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仏教の法要のひとつである初七日法要(読み方:しょなぬかほうよう)ですが、近年は葬儀後(葬儀当日)に行われる事が増えてきています。
そのため、お布施や香典袋の表書きの書き方・金額相場・挨拶の仕方など気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では初七日法要に関してできる限りわかりやすく解説し、まとめています。
▼この記事を読んで理解できること ・初七日法要の意味や由来 ・初七日法要にかかる金額 ・初七日法要の流れやその後について ・初七日法要の香典、お布施について など |
目次
初七日法要の意味・読み方
まずは、初七日法要の意味から解説していきます。
ウィキペディア(Wikipedia)では「初七日法要」としての記述は見当たりませんが、「年忌」や「中陰」の項目内に「初七日」について触れられています。
ですが、どちらも直接的に「初七日法要」の意味がわかるものではありません。
わかりやすい内容で書かれているものとしては、コトバンクに書かれている「初七日」だと思います。
初七日
しょなぬか
「しょなのか」ともいう。
人の死亡後の7日目をいい,仏教ではこの日に法要を営む。
なお死後 49日までの間の,7日ごとの法要を,中陰法要という。出典:コトバンク
さらにわかりやすく言うと、初七日とは死後7日目に行われる仏教の法要の事を言い表しています。
初七日法要の読み方は「しょなぬかほうよう」と読みます。
※「しょなのかほうよう」とも表記される事もありますが、どちらでも良いとされています
なぜ死後7日目?
・仏教では、故人が三途の川に到着する日が命日も含めて七日目だと言われているため、故人が極楽浄土へ行けるように七日ごとに法要を行う習慣があります
・故人が三途の川を緩やかな緩流として渡れるようにするために、死後七日目に行う法要が「初七日法要」という事になります
宗派による解釈の違い
・仏教の中でも浄土宗や浄土真宗では「亡くなってすぐに極楽浄土にたどり着く」と考えられているため、他の宗派と初七日法要の意味合いが違います
・初七日法要の意味合いとして浄土宗や浄土真宗は「仏様に感謝の心を深める」、他宗派は「故人の冥福を祈って供養」といった捉え方のようです
法要とは?
仏教における死者の供養(追善供養)の事
「葬儀が終わってから初めての法要が初七日法要」だという事がわかっていただけたかと思います。
また、法要と似た言葉で「法事」という言葉がありますが、法要と法事は明確に違いがあります。
法要…僧侶に読経(お経を読んでもらう)してもらって、死者の冥福を祈るために供養する事
法事…法要の後で行われる会食なども含めた仏事(行事)の事
法要と法事、漢字が似ているので何となく同じ意味のように思われる事が多いと思いますが、違いがあるという事を知っておきましょう。
初七日法要を英語では?
「初七日法要」の英語表記:The first seven days(ザ ファースト セブン デイズ)またはseventh day after death(セブンス デイ アフター デス)
初七日法要はいつ行う?
仏式では亡くなった日を1日目として数えるのが通例で、基本的には初七日とは、命日(亡くなられた日)から数えて七日目を指します。
※主に関西地域では命日の前日から数えて七日目を指すところもあります
例)
▼関東の初七日の数え方
命日が5月1日の場合、5月7日が初七日法要
▼関西の初七日の数え方
命日が5月1日の場合、5月6日が初七日法要
※関東、関西で必ず数え方が違うわけではありません
近年、初七日法要は葬儀当日に続けて行われるケースが増えています。
そのため、「初七日法要はいつ行う?」に対する答えとして基本的には命日から数えて七日目ではあるものの、現在では「葬儀当日」とも言えるのではないでしょうか。
初七日法要と忌引き休暇 初七日や四十九日などの法要が忌引き扱いになるのか気にされる方もいらっしゃるようですが、法事は忌引きにはなりません。 葬儀や法要の日に仕事がある会社員の方だと、忌引き休暇ではなく有給休暇を事前に申請して参列しているというのがほとんどだと思われます。 初七日が葬儀当日に行われる事が増えてきている背景には、なかなか集まる事が難しい遠方に住む親族などの事情のほか、仕事を持つ人の事情も少し関係しているように感じます。 |
初七日法要は必ず必要?
