出棺の挨拶文例7つ|流れ・釘打ち・見送りのマナー

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告別式が終わり、棺が霊柩車に納められると、参列者が並んで待っています。ここで喪主は全員の前で挨拶をすることになります。

この挨拶は、多くの喪主にとって葬儀で最も緊張する場面です。何を話せばいいのか、どのくらいの長さがいいのか——直前になって考えるのは、あまりに酷です。

この記事では、立場別に7つの挨拶文例を、そのまま読み上げられる形で掲載します。あわせて出棺の流れとマナーも整理しました。

挨拶で押さえるのは4点だけ

  1. 自分が誰かを名乗る(故人との続柄)
  2. 参列へのお礼
  3. 故人の生前のお礼、または一言のエピソード
  4. 今後のお付き合いのお願い

長さは1〜3分。それ以上は必要ありません。紙に書いて読み上げても、まったく問題ありません。

目次

  1. 挨拶文例① 標準(父を亡くした場合)
  2. 挨拶文例② 最も短い版
  3. 挨拶文例③ 母を亡くした場合
  4. 挨拶文例④ 配偶者を亡くした場合
  5. 挨拶文例⑤ 子を亡くした場合
  6. 挨拶文例⑥ 家族葬・少人数
  7. 挨拶文例⑦ 親族代表が代わって行う場合
  8. 挨拶で避けたい言葉
  9. 出棺とは — いつ、何をするか
  10. 出棺の流れ
  11. 別れの儀(花入れ)
  12. 釘打ちの儀
  13. 棺を運ぶ人と向き
  14. 位牌と遺影は誰が持つか
  15. 火葬場へ同行する人
  16. 見送る側のマナー
  17. よくある質問
  18. まとめ

挨拶文例① 標準(父を亡くした場合)

喪主・長男/約1分30秒最も汎用的

本日はご多用のなか、亡き父 〇〇の葬儀・告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございました。

私は故人の長男の△△でございます。遺族を代表して、ひとことご挨拶申し上げます。

父は〇月〇日、〇〇歳でその生涯を閉じました。かねてより療養しておりましたが、最期は家族に見守られながら、静かに旅立ちました。

生前は皆さまに大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。皆さまにこうしてお見送りいただき、父もさぞ喜んでいることと思います。

残された私どもは未熟ではございますが、父の教えを胸に、力を合わせてまいります。今後とも、故人同様のお付き合いを賜りますよう、お願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

挨拶文例② 最も短い版

どうしても長く話せないとき/約30秒これで十分です

本日はお忙しいなか、父〇〇の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございました。

生前のご厚情に、故人に代わりまして厚くお礼申し上げます。

今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。

短くて失礼にはなりません

参列者は、喪主が悲しみのなかで挨拶していることを分かっています。短くても、言葉に詰まっても、誰も気にしません。

むしろ、無理に長く話そうとして途中で話せなくなるより、短く確実に伝えるほうが伝わります。

挨拶文例③ 母を亡くした場合

喪主・長女/約1分30秒

本日はご多用のところ、母 〇〇の葬儀・告別式にご会葬くださり、誠にありがとうございました。長女の△△でございます。

母は〇月〇日、〇〇歳で永眠いたしました。最後まで家族のことを気にかける、母らしい生涯だったと思います。

母は生前、皆さまとのお付き合いを何よりの楽しみにしておりました。「〇〇さんに会うのが楽しみ」とよく話していたことを思い出します。

皆さまに温かくお見送りいただき、母も安心して旅立てることと存じます。

私どもは母のようにはまいりませんが、これからも精一杯努めてまいります。今後とも変わらぬご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

挨拶文例④ 配偶者を亡くした場合

喪主・妻/約1分30秒

本日はお忙しいなか、夫 〇〇の葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございました。妻の△△でございます。

