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葬儀の場面で出てくる「一輪花」「一本花」「枕花」。字面が似ているうえ、読み方まで紛らわしいのですが、指しているものはまったく違います。
結論から言うと、一本花は葬儀社が用意する枕飾りの花、枕花は弔問する側が贈る花、一輪花はそもそも葬儀用語ではありません。
この記事では、まず読み方の索引で1語ずつ引けるようにし、そのうえで3つの違い、一本花に使う樒(しきみ)と榊の見分け方、誰が用意するかまでを整理します。
先に結論だけ
- 一本花(いっぽんばな)=枕飾りに立てる花を1本。葬儀社が用意します
- 枕花(まくらばな)=近しい人が安置場所へ贈る花。かご入りアレンジメント
- 一輪花(いちりんばな)=一輪挿しに活ける花。葬儀の用語ではありません
- 一本花に使うのは樒(しきみ)または白菊。地域と宗派で分かれます
- 樒(しきみ)と榊(さかき)は別の植物。樒は仏事、榊は神事です
- 遺族が自分で用意するものは、基本的にありません
目次
- まず読み方から|3つの言葉の読み方
- 3つの違いを1枚の表で
- 一本花(いっぽんばな)とは
- 一本花に使う花 — 樒と白菊
- 樒(しきみ)とは — 読み方と使われる理由
- 樒と榊はどう違う?【見分け方】
- 枕花(まくらばな)とは
- 一輪花(いちりんばな)とは
- なぜこの3つが混同されるのか
- 葬儀の花・似ている言葉の読み方索引
- 供花・献花・花輪との違い
- 枕飾りの中での一本花の位置【配置図】
- 宗派・宗教による扱いの違い
- 誰が用意するのか【立場別の一覧】
- 場面別|どれを選べばよいか
- 一本花はいつまで飾る?
- 自分で用意する場合
- よくある質問
- まとめ
まず読み方から|3つの言葉の読み方
| 言葉 | 読み方 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 一本花 | いっぽんばな | 枕飾りに立てる1本の花 |
| 枕花 | まくらばな | 安置場所へ贈るかご入りの花 |
| 一輪花 | いちりんばな | 一輪挿しに活ける花(葬儀用語ではない) |
「一本花」を「いちりんばな」と読まない
間違いが起きやすいのがここです。「一本花」は「いっぽんばな」で、「いちりんばな」ではありません。「一輪花」が「いちりんばな」です。字が似ているうえ、どちらも「花が1本」という印象を与えるため取り違えられます。
3つの違いを1枚の表で
| 一本花 | 枕花 | 一輪花 | |
|---|---|---|---|
| 読み方 | いっぽんばな | まくらばな | いちりんばな |
| 葬儀の用語か | そうです | そうです | 違います |
| 誰が用意するか | 葬儀社 | 弔問する側(近しい親族・親友) | 自分で飾る |
| 何を指すか | 枕飾りの花立に立てる花を1本 | 安置場所に供えるかご入りアレンジメント | 一輪挿しに活けた花 |
| 使う花 | 樒(しきみ)または白菊 | 白基調のアレンジメント | 何でもよい |
| 置く場所 | 枕飾りの花立 | 枕飾りの左右/枕元の脇 | 玄関・棚など |
| いつ | 安置と同時 | 訃報直後〜通夜前 | 日常 |
| 費用 | 葬儀プランに含まれることが多い | 5,000〜20,000円 | 数百円〜 |
| 名札 | なし | 付けないことが多い | なし |
※ 費用は編集部が公開情報をもとにまとめた目安です。
いちばん実用的な覚え方
「一本花=もらう側(葬儀社が用意)」「枕花=贈る側(自分が手配)」——この一点だけ押さえれば、実務では困りません。一輪花は葬儀と無関係なので、いま調べているのが葬儀のことなら、この言葉は忘れて差し支えありません。
一本花(いっぽんばな)とは