初七日法要は「必ずやらなければいけない」という決まりはありません。
家族葬(ご家族やご親族・故人と身近な方々のみで行う葬式)の場合、初七日法要は行われないケースも実際にあります。
ほか、お通夜・告別式といった儀式を行わず、火葬のみを行う直葬においても初七日法要を行わないケースもあります。
家族葬だから、直葬だから初七日法要は行わない・必要ないという事ではなく、『行われない場合もある』ぐらいの認識で捉えておくといいと思います。
初七日法要は友引にやらないほうがいい? 初七日や四十九日などの法要を行う際、友引の日にやらないほうがいいのか、気にされる方もいらっしゃるようですが、友引や大安、仏滅などの六曜は、仏教(仏時)においては関係ないとされています。 |
初七日法要の内容について
次に、初七日法要の内容について紹介します。
初七日法要での食事や挨拶、全体の流れをそれぞれ順に解説しています。
初七日法要での食事
初七日法要の席では食事をする風習があり、この食事の事を「精進落とし(しょうじんおとし)」と言います。
精進落とし(しょうじんおとし) ・元々は忌明けにあたる四十九日が済むまでは喪に服して、精進料理(肉や魚を避けた食事)を摂るべきだとされていました ・忌明け時に通常通りの生活に戻るための区切りとして精進落としがあったのですが、現代ではその意味合いが変わってきています ・近年では、繰り上げて初七日法要を行う際に僧侶や参列者に対して、労をねぎらうための会食となっています |
繰り上げ初七日法要を行う事により、必然的に精進落としも葬儀当日(火葬後または火葬中)に行われる事が増えてきています。
精進落としに関して献杯の挨拶例やメニュー、座席やマナーについて別の記事でまとめていますので、初七日法要とあわせてお読み下さい。
精進落としの事を詳しく知っておく事で、初七日法要で「食事代はどれくらいになるのか?」も把握できるようになります。初七日法要の挨拶
初七日法要での喪主の挨拶は、どのような挨拶をすればいいのか?
迷わないでいいように、この項目で初七日法要の時の喪主の挨拶について例文と共に解説します。
初七日法要の挨拶のタイミング | 僧侶による初七日法要の読経後、一通り焼香が終わったら |
誰が挨拶するのか? | 喪主 |
▼初七日法要の挨拶例 皆様、本日はご多忙の中、○○(故人の名前)の初七日法要にご参列いただきまして、誠に有難うございます。 おかげさまで、無事に法要を終える事ができました。 皆様には心より御礼申し上げます。 まだ頭の整理もついていませんが、皆様方のご指導のもと、家族力を合わせてゆきますので、どうぞ今後とも宜しくお願い致します。 ささやかではありますが、別室にてお膳のご用意をさせて頂きました。 供養となりますので○○(故人の名前)の生前の思い出など話しながら、ごゆっくりおくつろぎいただければ幸いでございます。(初七日の一時をお過ごしいただければと存じます。) 皆様、本日はご参列頂きまして、本当に有難うございました。 |
「別室にてお膳のご用意」というのが、精進落としの事となります。
ですので、初七日法要の締めの挨拶は、精進落としの締めの挨拶に一言加える形で問題ないと言えます(以下の例文)。
▼初七日法要の締めの挨拶例 皆様、本日はお忙しい中、有難うございました。 皆様からの故人の思い出話などもっとお伺いしたいところですが、皆様もお疲れの事と思いますので、この辺でお開きとさせて頂きたいと存じます。 簡単な挨拶ではございますが、これを持ちまして初七日法要の会食を終了とさせていただきます。 本日は誠に有難うございました。 |
※初七日法要での会食を指す精進落としの挨拶の際に行うのが、献杯(けんぱい)になります。
献杯についても精進落としの記事をご参考下さい。