夫は〇月〇日、〇〇歳で息を引き取りました。突然のことで、私自身まだ実感が追いついておりません。

夫は仕事一筋の人でしたが、皆さまに支えていただいたおかげで、最後まで自分らしく生きることができました。心よりお礼申し上げます。

これから私ひとりとなりますが、夫が大切にしてきたご縁を、私も大切にしてまいりたいと思っております。

今後とも変わらぬお付き合いを、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。

挨拶文例⑤ 子を亡くした場合

喪主・父/約1分

本日はご会葬いただき、誠にありがとうございました。〇〇の父でございます。

〇〇は〇月〇日、〇〇歳で旅立ちました。親より先に逝くことになり、本人も無念だったと思います。

短い生涯でしたが、皆さまに囲まれ、笑顔の多い日々を過ごすことができました。〇〇に関わってくださったすべての方に、心より感謝申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

話せなくなっても構いません

お子さんを亡くされた場合、最後まで話しきれないことがあります。それは当然のことで、誰も咎めません。

途中で言葉が出なくなったら、深く一礼するだけで挨拶は成立します。あるいは、最初から親族の方に代読を頼んでおいても構いません(文例⑦)。

挨拶文例⑥ 家族葬・少人数

親族だけの場合/約40秒

本日はお集まりいただき、ありがとうございました。

父も、家族だけで静かに見送ってほしいと申しておりましたので、その願いどおりにできたことを、ありがたく思っております。

これから火葬場へ向かいます。
最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。

家族葬では、かしこまらなくて構いません

親族だけの場では、形式的な挨拶より普段の言葉のほうが自然です。「お父さん、みんな来てくれたよ」——そんな一言でも、立派な挨拶になります。

家族葬の進め方は家族葬の準備・手続き・費用で解説しています。

挨拶文例⑦ 親族代表が代わって行う場合

喪主が話せない場合の代読/約1分

私は故人の弟の〇〇でございます。喪主である△△に代わりまして、ひとことご挨拶申し上げます。

本日はご多用のなか、兄 〇〇の葬儀・告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございました。

兄は〇月〇日、〇〇歳で永眠いたしました。生前は皆さまに大変お世話になり、遺族一同、心より感謝申し上げます。

喪主も、皆さまにお見送りいただけたことを大変ありがたく思っております。

今後とも、遺族に対しまして変わらぬお付き合いを賜りますよう、お願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。

代読は珍しいことではありません

喪主が高齢である、体調が優れない、悲しみで話せない——どの理由でも構いません。

親族の誰かが「喪主に代わりまして」と前置きして話せば、それで成立します。事前に葬儀社に伝えておけば、進行を調整してもらえます。

挨拶で避けたい言葉

種類避ける言葉言い換え
重ね言葉重ね重ね、たびたび、ますます、くれぐれも、返す返す、いよいよ、次々「重ねて」→「あらためて」など
不幸の連想再び、続く、追って、なお、また使わずに文を切る
直接的な表現死ぬ、死亡、生きていた頃永眠、逝去、生前
数字四、九可能なら避ける
宗派に注意ご冥福、成仏、供養、浮かばれる浄土真宗では使わないのが一般的。「故人を偲び」など

言い換えの一覧は忌み言葉一覧・早見表にまとめています。

神式・キリスト教式では言葉が変わります

  • 神式/「永眠」→「帰幽(きゆう)」。「ご冥福」は使いません
  • キリスト教式/「永眠」→「召天(プロテスタント)」「帰天(カトリック)」。「お悔やみ」より「安らかな眠りをお祈りします」

出棺とは — いつ、何をするか

出棺は、棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ向けて出発することです。

項目内容
いつ告別式の直後
どこで葬儀会場の外(霊柩車の前)
所要時間15〜30分程度
参加者参列者全員が見送ります
意味故人の顔を見られる最後の場面

出棺が「本当のお別れ」です

火葬場へ同行するのは近親者だけです。一般の参列者にとって、出棺が故人と対面できる最後の機会になります。

だからこそ、この場面での喪主の挨拶には意味があります。参列者は「見送った」という区切りを得て帰ることができます。

出棺の流れ

1別れの儀(最後の対面)棺の蓋を開け、祭壇の花を切り分けて、故人の周りに手向けます。近親者から順に。
2副葬品を納める手紙や写真など、まだ入れていないものがあればここで。入れられるものには制限があります(→ 副葬品の可否リスト)。
3釘打ちの儀棺の蓋に釘を打ちます。近年は省略されることも多い工程です。
4棺を運び出す男性の近親者6名程度で、足のほうを先にして運びます。
5霊柩車に納める
6喪主の挨拶参列者に向かって。位牌を持ったまま行います。
7出発参列者は合掌または黙礼して見送ります。クラクションを鳴らす地域もあります(近年は住宅地への配慮で省略も)。

