事があるけど実際よく知らない」というケースが多いのではないかと思います。
喪主側と参列者側、それぞれに該当する費用名目を順に紹介していきます。
【四十九日法要】お布施の金額相場
お布施は「喪主側」に該当する費用です
四十九日法要でのお布施の金額相場ですが、法要自体に対するお布施と、納骨式の際のお布施があります。
お布施(おふせ)とは宗教者(お坊さんや僧侶など)をお呼びし、読経や戒名を頂いた時に渡すお金の事です。
地域や宗派、お寺との関係などによって異なるので「金額相場はいくら」と明言はできませんが、「一般的な相場としてはこれくらい」という額面を紹介しておきます。
四十九日法要自体に対するお布施 |
お布施:30,000円~50,000円が一般的 お車代:5,000円~10,000円 ※お車代は僧侶が会食(お斎)に出席される場合に渡します お膳料(御膳料):5,000円~10,000円 ※お膳料は僧侶が会食を辞退される場合に渡します |
四十九日法要で用意するお布施の相場は、初七日法要で用意するお布施の金額相場と変わらないと言えます。
次に、納骨式においてのお布施の一般的な金額相場が以下の通りです。
納骨式に対するお布施 |
お布施:30,000円~50,000円が相場としては多い ※宗教・宗派による相場の違いはあるようです ※基本的には納骨する場所は墓石、納骨堂、どちらかになります |
注)墓石に納骨の場合、お布施以外に作業費用や彫刻料や塔婆などにも費用がかかるので、合わせて100,000円前後は必要だと考えて用意しておくのが好ましいです
【四十九日法要】会食費用
会食費用は「喪主側」が該当する費用です
四十九日法要で会食の席(お斎)を設ける際、どれくらいの費用がかかるのか?
喪主側であれば気になるところだと思います。
地域や用意する料理によって様々ですが、相場としては3,000円~5,000円(1人あたりの料金)が一般的です。
【四十九日法要】お供え物・お返し
お供え物は「参列者側」が該当する費用です
四十九日法要へ参列する際、お供え物を用意するのが一般的です。
※一般的ではあっても、お供え物は必ず用意しなければいけないというものではありません(香典だけ用意する場合もあります)
「お供え物としてどんなものを用意すればいいのか?」
参列する方は気になる事かと思います。
ただ、初七日法要時のお供え物にも同じ事が言えるのですが、地域や宗教によって大きく変わってくるため、「これが四十九日法要のお供え物として正解です」とは言えません。
宗教による違い
仏式では殺生が連想されるという事で、肉や魚をお供え物とするのはタブー視されていますが、神式においては山や海のものは神の恵みとされています。
キリスト教ではお供え物の概念がないため、供花がお供え物の代わりとなります。
※供花もお供え物と同様に、地域や宗教によって違いがあるものです
これが正解だという明言はできませんが、お供え物は一般的に考えると用意するのが通例です。
一般的に四十九日法要のお供え物よく選ばれているものとしては、お菓子や果物です。
「これが正解」と明言もできなければ地域性などもあるかと思いますが、基本的には消耗品が選ばれている傾向です。
消耗品は「消え物」と言われている事から、お供え物として選ばれています。
ただ、消耗品でもお菓子や果物など食べる物を選ぶ場合は日持ちするものを選ぶようにするのが喪家側への配慮となります。
ほかには、線香やお花が選ばれていたり、故人が生前お酒が好きだったという理由から、ビールや日本酒をお供えする事もあります。
※宗派や地域の慣習によっては好まれない場合もあるため、お酒を選ぶ際は喪主側に確認しておくのがよいでしょう
お供え物は日持ちするもの(果物、焼き菓子、佃煮など)、費用的にはお菓子だと3,000円~5,000円までが相場で、果物の詰め物だと5,000円~10,000円ぐらいが相場 |
次に、お返しについて解説します。
お返しは「喪主側」が該当する費用です
四十九日法要のお返しは「引き出物」または「租供養(そくよう)とも言われています。
参列者からの香典やお供え物に対し、お礼の気持ちを込めてお返しするものです。
お返しの相場としては3,000円~5,000円程が一般的です。
お返しの品として定番はお茶、海苔やお菓子、調味料のほか、タオルや洗剤などの日用品がよく選ばれています。
お茶の場合、↓ のような詰め合わせのものがよく選ばれています。
価格帯の幅が広いので選びやすいという面でも、おすすめと言えます。
ほか、参考までに海苔の場合も詰め合わせの形のものが選ばれています。
ちなみに、高額の香典をいただいた場合など、お返しの品物としてはお茶や海苔、タオルなどにお菓子を添えるケースが一般的です。