初七日法要の流れ
前述した挨拶を含め、近年増えてきている葬儀当日に行う初七日法要の一般的な流れについて解説します。
葬儀当日の初七日法要は、次の2通りのやり方があると言えます。
✔ 繰り上げ法要…火葬が終わって葬儀場へ移動してから行う
✔ 繰り込み法要…火葬前または火葬中に行う
まず、繰上げ法要で行う場合の流れは以下のようになっています。
※家族葬や直葬など様々な形の葬儀がありますが、どの葬儀においても火葬は行われるものなので、火葬後からの流れとなっています
火葬を終えて収骨をし、読経、焼香、精進落とし、という流れになります。
それぞれ解説していきます。
収骨 火葬後、遺族や親族で収骨します 収骨(しゅうこつ)とは? 火葬後に骨上げを行って骨壷に収める事(火葬後に骨を拾う事) ※収骨についてはこちらの別記事で詳しくまとめていますので、あわせてご覧下さい 後飾り 遺骨を後飾りに安置します 後飾り(あとかざり)とは? 遺骨は忌明けまでの間、後飾りと呼ばれる祭壇の上に安置しておく事になります ※本来の初七日にあたる日に法要を行う場合は、葬儀→火葬→収骨後に遺骨を自宅に持ち帰って四十九日の忌明けまでの間、祭壇を作って安置する事になります 読経 初七日法要のためのお経が僧侶によって読経(どっきょう:お経を読んでもらう事)されます 焼香 焼香(しょうこう)とは? 香をたいて仏や死者を供養する事。 仏事の一つ。 焼香について詳しくは、「焼香の仕方やマナー」をご覧下さい 精進落とし 焼香を終えたら、初七日法要の挨拶(喪主挨拶)を行います 精進落とし(しょうじんおとし)とは? 初七日法要で食事をする風習があり、その食事の事 献杯後に会食が始まったら喪主や遺族の方は、参列者へお酌しながらお礼を述べて1人づつ回るようにしましょう 初七日法要の締めの挨拶 |
繰上げ初七日法要は、大体1時間ほど(読経~焼香を終えるまで)、会食(精進落とし)の時間が大体1~2時間くらいなのが一般的です。
次に、火葬する前または火葬中に行う「繰り込み法要」での初七日の流れですが、基本的には上記「繰り上げ法要」の流れと同じです。
ただ、火葬が終わってないため、遺骨がない状態での法要となります。
繰り込み法要 ~遺骨がない状態での初七日法要~
故人の遺骨がない状態で行う事になる繰り込み法要は、賛否両論あります
しかし、例えば遠方からの親族や参列される方のスケジュール的な都合がある場合、繰り込み法要は火葬中に精進落としも行えるので合理的・効率的だと言われています
遺骨の納骨時期について 喪主や遺族によって納骨するまでの間、ご自宅に遺骨を安置しておく事は法律上の問題はありません。 仏式では葬儀当日のうちに火葬が終わった後、納骨される事もありますが、四十九日を目処に納骨される形が一般的となっています。 ※神式の場合は仏式のように後飾りを用意し、五十日祭(忌明け)の際、納骨されるのが一般的 ※キリスト教の場合、カトリックは仏式の四十九日以降で納骨、プロテスタントだと召天記念日(亡くなられてから1ヶ月目)に納骨、というのが一般的なようです |
初七日法要 その後
葬儀当日に繰り上げ(または繰り込み)法要で初七日を済ませる形が増えてきているのは、これまでの中でも触れてきた通りですが、この項目では初七日を含む法要について解説します。
仏教では法要を行う日が決まっていて故人が極楽浄土へ行けるように七日ごとに法要を行う習慣があるため、初七日を終えた「その後」にも法要が幾つかあります。
忌日法要
死後七日ごとに四十九日まで行う法要の事を忌日法要(きにちほうよう)と言い、以下のようになっています。
忌日法要の名称・別称 | 時期(いつ行う?) |
初七日法要(しょなぬかほうよう) 初願忌(しょがんき) 所願忌(すげんき) | 命日から数えて七日目(死後7日目) |
