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この記事では、火葬の意味や料金、火葬式(直葬の)メリット・デメリットやマナーなど、火葬についてできる限りわかりやすく解説しています。
▼この記事を読んで理解できること ・火葬(火葬式、直葬、荼毘)の意味 ・火葬のメリット、デメリット ・火葬までの流れや、火葬その後 など |
また、現在終活中の方にとって重要となる火葬場の事についても書いているので、ぜひ最後までお読み下さい。
火葬とは?
火葬(かそう)の意味をウィキペディア(Wikipedia)で調べてみると、以下のように記述されています。
火葬(かそう)とは、葬送の一手段として遺体を焼却することである。また、遺体の焼却を伴う葬儀全体も指す。
火葬を行う施設や建築物を火葬場と呼ぶ。
※「葬送の一手段」とは、「故人と最後の別れをして、火葬場や墓地に送り出す儀式の一つ」を意味します
つまり、火葬とは、遺体を焼く葬儀全体を指す事がわかります。
また、葬式の種類・選択肢の一つである火葬式(かそうしき)も火葬の意味として含まれているという事になります。
✔ 「火葬」は英語ではcremation、発音・読み方はクリィメェィシャン(ヌ)
火葬、火葬式、直葬、荼毘
火葬(火葬式)は、お通夜や告別式などの儀式を行わずに火葬のみの葬式の事から直葬(ちょくそう)とも呼ばれています。
また、仏教用語では荼毘(だび)といい、死者を火葬する事を荼毘に付す(だびにふす)と言います。
火葬の言い換え・類語 | ||
火葬式 | 直葬 | 荼毘 |
火葬式、直葬、荼毘は、火葬を言い換えたもの・類語になります。
火葬の歴史・文化
火葬は日本でいつから行われ、今日のように普及しているのでしょうか。
日本における火葬の起源は、釈迦が火葬された事にちなんで仏教と共に伝わった説が有力視されています。
ただ、平安時代以降~明治時代までは庶民にとっては火葬よりも土葬が広く用いられていました。
これは、土葬のほうが費用的に安かったのが主な理由とされています。
しかし、大正時代あたりから地方自治体が火葬場の設営に積極的となりました。
理由としては、土葬より火葬のほうが費用面や人手が少なくて済むようになった事があるためとされています。
現代の日本において、火葬するという風習は最も一般的な葬儀の方法です。
明治時代の日本は火葬率30%程でしたが、現代の日本の火葬率は、ほぼ100%(99%超)となっています。
▼ウィキペディアの火葬の項目には、江戸時代の火葬の様子のスケッチが掲載されています
▼火葬後に骨を拾う様子
画像出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ちなみに、アメリカでは土葬と火葬どちらも行われています(州、地域によって異なる)。
現代の各国の火葬事情として海外の国のほとんどが火葬率50%よりも低くなっており、日本の火葬率は世界一です。
日本は世界一の火葬先進国という事になります。
火葬に関する法律
この項目では、日本における火葬の法律について紹介していきます。
墓地、埋葬等に関する法律
火葬についての法律は、墓地、埋葬等に関する法律のもとで定められています。
墓地、埋葬等に関する法律(ぼち、まいそうとうにかんするほうりつ、昭和23年5月31日法律第48号)は、墓地、納骨堂または火葬場の管理および埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的として、昭和23年(1948年)に制定された日本の法律である。
墓埋法(ぼまいほう)、埋葬法(まいそうほう)などと略される。
「国民の宗教的感情に適合し」というのは「国民の宗教的感情を配慮しつつ」という意味合いです。
つまり、国民の宗教的な感情に配慮しつつも、一定のルールで定められた法律が墓地、埋葬等に関する法律という事になります。
墓地、埋葬等に関する法律は、略称として以下のように表現される事があります。
・墓地埋葬法(ぼちまいそうほう)
・埋葬法(まいそうほう)
・墓埋法(ぼまいほう)
この記事では以下、墓地埋葬法の表記で統一します。