一本花は、ご遺体の枕元に設けられる枕飾りの花立に立てる、たった1本の花です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | いっぽんばな |
| 別の呼び方 | 一本樒(いっぽんしきみ)、一花(いっか) |
| 何本立てるか | 1本(これが名前の由来です) |
| 使う花 | 樒(しきみ)または白菊 |
| 置く場所 | 枕飾りの花立 |
| 誰が用意するか | 葬儀社(枕飾り一式に含まれます) |
| いつまで | 納棺(または通夜)まで |
| 意味 | 故人の枕元を清め、旅立ちを見守るとされます |
なぜ1本なのか
枕飾りは「仮の祭壇」であり、通夜・葬儀の本式の祭壇とは区別されます。華美にせず、必要最小限に整えるという考え方から、花も1本とされてきました。簡素であること自体に意味があると理解しておくと、腑に落ちます。
一本花に使う花 — 樒と白菊
| 樒(しきみ) | 白菊 | |
|---|---|---|
| 読み方 | しきみ(しきびとも) | しろぎく |
| 見た目 | 濃い緑の葉。花ではなく枝葉を立てます | 白い花 |
| 香り | 強い独特の香り | ほとんどない |
| 使われる地域 | 関西を中心に広く | 関東を中心に広く |
| 使われる宗派 | 真言宗・浄土真宗・天台宗など | 宗派を問わず |
| 入手 | 花店・仏具店。扱いのない地域もあります | どこでも手に入る |
| 注意 | 全体に毒があります。特に実は危険 | — |
樒は口に入れてはいけません
樒は植物全体に毒成分分を含み、とくに実は強い毒性があります。実は中華料理に使う八角(スターアニス)とよく似ているため、取り違えによる中毒が実際に起きています。小さなお子さんやペットがいるご家庭では、手の届かない場所に置いてください。
樒(しきみ)とは — 読み方と使われる理由
樒は「しきみ」(地域によって「しきび」)と読みます。常緑の低木で、仏事にのみ用いられるのが特徴です。
なぜ弔いの場で使われるようになったのか。理由は主に3つと言われています。
- 強い香りがあるから土葬が一般的だった時代、遺体のにおいを和らげる目的で用いられたとされます
- 毒があるから強い香りと毒性で、土葬した遺体を獣から守る意味があったと言われます
- 一年中緑を保つから常緑樹であることが「変わらないもの」の象徴とされました
| 樒が使われる場面 | 内容 |
|---|---|
| 一本花(枕飾り) | 花立に1本立てます |
| 末期の水 | 樒の葉に水を含ませて故人の口を潤す作法があります |
| 門樒(かどしきみ) | 関西の風習。式場の入口に立てる大きな樒。名札を付けます |
| 仏壇・墓前 | 日常のお供えとして。宗派によります |
| 納棺 | 棺に納めることがあります |
関西の「門樒」は供花にあたります
関西では、式場の入口に樒を立てた「門樒(かどしきみ)」を贈る風習があります。名札を付けて贈るもので、関東での供花にあたる位置づけです。近年は式場の制約から、樒の形をした板(板樒)に置き換わることも増えています。
樒と榊はどう違う?【見分け方】
この2つの取り違えは、実際によく起こります。用途がまったく違うので注意してください。
| 樒(しきみ) | 榊(さかき) | |
|---|---|---|
| 読み方 | しきみ/しきび | さかき |
| 用途 | 仏事 | 神事 |
| 使う場面 | 枕飾り・仏壇・墓前・葬儀 | 神棚・神式の葬儀(神葬祭)・地鎮祭 |
| 葉の形 | 波打っている。やや細長い | 縁がなめらか。厚みがある |
| 香り | 強い独特の香りがある | ほとんどない |
| 毒 | あり(特に実) | なし |
| 科 | マツブサ科 | モッコク科 |
| 見分ける決め手 | 香りを嗅ぐのが最も確実。強い香りがあれば樒です | |
