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認知症は誰もが患う可能性のある病気です。
✔ 認知症はどんな病気?
✔ 認知症の原因はアルツハイマーが多い
✔ 認知症の初期症状
✔ 認知症の予防・テスト
✔ 認知症の診断方法
✔ 認知症の人の対応や介護・看護
✔ 認知症の寿命
✔ 認知症は治るのか?
✔ 認知症と終活
など、この記事では認知症についてわかりやすく順序立てて紹介しています。
認知症において「自分は大丈夫」は根拠がなく、高齢者のみならず65歳未満で発症する若年性の認知症もあります。
本人・家族ともに切実な問題である認知症による判断能力の低下は、終活する上でも直接的に関わってきます。
目次
認知症とは?
▼認知症ってどんな病気?
認知症とは、脳の認知機能が低下して行動や感情に変化が生じ、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
「物忘れ」など行動面の変化や、
・大声を出したりする
・怒りやすくなる
・暴力を振るう
・無気力になる
・うつ状態
などが、感情面の変化によって起こる症状となります。
▼認知症患者の数
認知症患者の数は2012年で462万人、団塊世代が75歳以上になる2025年には高齢者の5人に1人が認知症患者となる見込みだといわれています。(認知症患者数700万人前後に達する見込みのため)
これは4秒に1人が日本を含む世界の何処かで新たに認知症になっている計算となります。
また、認知症の前段階といわれているのが「軽度認知障害」です。
軽度認知障害(MCI:mild cognitive impaiment)
2016年時点で該当する高齢者が400万人、高齢者の4人に1人が軽度認知障害に該当する計算だといわれています。
軽度認知障害は「認知症予備軍」とも呼ばれます。
▼痴呆と認知症
それまでは日本では「痴呆(ちほう)」または「痴呆症(ちほうしょう)」と呼ばれていました。
それが2004年に厚生労働省の『用語を検討する会』で「痴呆」という言葉が廃止され「認知症」に置き換えられたといわれています。
若い世代の人たちの中には
「認知症って聞いたことはあるけどよく意味を知らない」
という人もいると思います。
でも、「ボケ(ぼけ)」という表現なら耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
例えば、「うちのおばあちゃん、ボケてしまった」といった表現です。
(「ボケ」という言葉が認知症を表現しています。)
▼老化で物忘れするのは認知症?
高齢になるにつれて、認知症になる確率は高くなるといわれてます。
ですが、老化による物忘れと認知症の物忘れは別です。
混同する人もいるようですが、両者には様々な違いがあります。
区分 | 老化の場合 | 認知症の場合 |
物忘れ | 忘れるのは断片的(一部分)で、自覚あり | すべて忘れる ⇒きっかけやヒントがあっても思い出せず、忘れるという自覚がない |
判断力 | 低下しない | 低下する |
日常生活への支障 | なし | あり |
このように、老化による物忘れ・認知症による物忘れは明確な違いがあります。
少しだけ専門的にいうと、老化による物忘れは脳の神経細胞が壊れるということではありませんが、認知症は脳の神経細胞が壊れてしまいます。
脳の神経細胞が壊れてしまうことによって物忘れなどの症状や、感情面の変化が起きるわけです。
イラストだとわかりやすいかと思います。
認知症の原因はアルツハイマーが多い
「認知症とアルツハイマーの違いは?」といった疑問を抱く人もいるようですが、アルツハイマーとは認知症の種類の1つです。
認知症になる原因の半数近くがアルツハイマー型だといわれています。
認知症の原因として
・アルツハイマー型
・レビー小体型
・脳血管性型
これら3つのタイプが認知症の原因として多く、3タイプの占める割合は全体の80%あるともいわれています。
認知症の割合を表す各種データを元にグラフ化すると
※パーセンテージは、おおよその割合です
簡潔にそれぞれ解説すると
アルツハイマー型認知症とは
英語で「Alzheimer’s Disease」と表記されるので、ADとも呼ばれる。