墓地埋葬法で、直接的に火葬の事が記述されているのが以下の条文です。
✔ 墓地埋葬法(第3条)
✔ 墓地埋葬法(第4条2項目)
✔ 墓地埋葬法(第5条)
順にそれぞれ解説していきます。
▼墓地埋葬法(第3条)
第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。
但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
<わかりやすく言うと>
死後24時間以内は火葬してはいけないという決まりになっています。
※ただし、以下の場合は対象外
・妊娠6ヶ月以下の胎児
・法定伝染病などの感染症、新型インフルエンザなどの感染症による死亡の場合
▼墓地埋葬法(第4条2項目)
(第4条)2 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない。
<わかりやすく言うと>
火葬場(火葬施設)以外で火葬してはいけない
⇒火葬場として許可を得ているところ以外で火葬した場合は墓地埋葬法違反
▼墓地埋葬法(第5条)
第5条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。
<わかりやすく言うと>
火葬や埋葬、改葬を行う場合、死亡届等を受理した市町村長の許可が必要となります。
⇒許可なく火葬した場合は墓地埋葬法違反
※墓地埋葬法違反と、さらに刑法第190条「死体遺棄・損壊罪」に問われる
火葬を行うためには、各市区町村の役場・役所で火葬許可証を発行してもらわなければいけません。
火葬許可証
火葬許可証(かそうきょかしょう)とは、死亡届を受理した各市区町村の役場・役所が「故人の遺骨を火葬する事を許可します」という意味の書類の事を言います。
▼火葬許可証発行までの流れ
医師から死亡診断書を受け取る ↓ 死亡届(死亡診断書)と死体埋火葬許可申請書を市区町村の役所に提出 ↓ 役所が火葬許可証を発行 |
おおまかにですが、上記のような流れになっています。
葬儀社が死亡届の提出と火葬許可証の発行まで行ってくれる事も多いです(代行業務として火葬式のプランに含まれている等)
火葬を行うまでの詳しい流れは、このあとの「火葬までの流れ」にて解説しています。
埋葬許可証
埋葬許可証(まいそうきょかしょう)とは、火葬を終えた後に「無事に火葬が終わりました」という事が明記されて返還される書類の事を言います。
わりと勘違いされているのが、火葬許可証と埋葬許可証がまったくの別物として混同される事があります。
多くの自治体では、火葬許可証と埋葬許可証は同じ用紙になっています。
ポイント火葬許可証⇒火葬する⇒火葬済の証印をしてもらう⇒埋葬許可証となる
▼火葬許可証(埋葬許可証)は、地域や各自治体によって呼び方が違う場合があります ・埋葬証明書 ・火葬証明書 ・埋火葬許可証 など |
いずれも火葬許可証の事ですので、混同してしまわないようにしましょう。
火葬のメリット・デメリット
次に、火葬式(直葬)のメリット・デメリットについて解説していきます。
火葬式(直葬)のメリット | ・葬儀費用が安くなる(お通夜、告別式を行わない為) ・遺族の労力軽減 |
火葬式(直葬)のデメリット | ・火葬のみという事で故人とのお別れの時間が短いと感じられる懸念 ・ご家族、親族の理解 → お通夜、告別式を行わないため |
「お通夜、告別式を行わない」という事がメリットでもあり、デメリットでもあるようです。
こんな場合は火葬式がおすすめ
✔ 金銭的な事情で葬儀を安く済ませたい
✔ 基本的に身内だけで故人を送りたい
✔ 葬儀の参列者が少ない事が予想される
※菩提寺がある場合は、一度そのお寺に相談するようにしましょう(お寺は葬儀の形として儀式をとりおこなうのが基本的なため)
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓があるお寺の事を言います。
火葬式を行う場合、「直葬をします」という事を菩提寺に知らせていないと、先祖代々のお墓に納骨させてもらえないなどのトラブルに発展してしまう可能性があります。
