居住用財産の3,000万円特別控除|適用要件と相続空き家の特例との違い

本ページはプロモーションが含まれている場合があります。

居住用財産の3,000万円特別控除とは、自分が住んでいた家とその敷地を売って利益が出たときに、その利益から最高3,000万円を差し引ける制度です。所有していた期間の長さは問われず、条件を満たせば誰でも使えます。この記事では、7つの適用要件、「住まなくなってから3年」の正しい数え方、家を取り壊して売る場合の1年ルール、そして相続した空き家を売る場合の特例との違いを整理します。

結論

  • 自宅を売った利益から最高3,000万円を差し引けます
  • 所有期間の要件はありません。買ってすぐ売っても使えます
  • 住まなくなっている場合は「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日」まで
  • 取り壊してから売る場合は、取り壊し日から1年以内の契約という条件が加わります
  • 共有なら1人ずつ3,000万円を差し引けます。夫婦の共有なら合計6,000万円です
  • 相続した空き家を売る場合は「別の特例」です。要件がまったく違います
  • 税額が0円になる場合でも、確定申告をしなければ適用されません

目次

  1. 3,000万円特別控除で税額がどう変わるか
  2. 譲渡所得の計算のしかた
  3. 7つの適用要件と、使えないケース
  4. 「3年」「1年」という期限の数え方
  5. 相続した空き家の特例との違い
  6. 10年超所有の軽減税率との併用
  7. 住宅ローン控除と併用できない理由
  8. 必要書類と確定申告の進め方

3,000万円特別控除とは

家や土地を売って利益が出ると、その利益に対して所得税と住民税がかかります。これを譲渡所得といいます。ところが自宅を売る場面では、住み替えや施設への入居など、生活上の必要に迫られていることが多くあります。

そこで設けられているのがこの特例です。自分が住んでいた家(居住用財産)を売った場合に限り、譲渡所得から最高3,000万円を差し引いてよいという仕組みになっています。

相続税とは別の税金の話です

この特例が関わるのは譲渡所得(所得税・住民税)です。相続税ではありません。相続した不動産を売る場合、相続税は「亡くなった時点の財産」に対してかかり、譲渡所得税は「売って得た利益」に対してかかります。2つは別々に計算され、別々に申告します。混同されやすい点なので、最初に押さえてください。

どのくらい税額が変わるのか

2,000万円で買った家を、5,000万円で売った場合で見てみます(分かりやすくするため、諸費用は考えないものとします)。

項目特例を使わない場合特例を使う場合
売った金額5,000万円5,000万円
買ったときの金額2,000万円2,000万円
利益(譲渡所得)3,000万円3,000万円
特別控除0円3,000万円
課税される所得3,000万円0円
税額(所有5年超の場合)約609万円0円

※ 税額は「課税譲渡所得×20.315%(長期譲渡所得の税率)」で計算した概算です。実際には取得費・譲渡費用・他の所得の状況によって変わります。編集部が国税庁の公開情報をもとに制度の効き方を示すために単純化した例です。

譲渡所得の計算のしかた

特例が使えるかどうかを考える前に、そもそも利益が出ているかを確認してください。売った金額がそのまま課税されるわけではありません。

計算式

譲渡所得 = 売った金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

  • 取得費……買ったときの金額。建物は減価償却した後の金額を使います。購入時の仲介手数料・登記費用・不動産取得税なども含められます
  • 譲渡費用……売るためにかかった費用(仲介手数料、印紙税、取り壊し費用、立退料など)
所有期間(売った年の1月1日時点)区分税率
5年超長期譲渡所得20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
5年以下短期譲渡所得39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
10年超(軽減税率の特例)長期のうち一定のもの6,000万円以下の部分は14.21%