脳が萎縮していく病気。
主に物忘れなど認知機能の低下(認知障害)や、人格の変化が起こる。
女性に多く、進行する認知障害なので日常生活に支障が出る。
最終的には寝たきりになる。
レビー小体型認知症とは
英語で「Dementia with Lewy Bodies」と表記され、DLBとも呼ばれる。
手足の震え・睡眠障害・幻視・パーキンソン症候群などの症状が起こる。
65歳以下が発症することは少なく、どちらかというと男性に多く見られる。
脳血管性型認知症とは
英語表記は「Vascular dementia」
突発的に発症することが多い。
脳梗塞・脳出血など、脳の血管に異常が起こることが原因で発症。
男性に多く、症状的には脳の状態によって感覚障害・麻痺など神経症状が見られたりと、個人差がある。
前述したように3つのタイプが認知症の原因として多いため、アルツハイマー型・レビー小体型・脳血管性型は三大認知症といわれています。
65歳未満で発症する認知症は「若年性認知症」と呼ばれています。
認知症の初期症状
現在の日本では、症状としてかなり軽い段階で認知症だと判断できるほど診断技術は進歩しているといわれています。
認知症の初期症状において、
「加齢・老化による物忘れとの違いがわからない」
といった声も聞きますが、
✔ 今、何が起きているのか?(現在進行形の動作や目的)
✔ 体験したこと自体忘れてしまう
といった症状が起こった場合は、認知症の予兆です。
【今日のお昼ご飯に何を食べたのか思い出せない】これは物忘れです。
しかし、【食事したことすら思い出せない】といった場合、認知症を疑うべきです。
・食事したこと自体忘れる
・怒りっぽくなる
・急に塞ぎ込む
・無気力になる
・集中力がなくなる(作業完遂できない)
・部屋の片付けができなくなる
・日時や場所が認知できない(外出しても自宅が思い出せない等)
・同じ内容の発言を繰り返す
・同じ服ばかり着る
認知症の原因はアルツハイマー型を始めとする3つのタイプの割合が殆どを占めると書きましたが、認知症で見られる各種症状は大きく分けると「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」の2種類だといわれています。
認知症の中核症状
中核症状とは、発生順序や程度に個人差はあっても認知症患者全員に見られる症状のことをいいます。
中核症状 | 症状の内容 |
記憶障害 | 食事したこと・内容自体忘れる |
見当識障害 | 「今日の日付」「今の季節」「現在地」などがわからなくなる |
認知機能障害 | 計算能力・判断力の低下 歯みがきなど、これまで当たり前にできていた行動ができない |
中核症状の内容を見ると、前述した主な初期症状とあまり変わらないんじゃないかと感じる方もかもしれません。
ですが、徐々に進行していくことになります。
例えば中核症状の1つである記憶障害、食事したことすら忘れてしまう方が日頃から何かしらの薬を飲んでいる方だったら…
薬を飲んだことすら忘れてしまうようになるため、家族など周囲の人は注意して行動を見ておく必要が出てきます。
そういったケースは実際にあるようです。
認知症の周辺症状(BPSD)
周辺症状(BPSD)とは、認知症患者でも発症する種類に個人差が生じる症状のことです。
わかりやすくいうと、中核症状は全ての認知症患者に表れるものですが、症状が人によって出たり出なかったりするのが周辺症状(BPSD)です。
意味は「認知症の行動および心理的症状」
周辺症状(BPSD) | 症状の内容 |
抑うつ | 気分が落ちる・気が滅入ってしまう |
妄想 | 被害妄想(実際に起こっていない現象を起こったかのように思い込んでしまう) 例えば「妻が知らない男と仲良くしている」「財布・お金を盗まれた」など |
幻覚 | 幻視・幻聴など、実際には見えないものが見えると言ったりする(見間違いも) |
徘徊 | 室内外に関係なく、あてもなくウロウロと歩き回る |
他にも、異常な食行動や眠れなくなる睡眠障害、意思に沿わない形で排泄してしまう失禁なども周辺症状となります。
認知症は初期・軽度・中等度・重度と段階を踏んで進行していくといわれています。
前述した中核症状は段階を経て進行していくのに対して、周辺症状は初期と中等度でその症状は急変することが特徴として挙げられています。
