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人生の最期を迎える前に様々な準備をしたりすることを日本では「終活」としています。
ただ、基本的には終活は日本独自の考え方で、海外の終活は「いわゆる日本の終活」とは違ってきます。
今回はアメリカの終活事情について色んな目線でスポットを当てて紹介したいと思います。
▼この記事を読んで理解できること ・アメリカの終活はどんなもの? ・資産管理、財産設計について ・葬儀事情 ・財産分与について ・アメリカの「とある霊園」のお話 ・アメリカインディアンの死生観 |
目次
アメリカの終活
「そもそもアメリカでも日本みたいに終活してる人っているの?」
答え.います
日本人のように「自分が死んだら身内だけの家族葬で」といった葬儀プランを考えたりすることはありません。
そのため、日本の終活とは少し違います。
アメリカでは資産管理に重きを置いている人が多いです。
アメリカで一発当てて大金を得ることを「アメリカンドリーム」なんて言いますよね。
それだけお金持ちが多いから、資産管理の重要性も高くなるというのは何となく想像できます。
そう考えると、
「一般の人は関係なさそう」
と思ってしまいがちですが、財産の大小に関係なく、資産管理は一般の人でも行っています。
資産管理こそが、アメリカでは日本の終活に相当するものだと思います。
でも、資産管理がどうして日本の終活に相当するところがあるのか、読んでる皆さんはちょっとフワっとしていますよね。
なのでもう少し資産管理を具体的に説明できないかと考えたところ、「これがアメリカの終活なのでは?」と感じたことがあります。
アメリカの終活とは、エステートプランニングである
アメリカの終活、それはエステートプランニングだと思います。
意味や内容について、これから説明していきます。
エステートプランニングで生前財産設計
エステートプランニング(Estate Planning)とは、財産設計のことをいいます。
※エステート=財産、プランニング=設計
アメリカでは自分で築いた財産を、本人の死後どうやって分配するのか?
また、どんなふうに活用するのか?
この二つのことを生前のうちに設計します。
というのが財産設計です。
自身で築き上げたお金は、やはり自身の望む形で使われてほしいと考えるのが一般的ですよね。
そういった部分は日本人と近い考えなんだと思います。
エステートプランニングは日本でいう「相続」の意味合いも含まれます。
✔ Living Trust(リビングトラスト)…生前信託
✔ Will(ウィル)…遺言
✔ Power of attorney for finances(パワーオブアトーニーフォーファイナンス)…財産に関する委任状
✔ Power of attorney for medical(パワーオブアトーニーフォーメディカル)医療委任状
上記4つの書類はエステートプランニングに必要不可欠となります。
日本とは違ってアメリカは州ごとに法律が違ったり、かなりの数の弁護士がいます。
その中からエステートローヤー(財産設計専門の弁護士)を探すことから始めなければいけません。
参考までに、エステートローヤーに支払う費用の平均相場は20万円台~30万円前後(上記4つの書類を揃えて作成する費用)
エステートプランニングを行うタイミングは人それぞれです。
そういった中でも、子供の誕生をキッカケに行う方は「きちんと財産設計を考える人」という印象です。
子供の存在というのは離婚時の財産分与に大きく関係してきます。
⇒詳しくは【日本の慰謝料はアメリカでは財産分与】で解説しています。
自身の財産設計をきちんと考えている方は、子供の誕生をキッカケにエステートプランニングを行うケースが多いです。
わかりやすく例えるなら、日本人でも貯金をするタイプとあまり後先考えないで散財してしまうタイプの人がいますよね。
生き方はそれぞれですし、お金を計画的に使わないことが悪いということではありません。
ただ、あまりに自分のお金に無頓着だと、後々でとてもしんどい思いをしてしまうという事態になりやすいです。
「きちんとエステートプランニングをする人」というのは、自身のお金に対して計画性のあるタイプの人です。