また、四十九日法要に参列される方が高齢や遠方の参列者がいる場合には『大きくならないもの・重くないもの・かさばらないもの』を選ぶように配慮したいものです。
【四十九日法要】香典・香典返し
香典は「参列者側」が該当する費用です
四十九日法要に参列する際、基本的には香典の用意はするものです。
その際「香典にいくら包めばいいのか?」と悩まれる方もいらっしゃいますが、金額は故人との関係によって変わってくると言えます。
以下、四十九日香典の一般的な金額相場となります。
故人との関係 | 相場金額 |
血縁者 | 10,000円~50,000円 |
知人・友人 | 3,000円~5,000円 |
※地域によっても違ってくる場合もあるので、参列される方同士で相談し合う他、地元の年配の方に聞くなどするとよいでしょう
かつては20,000円など偶数金額が包まれる事はなかったようですが、最近では「2」の金額でも包まるようになっています。
ほか、香典として包む際、注意する点として「4」や「9」といった「死」や「苦」を連想させる数字の金額にしないようにする事です。
※香典袋の表書きの書き方については、このあとの「【四十九日法要】香典袋の表書きの書き方」にて解説しています。
次に、香典返しについて解説します。
香典返しは「喪主側」が該当する費用です
葬儀の時と同様に、四十九日法要でも香典を持参していただいた方に対するお返しの品として、喪主側が用意する事になります。
香典返しは、いただいた香典の3分の1から半額が相場として一般的です。
※香典返しは別の言い方で「半返し」とも言われています
例えば、10,000円の香典をいただいた場合、5,000円前後の品でお礼する事になります。
香典返しの品物は、葬儀・法要ともに基本的に同じ考えで問題ありません。
詳しくは香典返しについてまとめた記事を参考下さい。
どんなものが香典返しの品物として選ばれているのか、また、合わせておすすめのカタログギフトについても紹介しています。
ちなみに、香典返しと引き出物は混同して考えないようにしなければいけません。
引き出物と香典返しの違い
引き出物は、前述したように「お供え物に対してのお礼のお返しの品」です。
香典返しは「香典をいただいたお礼の品」の事です。
※混同して一緒にまとめてしまわないようにしましょう
四十九日法要 案内状・お布施・香典袋など各種書き方
四十九日法要を行うにあたって出される案内状、お布施の表書き、香典袋の表書きの書き方についても詳しく解説しています。
書き方とはマナーの事でもあるので、それぞれ正しい書き方をしっかりと知っておくようにしましょう。
【四十九日法要】案内状の例文
案内状は出すのが「喪主側」・受け取って返信するのが「参列者側」
四十九日法要を執り行うにあたって、法要に呼ぶ方々に向けて案内状を出す必要があります。
案内状は喪家の方がご自身で作成する場合と、郵便局の総合印刷サービス(最寄の郵便局窓口またはインターネット)で法要の案内状を注文する事ができます。
※往復はがき、返信はがき、封筒付きのカードタイプなどから選べます
ここでは、ご自身で作成する場合の注意点と例文について詳しく解説したいと思います。
四十九日法要の案内状の注意点 ・案内状は封筒に入れて出すのがマナー ・不幸が重なる等の意味合いがある二重封筒ではなく、白無地の封筒を使う ・文章に句読点「、」や「。」を使わない |
白い無地の封筒で出すのがマナーですが、最近では略式として往復はがきで案内状を出すケースもみられます。
どちらの形で出す場合でも、例文としては以下のようになります。
謹啓
皆々様におかれましてお変わりなくお過ごしのことと存じげます
亡父 終活一郎の葬儀の際は温かい御厚志を賜り まことに有難うございました
早いもので来る〇月〇日には忌明けを迎えることと相成りました
つきましては亡父 〇〇の四十九日法要を営みたく存じます
ご多忙中まことに恐れいりますが
ご参会賜りますようご案内申し上げます
敬具
日時 令和 ◯◯年◯◯月◯◯日(◯曜日)午前◯時◯分より
場所 〇〇〇にて
住所 〇〇市〇〇町 〇−〇−〇
電話 〇〇〇−〇〇〇〇−〇〇〇〇
※なお、法要後は供養の粗宴をご用意いたしております
令和 〇〇年〇月
住所 〇〇市〇〇町 〇−〇−〇
電話 〇〇〇−〇〇〇〇−〇〇〇〇
※お手数ではございますが 〇月〇日までに返信にてご都合をお知らせ下さい
青文字部分、場所についてですが、自宅で行われる場合は「自宅にて」と書き、住所や電話番号はご自宅のものを記載します。
寺院で行う場合には「〇〇寺にて」、住所や電話番号には該当寺院のものを記載しましょう。
赤文字部分に関しては、会食の席を設けない場合は省きます。
左側の宛名は喪主または喪家の方の名前を記載します。
※切手は郵便局で販売されている弔事用の切手を貼るのが好ましいと言えます
次に、往信面については以下のようになります。
