
本ページはプロモーションが含まれている場合があります。
終活ノートを買ったのに、数ページで止まっている。あるいは、買う前から「大変そうだ」と感じて手を付けていない。どちらも原因は同じで、項目が多すぎることです。市販のノートには数十から数百の設問があり、最初から順に埋めようとすると必ず途中で止まります。この記事は、30分で書き終える最小版を作る方法です。まずこれを完成させてください。
結論
- 止まる原因は意志ではなく項目の多さ
- まず作るのは完全版ではなく紙1枚の最小版
- 本当に必要なのは9項目だけ。所要30分
- 気持ちや思い出は最小版に入れない。ここから始めると必ず止まる
- 合言葉と暗証番号は書かない。1枚だからこそ紛失に弱い
目次
- 終活ノートが終わらない仕組み
- 30分で書ける最小版という考え方
- 本当に必要な9項目
- そのまま書き写せる1枚テンプレート
- 書かなくてよい項目
- 書いてはいけないこと
- 家族への渡し方と更新のしかた
- 親に書いてもらう場合の進め方
終活ノートが終わらない理由
途中で止まった経験がある方は、次のどれかに心当たりがあるはずです。
| 止まる場所 | 何が起きているか |
|---|---|
| 1ページ目の自分史 | 生まれた場所から書き始めて、そこで力尽きる |
| 家族へのメッセージ | 何を書けばよいか分からず、手が止まる |
| 財産の一覧 | 調べないと書けない項目が多く、後回しになる |
| 介護の希望 | 考えたくないので飛ばす。飛ばしたページが増える |
| 答えられない設問 | 空欄が増えると、開くのが億劫になる |
共通しているのは「順番」です
市販のノートは、自分のことから書き始める構成になっているものが多くあります。ところが実際に家族が必要としているのは、そこではありません。順番を変えるだけで、驚くほど早く終わります。
まず作るのは「1枚の最小版」
完全なノートを1冊仕上げようとしないでください。目標は紙1枚です。
| 完全版 | 最小版(この記事) | |
|---|---|---|
| 項目数 | 数十〜数百 | 9 |
| 所要時間 | 数か月 | 30分 |
| 用意するもの | 市販のノート | 紙1枚とペン |
| 完成率 | 途中で止まりやすい | ほぼ確実に終わる |
| 家族の助かり方 | 大きい | 大きい |
最後の行に注目してください
家族が実際に困るのは「どこに何があるか分からない」という点です。ここは9項目でほぼ解決します。完全版と最小版で、家族の助かり方はそれほど変わりません。だから最小版から作るのが合理的です。
最低限の9項目
| 項目 | 書く内容 | 時間 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 知らせてほしい人 | 名前と電話番号 | 5分 |
| 2 | かかりつけ医と薬 | 病院名・持病・飲んでいる薬 | 3分 |
| 3 | 延命治療の希望 | 一行でよい | 2分 |
| 4 | 取引のある金融機関 | 銀行名と支店名。残高は不要 | 4分 |
| 5 | 加入している保険 | 会社名と証券の保管場所 | 3分 |
| 6 | 借入と保証人 | なければ「なし」と書く | 3分 |
| 7 | 契約しているもの | 携帯・公共料金・月額のサービス | 4分 |
| 8 | 葬儀とお墓の希望 | 規模と、知らせる範囲 | 3分 |
| 9 | 書類の在りか | 通帳・証券・権利証・印鑑の場所 | 3分 |
合計30分です。ここに「思い出」も「メッセージ」も入っていません。それで構いません。理由はあとで説明します。
項目1:知らせてほしい人
最初に書くのはここです。事務作業として書けるため、手が止まりません。
- 親族以外で、知らせてほしい人
- 名前と電話番号(住所は不要)
- どういう関係か(「囲碁の会の〇〇さん」など一言)
- 逆に、知らせなくてよい相手がいれば、それも書く
家族が最も困るのが、ここです
家族は、ご本人の交友関係のすべてを知りません。年賀状や携帯の履歴から推測して連絡することになり、抜けが出ます。3人でも5人でも、書いてあることに意味があります。
項目2:かかりつけ医と薬
書き方の例
【かかりつけ】〇〇内科クリニック(電話:〇〇〇)
【持病】高血圧、糖尿病
【薬】朝2種類・夜1種類(お薬手帳は台所の引き出し)
【アレルギー】なし
倒れたとき、救急の場面で最初に聞かれる内容です。お薬手帳の場所を書いておくだけでも、大きく違います。
項目3:延命治療の希望
ここは一行で構いません。長く書く必要はありません。
文例
・回復の見込みがないときは、延命のための処置は望みません。痛みを取ることを優先してください。
・できる限りの治療をしてほしいです。