例)
初期だと「気持ちが不安」「気分が沈む」
⇒中等度になると「妄想」や「幻覚」が発症
このように急変するもので、周辺症状は複数の症状が同時に見られるケースもあるほどです。
認知症の予防・テスト
▼認知症の予防
認知症の予防には生活習慣の見直し・改善が重要です。
生活習慣とは、食事や運動、周囲との交流(コミュニケーション)のことを指します。
脳や心身を活性化することは、認知症予防に繋がるといわれています。
▼食生活で認知症予防
認知症予防に良いといわれている食べ物・飲み物
青魚 | トマト |
赤ピーマン | かぼちゃ |
ほうれん草 | ブドウ |
柿 | 大豆 |
オリーブオイル | 緑茶 |
ワイン | ココナッツオイル |
上の表の食べ物や飲み物は認知症予防だけでなく、老化防止にも効果的だといわれています。
▼運動で認知症予防
体を動かしたりする運動も認知症予防に良いといわれていますが、高齢者の場合はあまり激しい運動はできません。
場合によっては怪我に繋がってしまうことにもなりかねませんし、運動といっても当然限られてきます。
でも、怪我の心配や激しい運動をしたりする必要はありません。
運動に関しては、歩くことが認知症になりにくいそうです。
これは研究によって近年わかってきたことだといわれています。
足を悪くされている方など歩行が困難な高齢者の方は難しいかもしれませんが、歩くことであれば簡単にできることなので高齢者の方がすぐに始められる予防法じゃないでしょうか。
最近では高齢者の方に向けた靴・シューズも様々なものがあります。
歩くとなると、やはり足が疲れにくいものを選びたいものです。
クッション性があって、実際に履いた方の口コミでも「つまづきにくい靴」と声が上がっているのが、ネットで買える以下のシューズです。
実はこの靴は介護・リハビリ向けに特化して作られたシューズになります。
だからこそ、つまづきにくくてクッション性もあり、足元しっかりに作られています。
メンズだけでなくレディースもあり、ナースシューズとしても利用されています。
認知症予防にウォーキングする際は安全に、元気に歩いてほしいものです。
▼交流で認知症予防
近年は終活ブームの影響もあり、高齢者の方々が集まって楽しくお喋りやカラオケなどのイベントを行うシニアサークルが各地域で存在しています。
そういったサークルに積極的に顔を出したりするのも1つですが、上手く馴染めないと不安だったりする方もいると思います。
周囲と交流してコミュニケーションをとるのは認知症予防になるといわれてますが、サークル以外で適した予防アイテムがあります。
脳を活性化させる・脳を使うことで認知症や老化防止にもなるのが、以下のような日々行えるテストです。
テストは文字の並び替えや、穴あきしりとり、言葉探しの問題を作るページなどもあるので、家族や友人と一緒に皆で楽しみながら脳を鍛えることができます。
実際にテストを活用している方の口コミも
“母の認知症予防にもう、10年程色々な脳トレ教材を一緒にやっています”
“母と私と中学生の息子と3人で、誰が最初に問題を解けるか競走したりして、楽しそうに笑う母を見て買ってよかったと思いました”
“介護している祖母が退屈しないようにと購入しました
ケアマネージャーさんにも、凄く良い本だと褒めていただきました”
など満足度の高さが伺えます。
高齢者だけでなく、皆で交流できる点はコミュニケーション的にもオススメです。
ひとり暮らしの高齢者の方でも近所の方と、離れて住む家族が集まったときなんかにも話題の1つになりそうですね。
認知症の診断方法
「もしかしたら認知症かもしれない」
本人または親御さんが認知症の疑いがある場合、早めに医療機関に受診してください。
症状を悪化させないように対処することが望まれていて、それができるだけ早めに診察を受けることだといわれています。
普段からかかりつけの医院がある場合はそちらでまず相談するのがよいでしょう。
特にかかりつけの医院がない場合は
・精神科
・脳神経科
・心療内科
など、認知症を専門とする医院で診断を受けるように手はずを取るのがよいでしょう。
認知症専門医の他に、各地域にある地域包括支援センターへ相談するのも1つです。
・どんな症状が見られるのか?
・その症状はいつから?