菩提寺がある方は関係を良好に保つためにも、事前に相談するようにしましょう。
火葬式の費用
次に、火葬式の費用について解説していきます。
火葬式の費用相場 | 10万円台~ |
火葬式の費用相場としては、最安で10万円台~となっています。
▼一般的な火葬式費用の内訳
・寝台車代
・霊柩車代
・棺代
・骨壷
・安置代
・ドライアイス代
※待合室がある火葬場、斎場では待合室料金も含まれる事があります
葬儀社と火葬場に支払う費用は、地域によって大幅に異なることもありますので、いくつか見積もりされることをおすすめします。
※セット価格等、葬儀社によって項目が違う事があるので、後々で別途費用や追加費用とならないためにも費用に関して「総額いくらになるのか?」を聞くようにしましょう
ほか、法律で定められているように死後24時間は火葬する事ができません。
つまり、最短で翌日以降に火葬となるため、遺体を安置する場所が必要になります。
安置方法としては自宅安置、葬儀社や斎場の安置室、民間または公営遺体保管場所があります。
遺体安置所の費用相場 | 数千円~1万円前後 |
料金の相場は数千円~高くても1万円前後となっていて、民間よりは公営のほうが費用的には抑えられます。
葬儀社や斎場の安置室、民間または公営遺体保管場所の保管方法としては次の通りです。
・冷蔵設備を使用しない一般保管(ドライアイス)
・冷蔵設備を使用した冷蔵保棺
公営の遺体安置所は、火葬場や斎場の施設内にある場合が多いです。
民営の場合も公営と同じく火葬場または斎場併設のほか、安置や面会のみ可能なケースもあります。
ドライアイスなどで冷却時、遺体は内臓まで凍るため、血液が凝固状態となる ⇒ そのため、火葬する際に血が出ない |
自宅安置の場合、一般的には仏壇がある部屋にて安置させるようにします。
遺体を腐食させてしまわないように室温管理(夏・冬で違ってきます)が何よりも大事になってきます。
また、ドライアイス代は必ずかかってしまうため、費用はゼロではありません。
故人と最後の時間をゆっくり過ごせるという点は大きいですが、手間がかからないという観点では葬儀社などにお願いするのがおすすめと言えます。
火葬までの流れ
この項目では、ご逝去日から火葬式にて火葬を行うまでの流れを解説しています。
実際に火葬するまでの流れを項目で表すと、次のようになります。
お通夜、告別式を行わない分、火葬までのスケジュールはとてもシンプルです。
上記項目とともに、火葬を行うまでの一般的な流れとしては以下のようになっています。
ご逝去 ≪遺族がやること≫ 葬儀社へ電話連絡します ※法律により24時間は火葬する事ができないため、故人の遺体を安置する必要がある 搬送 葬儀社の方が寝台車で病院または亡くなられた場所へ迎えに来てくれます 遺体を安置するための場所へと葬儀社が搬送してくれます(自宅安置か他安置場所にて安置か選択できます) ≪遺族がやること≫ ・病院で医師に死亡診断書の発行をしてもらう ※死亡届は死亡診断書(死体検案書)と同じ用紙になっており、左半分を遺族の方が記入し、右半分は医師による署名、押印を行ってもらう ・自宅安置の場合、下記いずれかの市区町村の役所、役場の戸籍係または住民登録窓口にて死亡届を提出し、火葬許可証を発行してもらう ✔ 故人の本籍地 ✔ 届出人の住所地 ✔ 故人の死亡地 ※自宅安置の場合でなくとも、死亡届の提出は必要となります ※死亡届の提出、火葬許可証発行は葬儀社が代行してくれる場合もあります ※死亡届の提出は死後7日以内と決められていますが、「火葬をいつまでに行わなければいけない」という決まりはありません 安置 葬儀社へ安置をお願いした場合、葬儀社提携の遺体安置室や保冷庫にて遺体を安置してもらいます ≪遺族がやること≫ 火葬式について、葬儀社との打ち合わせ 納棺 納棺(のうかん)とは、遺体を棺に納める事を言います ご逝去から24時間以上経過したら、遺体を安置している場所で納棺が行われます ≪遺族がやること≫ ・出棺までの間、生花などを棺に納める 出棺 出棺(しゅっかん)とは、火葬場へ出発する事を言います ※出棺は「出棺の儀」「出棺式」と呼ばれる事もあります 