※ 所得税率には復興特別所得税が含まれています。所有期間は売った年の1月1日時点で判定するため、実際に持っていた年数とずれることがあります。

7つの適用要件

要件内容
①自分が住んでいた家であること現に住んでいる、または住まなくなってから一定期間内であること
②期限内に売ること住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
③取り壊した場合の追加要件取り壊し日から1年以内に譲渡契約を結び、かつ②の期限内であること
④前年・前々年に使っていないことこの特例や、居住用財産の買換え特例などを受けていないこと
⑤特別な関係でないこと売手と買手が親子・夫婦・生計を一にする親族・同族会社などでないこと
⑥他の特例を受けていないこと収用等の特別控除など、一定の特例と重複しないこと
⑦別荘等でないこと趣味・娯楽・保養のための家屋は対象外です

「特例を受けるためだけに住んだ家」は対象外です

売る直前に短期間だけ住民票を移す、仮住まいとして一時的に入居する、といった場合は居住用財産と認められません。生活の本拠として実際に住んでいたことが必要です。住民票だけでは判定されません。公共料金の使用状況、郵便物、近隣の状況などが判断材料になります。

「住まなくなってから3年」の数え方

ここを勘違いすると、期限を大きく取り違えます。「3年後まで」ではありません。

数え方の例

2024年5月10日に引っ越して住まなくなった
 ↓
3年を経過する日 = 2027年5月10日
 ↓
その日の属する年の12月31日 = 2027年12月31日

2027年12月31日までに売れば間に合います。引っ越しの時期によっては、3年半近い猶予があることになります。

住まなくなった日期限(この日までに売る)猶予
2024年1月5日2027年12月31日約4年
2024年5月10日2027年12月31日約3年7か月
2024年12月20日2027年12月31日約3年

年末に引っ越した人ほど猶予が短くなります。施設への入居や住み替えを予定している方は、この点を頭に入れておいてください。

家を取り壊して売る場合

建物が古く、更地にしたほうが売れる場合があります。取り壊しても特例は使えますが、条件が2つ加わります。

  • 取り壊した日から1年以内に譲渡契約を結ぶこと更地にしたまま1年以上放置すると、この要件を満たさなくなります。
  • 取り壊した後、その土地を貸したり事業に使ったりしていないこと駐車場として貸し出した場合などは対象外になります。

解体すると固定資産税も上がります

建物を取り壊すと、土地にかかっていた住宅用地の特例が外れ、翌年から固定資産税が上がります。そのうえで1年以内に売買契約を結ばなければ、この3,000万円控除も使えなくなります。「先に解体してから買主を探す」という順番は、税の面では不利になりやすいということです。買主が決まってから取り壊す方法も含めて、不動産会社と相談してください。

共有なら、1人ずつ3,000万円

名義控除できる額
本人の単独名義3,000万円
夫婦の共有(2分の1ずつ)合計6,000万円(各人3,000万円まで)
親子の共有(同居)それぞれ3,000万円まで

ただし、共有者それぞれが要件を満たしている必要があります。たとえば土地だけを所有し、その家に住んでいなかった人は対象になりません。「家屋の所有者であり、そこに住んでいた人」が原則です。土地だけの所有者にも一定の条件で控除が認められる場合がありますが、家屋の所有者の控除額と合わせて3,000万円が上限になります。

相続した空き家を売る場合は「別の特例」です

この記事でいちばん誤解が多い点です。名前も控除額も同じ3,000万円ですが、まったく別の制度です。

比べる点居住用財産の特例
(自分が住んでいた家)
被相続人居住用家屋の特例
(相続した空き家)
誰の家か自分が住んでいた家亡くなった方が住んでいた家
建築年の要件なし昭和56年5月31日以前
マンション対象区分所有建物は対象外
売却価額の上限なし1億円以下
取り壊し・耐震改修不要必要
期限住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日
相続人が3人以上影響なし1人あたり2,000万円になります
市区町村の確認書不要必要
適用期限恒久的な制度期限が定められています

どちらに当たるかの見分け方

「売る直前まで、自分が住んでいたか」で分かれます。親が住んでいた家を相続して、自分は住まずに売る場合は相続空き家の特例です。相続したあとに自分が引っ越して住み、その後に売る場合は居住用財産の特例を検討できます。相続してから自分が住んだ場合、どちらが有利かは状況によって変わります。

