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宇宙葬は2013年、エリジウムスペース社の宇宙葬サービスが日本で開始される際に「日本で宇宙葬20万円」と発表され、話題になりました。
この記事では、宇宙葬の内容や各社のプラン(価格)、法律やゴミ問題なども含めてわかりやすくまとめています。
ガンダムなどの宇宙を舞台としたアニメについても触れていますので、老若男女問わず是非最後まで読んでいただければと思います。
目次
宇宙葬とは?
▼宇宙葬(読み方:うちゅうそう)とは?
宇宙葬(うちゅうそう)は、故人の遺骨などをカプセルなどに納めてロケット等に載せ、宇宙空間に打ち上げる、散骨の一種である。
ウィキペディア(Wikipedia)の「故人の遺骨など」は、遺骨・遺灰のことを指しています。
つまり、宇宙葬とは散骨の一種で、故人の遺骨や遺灰を納めたカプセルをロケットに載せて宇宙空間に打ち上げることをいいます。
宇宙葬の初めてはいつ?
初の宇宙葬は、アメリカの「ペガサスロケット」によって1997年に行われました。
同ロケットには、アメリカの人気SFテレビドラマで劇場版も製作されている「スタートレック」のプロデューサー「ジーン・ロッデンベリー」などの遺骨が納められていたそうです。
日本では2014年に「銀河ステージ」が初めて宇宙葬に成功しました。
以降、2018年には「エリジウムスペース」も「流れ星供養」に初成功しています。
宇宙葬の内容・いくらかかるのか?
宇宙葬の内容や、いくらくらいかかるものなのか?
やはり費用面に関しては気になる方も多いかと思います。
上で触れた「銀河ステージ」の宇宙葬「スペースメモリアル」、「エリジウムスペース」の「流れ星供養」についてもこれから解説します。
銀河ステージの宇宙葬
動画は「銀河ステージ」の宇宙葬スペースメモリアル「ヘリテージフライト」打上ライブ映像になります。
4時間の動画なので全部観るのに時間はかかりますが、17:25~38:00、3:47:45~が見どころではないかと思われます。
東京と大阪にそれぞれ本社がある。
スペースメモリアルは、地球周回軌道に乗る・月面に着陸する・遥かな宇宙空間へと旅立つ、など様々なプランがあります。
銀河ステージの公式サイトによると、施工予定のプラン(2019年7月時点)として費用など次のように掲載されています。
人工衛星プラン ヘリテージ・フライト | 950,000円 2019年6月25日、打ち上げ成功 |
人工衛星プラン ホライゾン・フライト | 950,000円 2020年※予約受付中 |
宇宙飛行プラン オーロラフライト | 450,000円 2020年※予約受付中 |
月旅行プラン ルナ02フライト | 250万円 2020年※予約受付中 |
宇宙探検プラン エンタープライズ・フライト | 250万円 2021年※予約受付中 |
月旅行プラン・宇宙探検プランは、価格的に墓石タイプのお墓の平均費用と同じくらいになっているのがわかります。
その他、銀河ステージの宇宙葬の特徴として要点をまとめると以下のとおりです。
・専門の日本人スタッフが申し込み段階からトータルサポート
・現地で打ち上げを見ることができる(別途料金、要事前予約)
・打ち上げ前のセレモニーから打ち上げまでの動画を収めたデジタルフォトフレームがもらえる
・打ち上げ証明書が発行される
ちなみに、女優の島田陽子さんは銀河ステージの宇宙葬を生前予約を申し込まれています。
このことは島田さんのウィキペディアにも掲載されていて、銀河ステージのサイト内でも紹介されています。
「生きているうちは恐らく行けない宇宙に、亡くなった後に行けるというのは、ロマンティックでいいですね。亡くなってからも楽しみがあるなんて、とても素敵なことだと思います」
出典: 銀河ステージ
銀河ステージは宇宙葬「スペースメモリアル」以外にも
・海洋散骨「オーシャンメモリアル」
・樹木葬「グリーンメモリアル」
など様々な供養の用意があります。
また、ミニ骨壷や手のひら供養と呼ばれる供養品の取り扱いもあります。
近年は遺骨や遺灰の一部から作るダイヤモンドや、ペンダントなど”身につけて故人を供養する”遺骨アクセサリーが、手元供養の新しい形として広まりつつあります。
遺骨アクセサリーについて詳しくは以下記事をご覧ください。
エリジウムスペースの宇宙葬
動画はエリジウムスペース社の宇宙葬の紹介動画になりますが、同社は”宇宙葬があらゆる人にとって手ごろに利用できるようになること”を目指しています。
その重要な一環として、費用が格安設定だということが公式サイト内で記載されています。
エリジウムスペースの宇宙葬は2つのプランがあります。
流れ星供養 | 300,000円 故人の象徴として遺灰の一部を宇宙へ打ち上げ ※次回打上げのロケットが決定次第受付再開 |
月面供養 | 120万円 故人の遺灰の一部を専用カプセルに収め、月面に送る |