別れの儀(花入れ)

祭壇に飾られていた花を切り分け、棺の中の故人の周りに手向ける儀式です。

項目内容
順番喪主 → 配偶者 → 子 → 親 → 兄弟姉妹 → その他の親族 → 親しい友人
入れ方花を1〜数本ずつ手に取り、顔の周りから足元へ向けて置いていきます
参加できる人その場にいる方であれば、参列者も参加できることが多い
声をかける「ありがとう」「ゆっくり休んでね」など、話しかけて構いません

ここが、顔を見られる最後です

このあと蓋が閉じられ、火葬場でも棺は開けられません。触れたい、話しかけたいことがあれば、この場面で。

時間は決まっていますが、葬儀社は急かしません。ゆっくりで構いません。

釘打ちの儀

項目内容
やり方小石で、釘の頭を軽く2回打ちます
順番喪主から、故人と縁の深い順
使う石三途の川の河原の石になぞらえた小石。葬儀社が用意します
意味諸説あり。「無事に三途の川を渡れるように」「別れを受け入れる区切り」などとされます
実施率近年は省略されることが増えています

つらければ、しなくて構いません

釘を打つ行為に強い抵抗を感じる方は少なくありません。「遺族の心情に配慮して省略する」葬儀社が増えているのは、そのためです。

したくない場合は、事前に葬儀社へ伝えてください。省略しても、何の問題もありません。

なお浄土真宗をはじめ、宗派によっては行わないこともあります。

棺を運ぶ人と向き

項目内容
人数6名程度(棺の大きさ・重さによる)
誰が男性の近親者が慣例。近年は性別を問わないことも増えています
向き足のほうを先にして運び出します
足りない場合葬儀社のスタッフが入ります。心配は不要です
力に自信がない無理をせず、葬儀社に代わってもらってください

なぜ足から先なのか

「故人が家に戻ってこないように」という意味づけがされることが多い作法です。頭から出すと、戻ってきてしまうと考えられたと説明されます。

ただし地域によって扱いは異なります。その場で葬儀社が指示してくれるので、覚えておく必要はありません。

位牌と遺影は誰が持つか

持つもの誰が持つか
位牌喪主
遺影喪主の次に故人と縁の深い方(配偶者、長男、長女など)
遺骨(火葬後)喪主

持ち方

位牌も遺影も、胸の高さで、両手で持ちます。写真が正面を向くように。

喪主は位牌を持ったまま挨拶をします。マイクを持つ必要がある場合は、葬儀社が調整してくれますので、事前に相談してください。

遺影の準備については遺影写真のサイズ一覧|四つ切り・L判の選び方で解説しています。

火葬場へ同行する人

立場同行するか
喪主・遺族同行します
近親者同行するのが一般的
親しい友人遺族から声をかけられた場合のみ
一般の参列者同行しません。出棺を見送って解散します
僧侶同行することもあります(火葬前に読経)