10年超所有なら軽減税率も使えます

3,000万円を引いてもなお利益が残る場合に効いてくるのが、この軽減税率の特例です。3,000万円特別控除と併用できます。

控除後の課税譲渡所得税率
6,000万円以下の部分14.21%(所得税10.21%+住民税4%)
6,000万円を超える部分20.315%
  • 売った年の1月1日時点で、家屋と土地の両方の所有期間が10年を超えていること
  • 居住用財産の特例と同じく、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 前年・前々年にこの軽減税率の特例を受けていないこと
  • 売手と買手が特別な関係でないこと

住宅ローン控除とは併用できません

住み替えを予定している方は、必ず確認してください

3,000万円特別控除を使った場合、新しく買う家について住宅ローン控除を受けられなくなります。入居した年と、その前後の一定期間が対象です。売った家の利益が小さい場合は、3,000万円控除を使わずに住宅ローン控除を選ぶほうが有利になることもあります。

どちらが得かは、売却益の大きさ、新居のローン残高、今後の所得によって変わります。住み替えの場合は、売る前に税理士に試算してもらう価値が高い場面です。

買換え特例という選択肢

比べる点3,000万円特別控除買換え特例
効果税金が減ります税金を先送りします
将来の負担なし次に売るときに課税されます
所有期間の要件なし10年超(居住期間10年以上)
買い換えの必要なしあり
併用どちらか一方しか選べません

買換え特例は「税金がなくなる」制度ではありません。次に売るときまで繰り延べるだけです。終活の観点で言えば、次に売るのが自分ではなく相続人になる可能性がある点も考慮に入れてください。

売って損が出た場合

買ったときより安く売った場合、譲渡所得はマイナスになります。この場合、3,000万円控除の出番はありませんが、別の特例があります。

特例内容主な要件
買換えの場合の損益通算・繰越控除損失を給与所得などと通算し、翌年以降3年間繰り越せます10年超所有・住宅ローンのある新居に買い換えること
特定居住用財産の損益通算・繰越控除買い換えなくても、住宅ローン残高が売却価額を上回る部分について通算・繰越ができます10年超所有・売買契約日の前日に一定のローン残高があること

損が出た場合も確定申告をしてください。申告しなければ、これらの特例は使えません。

取得費が分からないとき

親から受け継いだ家など、いくらで買ったか分からないことがあります。相続で取得した場合、取得費は亡くなった方が買ったときの金額を引き継ぎます。

概算取得費という方法があります

取得費が分からない場合、売った金額の5%を取得費とみなすことが認められています。ただしこれは非常に不利な計算です。5,000万円で売れば取得費は250万円となり、4,750万円が利益として扱われます。

まず探してください。売買契約書、購入時の領収書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書、登記事項証明書、通帳の記録、当時のパンフレット。これらから金額を示せる場合があります。終活としては、購入時の書類を1か所にまとめ、場所を家族に伝えておくことが、そのまま節税につながります。

譲渡費用に入るもの・入らないもの

入るもの入らないもの
仲介手数料修繕費(維持管理のためのもの)
売買契約書の印紙税固定資産税
建物の取り壊し費用引っ越し費用
借家人に支払った立退料抵当権抹消の登記費用
売却のための測量費売却代金の取立てにかかった費用
より有利な条件で売るために解約した違約金家財の処分費用

※ 個別の費用が譲渡費用に当たるかどうかは、その支出の目的によって判断されます。領収書はすべて保管しておき、申告時に税務署または税理士に確認してください。

必要書類と確定申告

書類どこで手に入るか
確定申告書税務署、国税庁の作成コーナー
譲渡所得の内訳書同上。売った不動産の明細を書きます
売買契約書の写し(売ったとき)手元
売買契約書の写し(買ったとき)手元。取得費の証明になります
仲介手数料などの領収書手元
登記事項証明書法務局
住民票の除票など市区町村。住んでいたことを示す場合に必要になることがあります
取り壊し費用の領収書解体業者
売却不動産を売る売買契約と引き渡しを行います。領収書と契約書をすべて保管してください。
翌年2月16日から3月15日売った年の翌年に確定申告をします。この期間が原則です。
納付所得税を納める申告と同じ期限までに納付します。
6月ごろ住民税の通知が届く住民税は翌年度に課税されます。所得税とは時期がずれる点にご注意ください。