二七日法要(ふたなぬかほうよう) 以芳忌(いほうき) | 命日から数えて十四日目(死後14日目) ※省略される事が多い |
三七日法要(みなぬかほうよう) 洒水忌(しゃすいき) | 命日から数えて二十一日目(死後21日目) ※省略される事が多い |
四七日法要(よなぬかほうよう) 阿経忌(あぎょうき) | 命日から数えて二十八日目(死後28日目) ※省略される事が多い |
五七日法要(いつなぬかほうよう) 小練忌(しょうれんき) | 命日から数えて三十五日目(死後35日目) |
六七日法要(むなぬかほうよう) 檀弘忌(だんこうき) | 命日から数えて四十二日目(死後42日目) ※省略される事が多い |
七七日法要(なななぬかほうよう) 大練忌(だいれんき) 漫中陰(まんちゅういん) 忌明け法要 など、様々な呼び方がある 四十九日法要(しじゅうくにちほうよう)と呼ばれるのが一般的 | 命日から数えて四十九日目(死後49日目) |
初七日法要から始まり、四十九日の法要まで七回の忌日法要があるのがわかります。
一般的には四十九日までが忌中とされています。
ちなみに、繰り上げ初七日法要のように、葬儀当日に四十九日法要も繰り上げて行われるケースもあります。
ほかにも地域によってですが、曹洞宗では初七日や四十九日に参列できない人のために葬儀当日にその場で五七日法要が行われたりするようです。
※五七日法要を重要視して行われる理由としては、閻魔大王が裁判官を務める日と言われていたり、諸説あります
年忌法要
上でも書いたように仏教では法要を行う日が決まっていますが、法要を行う「年」も決まっています。
それが年忌法要(ねんきほうよう)です。
年忌法要とは、死後満1年目に一周忌を行い、その翌年の2年目に三回忌を行います。
三回忌以降は死亡した年を含めて数え、七年目に七回忌 → 十三回忌 → 二十三回忌 → 三十三回忌まで行うのが一般的です。
以下、一周忌から三十三回忌までの年忌法要の表になります。
年忌法要の名称・別称 | 時期(いつ行う?) |
一周忌 (いっしゅうき) | 死後満1年目(亡くなられた翌年) |
三回忌 (さんかいき) | 死後満2年目 |
七回忌 (ななかいき) | 死後満6年目 |
十三回忌 (じゅうさんかいき) | 死後満12年目 |
十七回忌 (じゅうななかいき) | 死後満16年目 |
二十三回忌 (にじゅうさんかいき) | 死後満22年目 |
二十七回忌 (にじゅうななかいき) | 死後満26年目 |
三十三回忌 (さんじゅうさんかいき) | 死後満32年目 |
三回忌や七回忌までは、遺族や親族に加え、友人・知人も参列する形が多く、十三回忌以降は遺族だけで行われる形が一般的となっています。
地域や宗派によっては省略する年忌もあるようですが、年忌法要は「満」で数えるという事は覚えておくといいでしょう。
初七日法要にかかる金額
初七日法要を行うにあたってどれくらいの費用がかかってくるのか、やはりお金の事は気になるところだと思います。
※この項目では初七日法要を行う側、参列する側、どちらの観点からも見た費用について解説しています
まず、初七日法要に関する費用について各項目ごとに書き表すと次のようになります。
・お布施
・お供え物、お返し
・香典、香典返し
・相続税、債務控除
それぞれ「喪主側」「参列者側」どちらに関係するのかも合わせて見ていきましょう。
お布施
繰り上げの形でも、従来の形でも基本的に初七日法要は必ず営まれています。
そのため、僧侶の方をお呼びし、供養してもらう事になります。
お布施(おふせ)とは、宗教者(お坊さんや僧侶など)をお呼びし、読経や戒名を頂いた時に渡すお金の事です。