納棺が行われた後、安置場所から出棺します(霊柩車で火葬場へと移動) ≪遺族がやること≫ ・釘打ちの儀 釘打ちの儀(くぎうちのぎ)とは、出棺の最後に石または葬儀社が用意した金槌で遺族が棺の蓋に釘を打つ事 ※全国的に見ると現在では釘打ちの習慣が無くなりつつあるようです(地域によっては実際に釘を打たず、釘打ちの真似をする擬似的な形もあり) 火葬 火葬場で僧侶の方にお経をあげてもらい、最後の別れへ ※火葬式(直葬)では、僧侶の方を呼んでお経をあげる事はないのが通常ですが、僧侶を呼んで読経してもらう事は可能です お経を希望する場合は、葬儀社との打ち合わせ時に相談するようにしましょう 火葬式(直葬)でのお経は、火葬炉前で上げていただく形が一般的なようです(読経時間は10分前後) |
以上が、火葬式の一般的な流れとなります。
参考までに お通夜、告別式を行う一般的な葬儀では、火葬の順番が地域によって異なる場合があります。 ・お通夜、告別式を行って、それから火葬をする ・お通夜を行って火葬、それから葬儀 ・葬儀前に火葬を行う、その後でお通夜と葬儀をする(骨葬) |
火葬式の場合は儀式(お通夜、告別式)を行わないため、順序や順番がわかりづらく迷ってしまう事はないと言えます。
そのため「火葬はいつ行うのか?」という事を気にしないでいいという点も火葬式にはあります。
火葬 その後
この項目では、火葬した後について解説しています。
火葬には1~2時間程度かかり、火葬中の待ち時間は控室で過ごす事になるのが一般的です。
そのため、ほとんどの火葬場では、飲食物の持ち込みも認められています。
※食事に関しては、火葬式の場合では行わないのが一般的で、食事の場を設ける場合はご自宅などで済ませる事になるケースが多いです
火葬を終えた後は、収骨を行う事になります。
収骨とは? 収骨(しゅうこつ)…「骨上げ」とも言われ、火葬後お骨になった遺体を骨壷へと拾い上げる事、骨上げをする事 |
収骨の方法・手順
収骨の方法は、事前に葬儀社の方が教えてくれたりする事もありますが、手順やマナーを知っておく事で、落ち着いて行う事ができると思います。
▼収骨の様子、イメージ
収骨の方法・手順 収骨室または拾骨室にて、お骨になった遺体を会葬者全員で囲みます 故人に縁の深かった方から順番に、2人1組となって行っていきます 最後に再び喪主の方が行います |
収骨のマナー・注意点 ✔ 故人に縁の深かった順番なので、喪主から順番に行っていく ✔ もしも最後に1人だけ残ってしまう場合でも、一度終わった方と必ず2人で行う(1人では箸渡しにならないため) ✔ 骨を拾い上げるのは、足の骨から頭に向かって拾っていくのが一般的(地域によっては大きな骨や歯から拾い上げるケースもあります) ✔ もし、骨を落としてしまったとしても再度やり直す |
※収骨の行われ方は、地域や宗教によって異なる場合があります
また、拾い上げる骨の量は東日本・西日本によって違います。
▼東日本の場合
骨は全部拾い上げて骨壷に入れる(全収骨)
▼西日本の場合
骨は喉仏や歯など一部の遺骨を拾い上げて骨壷に入れる(部分収骨)
※残った骨は火葬場にて供養してもらう
このように、拾い上げる骨の量が異なるため、東日本・西日本でそれぞれ骨壷の大きさも違ってきますので、知っておくといいでしょう。
火葬場とは?
火葬式においても、家族葬など一般的な葬儀においても、火葬をするのは火葬場と呼ばれる施設になります。
火葬場(かそうば、crematory)とは、死体を火葬するための施設。
法的には、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年五月三十一日法律第四十八号、最終改正:平成二三年一二月一四日法律第一二二号)の第二条7において「この法律で「火葬場」とは、火葬を行うために、火葬場として都道府県知事の許可をうけた施設をいう。」と、規定されている。
火葬や「火葬する」事を英語でcremationというのは前述した通りですが、火葬場をウィキペディアで観てみると英語ではcrematory(クリィマトリィ)というのがわかります。
火葬場と斎場の違いとは?