・そのときの状況によるので、妻の判断に任せます。
「任せます」でも十分です
決められない場合、「誰に任せるか」を書くだけでも家族は助かります。何も書いていないと、家族全員で悩むことになります。1人に決めてあれば、その人の判断で進められます。
項目4:取引のある金融機関
残高も口座番号も書かないでください
書くのは銀行名と支店名だけです。それだけで家族は照会できます。残高は変わりますし、紙を紛失したときの危険も大きくなります。
書き方の例
〇〇銀行 △△支店(年金の受取)
□□信用金庫 ××支店(公共料金の引き落とし)
インターネットの銀行 1つあり(通帳なし。詳細は別紙)
最後の行が重要です。通帳のない口座は、家族が存在に気づけません。「ある」と書いておくだけで十分です。詳しくは終活でネット銀行を整理する手順を参照してください。
項目5:加入している保険
- 保険会社の名前
- 証券の保管場所
- だれが受取人になっているか(分かる範囲で)
- 勤務先を通じて入っているものがあれば、その旨
金額は不要です。会社名が分かれば、家族は問い合わせられます。
項目6:借入と保証人
なければ「なし」と書いてください
空欄だと、家族は「書き忘れたのか、本当に無いのか」が分かりません。「なし」と書いてあることに意味があります。
借入がある場合は、金額ではなく会社名を書いてください。また、保証人になっているものは本人が忘れがちな項目です。子の奨学金、親族の借入、賃貸の連帯保証。心当たりがあれば必ず書いてください。
理由は子供に借金を残さないためにするべき4つの終活で詳しく扱っています。知らないまま期限が過ぎると、家族は相続放棄を選べなくなります。
項目7:契約しているもの
| 種類 | 書く内容 |
|---|---|
| 携帯電話 | 会社名 |
| 電気・ガス・水道 | 会社名(引き落とし口座も) |
| インターネット回線 | 会社名 |
| 新聞・定期購読 | 販売店名 |
| 月額のサービス | 名前だけ。いくつあるか |
| その他の会費 | 団体名 |
思い出そうとしないでください
記憶に頼ると必ず漏れます。通帳とカードの明細を12か月分見て、毎月出ているものを書き写す。これが最も速く、最も正確です。解約先の一覧はサブスク・定額サービスの解約一覧を参照してください。
項目8:葬儀とお墓の希望
文例
【葬儀】知らせるのは兄弟と、上に書いた人だけでよいです。通夜はしなくて構いません。お金をかけないでください。
【お墓】〇〇寺の墓に入れてください。管理は長男に頼みます。
(または)お墓はまだ決めていません。費用のかからない形で構いません。
「お金をかけないで」の一行が最も効きます
本人の希望が分からないと、家族は世間体を気にして規模を大きくしがちです。本人が小さくてよいと書いておくことが、最も確実な節約になります。
項目9:書類の在りか
- 通帳と印鑑(同じ場所に置かないでください)
- 保険証券
- 年金の通知
- 不動産の権利証
- 実印と印鑑登録証
- マイナンバーカード
- この紙そのものの保管場所(家族に伝える)
「1か所にまとめてある」が最強です
ばらばらの場所を書き並べるより、実際に1か所に集めて「全部この箱にあります」と書くほうが早く、確実です。集める作業自体が10分ほどで終わります。
そのまま書き写せる1枚テンプレート
終活メモ( 年 月 日 記入) 氏名:
① 知らせてほしい人
様( )電話
様( )電話
様( )電話
② かかりつけ医・持病・薬
病院 電話
持病 薬 お薬手帳の場所
③ 延命治療について
④ 取引のある金融機関(銀行名と支店名だけ。残高・口座番号は書かない)
銀行 支店(用途 )
銀行 支店(用途 )
通帳のない口座 □あり □なし
⑤ 保険
保険(証券の場所 )
⑥ 借入・保証人 □なし □あり( )
⑦ 契約しているもの
携帯 /電気 /ガス /水道
その他( )
⑧ 葬儀・お墓の希望
⑨ 書類の在りか
通帳 /印鑑 /保険証券
年金の通知 /権利証
このメモの保管場所
伝えた相手 様・ 様
最後の1行を必ず埋めてください
「伝えた相手」です。書いただけで伝えていないメモは、存在しないのと同じです。書き終えたその日に、2人以上に場所を伝えてください。
書かなくてよい項目
| よくある項目 | 最小版では | 理由 |
|---|---|---|
| 自分史・生い立ち | 書かない | ここから始めると必ず止まる |
| 家族へのメッセージ | 書かない | 手が止まる代表格。あとで足せる |
| 好きな食べ物・趣味 | 書かない | 家族はだいたい知っている |
| 財産の詳しい一覧 | 書かない | 調べる必要があり、時間がかかる |
| ペットのこと | いる人だけ | 該当する人には最優先 |
| 遺産の分け方 | 書かない | ノートに書いても効力がない |