神式の葬儀に樒を持ち込まない
神式では榊を用い、樒は使いません。逆に仏式で榊を供えることもありません。花店で「仏式です」「神式です」と伝えれば、正しいほうを用意してもらえます。
枕花(まくらばな)とは
枕花は、訃報を受けた近しい人が、安置場所へ贈る花です。一本花とは「誰が用意するか」が根本的に違います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | まくらばな |
| 誰が贈るか | ごく近しい親族・親友 |
| いつ | 訃報直後〜通夜の前まで |
| どこへ | ご遺体を安置した場所(自宅・安置施設) |
| 形 | かご入りのアレンジメント(花瓶が不要なもの) |
| 色 | 白を基調に、淡いピンク・紫・水色 |
| 相場 | 1基5,000〜20,000円 |
| 置き場所 | 枕飾りの左右、または枕元の脇 |
| 名札 | 付けないことが多い(カードを添えます) |
※ 相場は編集部がまとめた目安です。詳しい贈り方は枕花はどこに置く?図解と相場|誰が出すか・持参のマナーと服装で解説しています。
一輪花(いちりんばな)とは
一輪花は、一輪挿しに活けた花や、一輪だけの花を指す言葉です。
葬儀の用語ではありません
一輪花は日常の言葉です。玄関に飾る一輪の花、贈り物として渡す一輪のバラ——そうした場面で使います。葬儀の作法として「一輪花」という決まりはありません。
検索で葬儀の記事にたどり着いた方の多くは、実際には「一本花」を探しているケースです。
| 一輪花が使われる場面 | 内容 |
|---|---|
| 一輪挿し | 細い花瓶に1本だけ活ける飾り方 |
| 贈り物 | 一輪のバラ・カーネーションなど |
| 茶花 | 茶室に活ける花。1〜2本が基本とされます |
| 仏壇のお供え | 簡素にする場合に1本だけ供えることも |
| 手元供養 | 故人の写真の脇に1本添える |
なぜこの3つが混同されるのか
| 混同の原因 | 説明 |
|---|---|
| 「花が1本」という共通点 | 一本花も一輪花も「1本の花」を指すため |
| 字面が似ている | 「一本花」と「一輪花」は1文字違いです |
| 「枕」がどちらにも関わる | 一本花は枕飾りに、枕花は枕元に置かれます |
| どちらも安置中に見る | 同じ部屋に一本花と枕花が並んでいます |
| 読みが紛らわしい | 「いっぽんばな」と「いちりんばな」 |
| 葬儀社の説明で区別されない | 「お花はこちらでご用意します」で済まされることが多い |
実務で困ることはほとんどありません
安心してよいのは、一本花は葬儀社が黙って用意してくれるという点です。遺族が名前を知らなくても、枕飾りは整います。言葉を正確に使い分ける必要があるのは、花を「贈る側」に立ったときだけです。
葬儀の花・似ている言葉の読み方索引
葬儀の花まわりは、同音・類似語が多く混乱しやすい領域です。まとめて確認できるようにしました。
| 言葉 | 読み方 | 意味 | 誰が用意するか |
|---|---|---|---|
| 一本花 | いっぽんばな | 枕飾りに立てる1本の花 | 葬儀社 |
| 一輪花 | いちりんばな | 一輪挿しの花(葬儀用語ではない) | — |
| 枕花 | まくらばな | 安置場所へ贈るかご入りの花 | 近しい人 |
| 供花 | きょうか(くげ) | 通夜以降、式場の祭壇に飾る花 | 親族・会社・友人 |
| 供物 | くもつ | 果物・缶詰・線香などのお供え | 親族・親しい方 |
| 献花 | けんか | 参列者が1本ずつ手向ける花(焼香に代わる作法) | 葬儀社が用意 |
| 花輪 | はなわ | 式場の入口に立てる輪状の造花 | 会社・団体 |
| 花環 | はなわ | 花輪と同じ | 同上 |