申告しなければ適用されません

「税金が0円になるから申告不要」は誤りです

3,000万円特別控除は確定申告をすることが適用の条件です。控除を使った結果として税額が0円になる場合でも、申告しなければ特例は適用されず、本来の税額で課税されます。

不動産を売却すると、その情報は税務署に把握されます。申告がないと「お尋ね」の文書が届くことがあります。売った翌年の申告は、必ず行ってください。

終活としての進め方

  • 購入時の売買契約書・領収書を1か所にまとめる(取得費の証明になります)
  • まとめた場所を家族に伝えておく
  • 登記事項証明書を1通取り、名義と面積を確認しておく
  • いつから住んでいるか、所有期間が10年を超えているかを確認する
  • 住み替え・施設入居を考えている場合は、「住まなくなった日」を記録しておく
  • 売却と住宅ローン控除のどちらを選ぶか、事前に試算してもらう
  • 相続で引き継ぐ予定なら、「相続空き家の特例」が使える建物かを確認しておく(昭和56年5月31日以前の建築かどうか)

よくある失敗

失敗何が起きたか
期限を「3年後まで」と思っていた実際は3年を経過する日の属する年の12月31日。逆に、思ったより猶予があったケースもあります
更地にして1年以上放置した取り壊しから1年以内の契約という要件を満たさず、控除が使えませんでした
親子間で売買した特別な関係にあたり対象外でした
前年にも同じ特例を使った前年・前々年に使っていると適用できません
購入時の契約書を捨てていた概算取得費(売却額の5%)で計算することになり、税額が大きく増えました
税額0円だから申告しなかった特例が適用されず、課税されました
相続した空き家に同じ要件だと思っていた建築年・売却価額・確認書などの要件が別にあり、使えませんでした
住宅ローン控除と併用できると思っていた新居のローン控除が受けられませんでした