・きっかけ(症状発症前の事故や病気の有無)
など、家族の方は診察で聞かれることになるかと思います。
診察前にメモなどにまとめておくのが好ましいです。
また、家族が気になっていることや不安・心配なことも合わせて診察時に聞くようにするのがよいでしょう。
認知症初期症状の疑いがある方に「認知症かもしれないから診断しよう」と話しても、診断することを嫌がって抵抗するケースも実際にあります。
その場合はごく気軽な雰囲気で本人に声掛けするのが良いといわれています。
例)「健康診断に行こう」など
ひとり暮らしで「認知症かもしれない」と思ったら
家族と離れて暮らしている場合は家族へ連絡、他には地域包括支援センターや、お住まいを管轄する市区町村の役所に相談するのがよいでしょう。
地域包括支援センターは介護を受けたいと思う方が相談できる窓口になっています。
認知症に限ったことではありませんが、ひとり暮らしの場合はお住まいを管轄する役所に「ひとり暮らし」であることを伝えておくと、「もしもの時」に役立つことに繋がります。
また、地域包括支援センターが何処にあるのかわからないという方は、お住まいを管轄する役所または市区町村のホームページをチェックしてみましょう。
認知症の人の対応
認知症は本人にとっても家族にとっても切実な問題であり、高齢化が進む中、その対応については重要です。
特に企業の場合、”認知症の顧客への対応のあり方”は大きな課題にもなっています。
家族間においても認知症をできる限り正しく理解して、当人に対応したいものです。
介護
▼自宅介護
「認知症の親の介護に疲れた」など、認知症患者の介護は実際に行った方にしかわからない苦労・心労があるものです。
例えば、ご自宅で家族の誰かが認知症の方を介護する場合のポイントを具体的に挙げると
・怒らない(大声で叱らない)
・指図や指摘をしない
・否定しない
・議論しない(口論は避ける)
など、他には孤独や不安感を感じさせないことも大切だといわれています。
「ご飯できたよ」
「今夜テレビで●●あるよ」
といった形で時々話しかけてあげたり、交流機会を増やして孤独や不安感を募らせないようにするのも効果的です。
なぜなら不安な気持ちにさせることは認知症を悪化させてしまうためです。
認知症の方の行動を把握することも重要です。
食事やトイレ・睡眠など習慣的なことを理解することで、ちょっとした変化に気がつくことができ、対処に繋がります。
▼介護に疲れてしまうその前に
家族の介護ではどうにもならない時もあるかと思います。
家族の心身ともに負担が大きく、いわゆる「介護疲れ」として疲労やストレスが溜まるケースは実際にあることです。
「なんで伝わらないんだろう」
「どうしてわかってくれないのだろう」
といった思いで怒り口調や実際に怒鳴ってしまったり、ひどい場合は憎悪の感情も生まれてしまったり。
それだけ認知症の方を介護するというのは簡単ではない現実があります。
例えば1人で介護を行っている場合は、ご自身が潰れてしまわない内に、抱え込まずに周囲を頼りましょう。
誰にも頼らずにいると、介護する側は心が折れてしまい、認知症の方にとって必要な存在なのにまともに介護することができなくなってしまいかねません。
▼介護に疲れてしまったら
介護に疲れてしまうというのは、それだけ認知症の方の症状が進行して悪化しているとも考えられます。
各種窓口ではどうにもならない場合もあるかもしれません。
その場合、認知症の方の症状の具合などによっても変わってきますが、ホームヘルパーさんの訪問介護などの介護サービスを利用する方法は頼りになるものですし、介護疲れの解放にも繋がります。
詳しくは、介護サービスについて詳しく解説している関連記事をご覧いただければと思います。
要介護の程度や本人の意思など、状況に応じて介護サービスを検討をするのが賢明だといえます。
看護
認知症において、各団体・協会では様々な取り組みがなされています。
看護職能団体である日本看護協会は、認知症看護の専門家育成や全ての看護職が関わる問題として、認知症の基礎・基本知識が学べる入門書『認知症ケアガイドブック』を作成しています。
認知症マニュアルともいえる同ガイドブックは、日本看護協会のホームページよりダウンロード(PDF形式)することができるようになっています。(2019年11月現在)
看護職でなくとも知識として、そして役立つ情報としてまとめられた内容になっているものです。
同ガイドブックの一部に目を通してみましたが、認知症の基本的な知識・家族支援など図表を使ってわかりやすく記述されています。
気になる方は日本看護協会のホームページをチェックしてみるとよいでしょう。
※『認知症ケアガイドブック』は一部のみ公表されているものがダウンロード可能です
認知症の寿命
認知症になると寿命はどれくらいなのか?