話を戻しますが、夫婦間に子供がいると、もしも離婚となったとき、子供の幸せが最優先で考慮されることになります。
「子供ファースト」ということです。
子供ファースト、素晴らしいことですよね。
自分たちの子供のことを一番に考えるというのは、日本人も共通している部分ではないでしょうか。
アメリカでは養子縁組が日本よりも多く行われているため、フォスターケア(里親制度)が整っています。
ですが、「子供ファースト」を考える実親側からすると「本当に子供は幸せなのか?」というフォスターケアへの懸念もあるそうです。
「子供が望んでないんじゃないか…?」
そう考えるのは実の親なら当然でしょうね。
そういった気持ちはとてもよく理解できます。
アメリカの葬儀事情
国や文化が違えば宗教観の違いはありますが、アメリカの葬儀事情について気になる方もいるかと思います。
以下、簡単な解説とともに日本との違いをさっと紹介します。
葬儀形式 | |
日本:仏教(90%以上が仏式葬儀) | アメリカ:キリスト教式 |
アメリカではおよそ70%がキリスト教を信仰していて、キリスト教式で執り行われる葬儀が多いです。
キリスト教式とはいっても、日本のキリスト教式の葬儀とはまた違った形になります。
ちなみに、日本では仏教のお通夜にあたる儀式はキリスト教でも前夜式など行われますが、それは日本独自のものです。
アメリカでは故人と面会をするViewing(ビューイング)が行われるのが一般的です。
服装 | |
日本:喪服が基本 | アメリカ:基本的には黒一色 |
日本の場合は遺族はもちろん、参列者も喪服を着用するのが一般的ですが、アメリカの葬儀時の服装は喪服というよりは黒一色(フォーマルなブラックスーツなど)を着用します。
ただ、それも遺族と葬儀社の人ぐらいです。
参列者は葬儀の際フォーマルな黒が一般的ではあるものの、必ずしも黒で統一されているわけではありません。
ビューイングのときに少し明るめな色合いの服装の方もいるようです。
香典 | |
日本:用意するのが基本 | アメリカ:メッセージカード付きの花 |
香典の用意は日本では基本であり、葬儀マナーともいえますが、アメリカの場合は香典の習慣がありません。
日本でいう香典の代わりに、メッセーカードを添えた花を贈るようです。
ちなみに、日本では人が亡くなると訃報を知らせる死亡通知(身内や親しい間柄だとメールや電話)を出しますが、アメリカでは故人の遺族によって死亡広告を出すのが一般的となっています。
埋葬方法 | |
日本:火葬 | アメリカ:土葬または火葬 |
現代の日本の火葬率は、ほぼ100%(99%超)。
アメリカは土葬がメインですが州や地域によって火葬のところもあります。
土葬が多い理由から、遺体にはエンバーミングという衛星保全が施されることがほとんどです。
エンバーミングについて詳しくは下記の記事で取り上げています。
気になる方は一度チェックしてみてください。
日本の慰謝料はアメリカでは財産分与
上の画像はamazonの最高責任者ジェフ・ベゾス(55)さんです。
アメリカの大手経済誌フォーブスの世界長者番付でランキング1位の大富豪です。(2019年発表)
ジェフ・ベゾスさんの資産は、日本円で14兆4,000億円超えというとてつもない資産を所有しています。
2019年1月に奥さんと離婚した際、慰謝料は「15兆円を折半か!?」「慰謝料7兆円」などと報じられたりもしました。
先日、日本でも「世界のキタノ」ことビートたけしさんが離婚しましたね。
「たけしさんなりの終活では?」と思われる方もいるようですし、日本では熟年離婚するのも終活の一環だという声もあります。
たけしさんが出演するテレビ番組「世界まる見え!テレビ特捜部」内で、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで有名な米俳優ジョニー・デップさんの離婚慰謝料に関し、「手切れ金が125億?オイラのほうが多いじゃねーか」とコメントし、スタジオ内は笑いに包まれていました。
番組以前から一部の報道などで、たけしさんの慰謝料って「200億」とか「数百億」と言われていたんですよね。
それにかけて笑いと取る。
さすがたけしさんといった感じがしました(笑)
でも…
心中はどうなんでしょう?