火葬場のウィキペディアには、斎場についても記述されています。
現代では斎場(さいじょう)とも称されるが、これは本来、祭祀儀礼を行う場所および、祭祀儀礼を行う施設全般を指す呼称であり、火葬設備を有せず通夜・告別式のみ行う施設で斎場と称するものも多い。
また、「斎苑」、「葬斎場」を名乗る施設も多いが、火葬場ではない葬儀施設である場合もあるので、混同しない注意が必要である。
2015年現在、日本の火葬率は99.986%に上る。
火葬場は現代では斎場とも呼ばれ、『火葬設備がある斎場・火葬設備が無い斎場がある』という内容で書かれています。
つまり、単に斎場といっても必ず火葬設備が整っているわけではないので、混同しないようにという旨が書かれている事がわかります。
以下、終活.comのTOPページにある「お知らせ」に次のように見解させて頂いています。
近年、火葬場は斎場に併設された仕様が増えつつあります。 ですが、「〇〇火葬場」という呼ばれ方は全国的に少なく、「〇〇斎場」と呼ばれているのがほとんどです。 ▼斎場と火葬場の違い 斎場…お通夜・葬儀・告別式を行う場所 火葬場…火葬のみ行う場所 このように違いはありますが、火葬場を兼ね備えているという意味でも「〇〇斎場」と呼ばれるのは間違いではありません。 ※終活.comで「〇〇斎場」として紹介している施設は全て火葬場が併設されているものとなります |
ちなみに東京都心部では、江戸時代の末期から明治時代に寺院や匿名の出資者が経営していた火葬場や、民間の企業経営の火葬場を統合(合併)した株式会社経営の火葬場が主となっています。
終活.comでは全国の火葬場・斎場の検索が簡単にできるようになっています
・全国の火葬場一覧
・全国の斎場一覧
最寄の火葬場や斎場をお探しの際、お役立て頂ければ幸いです。
火葬炉の種類や構造・仕組み
遺体の火葬を行うのは、火葬場や斎場の火葬炉にて行いますが、この項目では火葬炉の種類や構造・仕組みについて解説していきます。
「火葬場」のウィキペディアに、火葬炉について詳しく記述されています。
現在の火葬炉は、大きく「台車式」と「ロストル式」の2種類に分けることができる。
いずれも異なる長所と短所を有しており、火葬場設置者の判断によって選択される。
平成に入ってから建設された火葬場では、97%以上の施設で台車式が採用されており、ロストル式を採用した施設は3%未満である。
また、これまでロストル式を使用してきた施設でも、老朽化で改築した際に台車式に変更した例もある。
火葬炉には大きく分けて「台車式」と「ロストル式」の2種類があるのがわかります。
そして、現在の火葬施設における97%以上が台車式を採用していて、ロストル式を採用した火葬施設は3%未満だという事もわかります。
台車式とロストル式は、火葬時間や焼く方法も違うものとなっています。
火葬炉の種類 | 火葬時間(目安) | 仕組み |
台車式 | 60分 | ・棺をバーナーで台車と一緒に焼く ・遺体を焼くだけでなく、焼却時に発生するガスを焼く炉が設置されている(ガスを焼く事によって有害ガスを無害に、他、悪臭防止) |
ロストル式 | 40分 | ・ロストルとは火格子の意味で、遺体を焼いていくと共に、ロストルの隙間から遺骨が骨受皿へ入る |
極めて少ないロストル式ですが、老朽化した火葬場を改築する際、もともとロストル式だったものを台車式へ変更している施設もあるようです。
近い将来、日本の火葬施設の火葬炉はすべて台車式になる可能性があるかも知れません。
ちなみに、火葬炉の中がどうなっているのか?火葬の様子など映像で観たい等、気になる方はユーチューブなどの動画サイトで「火葬炉 内部 画像」「火葬炉 閲覧注意」と検索してみると、さらに火葬炉について知れる事になるとは思います。
ペット火葬炉
台車式のように有害物質を出さない火葬炉は、犬など動物用の火葬炉もあります。
動物用火葬炉とは、ペット火葬炉とも呼ばれていますが、従来のペット火葬炉は煙や臭い、有害物質の発生は解決できないものとされていました。
ですが、近年では有害物質をまったく出さないペット火葬炉も造られています。
ペット火葬と人の火葬の場合とは、料金に違いがあります。
例えば、以下の料金表は埼玉県の深谷市火葬場のものですが、使用料が違うというのがわかります。
人の場合は赤ちゃんや子供、大人といった年齢によって、ペットの場合は体重(大きさ)によって料金が変わってきます。
※ペットの火葬時間について
ハムスターなどの小動物で約30分、チワワや一般的な猫のサイズで約50分ほどの火葬時間(平均時間)となっています。
ペットの火葬については別記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧頂ければと思います。