流れ星供養の受付についてですが、次回打ち上げのロケットが決定次第再開する旨が公式サイトに記載されています。(2019年12月現在、月面供養は受付中)
各宇宙葬サービスに含まれる内容は
・火葬された遺灰の一部の回収し、宇宙への打ち上げ
・遺灰を収めたカプセルへのイニシャル刻印
・記念人工衛星への追悼メッセージの刻印
・打ち上げイベントのビデオ作成(プロスタッフ作成)
・宇宙葬完了を示す証明書
その他、エリジウムスペースのモバイルアプリで、人工衛星の軌跡を辿ることが可能なようです。
利用料金は1,990米ドル、日本円にして20万円前後だったことが当時発表された各種記事から伺えます。
エリジウムスペースの公式サイト内には、宇宙戦艦ヤマトの作者で知られる松本零士先生のコメントも記載されています。
「私は宇宙に行くことが長年の夢でした。まだその夢は捨てておりませんが、この度、自分の一部と愛猫のみーくんを宇宙に送りたいと思い、エリジウムの宇宙葬への参加を決めました。同志の諸君、私とともに宇宙へと旅立ちましょう!」
出典: ELYSIUM SPACE
銀河ステージで生前予約を申し込んだ島田陽子さん、エリジウムスペースの宇宙葬への参加を決めた松本零士先生、有名人の方で宇宙葬に興味を持っている方は他にもいるのではないでしょうか。
また、エリジウムスペースは「株式会社みんれび」と協業して開始したSorae(ソラエ)という宇宙葬サービスもあります。
Soraeの宇宙葬費用は285,000円(税込313,500円)となっています。
※2019年12月13日時点、Sorae公式サイト上で以下掲載あり
平素は宇宙葬Soraeをご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。 大変申し訳ありませんが、ただ今リニューアル作業のため、サービスのご利用を停止しております。 お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
出典: Sorae
気になる方は一度公式サイトをチェックしていみるとよいでしょう。
バルーン工房のバルーン宇宙葬
上の動画は(株)バルーン工房のバルーン宇宙葬についての紹介動画になります。
バルーン宇宙葬は、厚生労働省・環境省・法務省の法的な問題をクリアした特許取得済みのオリジナル事業となっている。
⇒商標登録済みだったバルーン宇宙葬のネーミングに加え、2017年7月に遺灰をバルーンに詰める方法など広い範囲での特許を取得
バルーンの原料はゴムの木から産出される樹液で作られていて、100%自然原料のため、自然環境に優しく土に還るバルーンとなっています。
バルーン宇宙葬は人間だけでなくペットのバルーン宇宙葬もあり、料金体系は次の通りです。
基本葬送費用一式 | 240,000円(税込264,000円) ペットバルーン宇宙葬の場合、基本葬送費用一式180,000円(税込198,000円) ※1体追加50,000円(税込55,000円) ※実施・日時等すべて一任の場合は200,000円(税込220,000円) |
遺骨粉末料 | 20,000円(税込22,000円) ※ペットの場合12,000円(税込13,200円) ※遺骨粉末化のみ依頼は30,000円(税込33,000円・別途送料)、ペットの遺骨粉末化のみは18,000円(税込19,800円・別途送料) |
巨大バルーンに乗った遺灰は、高度40km~50km上空の成層圏で散骨されます。
バルーン宇宙葬は生前申込もできるようになっています。
気になる方は一度バルーン宇宙葬についてチェックしてみるとよいでしょう。
宇宙葬と法律・ゴミ問題
「宇宙葬って日本の法律的に問題ないの?」
「宇宙葬はスペースデブリを増やすんじゃないの?」
こうした声は宇宙葬をよく知らない方々なら気になるところなのではないかと思います。
法律的な観点において、銀河ステージの公式サイト内「よくある質問」には次のように記載されています。
Q.宇宙葬に関して、法律上の問題点はありませんか?
A.日本では墓地、「埋葬等に関する法律」により「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」と定められていますが、宇宙葬や海洋への散骨に関しては「葬送の一つとして節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪には当たらない」というのが法務省の見解として発表されています。
出典: 銀河ステージ
日本の法律的に問題がないからこそ、銀河ステージのスペースメモリアルなどの宇宙葬が行われてきたわけです。
次に、スペースデブリ問題に関してですが、スペースデブリとは簡単にいうと宇宙ゴミのことです。
何かしら意味がある、というわけではなく地球の衛星軌道上を周回している人工物体のことで、年々その数は増え続け対策が必要とされている問題です。(4、5000トンの回収できない宇宙ゴミが浮遊しているといわれています)
宇宙葬を行うことで、宇宙ゴミが排出されるのでは?