同行者の人数は、前日までに確定させてください

火葬場までの移動手段(マイクロバス、ハイヤー)は人数分を手配する必要があります。当日に増減すると、乗り切れない・費用が余計にかかるといったことが起こります。

また、火葬を待つ間の控室や軽食の手配も人数によって変わります。前日までに葬儀社へ最終人数を伝えてください。

同行を辞退してよいか迷ったら

声をかけられていないなら、同行しないのが正解です。「行ったほうがいいのでは」と気を遣う必要はありません。

逆に、声をかけられて断りたい場合も、「所用がありますので、ここで失礼いたします」で十分です。理由を詳しく説明する必要はありません。

見送る側のマナー

場面どうするか
立ち位置霊柩車の周りに並びます。葬儀社の案内に従ってください
コート脱いで手に持ちます。寒くても、見送りの間は脱ぐのが礼儀とされます
喪主の挨拶中静かに聞きます。頭を下げたままでなくて構いません
出発のとき合掌するか、深く一礼します
いつまで見送るか霊柩車が見えなくなるまでが丁寧とされます
写真撮影控えてください
私語控えます。スマートフォンもマナーモードに
帰るタイミング車が見えなくなってから。会葬御礼を受け取って解散

コートを脱ぐのは、屋外だからこそ

出棺は屋外で行われるため、冬場は寒くなります。しかし「コートを着たまま見送るのは略式」とされるのが慣例です。

ただし、体調が優れない場合や、高齢の方、小さなお子さんは無理をしないでください。健康を害してまで守るべき作法ではありません。

喪服のマナー全般は喪服スーツの選び方とマナー完全ガイドをご覧ください。

よくある質問

挨拶は紙を見ながらでもいいですか?
まったく問題ありません。むしろ推奨されます。悲しみのなかで暗記した内容を思い出すのは困難です。この記事の文例を印刷して、そのまま読み上げてください。
喪主が挨拶できない場合はどうしますか?
親族の誰かが代読します。「喪主に代わりまして」と前置きすれば成立します(文例⑦)。事前に葬儀社へ伝えておけば、進行を調整してもらえます。
挨拶はどこで行うのですか?
霊柩車の前、参列者に向かって行います。位牌を持ったまま立ち、遺族が後ろに並びます。マイクが用意されることが多いです。
クラクションは必ず鳴らすのですか?
いいえ。地域によって行われる慣習ですが、近年は住宅地への配慮から鳴らさないことが増えています。葬儀社が地域の慣習に合わせて判断してくれます。
釘打ちをしたくありません
省略できます。事前に葬儀社へ伝えてください。近年は遺族の心情に配慮して、最初から行わない葬儀社も増えています。省略しても失礼にはあたりません。
出棺のあと、参列者はどうすればいいですか?
霊柩車が見えなくなったら解散です。受付で会葬御礼を受け取って帰ります。火葬場へは、声をかけられた方だけが同行します。
棺を運ぶ人が足りません
心配は不要です。葬儀社のスタッフが人数を補います。「近親者の男性6名」は慣例であって、決まりではありません。近年は女性が運ぶことも、スタッフだけで運ぶこともあります。
雨の日はどうなりますか?
屋根のある場所で行うか、傘をさして行います。葬儀社が誘導してくれるので、指示に従ってください。この場合、コートを着たままでも咎められません。

まとめ

出棺・要点

  • 挨拶は1〜3分。短くて構いません
  • 紙に書いて読み上げてよい
  • 押さえるのは4点。名乗る/お礼/故人のこと/今後のお願い
  • 話せなければ代読でよい。親族が「喪主に代わりまして」と
  • 忌み言葉に注意。重ね言葉、「死ぬ」の直接表現、宗派による「冥福」
  • 別れの儀が、顔を見られる最後。話しかけて構いません
  • 釘打ちは省略できる
  • 棺は足から先に。人数が足りなければ葬儀社が補います
  • 喪主が位牌、次の方が遺影
  • 見送る側はコートを脱ぐ。ただし体調優先で

出棺の挨拶は、うまく話す場ではありません。「来てくださってありがとうございました」——これが伝われば、それで十分です。

この記事の文例を1つ選んで印刷し、ポケットに入れておいてください。それだけで、当日の不安はかなり軽くなります。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の宗派・地域の慣習を保証するものではありません。文例は編集部が作成した一般的な例です。出棺の作法(釘打ちの有無、棺を運ぶ向き、クラクションなど)は地域・宗派・葬儀社によって異なります。当日の進行は、担当の葬儀社の案内に従ってください。

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