火葬時間や温度
台車式と比べて、ロストル式のほうが火葬時間が短いですが、時短だけを考えれば火力を強くすれば火葬時間は早くなります。
ただ、ダイオキシン(800℃以下)や窒素酸化物(1000度以上)の発生が懸念されてしまうので台車式の火力を強くする事はできないようです。
※現在の火葬炉の火力設定は1500℃まで設定が可能となっています
火葬から収骨までの所要時間目安は、1時間半~2時間以上と言われています(火葬時間が1~2時間程度のため)
ですので、安置場所から火葬施設までの移動距離によって多少の前後はしますが、納棺から収骨までは3時間前後が目安です。
火葬場の裏側
この項目では一般的にはあまり知られていないであろう火葬場の事について、都市伝説のようなものまで幾つか紹介しておきます。
✔ 火葬炉のエレベーターのような前室は燃焼騒音を遮断し、焼けただれた炉内を遺族に見せない配慮から作られた ✔ 遺体が納められている棺は、基本的には頭部側を奥に向けて炉内へ入れる(棺ごと焼かれる) ✔ 頭部側から火が出て、5分経たない内に頭蓋骨が見える ✔ 男性は女性よりも燃えにくい ✔ 年配者よりも若い世代の方が燃えにくい ✔ 痩せている人より太っている人の方が火葬時間が長くなる ✔ 火葬場のスタッフ・職員が実際に火葬の状態を確認しながら手動で操作している事が多い ✔ 火葬中に棺の中から叫び声、声が聞こえる事があるのは火葬中に肺の中の空気が膨張するためと言われている(納棺の際、首を曲げる事があるので首元が遮断される) ✔ 火葬中、火であぶったスルメのように遺体が起き上がる(暴れる)という話があるが、熱によって筋肉が縮む事によって運動と同じ現象が起こるため ✔ 火葬中に煙が見えないのは現在の機械の性能向上によるもの(注1) ✔ 火葬中に生き返るという話は、基本的にはありえない(注2) |
(注1)火葬場の煙と臭い
昔の火葬場には建物に必ず煙突がありましたが、現在では機械(火葬炉)の性能が向上している事や環境への配慮から、ほとんどの火葬場では臭いや煙を無くすための炉(再燃炉)の働きによって無煙無臭となるよう配慮されてきています。
※棺を入れるための炉は主燃炉と呼ばれます
▼建物は既存のままで、再燃炉付きの火葬炉に更新した火葬場の例画像出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2019年現在でも煙突から煙の出る火葬場は全国に結構あり、外から煙突を無くした形の火葬場は近年建てられた新しい火葬場に見られます。
(注2)火葬中に生き返る説
現代では医師が死亡診断書(警察なら死体検案書)を書いた時点、つまり死亡確認されてから、再び蘇るという事は医学的な根拠からはありえないのが現実です。
ただ、明確な死亡確認が取れなかったために火葬施設にて「生き返った」という事例が中国では過去あったようです。
中国では日本のように医師による死亡診断書の作成が厳格でないため、いわゆる仮死状態でも死亡判断されてしまった事によって起こったものと見解されています。
日本においては「火葬中に生き返ったら…」という周囲のふとした考えなどが火葬=怖い話や怖い体験のような形で一人歩きして、「火葬中に生き返る」といった形で都市伝説のようになったのではないかと思われます。
そのため、「火葬中に万が一生き返ったらどうなるのか?」「火葬中に生き返ったら非常ボタンやスイッチがある」といった実しやかな話が一部広がっているように感じます。
▼スイッチに関して 火葬の際、喪主の方が押す点火スイッチはあります ⇒ 喪主の方が押す点火スイッチは火葬炉の裏に控えているスタッフ、作業員の方へ「着火準備が整いました」という意味合いのものだそうです それでも、喪主の方がスイッチを押すという行為は儀式としての意味合いが強いため、行われているものです |
ほか、都市伝説のような話として「雨の日の火葬は縁起が悪い」という事も噂がありますが、縁起が悪いという根拠はなく、こちらも都市伝説のようなものと言えます。
また、「最後に雨に濡れて身を清める」といった捉え方をする年配の方もいらっしゃるようですが、縁起との因果関係は定かではありません。
比較的新しい火葬場併設の斎場内では雨に濡れる事なく火葬場へ移動する事ができるようになっています。
火葬式(直葬)におけるマナー
この項目では、火葬におけるマナーについて詳しく解説しています。
・火葬時の棺についてのマナー
・火葬式についてのマナー
順に見ていきましょう。
棺に入れられるもの・入れてはいけないもの
故人と最後のお別れの際、生前好きだったもの・愛用品などを棺の中に入れますが、これを副葬品(ふくそうひん)と言います。
副葬品にはどんなものを入れても大丈夫なのか?どんなものを入れるのがNGになるのか?