マイホーム売却の特別控除の疑問

所有期間が短くても使えますか。
使えます。3,000万円特別控除に所有期間の要件はありません。買ってすぐ売った場合でも、居住用財産と認められれば適用できます。ただし税率は所有期間で変わります。5年以下なら39.63%、5年超なら20.315%、10年超なら軽減税率の特例も検討できます。
マンションでも対象ですか。
対象です。戸建てとマンションで扱いは変わりません。一方、相続した空き家の特例では区分所有建物(分譲マンション)が対象外となっており、ここが大きな違いです。
店舗と住居が一体の建物です。
住居として使っていた部分について適用できます。建物全体のうち居住用部分の割合で按分して計算します。ただし居住用部分がおおむね90%以上であれば、全体を居住用として扱える取扱いもあります。按分の方法は個別に判断が必要ですので、税務署または税理士にご確認ください。
単身赴任中で、家族だけが住んでいます。
一定の場合に適用できます。転勤等の事情で本人が住んでいなくても、生計を一にする家族が住んでいて、事情が解消すれば本人も戻って住むと認められる場合には、居住用財産として扱われます。個別の事情によりますので、事前に確認してください。
施設に入居しています。自宅を売りたいのですが。
住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までであれば適用できます。入居した日を記録しておいてください。なお、自宅を人に貸してしまうと、相続税の小規模宅地等の特例に影響することがあります。売却の予定がある場合は、貸さずに空き家のまま管理するほうが選択肢を残せます。
夫が亡くなり、相続した自宅に住んでいます。売ったら使えますか。
ご自身が住んでいる家であれば、居住用財産の特例を使えます。相続で取得したかどうかは要件になっていません。ただし取得費は、亡くなったご主人が買ったときの金額を引き継ぎます。購入時の契約書を探しておいてください。所有期間も、亡くなった方が所有していた期間を引き継いで判定します。
相続した実家を売ります。どちらの特例ですか。
ご自身が住んでいなければ、相続した空き家の特例(被相続人居住用家屋の特例)の検討になります。こちらは昭和56年5月31日以前の建築であること、売却価額が1億円以下であること、取り壊しまたは耐震改修が必要なこと、市区町村の確認書が必要なことなど、要件が細かく定められています。また適用期限が設けられている制度ですので、最新の内容を国税庁の情報でご確認ください。
売却益が3,000万円を大きく超えます。
3,000万円を差し引いた残りに課税されます。所有期間が10年を超えていれば、軽減税率の特例を併用できます。6,000万円以下の部分が14.21%になるため、税額は大きく変わります。共有名義であれば、共有者ごとに3,000万円を控除できる点も確認してください。
離婚に伴って自宅を財産分与しました。
財産分与による資産の移転も、譲渡として扱われます。この場合、離婚が成立したあとに財産分与をしていれば、元配偶者は「特別な関係にある者」に当たらないと扱われるのが一般的です。ただし離婚前の贈与は特別な関係に当たります。順序で結論が変わるため、必ず事前に税務署または税理士にご相談ください。
売却代金を受け取るのが翌年になります。いつの申告ですか。
原則として引き渡しがあった日の属する年の翌年に申告します。ただし売買契約の効力発生日を選ぶこともできます。年をまたぐ取引では、どちらを選ぶかで申告年が変わり、他の所得との関係で有利不利が生じることがあります。契約前に確認しておくと安心です。
確定申告は自分でもできますか。
できます。国税庁の確定申告書等作成コーナーで、画面の案内に沿って作成できます。ただし譲渡所得の申告は、取得費の計算(建物の減価償却)や特例の選択で判断が分かれる場面が多く、金額も大きくなりがちです。初めての方は、税務署の相談窓口を利用するか、税理士に依頼することをおすすめします。各地の税理士会が無料相談会を開いていることもあります。
相続税を払った不動産を売りました。二重に課税されませんか。
相続税と譲渡所得税は別の税金なので、それぞれ課されます。ただし「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算)」があり、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。期限は相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。なお、相続した空き家の3,000万円特別控除とは選択適用(併用不可)ですので、どちらが有利かを計算して選ぶことになります。

まとめ|「住まなくなった日」と「購入時の契約書」の2つを押さえてください

居住用財産の3,000万円特別控除は、自分が住んでいた家を売ったときの利益から、最高3,000万円を差し引ける制度です。所有期間の要件はなく、共有なら1人ずつ3,000万円を使えます。

期限の数え方を間違えないでください。「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。3年後の同じ日ではありません。引っ越した時期によっては4年近い猶予があります。取り壊して売る場合は、さらに「取り壊しから1年以内の契約」という条件が加わります。

そして相続した空き家を売る場合は、名前は同じ3,000万円でも別の制度です。建築年、売却価額の上限、取り壊しの要否、市区町村の確認書。要件がまったく違います。「売る直前まで自分が住んでいたか」で見分けてください。

終活としてやっておけることは、とても地味です。購入時の売買契約書と領収書を1か所にまとめ、その場所を家族に伝えておくこと。これがないと概算取得費(売却額の5%)で計算することになり、税額が大きく変わります。紙を1枚残しておくことが、そのまま数百万円の差になる場面があります。

税額が0円になる場合でも、確定申告をしなければ特例は適用されません。売った翌年の申告を忘れないでください。

スポンサーリンク

次に読んでおきたい関連記事

本記事は、編集部が国税庁をはじめとする公的機関の公開情報をもとにまとめたものです。本記事は税務に関する一般的な情報提供であり、個別の税額計算や有利不利の判断を行うものではありません。控除額・税率・適用要件は税制改正により変更される場合があります。とくに相続した空き家の3,000万円特別控除には適用期限が定められており、これまでも延長が行われています。売却を検討する時点で、必ず最新の要件と期限を国税庁の情報または所轄の税務署でご確認ください。居住用財産に当たるかどうか、譲渡費用に含められるかどうかは、個別の事情に応じて判断されます。実際の申告にあたっては、所轄の税務署または税理士にご相談ください。各地の税理士会が無料相談会を実施していることもあります。

おすすめの記事