▼お布施の書き方など詳しくは下記の記事でまとめていますので、合わせてご覧下さい。
お供え物・お返し
▼お供え物について
初七日法要でのお供え物について、喪主側であれば「どんなものを祭壇にお供えするのか?」
参列する側なら「どんなものをお供え物として持参すればいいのか?」それぞれ気になる事かと思います。
結論から言うと、初七日法要のお供え物は地域や宗教によって大きく変わってくるため、「これが初七日のお供え物として正解」とは言えません。
宗教による違い
仏式では殺生が連想されるという事で、肉や魚をお供え物とするのはタブー視されていますが、神式においては山や海のものは神の恵みとされています。
キリスト教ではお供え物の概念がないため、供花がお供え物の代わりとなります。
※供花もお供え物と同様に、地域や宗教によって違いがあるものです
ただ、一般的には葬儀においてお供え物は必要です。
お供え物(供物)は、故人と親しかった方が出すのが一般的です。
また、喪主が出すのも決しておかしくはありません。
例えばお供え物の数や見た目、体裁を気にして「もうちょっと多くしたい」と喪主の方が出す事もあります。
以下、初七日の行われ方とあわせて、喪主側と参列者側それぞれの初七日法要におけるお供え物の一般的な見解について解説します。
葬儀当日の初七日法要(繰り上げ・繰り込み)の場合 ▼喪主側 ・初七日用にあらためてお供え物を準備する必要は特になく、葬儀の際のお供え物で問題ないとされています ・葬儀当日に繰り上げ法要にて初七日を行う場合、葬儀の際に参列者の方からいただいたものを、初七日の祭壇にお供えする事もできます ・費用については葬儀社の葬儀プランに含まれている事もありますが、相場としては喪主個人の場合で5,000円~15,000円、親族(複数人を一同として)の場合で20,000円~30,000円とされています ▽参列者側 ・初七日用のお供え物としては特に用意する必要ないとされています(葬儀のお供え物のみでよい) ・お供え物は香典や故人へのお別れの気持ちを伝える供花(きょうか・くげ)と同じ意味合いとされているので、香典を用意する場合はお供え物や供花は特に必要ないと言えます ・お供えものを持参する場合は、日持ちするもの(果物、焼き菓子、佃煮など)、費用的にはお菓子だと3000円~5000円までが相場で、果物の詰め物だと5,000円~10,000円ぐらいが相場です ※あまり高価なものにならないようなお供え物をするのが一般的 ※用意するお供え物は熨斗(のし)で包むようにしましょう |
曹洞宗のお供え物
曹洞宗のお供え物は果物などは他と変わりませんが、積み団子(つみだんご)と呼ばれるお団子をお供えする習慣があると言われています。
次に、葬儀とは別の日・従来の形である故人の命日から七日目に行う場合は以下の通りです。
葬儀とは別の日や従来の初七日法要の場合 ▼喪主側 ・一般的には葬儀の時に参列者からいただいたものを七日目までお供えします ※初七日の当日に参列者からいただくものをお供えする事もできます ・法要後に参列者の方々に対し、お供え物を配る事がマナーとなっています ・費用相場は上記の葬儀当日に初七日を行う場合と同じ考えで問題ないと思います ▽参列者側 ・喪主側が法要後にお供え物を参列者へ配る事を考え、個別包装されたお菓子などが無難です ・基本的には日持ちするもの(果物、焼き菓子、佃煮など)、費用的にはお菓子だと3000円~5000円までが相場で、果物の詰め物だと5,000円~10,000円ぐらいが相場です ※あまり高価なものにならないようなお供え物をするのが一般的 ※用意するお供え物は熨斗(のし)で包むようにしましょう ※参列者側についてですが、香典と初七日のお供え物を両方持参される方、香典のみ持参される方、初七日法要のお供え物のみ持参される方、と様々ですので、上記はあくまで一例として参考になればと思います |