| 写真の選定 | 書かない | 時間がかかる。あとで |
遺産の分け方は、ノートに書いても効力がありません
エンディングノートに法的な効力はないため、財産の分け方を書いてもそのとおりになるとは限りません。希望を確実にしたいなら遺言書が必要です。終活で重要な遺言書とはを参照してください。
書いてはいけないこと
最小版は1枚だからこそ、紛失に弱い
次の3つは絶対に書かないでください。
- キャッシュカードの暗証番号
- インターネットの合言葉そのもの
- 口座番号とカード番号
合言葉については「どこに保管してあるか」だけを書いてください。扱い方はデジタル終活チェックリストにまとめています。
30分の使い方
判断項目を最後に置くのがコツです
延命治療と葬儀は、考えると手が止まる項目です。先に事務項目で紙を埋めておくと、「ここまで書いたのだから」と勢いで書けます。逆にここから始めると、まず終わりません。
書き終えたらやること
- 日付と名前を書く
- 保管場所を1か所に決める(金庫には入れない)
- 家族2人以上に、場所を口頭で伝える
- 写しを1枚とって、別の場所にも置く
- 次に見直す時期を紙の隅に書く
金庫に入れないでください
大切だからと金庫にしまうと、開け方が分からず取り出せません。このメモは貴重品ではなく案内図です。すぐ手が届く場所に置き、書く内容のほうで安全を確保してください。
続きを書きたくなったら
最小版が完成すると、多くの人が「もう少し書けそうだ」と感じます。そのときは、次の順に足してください。
| 順番 | 足す内容 | 参考 |
|---|---|---|
| 1 | 財産の詳しい一覧 | 財産目録の書き方 |
| 2 | デジタルの整理 | デジタル終活チェックリスト |
| 3 | 介護と住まいの希望 | 介護保険と介護サービス |
| 4 | 葬儀・お墓の具体的な希望 | お墓の選び方 |
| 5 | 遺言書(必要な場合) | 遺言書とは |
| 6 | 家族へのメッセージ | 最後でよい |
メッセージは、いちばん最後です
最も書きにくく、しかも書かなくても家族は困りません。最初に持ってくると全体が止まります。他が全部終わってから、気が向いたときに書けば十分です。
更新のしかた
| 見直す時期 | 見るところ |
|---|---|
| 年に1回(誕生日など) | 全部をひととおり |
| 入院・手術のあと | ③延命治療、②かかりつけ医 |
| 口座や保険を変えたとき | ④⑤ |
| 引っ越したとき | ⑦⑨ |
| 携帯や契約を変えたとき | ⑦ |
| 家族構成が変わったとき | ①③⑧ |
1枚だから、書き直すのが簡単です
これも最小版の利点です。古い紙を捨てて、新しく1枚書けばよいだけ。分厚いノートだと、どこを直したか分からなくなります。書き直したら、日付を必ず入れてください。
親に書いてもらう場合
- 「終活ノート」と言わない身構えられます。「もしものときのメモ」で十分です。
- 9項目だと伝える「30分で終わる9項目だけ」と量を先に示すと、受け入れられやすくなります。
- 自分が先に書く自分の分を書いて見せると、抵抗が下がります。
- ①から頼む連絡先なら、誰でも抵抗なく書けます。
- ③⑧は聞かない延命治療と葬儀は、最初に聞くと拒否されます。あとで構いません。
- 代筆でよい本人が話し、子が書く形でも問題ありません。
切り出し方は親が終活をしない理由と切り出し方に例文をまとめています。
9項目それぞれの「よくある間違い」
書けたつもりでも、家族の役に立たない書き方があります。項目ごとに、実際に多い間違いを挙げます。
| 項目 | よくある間違い | 正しい書き方 |
|---|---|---|
| ① 連絡先 | 親族だけを書く | 家族が知らない関係こそ書く |
| ② 医療 | 病名だけ書く | 病院名と電話番号まで書く |
| ③ 延命治療 | 空欄のまま | 「〇〇に任せる」でもよい |
| ④ 金融機関 | 残高や口座番号を書く | 銀行名と支店名だけ |
| ⑤ 保険 | 証券をしまい込む | 保管場所を書く |
| ⑥ 借入 | ないので空欄 | 「なし」と書く |
| ⑦ 契約 | 記憶で書く | 通帳の明細を見て書く |
| ⑧ 葬儀 | 「任せます」だけ | 規模と知らせる範囲を書く |
| ⑨ 書類 | あちこちの場所を列挙 | 1か所に集めてから書く |
⑧の「任せます」だけは避けてください
葬儀については、「任せます」と書かれると家族はいちばん困ります。判断の基準がないため、世間体を気にして規模が大きくなりがちです。「小さくてよい」「知らせるのはこの範囲」の2つだけでも書いてください。
家族が実際に困った場面から逆算する
なぜこの9項目なのか。家族が実際につまずく場面から選んでいるからです。