気になる方は結構いるようですが、認知症を患った場合、どれくらいの寿命なのかは個人差があると思います。
なぜなら、ひと口に認知症といっても原因がアルツハイマー型なのか、発症する症状が中核症状または周辺症状(BPSD)なのか、これらを考えた時に個人差があるためです。
他にも、特養老人ホームに入るほど要介護の状態なのか、若年での発症なのか等も個人差があります。
つまり、「認知症になると寿命は〇年」という目安的なものは無いと考えられます。
「数年から10年」
「4~6年」
「3年くらい」
「90何歳まで生きた」
といった声も上がっていますが、いずれも「認知症だから」と明確なものではないと思います。(たまたま該当する等は考えられます)
認知症は治るのか?
結論からいうと、治る認知症と治せない認知症があります。
治る認知症に関しては、認知症患者全体の約1割(治療可能な認知症)だといわれています。
▼治る認知症
治る認知症としてよく挙げられるのが慢性硬膜下血腫です。
疾患:慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)
症状:頭をぶつけたりした時に脳と頭蓋骨の間にできる血の塊によって脳が圧迫される(痛みや麻痺・意識障害が発症)
治療方法:手術・漢方薬
※早期発見の場合(発見が遅れると手術で完全に治せない場合がある
ウィキペディア(Wikipedia)では、慢性硬膜下血腫について次のように記載されている箇所があります。
認知症に似た症状もみられる事から、認知症と混同されてしまう場合もある。
これを認知症という定義で言うならば治療可能な認知症の代表と言う事が出来る。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
こうした記載からすると、「慢性硬膜下血腫=認知症」と捉えられるか否かは見解が二分化しそうです。
他には、脳の炎症・栄養障害や甲状腺機能低下症といった疾患によって認知症となることがありますが、いずれも治療することで治る認知症・治せる認知症といわれています。
▼治せない認知症
・アルツハイマー型認知症
・レビー小体型認知症
どちらも根治方法はなく、進行を止める・回復するという治療法は現在存在していません。
ただ、理学療法などで症状改善は可能だといわれています。(進行を遅らせる)
また、三大認知症の残りの1つである脳血管性型認知症ですが、死滅した脳細胞を復活させることはできないため根治方法はないといわれていますが、元に戻る可能性があるともいわれています。
どんな状態なのか・どんな症状なのかを早期発見できるようにするためにも、「認知症かも」と感じたらできるだけ早めに受診することが大切!
認知症と終活
認知症になると、それまで当たり前にできていたことができなくなっていきます。
日常生活が困難になり介護が必要な状態になると、介護してくれる家族の負担は大きくなります。
本人・家族ともに切実な問題である認知症による判断能力の低下は、終活する上で直接的に関わってきます。
だからこそ終活する上でも認知症のことを考えた行動は大切になってくるものです。
認知症によって判断能力が低下することで
・普段の自身の生活に必要なお金の管理ができない
・自身の財産管理(預貯金や土地・不動産の把握ができない)
・契約書など正常な判断ができない
などの不都合が生じてきます。
また、高齢者を狙う詐欺などに騙されてしまう可能性もあります。
認知症によって、今まで当たり前だったことができなくなる
ということを踏まえると、終活として自身または親が元気なうちに認知症など「もしもの時」の対策をしておく必要性があるわけです。
終活する上での認知症対策については幾つかあります。
・エンディングノートを書く
・遺言書の作成
・成年後見制度の利用
順にそれぞれ解説していきます。
エンディングノートを書く
終活の必須アイテムでもあるエンディングノートですが、元気なうちに書いておくことがポイントです。
自身にしても両親にしても、元気なうちにエンディングノートを書き、もしもの時に役立てるようにするとよいでしょう。
▼認知症エンディングノートに書く内容
基本的には自身のことを家族へ伝えるメッセージを綴るのがエンディングノートですが、
認知症で要介護になった場合の対処
について書いておくようにしましょう。
例)