有名人は大変ですね(汗)
ジェフさんの離婚が終活を意識してのことなのか、真意はわかりませんが…
ただ、日本でいう「慰謝料」(精神的被害に対する損害賠償)という名目は、アメリカにはありません。
正確にいうとアメリカでは基本的に慰謝料という言葉はなく、「財産分与」という名目になります。
その財産分与の金額がジェフさんの場合、とんでもない額になるわけでしょうけれども(汗)
参考までに、日本の慰謝料の平均は50万円~400万円ほど。
高額でも500万円といわれています。
アメリカの離婚問題は、財産分与に関して少し不透明に感じてしまいます。
なぜなら、アメリカは州法といって、州ごとに法律が異なるからです。
ちなみにCommunity property state(コミュニティプロパティステート)*の場合、結婚期間中に築いた資産が夫婦どちらの名義でも共有財産(夫婦二人の)とみなされて、50:50で分けられるそうです。
※コミュニティプロパティステートとは、「コミュニティプロパティ」制度を採用している州のこと
▼参考:コミュニティプロパティステート
・アイダホ州
・アリゾナ州
・ウィスコンシン州
・カリフォルニア州
・テキサス州
・ニューメキシコ州
・ネバダ州
・ルイジアナ州
・ワシントン州
上記9つの州がコミュニティプロパティ制度で夫婦間の財産分与が決まっているということです。
あれ…
ジェフ・ベゾスさん、ワシントン州に大豪邸持ってます。
出典:https://www.private-jet-fan.com/jeff-bezos.html
ということは、報じられている「15兆円を折半か!?」というのは…本当にそうなのかも知れませんね。
ちなみに他にも不動産は所有しているみたいで、ジェフ・ベゾスさんの財産目録には複数ある物件が含まれているそうです。
あわせて読みたい終活.comの財産目録について |
ジェフさんには子供もいますが、離婚してひとり親になった場合、アメリカと日本どちらが良いのか?
なんてこともちょっと考えてしまいます。
日本だと「ベビーカー問題」などありますが、子供ファーストなアメリカでは電車や公共スペースで日本のような問題視されることはないみたいです。
ただ、ベビーシッターを探すのがなかなか大変らしく、ひとり親で仕事を持っている方だと苦労するケースは少なくないようです。
ほかにもアメリカは日本のように国民健康保険がないため、民間の保険に加入する必要が出てきます(費用も個人負担)。
日本とアメリカ、比べても一長一短といった感じはします。
あわせて読みたい終活.comのシングルマザー(ひとり親)について |
ハワイにある世界で最も美しい霊園
ハワイ州のオアフ島にあるバレー・オブ・ザ・テンプルズ・メモリアルパーク(Valley of the Temples Memorial Park)は、世界で最も美しい永久管理霊園だといわれています。
ラスベガスの夜景も綺麗でいいですけど、あまりにも霊園が絶景すぎて動画を何回も見返してしまったほどです。
動画の1:11~1:14に映っている和風な建物、見覚えありませんか?
バレー・オブ・ザ・テンプルズ・メモリアルパーク(以下、バレー)の敷地の最奥部には、10円硬貨のデザインで有名なお寺「平等院鳳凰堂」があるのです。
正式には平等院テンプル(Byodo-In Temple)と呼ばれ、京都にある平等院鳳凰堂をモチーフに1968年に建てられたものです。
平等院テンプルは現地の住民をはじめ、日本人も結婚式場として使われたりしています。
日本人俳優・真田広之さんが出演していた人気海外ドラマ「LOST」で、韓国人夫婦が結婚式を挙げるシーンのロケ地としても平等院テンプルが使われました。
▼そのシーンがコチラ
LOST好きな日本人は多いみたいですし、「このシーン覚えてる!」と、記憶にある方もいるのでは?
amazonでは最近のレビューは少ないものの、未だに評価4です。
面白い作品は時間が経っても何度も観たくなりますもんね。
ちなみに…
日本人がハワイのお墓を購入するにはどうしたらいいのか?
中には気になる人もいらっしゃるのではないかと思います。
実は、バレー・オブ・ザ・テンプルズにはお墓や納骨堂が20種類以上あり、日本人でも購入可能なんです。
「でもハワイ…アメリカですけど!?」
そう思うことでしょう。
ですが、
国籍や居住地に関係なく
宗教や宗派問わず
ビザや永住権も必要なく購入可能なんです!
霊園を管理しているのはアメリカの会社ですが、ハワイで終活プランナーとして活躍される日本人・花水恵美さんが日本統括ディレクターをされています。
そのため、日本人にも接しやすく、細かなところまで相談もできるのではないかと思います。
最期の地がハワイ、なんて考えも個人の自由ですし全然アリだと思います。
日本人にとって馴染みのある場所ですし、好きな方にはとても興味深いのではないでしょうか。
霊園には日系や中国系、韓国系やポルトガル系などの国籍、信仰も仏教・神道・キリスト教・無宗教と様々な人々が葬られているようです。
気になる方は一度問い合わせてみるとよいでしょう。
▼問い合わせ先
ETERNAL RESORTS(エターナル・リゾーツ)
※花水さん率いる日本人チームのオフィスは平等院の2階にあるそうです
アメリカインディアンの死生観
最後にちょっと深い話をしてみたいと思います。
皆さんはアメリカインディアンってご存知でしょうか?