初七日法要では、お供え物のほかに「お膳」の用意が必要になります。
この「お膳」の事を御霊供膳(おくりぜん)と言います。
※御霊供膳の読み方は「おりょうぐぜん」とも呼ばれます
一般的に「お膳」と言われているのは、御霊供膳が初七日から四十九日までの七日ごとの法要の際、 ご仏前やご霊前にお供えするお膳という事から「お膳」と略称で呼ばれているのだと思われます。
御霊供膳の中身としては、基本的に精進料理(食材に肉や魚を使わず、調味料などを控えた料理)を用意するのが一般的です。
ただ、浄土真宗では御霊供膳がなく、お菓子や果物でのお供え物のみとされています。
▼お返しについて
「葬儀当日に初七日法要を行った場合でも、お返しを用意するべきなのか?」
喪主側であれば、参列していただいた方々にお礼のお返しの用意をする必要があるのか、それとも必要がないのか、気になるところだと思います。
結論から言うと、お返しは必要です。
混同しないように気をつけていただきたいのが、お返しは「香典返し」とは異なるものです。
※香典返しについてはこのあとの「香典・香典返し」にて解説しています
「お返し」とは?
葬儀や法要・法事に参列していただいた方々に対して喪主側が贈るお礼の品の事を言います。
・会葬品(かいそうひん)
・会葬御礼(かいそうおんれい)
・会葬御礼品(かいそうおんれいひん)
・返礼品(へんれいひん)
・粗供養品(そくようひん)
など、色々な表記や呼ばれ方をしています。
お返しの時期や、お返しの品としてはどんなものが良いのか、金額の相場をまとめたのが以下の表になります。
お返しする時期(いつ?) | お返しする品 | 金額相場 |
当日(※) | 乾物(海苔など)、お茶、タオル、商品券など | 3,000円~5,000円ぐらいが一般的 |
(※)葬儀当日に初七日を行う場合、従来の初七日を行う場合、どちらの場合でも参列していただいた事に対するお礼なので「その当日にお返しをお渡しする」のが基本です
参列する方が高齢だとわかっている場合や、遠方からお越しいただく場合は「かさばらないもの」「重くないもの」がお返しの品として選ばれています。
お返しする品には以下図のように「熨斗紙(のしがみ)」で、品を包むようにします。①…表書き(上側)には薄墨で「志」、または「粗供養」と書きます。
②…水引きは、黒×白結び切り、または黄×白結び切りのものにします。
③…表書き(下側)には「施主の姓」、または「施主の氏名」を書きます。
お返しについて、最後に頭に入れておきたいのが、お返しの品の数についてです。
参列していただいた方々の人数より足らなくなってしまわないように、お返しの品は把握している人数分より少し多めに用意しておくのが間違いないと言えます。
※精進落としでの料理の用意も同じですが、数が足りないという事が最も失礼にあたってしまうためです
香典・香典返し
喪主側であれば、いただいた香典に対して「香典返しの金額の相場はどれくらいなのか?」
参列する側なら「葬儀当日に初七日法要も行う場合、香典は幾らぐらい包めばいいのか?」それぞれ気になる事かと思います。
※香典袋の表書きや書き方については、このあとの「初七日法要での香典の書き方」にて解説しています
▼香典について
参列者側として知っておきたいポイントは、葬儀当日に初七日を行う場合、別日や従来通りの場合でも「葬儀、初七日法要、それぞれ香典を用意する」という事です。
初七日法要に出席する場合、葬儀の香典とは別に初七日の香典も用意するのがマナーとされています。
香典として包む金額ですが、故人との関係が近いほど高い傾向があります。