以下、それぞれ一覧にまとめています。
棺に入れられるもの(大丈夫なもの) | ✔ お花 ✔ 手紙や寄せ書き ✔ 故人の写真 ✔ お守り ✔ 故人が気に入っていた洋服(燃えやすい衣類) ✔ タバコやお菓子類 ✔ 故人の思い入れがあるもの(人形やフィギュアなど) ✔ 朱印、御朱印帳 |
棺に入れてはいけないもの(NGなもの) | ✔ ビン、缶などの飲み物(紙パックはOK) ✔ 辞書、辞典など分厚い本類(書籍) ✔ 生きている方が写った写真 ✔ お金(硬貨、紙幣とも現金はNG) ✔ メガネ、サングラス ✔ 入れ歯 ✔ アクセサリー(腕時計、指輪など) ✔ ゴルフクラブ ✔ 釣竿 ✔ 革製品 ✔ ビニール製品 ✔ プラスチック製品 ✔ ポリエステル製品 ✔ ゴム製品 ✔ 発砲スチロール ✔ ガラス製品 ✔ 金属製品 ✔ 大きなぬいぐるみ |
原則として、副葬品は燃えるもの(可燃物)のみとなっています。
※北海道や東北の一部地域では、お守り袋などに硬貨(十円玉)を棺に入れる火葬の風習も見られます
※火葬には、守り刀といって火葬するまで遺体を邪悪な魔物から守るために、遺体傍(足元)に置く事がありますが、刀が燃えないものだと火葬する際は外す事になります
飲み物に関して、故人がお酒が好きだったという理由で一升瓶や缶ビール等を入れるのは、燃えないためNGとなります。
お金に関しては、現金を燃やすという行為が違法にあたります(貨幣損傷等取締法)。
メガネや入れ歯、アクセサリーなどは金属にあたるのでNGとなります。
結婚指輪など、思い入れや思い出のあるものでもNGです。
※アクセサリー類に関しては火葬後に骨壷へ納める形であれば問題ないため、結婚指輪はその際に納められます
分厚い本類に関してですが、厚みのあるアルバムも該当します。
一般的には入れてはいけないものとされていますが、火葬場によって相談して入れられる事もあるので事前に火葬場の担当者に確認するようにしましょう。
ペースメーカーなどが体の中に入っている場合も事前に確認するようにしましょう(熱による爆発の懸念があるため)
ほか、故人の歯に金歯がある場合、希望すれば遺族が持ち帰る事ができます(火葬場側で回収が一般的)。
火葬式でのマナー
次に、火葬式でのマナーについて解説します。
火葬式でのマナーとは言っても、基本的には一般の葬儀マナーと同じように考えて問題ありません。
火葬式での喪主挨拶
喪主の挨拶には、葬儀参列者に対し、故人に代わってお礼の言葉を述べるという意味合いがあります。
火葬式における喪主の挨拶のタイミングは出棺時に行うのが一般的ですが、一般参列者がいない(極めて少ない)身内のみの火葬式の場合は挨拶を省略するケースもあります。
一般的にお通夜、告別式を行う葬儀では喪主が何度か挨拶する機会がありますが、「火葬式で喪主の挨拶は必要なの?」という声も上がっています。
そのため、火葬式での喪主挨拶は必ずしも必要ではないと考える方もいらっしゃいます。
以上を踏まえると
火葬式での喪主挨拶は必要だと感じれば行う
という考えでいいと思われます。
挨拶する際は、親族など身内と一般の参列者どちらに対しても大切なのが、「親しき仲にも礼儀あり」の思いを持って挨拶するという事だと言えます。
火葬式は、ごく親しい方のみ少人数で参列する形が一般的ですが、「参列してくださって有難うございます」という感謝の気持ちが込められている挨拶であれば特に問題ないでしょう。
火葬式の服装マナー
お通夜や告別式といった儀式を行わないため、一般的な葬儀に比べると服装マナーやルールは厳しくないと言われています。
とは言っても、あきらかに派手な色合いや柄のあるものは避けるべきです。
必ず喪服でなければいけないという事はありませんが、喪服以外では男性であれば黒のスーツ、女性なら黒のワンピースが好ましいと言えます。
ちなみに喪服には正式(モーニング、和装など)と略式(ブラックフォーマル、ブラックスーツ)があります。
参列する側は正式の喪服を持っていたとしても、略式の喪服を着用するのが一般的です(ご遺族側よりも格が上になってしまわないようにするため)。
もし、迷いが生じるようであれば、以下を参考にするといいでしょう。
≪参考≫一般的な葬儀での喪服・平服着用時のマナー