ご出席 ( 名様)
ご欠席
いずれかに○印をお付けください
また出席の場合は人数もご記入ください
ご芳名
ご住所
お電話
往信面の左側は案内状としてお送りする方の住所と名前を記載します。
右側には出欠の確認が取れるような形で記載します。
ご芳名(ごろうめい)とは、「お名前」をより丁寧な形で言い表したものです。
四十九日法要を欠席する場合 四十九日法要の案内状を受け取り、諸事情により欠席される場合はなるべく早めに連絡(対応)するのがマナーです。 案内状に「〇月〇日までに返信にて…」と基本的には記載されていると思いますので、欠席する場合はできるだけ早めに返すようにしましょう。 また、欠席する場合は故人や喪家との関係にもよりますが、返信に加え一本電話連絡お入れるなどするケースもあります。 |
【四十九日法要】お布施の表書きの書き方
お布施は「喪主側」が該当することです
お布施の金額相場については前述した通りですが、お布施のお金はそのまま僧侶にお渡しするわけではありません。
お布施の書き方や包み方については下記の記事でわかりやすくまとめていますので、参考下さい。
四十九日法要のお布施を渡すタイミング
渡すタイミングとしては、法要が始まる前、もしくは法要後が一般的です。
【四十九日法要】香典袋の表書きの書き方
香典袋の表書きの書き方は「参列者側」が該当することです
宗派による違いはありますが、仏式では四十九日まで(お通夜、告別式、葬式)は故人は霊の状態であるとされているので、香典袋の表書きには「御霊前」と書くのが通例です。
そして、四十九日法要をもって成仏し、故人の霊が仏になると考えられているため、四十九日法要の香典の表書きは「御佛前」と書くのが一般的となっています。
上の画像のように、「御佛前」と書くのは「御仏前」をより丁寧に言い表している言葉になります。
神式の香典袋の表書き 「御玉串料」「御神前料」「御神撰料」「御供物料」 ※神式(神道)の場合、命日から50日目に行われる「五十日祭」の際、香典を渡す事になります キリスト教式の香典袋の表書き 「御花料」「お花料」「御供物料」 ※カトリックであれば命日から一ヶ月目に行われる追悼ミサにて、プロテスタントでは召天(昇天)記念日の際、香典を渡します |
四十九日法要 各種「のし」について
参列者側であれば四十九日法要のお供え物に、喪主側はお返しの品(引き出物)と香典返しの品に「のし」をかけます。
一般的に、言葉や文章上の表現としては「のしをかけて」「のしをかける」とよく言い表されてていますが、実際にかけるのは「掛け紙」をかけます。
お供えの品に【「のし」をかける】【お返しの品に「のし」をかける】というのは、正確には「掛け紙」をかけるという事です。
このように、「のし」とは上図右側の赤丸部分の事を指します。
「のし」が付いている(印刷されている)ものが熨斗紙(のし紙)、「のし」がなくて水引だけのものが「掛け紙」です。
「香典返しやお供えものの品、お返しの品、弔事の品には全て掛け紙をかける」と覚えておくようにしましょう。
重要のし紙は祝事など縁起物に使われるものなので、四十九日法要のお供え物やお返しの品には必ず「掛け紙」をかけるようにする
四十九日法要の服装マナー
四十九日法要での服装マナーについてですが、喪主側(遺族側)、参列者側ともに喪服の着用でまず間違いがありません。
ただ、喪主側は正式な喪服で参列者よりも軽装にならないようにしている事が多いです。
▼喪主側の場合
三回忌までは正式(モーニング、和装など)または略式(ブラックフォーマル、ブラックスーツ)の喪服を着用するというのが基本的です。
※三回忌までという考えは地域によって違いもあるかと思われます
▼参列者側の場合
お通夜や葬儀の服装と同じく、基本的には黒の喪服で参列するようにしましょう。
気をつけるポイントとしては、正式の喪服を持っていたとしても、略式の喪服を着用するのが一般的です。
略式の喪服と着用する理由としては、遺族の方々よりも格が上になってしまわないようにするためと言われています。
以下、参考にしていただければと思います。
小さなお子さんや学生(小・中・高校)さんは、学校指定の制服がある場合はその制服を着用する事が通例です。
ほか、寒い季節だとコートなど羽織る事になるかと思いますが、四十九日法要が行われる場所(寺院であっても自宅の場合でも)ではコートは脱ぐようにしましょう。
まとめ
四十九日法要について紹介しました。
最後に、ここまでの各要点をまとめましたので、おさらいしましょう。
終活.comでは、故人が亡くなられてから最初の法要である「初七日法要(しょなぬかほうよう)」についてもわかりやすくまとめています。
四十九日法要と比べると幾つか似た部分もありますが、合わせてお読み頂く事で法要の理解がより深まるのではないかと思います。