| 別れ花 | わかればな | 出棺前に棺へ納める花 | 葬儀社が用意 |
| 樒 | しきみ/しきび | 仏事に用いる常緑樹 | 葬儀社 |
| 榊 | さかき | 神事に用いる常緑樹 | 葬儀社(神式) |
| 門樒 | かどしきみ | 関西で式場入口に立てる樒。供花にあたります | 親族・会社 |
| 枕飾り | まくらかざり | 枕元に設ける仮の祭壇 | 葬儀社 |
| 後飾り | あとかざり | 火葬後、四十九日まで自宅に置く祭壇 | 葬儀社 |
| 枕経 | まくらぎょう | 安置後に枕元であげる読経 | —(僧侶) |
| 樒の実 | しきみのみ | 毒があります。八角と似ているため注意 | — |
「供花」の読みは2つあります
実務では「きょうか」が一般的です。葬儀社や花店に電話するときは「きょうか」で確実に通じます。「くげ」は仏前に供える花を指す仏教語としての読み方で、寺院の文脈で使われます。詳しくは供花の名札の書き方|親族・会社・連名の記入例をご覧ください。
供花・献花・花輪との違い
| 一本花 | 枕花 | 供花 | 献花 | 花輪 | |
|---|---|---|---|---|---|
| いつ | 安置と同時 | 訃報直後〜通夜前 | 通夜の2〜3時間前まで | 式の最中 | 通夜の前日〜当日朝 |
| どこに | 枕飾りの花立 | 安置場所 | 式場の祭壇 | 祭壇の前 | 式場の入口(屋外) |
| 誰が | 葬儀社 | 近しい人 | 親族・会社・友人 | 参列者全員 | 会社・団体 |
| 形 | 樒/白菊を1本 | かご入りアレンジメント | スタンド花・籠花 | 茎の長い花を1本 | 輪状の造花 |
| 名札 | なし | 付けないことが多い | 付ける | なし | 付ける |
| 費用負担 | 葬儀プラン | 贈る側 | 贈る側 | 葬儀プラン | 贈る側 |
献花は「持っていく花」ではありません
献花はキリスト教式や無宗教葬で、焼香の代わりに行う作法です。花は式場が用意し、参列者は受け取って手向けるだけです。持参する必要はありません。茎を手前、花を祭壇側に向けて置くのが一般的な作法です。
枕飾りの中での一本花の位置【配置図】
枕飾りの基本配置(正面から見た図)
中央に香炉、向かって左に燭台、右に花立を置く三具足(みつぐそく)が基本。一本花は花立に立てます
| 枕飾りの構成 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 香炉 | こうろ | 線香を立てる。香りで故人を導くとされます |
| 燭台 | しょくだい | ろうそくを立てる。旅立ちの足元を照らします |
| 花立 | はなたて | 一本花を立てる |
| 三具足 | みつぐそく | 香炉・燭台・花立の3つをまとめた呼び名 |
| 枕団子 | まくらだんご | 旅路の食料。6個または11個が多い |
| 一膳飯 | いちぜんめし | 茶碗に盛り、箸を立てます |
| 鈴 | りん | 読経のときに鳴らします |
枕飾りの詳しい内容は枕飾りとは?必要なものチェックリストと宗派別の違いで解説しています。
宗派・宗教による扱いの違い
| 宗派・宗教 | 一本花 | 使う植物 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 真言宗 | 立てる | 樒を用いることが多い | — |
| 天台宗 | 立てる | 樒または白菊 | — |
| 浄土宗 | 立てる | 白菊または樒 | — |
| 浄土真宗 | 立てる | 樒を用いることが多い | 枕団子・一膳飯・水は供えません |
| 曹洞宗・臨済宗 | 立てる | 白菊または樒 | — |
| 日蓮宗 | 立てる | 樒または白菊 | — |
| 神式 | 立てない | 榊 | 枕直しの儀。米・塩・水・酒を供えます |