≪男性の場合の服装マナー≫ ・地味なスーツ(色は黒、ダブルでもシングルでも可、ズボンはシングル) ・白シャツ ・黒のネクタイ ・黒い靴下 ・黒の靴 ≪女性の場合の服装マナー≫ ・地味なスーツまたはワンピース ・髪型は低い位置で ・派手な化粧はしない ・ハンカチは白無地か黒 ・バッグは光沢や金具のない黒 ・黒いストッキング ・黒もしくは地味な色の靴(ヒール高さは3~5cm) ・アクセサリーは弔事には結婚指輪以外は付けないのが一般的 ※パールネックレスやブローチは可 |
ほか、冬場などのコート類については、あれば礼装用コートが好ましいです。
※色は黒または濃い紺色
礼装用コートがなければ黒または濃い紺色のコートを着用するようにしましょう。
※女性の場合はファーが付いているコートや、華美なレースのデザインのコートはNG
男女共通して言える事ですが、ダウンジャケットや普段着るようなトレンチコートは一般的には好ましくないとされています。
服装について最後に、礼服と喪服の違いや区別についても以下参考までに。
▼礼服と喪服の違い 礼服と喪服の違いは、別物ということではなく礼服という括りの中に喪服が含まれているという事になります ⇒ 喪服は礼服の一種 |
火葬式の香典マナー
香典(こうでん)とは、故人の霊前に供える金品(お金)の事です。
一般的な葬儀と違ってお通夜、告別式を行わない火葬式(直葬)ですが、香典に関してどうすればいいのか悩まれる方も多いようです。
「火葬式だから、直葬だから香典は必要ない」という決まりはありません。
ただ、お通夜も告別式も行わないのが基本という背景があるため、遺族側が葬儀のお知らせ時に「香典は辞退します」というの旨を参列者へ伝えるのが通常です。
▼こんな場合はどうする? 例) お知らせに万一不備があり、Aさんには伝わっていたけどBさんには伝わっていなかったというケース Bさんは香典を用意して参列する事になるかと思います この時、遺族はBさんの香典は受け取らないようにするのがマナーです なぜなら『Aさんからは香典は受け取ってないのに、Bさんからは香典を受け取った』と、トラブルになりがちだからです |
つまり、火葬式においては一般の葬儀とは違い、香典返しが無いのが基本です。
まとめ
火葬について、できる限りわかりやすく紹介しました。
当終活.comスタッフも実際に何度か火葬場へ参列し、経験した事になりますが、故人が納められた棺が火葬炉の中に入っていく瞬間は非常に悲しい、寂しい気持ちになるものです。
しかし、死というのはいつどんな形で訪れるのかわからないものです。
火葬のウィキペディアには人の死と火葬場について気になる事が記述されています。
団塊の世代全てが75歳以上になる2025年には、年間死亡者数は140万人を超えると推測されるため、火葬場不足が深刻化し、葬儀・火葬・埋葬ができない、いわゆる“葬儀難民”問題が到来することが懸念されている。
1988年には全国に1900以上あった火葬場が2016年時点には統合・大型化の影響などで1500に減少し、死者の数がピークに達する2025年には東京近郊などの都心部を中心に火葬能力が追い付かない事態が想定され、首都圏では火葬まで1週間待ちなどの事態も生じている。
しかしながら火葬場の新設に対しては周辺住民の反対運動が多く、建設がスムーズには進みにくい。一方、火葬場不足をチャンスととらえた「遺体ホテル」などの新ビジネスが生まれている。埋葬場所の不足も深刻で、東京都では8ヵ所の都立霊園の申し込み倍率は20-30倍となっている。
火葬施設が追いつかなくなってしまう懸念について書かれていますが、すでに都心部では「火葬待ち」状態は起きている事です。
葬儀社での遺体安置が大体3日間までとなっている昨今、安置場所・安置施設がこれまで以上に重要な役割を担う事になりそうです。
そうした中で、遺体ホテルなどのいわゆる新たな葬儀ビジネスが生まれているわけですが、終活.comでは遺体ホテルについても必要であれば今後取り上げていきたいと思います。
ちなみに、東京など都心部を中心に家族・近親者での葬儀が増え、会葬者が減っているというニュースもここ数年前から見かけるようになってきています。
火葬式(直葬)や家族葬が今後も増えていくのではないかと思われます。
家族葬とは、身内だけで少人数で葬儀をあげたいという場合の葬儀です。
家族葬の事や、その他の葬儀の種類についても詳しくまとめているので、是非あわせてご覧頂ければと思います。