つまり、友人・知人よりもご家族、親族の方々のように関係が近いほうが高額となります。
以下、葬儀における一般的な香典の金額相場です。
▼故人の親族の場合
5000円~10万円
▼故人の知人や友人の場合(職場や仕事関係など含む)
3000円~1万円
故人との関係性や年齢によりますが、3000円が一応の最低額となっているようです。
ただ、3000円というのは主に20代の方に多く見られるもので、一般的には5000円を下限と考えるのがいいと思います。
上記の金額相場を基準として、初七日法要の場合は以下のようになっているのが一般的です。
▼葬儀当日に初七日法要が行われる場合
葬儀の香典の半額ぐらいの金額が目安となっています
▼葬儀とは別日に初七日法要が行われる場合
会食がある事を考慮して少し多めに包む事が多いです
※香典を包む際の注意点として、4000円や9000円など「死」や「苦」をイメージさせる金額は避けて包むようにしましょう
▼香典返しについて
香典返しで喪主側の方が知っておきたいポイントは、香典返しは四十九日法要後(忌明け)に行うという事です。
これは葬儀当日に初七日を行う場合、別の日に初七日法要を行う場合どちらも同じです。
※地域や宗旨・宗派によっては三十五日法要明けに香典返しをされるところもあります
葬儀当日に初七日を行う形が増えているため、葬儀の香典も一緒にいただいている場合が多いケースだと思います。
その場合、香典返しとしては「初七日法要の香典をプラスした金額」の半額でお返しするのが目安となっています。
精進落としの飲食代や、地域によっては引き出物の用意をしていた場合は、その分の金額を差し引いた金額で香典返しをされるのが通例です。
相続税と債務控除
「葬儀費用は相続税の課税がされない」
「葬儀費用によって相続税の納税額を下げる事ができる」
といった事を耳にした事がある方はいらっしゃると思います。
相続税の計算をするうえで、葬儀費用は相続財産から差し引く事ができるようになっています。
ただ、ひとくちに葬儀費用とはいっても、実際に葬儀費用として控除できるもの・できないものがあります。
初七日などの法要・法事にかかる費用は、葬儀費用として控除できないものに含まれます。
葬儀費用として控除できないもの | 葬儀費用として控除できるもの |
✔ 香典返しにかかった費用 ✔ 墓石や墓地の購入費用(位牌や仏壇の購入費用も) ✔ 初七日などの法要・法事にかかった費用 ✔ 医学上や裁判上の特別処置費用(死体解剖にかかった費用など) など | ✔ お通夜や告別式にかかった費用 ✔ 火葬料(埋葬料も) ✔ 僧侶など宗教者へのお布施 ✔ 納骨にかかった費用 など |
※葬儀費用として控除できるもの=債務控除可能という事になります
初七日や四十九日の法要での費用は、葬儀に関する費用ではありますが、葬儀費用の対象ではないという事を覚えておきましょう。
あわせて、葬儀費用として控除できるものも知っておくといいと思います。
相続税についてより詳しくは、終活で考える相続税についてまとめていますので、ぜひご覧頂ければと思います。
初七日法要での香典の書き方
香典は香典袋に入れて、前述したようにお布施の際にも使われている袱紗に入れて用意するのが丁寧な包み方となります。
初七日の香典の表書きは「御霊前」と書くのが一般的で、皆さんの中でも多く見る事があるのではないかと思います。
「御霊前」が一般的ではありますが、注意しておきたいのが表書きに書く内容は宗教(宗旨・宗派)によって違うという事です。
①表書き…宗教・宗派によって書き方が異なります。
※下記、「宗教別の表書き一覧」を参考下さい
②水引き…結び切りになっている香典袋を使うようにしましょう。
※不祝儀用の黒白または双銀が一般的で、各宗教においても無難なようです