と、疑問の声も上がっていますが、エリジウムスペースの公式サイト内には次のように記載されています。
宇宙ゴミは排出されますか?
いいえ。エリジウムスペースは宇宙環境に配慮しており、宇宙ゴミを生み出しません。弊社の記念人工衛星は無害な形で地球の大気圏に再突入し、最終的に流れ星となって燃え尽きます。
弊社の人工衛星は、常にレーダーによって位置を把握しており、国連によって定められた期間で大気圏に再突入するため、宇宙ゴミとなることはありません。
出典: エリジウムスペース
つまり人工衛星は燃え尽きるため、宇宙ごみとなることがないということになるのがわかります。
宇宙葬に関連する漫画やアニメ
ここまでは各社の宇宙葬サービスについて触れてきましたが、漫画やアニメにも宇宙葬に関連する作品があります。
エリジウムスペースの宇宙葬に参加すると声明を出している松本零士先生が描いた「宇宙海賊キャプテンハーロック」では、天才技術者として登場するキャラクター・大山敏郎(通称・トチロー)がアニメ版で最期に遺体が宇宙葬で葬られた描写があります。
また、前項で触れたスペースデブリ(宇宙ゴミ)の問題について描かれている唯一ともいえる「プラネテス」というアニメがあります。
アマゾンでも評価の高いコミックとなっているプラネテスは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)協力のアニメで、原作・アニメともに星雲賞を受賞している作品です。
ストーリー
スペースデブリ(宇宙ゴミ)を除去する作業員ハチマキは新入社員のタナベの教育係を任されるが、2人は衝突してばかり。
地球、宇宙だステーション、月の間を旅客機が普通に行き交う世界で、ハチマキはどう想い、成長していくのか。
もっと詳しいあらすじが、NHKアニメワールドのサイト内に掲載されていますので、引用紹介させていただきます。
時は西暦2075年。人類は宇宙開発を推し進め、巨大な宇宙ステーションや月面都市を建設するまでになっている。
地球、ステーション、月面の間には旅客機や貨物機が行き交うようになり、人々にとって宇宙は、遠い世界ではなく日常の世界になりつつある。この時代、大きな問題となっているのは、宇宙開発にともなって発生するゴミ(デブリ)。
使われなくなった人工衛星、ステーション建造時に出た廃棄物などのデブリは、地球周回軌道上を高速でまわっている。
2068年に起きた高々度旅客機アルナイル8型とデブリの衝突事故は、多くの死傷者を出す惨事となり、デブリ問題が注目されるきっかけとなった。主人公・星野八郎太(ハチマキ)は、宇宙産業の大手・テクノーラ社の社員。
デブリ回収船トイボックスに乗り込み、仲間のフィーやユーリとともにデブリ回収の任にあたっている。
ハチマキを中心に、新入社員タナベの登場、宇宙開発に反対するテロ組織「宇宙防衛戦線」の暗躍、木星往還船フォン・ブラウン号の建造など、様々なドラマが描かれてゆく。出典: NHKアニメワールド
プラネテスのアニメですが、動画配信サービス・U-NEXTで観ることができます。
「U-NEXT」は、月額2,189円(税込)で利用できる動画配信のサブスクリプション(月額定額)サービスで、今なら「31日間無料体験」ができるのでプラネテスのアニメを観るにはオススメです。
他にもロボットアニメの金字塔ともいえる「機動戦士ガンダム」第4話「ルナツー脱出作戦」でもパオロ艦長の宇宙葬が執り行われる等もあります。
ガンダムはテレビでの初回放送が1979年から、プラネテスの舞台が西暦2070年代、現実として日本初の宇宙葬が2014年です。
そう考えると、昔の人たちが思っていたよりも早くに現実として実際に宇宙葬が執り行われたという様に解釈できるのではないでしょうか。
まとめ
宇宙葬について紹介しましたが、最後に要点をまとめると次の通りです。
・日本初の宇宙葬は2014年に執り行われた
・日本の有名人でも宇宙葬の生前予約を申し込んでいる人がいる
・宇宙葬サービスを提供している各社とも各宇宙葬の名称を商標登録済み(スペースメモリアル、バルーン宇宙葬など)
・宇宙葬の費用は約30万円~250万円とプランによって幅がある
・日本のアニメでも宇宙葬にまつわる話は昔からあった
終活を行っていると、様々なことを考えたり目にしたり耳にしたりすることがあるかと思います。
お墓1つにしても現在は多様化されている時代ですし、宇宙葬もまた新しい葬送・供養の形の1つです。
今後も様々な新しいサービス等は生まれると思います。
「終活」という言葉(造語)が世に出て10年足らず、そんな終活の今昔についてもわかりやすくまとめた記事も当サイトでは掲載しています。
知っておくことで時代の変化を感じ、より良い形の終活として過ごしていただければ幸いです。