| 家族が困る場面 | 効く項目 |
|---|---|
| 救急車を呼んだが、持病も薬も分からない | ② |
| 医師に判断を求められたが、本人の希望が分からない | ③ |
| 誰に連絡すればよいか分からない | ① |
| どこの銀行を使っていたか分からない | ④ |
| 保険に入っていたかどうか分からない | ⑤ |
| 知らない借金が後から出てきた | ⑥ |
| 引き落としが止められない | ⑦ |
| 葬儀の規模を決められない | ⑧ |
| 権利証や実印が見つからない | ⑨ |
上から3つは「その日のうち」に必要になります
①②③は、倒れた当日から必要になる情報です。書く順番に迷ったら、この3つを先に埋めてください。残りは数日から数週間の猶予があります。
終活ノートを短時間で書くときの疑問
- 本当に30分で終わりますか。
- 通帳・保険証券・お薬手帳を先に机に出しておけば、終わります。時間がかかるのは書くことではなく、探すことです。準備を先に済ませてください。
- 市販の終活ノートを買う必要はありますか。
- ありません。紙1枚とペンで足ります。買っても構いませんが、まず最小版を仕上げてからのほうが、続きが書きやすくなります。
- 9項目では足りないのではないですか。
- 完全ではありませんが、家族が実際に困る部分はほぼ埋まります。足りない部分は、最小版が完成してから足してください。順番が逆だと終わりません。
- 家族へのメッセージは書かなくてよいのですか。
- 最小版には入れません。最も書きにくく、しかも書かなくても家族は困らないためです。他が終わってから、気が向いたときに書いてください。
- 残高は書かなくてよいのですか。
- 書かないでください。残高は変わりますし、紙を紛失したときの危険が大きくなります。銀行名と支店名だけで、家族は照会できます。
- 暗証番号を書いておけば家族が助かりませんか。
- 書かないでください。紛失や盗難の被害が大きくなります。合言葉は「どこに保管してあるか」だけを書いてください。
- 借入がないのですが、空欄でよいですか。
- 「なし」と書いてください。空欄だと、書き忘れなのか本当に無いのか、家族には分かりません。
- 延命治療の希望が決められません。
- 「〇〇の判断に任せます」と書いてください。誰に任せるかが決まっているだけで、家族全員で悩む状況を避けられます。
- 財産の分け方も書いておきたいのですが。
- エンディングノートには法的な効力がないため、そのとおりになるとは限りません。希望を確実にしたい場合は遺言書を作成してください。
- どこに保管すればよいですか。
- すぐ手が届く場所です。金庫には入れないでください。開け方が分からず取り出せなくなります。そして必ず、2人以上に場所を伝えてください。
- 親に書いてもらうにはどうすればよいですか。
- 「終活ノート」と言わず「もしものときのメモ」と伝え、30分で終わる9項目だと量を先に示してください。まず自分が書いて見せると、抵抗が下がります。
- 書いたあと、どれくらいで見直せばよいですか。
- 年に1回で十分です。入院や引っ越し、契約の変更があったときは、その都度該当箇所だけ直してください。1枚なので、書き直しても手間になりません。
最低限の項目を書き終えたら
終活ノートが終わらないのは、書く気がないからではありません。項目が多すぎて、順番が合っていないからです。
だから、まず紙1枚の最小版を作ってください。9項目、30分。知らせてほしい人、かかりつけ医と薬、延命治療、金融機関、保険、借入と保証人、契約しているもの、葬儀とお墓、書類の在りか。これだけです。
順番も大事です。事務項目から書き、判断項目を最後に置く。逆にすると必ず止まります。自分史も、家族へのメッセージも、最小版には入れないでください。
そして最後に、いちばん大事なことを。書いた紙の場所を、2人以上に口頭で伝えてください。ここまでやって、はじめて終活として完成します。完璧な1冊が見つからないより、9項目のメモ1枚が確実に見つかるほうが、家族はずっと助かります。
次に読む
本記事は、編集部が公開情報と一般的な実務の流れをもとにまとめたものです。エンディングノートには法的な効力がないため、財産の分け方など法的な効力が必要な事項は遺言書に記載してください。遺言書の作成については、法務局または弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。延命治療に関する意思表示の取り扱いは医療機関の判断によります。かかりつけ医にもあらかじめお伝えください。相続や負債に関する個別の判断については、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。






