③包み…外袋とも言われ、ここに表書きを書きます。
※香典袋には様々な種類がありますが、内袋(中包み)があり、それを包む外袋があるというのが一般的です。
香典袋はコンビニや100円ショップでも購入する事ができます(キリスト教の香典袋は少し大きめの文房具店)。
▼宗教別の表書き一覧
宗教区分 | 表書き |
仏式 | 「御霊前」 「御香典」 「御香料」 |
神式 | 「御玉串料」 「御榊料」 「御神饌料」 「御霊前」 |
キリスト教 | 「御花料」 「献花料」 「御霊前」 |
仏式の表書きにおいて、四十九日以前の場合は「御霊前」、四十九日以降の場合は、故人の霊が仏となっているため「御仏前」というのが基本です。
※浄土真宗や曹洞宗の場合は「亡くなってすぐに極楽浄土にたどり着く」という思想があるので、初七日の香典の表書きには「御仏前」と書くのが好ましいようです
もし「宗教とか宗派がわからない」といった場合には、故人の訃報を受けた際、確認する事がいいと思います。
タブーをおかす事になってしまわないためにも、仏教なのか、神道なのか、キリスト教なのか、それくらいは知っておいたほうがいいでしょう。
ちなみに、葬儀当日に初七日を行われる場合の香典袋は「葬式用の香典袋」と「初七日用の香典袋」と二つ用意し、以下図のように初七日用には小さく初七日と書くようにします。
※どちらも同じ香典袋で問題ありません
表書きの下側には、氏名を書くようにしましょう。
初七日の香典袋に書く時は、毛筆の薄墨で書くのが正しいマナーですが、毛筆が手元にない場合は弔事用の筆ペンで薄墨のものが販売されています。
※用意できない場合はサインペンやボールペン(必ず黒のもの)
「薄墨」「濃い墨」について
ここまでの中で、お布施の表書きは濃い墨、お返しの熨斗に書くのは薄墨、香典袋に書くのは薄墨と書きましたが、墨の色は時期が関係するためです。
・四十九日までは薄墨を使い、香典返しは四十九日を過ぎた事を伝える意味もあるので、濃い墨を使います。
・お布施に関しては、感謝の気持ちを表す意味合いがあるため、薄墨を使う必要は無く、濃い墨で書かれる事がほとんどです。
初七日法要の時の服装
初七日法要の時の服装について、喪主や遺族の服装と、参列者の服装とそれぞれ解説します。
喪主や遺族の服装
初七日を葬儀当日に行う場合も、別の日に初七日を行う場合も、喪主や遺族は喪服を着用するのが基本です。
⇒ 喪主や遺族の場合、三回忌までは正式(モーニング、和装など)または略式(ブラックフォーマル、ブラックスーツ)の喪服を着用します。
参列者の服装
初七日が葬儀当日に行われる事が多い事から、お通夜・告別式の服装と同じく黒の喪服で参列するのが一般的です。
※一周忌までは基本的には喪服(三回忌以降は遺族のみでの供養となる事や、法要・法事が省略される場合があるため)
参列者の方の服装で気をつけたいのが、正式の喪服を持っていたとしても、略式の喪服を着用するのが一般的です。
これは、ご遺族側よりも格が上になってしまわないようにするためと言われています。
小さなお子さんや学生(小・中・高校)の場合、学校指定の制服がある場合はその制服を着用するようにしましょう。
まとめ
初七日法要(しょなぬかほうよう)について、初七日法要を行う喪主側、参列する側、どちらの目線でも紹介しました。
最後に、各ポイントを整理してまとめると以下の通りです。
故人が亡くなられてから最初の法要である初七日法要、遺族の方の視点で考えると準備などで何かと慌しくなる事も多いのではなかと思います。
いざという時のために事前知識として知っておく、覚えておくようにしておくのはとても大切な事です。
今回の初七日法要にも関連する「香典返し」についても終活.comではわかりやすくまとめていますので、ぜひ合わせてご覧下さい。