| キリスト教式 | 立てない | 白い洋花 | 十字架・聖書・ろうそくを置きます |
※ 同じ宗派でも寺院・地域によって異なります。樒を使うか白菊を使うかは、宗派より地域差のほうが大きいのが実情です(関西は樒、関東は白菊が多い傾向)。
誰が用意するのか【立場別の一覧】
| 立場 | 一本花 | 枕花 | 供花 |
|---|---|---|---|
| 遺族(喪主) | 用意不要(葬儀社が手配) | — | 出すことが多い |
| 子・配偶者 | — | 贈る | 贈る |
| 兄弟姉妹 | — | 贈る | 贈る |
| 孫・おい・めい | — | 贈ることが多い | 「一同」でまとめることが多い |
| 親しい友人 | — | 贈ってよい(要確認) | 贈る |
| 一般の友人・知人 | — | 控える | 贈る |
| 会社・取引先 | — | 控える | 贈る |
遺族が自分で花を用意することは、まずありません
一本花も枕飾りも葬儀社が一式を持ってきます。費用も葬儀プランに含まれることが大半です。ご家族が慌てて花店へ走る必要はありません。
場面別|どれを選べばよいか
| あなたの状況 | 用意するもの | 手配先 |
|---|---|---|
| 家族が亡くなり、これから安置する | 何も用意しなくてよい | 葬儀社がすべて手配します |
| 親が亡くなった知人に、すぐ何か贈りたい | 枕花(ごく親しい場合) | 葬儀社経由で。事前に安置場所を確認 |
| 通夜・葬儀に花を贈りたい | 供花 | 葬儀を担当する葬儀社 |
| 会社として贈りたい | 供花(枕花は控える) | 同上。名札は正式社名で |
| 関西の葬儀に贈りたい | 供花または門樒 | 葬儀社に「門樒はありますか」と確認 |
| 参列するが、花は持っていくべき? | 不要 | 献花がある場合も式場が用意します |
| 葬儀後に伺うので何か持ちたい | かご入りアレンジメント | 花店で「弔問用」と伝える |
| 供花・供物辞退と案内があった | 何も贈らない | 弔電か手紙で気持ちを伝えます |
一本花はいつまで飾る?
火葬後の後飾り祭壇については後飾り祭壇はどこに置く?配置・飾り方といつまで飾るかをご覧ください。
自分で用意する場合
自宅で安置し、葬儀社に依頼する前の段階などで、自分で整えることもできます。
- 樒が手に入らなければ白菊で構いません——地域によって樒を扱う花店がありません
- 花立は湯のみやコップで代用できます——白い無地のものを選びます
- 1本で十分です——多く立てる必要はありません
- とげのある花・派手な色は避けます
- 小机に白い布をかければ枕飾りになります——専用の台は不要です
- ろうそくと線香は火気に注意——マンションでは火災報知器の位置を確認します
- 葬儀社が来たら任せてよい——一式に含まれるので、そのまま差し替えてもらえます
完璧を目指さなくて大丈夫です
枕飾りは「仮の」祭壇です。道具がそろわなくても、白い布をかけた小机に花を1本立てるだけで形になります。大切なのは道具ではなく、故人と静かに向き合う時間を持つことです。
よくある質問
- 「一本花」の読み方は?
- 「いっぽんばな」です。「いちりんばな」と読むのは「一輪花」のほうで、こちらは葬儀の用語ではありません。字が似ているため取り違えられやすい部分です。
- 一輪花と一本花は同じものですか?
- 違います。一本花は枕飾りの花立に立てる葬儀の花で、葬儀社が用意します。一輪花は一輪挿しに活ける日常の花で、葬儀の作法とは関係ありません。
- 枕花と一本花はどう違いますか?
- 「誰が用意するか」が根本的に違います。一本花は葬儀社が枕飾りの一部として用意するもの、枕花は近しい人が安置場所へ贈るものです。同じ部屋に両方あることになります。
- 一本花は自分で用意する必要がありますか?