「家族へ負担はかけたくないから老人ホームなどの施設を希望する」など。
お金のことに関しては、自身の預金情報や株取引などを行っている方は証券口座・ネットバンクの情報も合わせて書くようにしましょう。
もしも自身が認知症になってしまったら、判断能力の低下などから資金運用の類はまともにできなくなります。
その場合、証券口座を解約したりするのは家族です。
少しでも家族の負担を減らすためにもお金の情報は書いておくのが好ましいです。
遺言書の作成
財産の情報をエンディングノートに書いておくのは好ましいですが、遺言書を作成する方法もあります。
エンディングノートに財産の情報を細かく書くのも残された家族にとって役立つものだと思いますが、法的効力がありません。
ですが、遺言書には法的効力があります。
土地や不動産など大きな不動産を持っている場合だけでなく、「財産で揉めそうだな」と考えている場合にも遺言書は効果的だと考えられます。
遺言書には幾つか種類があるので、各都合に適したタイプのものを作成するのが好ましいです。
以下の記事で遺言書の種類や意味について詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
成年後見制度の利用
成年後見制度(せいねんこうけんせいど)とは、認知症など判断能力が不十分とされる成人の方を支援・保護する制度のことです。
それぞれ支援・保護の観点では同じですが、後見人の選任方法・権限に違いがあります。
法定後見制度とは
法律的に後見人を選任し、被後見人(判断能力が不十分と考えられる人)を支援・保護する制度
本人や配偶者、四親等内の親族などの申立により家庭裁判所が後見人を選任する
任意後見制度とは
本人に十分な判断能力があるうちに、ご自身で後見人を選ぶことができる制度
法定後見制度とは違い、法律的に後見人を選任するのではなく、本人と後見人になってほしい人の間で結ぶ契約で、この契約を「任意後見契約」という
自身で後見人を指定したい場合は、「任意後見制度」を利用するとよいでしょう。
成年後見制度に関して、概要的なところは上記の通りですが、表面的なことだけではわからないところもあります。
残念なことに、「支援や介護なんて何もしてくれない」という”悪徳後見人”もいるようです。
そういった意味では後見人選びはとても重要になってきます。
以前、当サイトの読者様よりいただいたメッセージ(掲載許可了承済み)ですが
先日、障害者施設の運動会にボランティアで行った時のこと。
そこで見た後見人とその利用者の方の関係がとても素敵でした。
後見人の方は競技も利用者と一緒になって笑い、一緒になって汗をかいて楽しんでいました。
利用者と後見人のその姿はとても良い雰囲気で、「信頼できる後見人だなぁ」と思いました。
私は「あの後見人の方、良い人ですね」って利用者の方に言ったんです。
そしたら利用者の方は 「小さい地域は評判がわかるから選びやすい面がある」
そうやって言われて私は後見人制度を利用する皆がこんな素敵な関係性を築けたらいいのにと思いました。
いただいたメッセージを読み、当サイトとしても気持ちが温かくなりました。
後見制度については、ニュースなどでもたびたび話題に上がることも多いです。
2018年末時点で認知症や障害で支援が必要な方は数百万人、対して実際に後見制度を利用している方は20万人程度しかいないそうです。
民間の取り組みには頭が下がる面もありますが、利用者第一であることや利用者の意思に沿った形で、より後見制度が利用しやすいものになっていけばと願います。
まとめ
認知症は本人の気持ちを汲み、その思いに寄り添うことが大切です。
言葉ではこうやって簡単に書くことができますが、現実は綺麗ごとでは通らない時が幾つもあるかと思われます。
認知症の方は自身の変化に戸惑い、様々な不安を抱えています。
記事中でも触れましたが、認知症において重要なのは
本人や家族が「もしかしたら認知症かもしれない」と少しでも思ったら、できるだけ早めに専門医で診察
ということで、終活する上でも大切なことです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
以下の記事では「介護が必要になった時の備えのための脱毛」についてまとめています。
近年、介護脱毛を行う方は増えてきています。
「終活で脱毛なんて盲点」と感じられる方ほど目を通しておいてほしい内容です。