ものすごく簡単にいうと北アメリカの先住民です。
あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。
だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい。
この言葉はアメリカインディアンの教えですが、終活の本質的なところに通ずる言葉なんじゃないかと思います。
「人生の最期はどうしたい?」
まるでそうやって問いかけられているように思いませんか?
上に書いた名言のような言葉はたくさんありますが、アメリカインディアンは「死」というものに対して恐怖心がなかったようです。
「生」と「死」は別々のものではない、というのが彼らの考えです。
思想や哲学的な観点だと話が長くなってしまうので割愛してわかりやすくいうと「生と死はサイクル」という考えなのです。
日本人が行う終活って「死について考える」というものですよね。
もっと「生」のほうも考える終活があってもいいんじゃないかと思います。
例えば「生きてる間にもっとこんなことがしたい、あんなことがしたい」とか。
もちろん単に自己中心的なものになって、周りの人に迷惑をかけてしまうことがない範囲で。
欲は人それぞれだと思いますし、決して「欲張れ!」って意味で言ってるわけではありません。
「死」のほうばかりに目を向けるのではなく、「生」の部分をより考えることでバランスのよい「終活」になるんじゃないでしょうか。
アメリカインディアンについて触れましたが、あわせて一本だけ映画もここで紹介させてください。
【この映画について】
生きる勇気とは何か?
幸せとは何か?
それを描きたかったというジョニー・デップが監督・脚本・主演の「ブレイブ」という映画です。
ネタバレしない程度に簡潔にいうと、「生」と「死」に向き合えることのできる内容になっていると感じました。
ちなみにジョニー・デップは実際にアメリカインディアン・チェロキー族の血を引いていることでも注目された一本です。
興味がある方は是非!
「大事なことはあの本から学んだ」
「大切なことはあの映画から教わった」
本にしても映画にしても、周りが自身に与える影響ってたくさんありますよね。
「自分だけでは引き出せない力」を引き出してくれるというのか、人が話す言葉にも影響力はありますし。
例えばこの記事を見て「最期の地はアメリカが良いな」と思う方もいるかもしれません。
世界一美しい霊園バレー・オブ・ザ・テンプルズを「死ぬまでに行きたい終活スポット」として考える方もいるかもしれません。
すでに終活を行っている方も、これから終活をしようと考えている方も今一度、自身の死生観を考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
アメリカの終活について紹介しました。
私的感想としては、色んな意味で「さすがはアメリカ」と感じるところが多く、お金のスケールの大きさを垣間見たような気がします。
離婚問題などアメリカでの原体験こそ私はありません。
ただ、「日本とアメリカの終活、違いはココ!」といったよくありそうな切り口では取り上げたくなかったのです。
そんなイージーな内容でお届けするのではなく、アメリカという大きな題材をいかにウィットに飛んだ形でお送りできるか?
そこに重きを置きましたが、いかがだったでしょうか?
若い世代の人たちからすると、アメリカという国は「夢が見れそうな国、夢を見させてくれそうな国」
あるいは「いつかは住んでみたい」そんな場所なのではないでしょうか。
~編集後記~
私は現在40歳で、親はまもなく70歳の古希を迎えます。
ハワイの霊園バレー・オブ・ザ・テンプルズのことや、アメリカインディアンの「生」と「死」の向き合い方なんかと話してみたところ、こう言われました。
「アメリカらしいといえばらしいね。人それぞれ価値観はあるのが素敵。アメリカインディアンの話は昔ながらの日本人の考えと似たところがあるわね。お盆でご先祖様を帰ってくる、迎えるためにお墓にお供えものしたりするでしょ?考えとしては似てると思うわよ」
と。
やはり捉え方って大切です。
もっというと「どう捉えるのか?」でその人のこれからが今までとは違ったものになるような気がします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
至らない点もあったことかと思います。
最後に、アメリカインディアンの話でも書きましたが、もう一度私からも問いかけさせていただきたいです。
「人生の最期はどうしたいですか?」
今後とも終活.comをどうぞ宜しくお願い致します。