- 必要ありません。枕飾り一式に含まれ、葬儀社が用意します。費用も葬儀プランに含まれることが大半です。
- 樒(しきみ)はどう読みますか?
- 「しきみ」です。地域によって「しきび」とも読みます。仏事にのみ用いる常緑樹で、強い香りが特徴です。
- 樒と榊の違いは何ですか?
- 樒は仏事、榊は神事に用います。見分ける決め手は香りで、強い独特の香りがあるのが樒です。葉の形も違い、樒は波打っていて、榊は縁がなめらかです。
- 樒に毒があると聞きました。
- 植物全体に毒成分があり、とくに実は危険です。実は中華料理に使う八角とよく似ているため、取り違えによる中毒が実際に起きています。小さなお子さんやペットの手が届かない場所に置いてください。
- 樒が手に入りません。白菊でもいいですか?
- 問題ありません。樒を使うか白菊を使うかは、宗派より地域差のほうが大きく、関東では白菊が一般的です。地域に樒を扱う花店がなければ白菊で十分です。
- 献花に持っていく花はありますか?
- ありません。献花はキリスト教式や無宗教葬で焼香に代わる作法で、花は式場が用意します。参列者は受け取って手向けるだけです。茎を手前、花を祭壇側に向けて置きます。
- 関西の「門樒」とは何ですか?
- 式場の入口に立てる大きな樒で、関東での供花にあたる位置づけです。名札を付けて贈ります。近年は式場の制約から、樒の形をした板(板樒)に置き換わることも増えています。
- 神式の葬儀に樒を贈ってもいいですか?
- いけません。神式では榊を用い、樒は使いません。花店に「神式です」と伝えれば、適切なものを用意してもらえます。
- 一本花はいつ片づけますか?
- 枕飾りごと、納棺または通夜のときに片づけられるのが一般的です。葬儀社が対応するので、遺族が処理する必要はありません。
まとめ
一輪花・一本花・枕花・要点
- 一本花=いっぽんばな。枕飾りに立てる1本の花。葬儀社が用意
- 枕花=まくらばな。近しい人が安置場所へ贈るかご入りの花
- 一輪花=いちりんばな。一輪挿しの花で、葬儀用語ではない
- 覚え方は「一本花=もらう側、枕花=贈る側」
- 一本花に使うのは樒(しきみ)または白菊。関西は樒、関東は白菊が多い
- 樒は仏事、榊は神事。見分ける決め手は香り
- 樒には毒がある。実は八角と似ているので注意
- 供花は「きょうか」。献花は式場が用意するので持参不要
- 遺族が自分で花を用意することは、まずない
- 関西には「門樒」という供花にあたる風習がある
葬儀の花は呼び名が多く、混乱しやすい領域です。ただ実務で本当に必要なのは、「自分は贈る側か、受け取る側か」を区別することだけです。
受け取る側なら、何も用意しなくて構いません。贈る側なら、訃報直後は枕花、通夜以降は供花——この2つを覚えておけば十分です。
この記事の次に読むと理解が深まります
- 枕花はどこに置く?図解と相場|誰が出すか・持参のマナーと服装/枕花を贈るなら
- 枕飾りとは?必要なものチェックリストと宗派別の違い/一本花を立てる祭壇
- 供花の名札の書き方|親族・会社・連名の記入例/通夜以降に贈る花
- 枕経とは?服装は喪服でよい?男女別早見表とお布施/同じ時期に行われる儀式
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の宗派・地域の慣習・葬儀社の対応を保証するものではありません。一本花に用いる植物、枕飾りの構成、樒の使用範囲、門樒の風習は、宗派・地域・葬儀社によって大きく異なります。樒には毒性があり、誤って口にしないようご注意ください。金額は編集部が公開情報をもとにまとめた目安です。実際の準備にあたっては、担当の葬儀社または菩提寺にご確認ください。























