有名人・芸能人の終活|報道から学べることと真似できないこと

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テレビや記事で、有名人が自分の終活について語る場面が増えました。お墓を決めた、身の回りを片づけた、家族に希望を伝えた。こうした話は関心を集めますが、そのまま真似すると危険な部分もあります。資産の規模も、頼れる専門家の数も、公表を前提にしているかどうかも違うからです。この記事は、報道の何を参考にして、何を参考にしてはいけないかを整理したものです。

この記事の結論

  • 参考にしてよいのは「態度」であって、「中身」ではありません
  • 最大の学びは「終活は口に出してよい」と分かること
  • 費用・専門家・家族構成が違うため、やり方はそのまま使えません
  • 「あの人がやっていた」で契約しないでください
  • 報道は家族に切り出すきっかけとして使うのが最も有効です

この記事でわかること

  1. 有名人の終活が話題になる理由
  2. 報道で取り上げられやすいテーマ
  3. 報道から学べる5つのこと
  4. 真似してはいけない3つのこと
  5. 「あの人がやっていた」で契約しない理由
  6. 報道を家族との会話に使う方法(文例つき)
  7. 自分の場合に置き換える手順
  8. 訃報の報道から学べること

有名人の終活が話題になる理由

3つの事情が重なっています。

  • 語れる立場にある人が増えた長く活動してきた方が、その年代に差しかかっています。自分の言葉で語れる機会と場を持っています。
  • 終活が話しにくい話題だからふつうの人は人前で語りません。だからこそ、公に語られると注目されます。
  • 「あの人でもそうなのか」という安心読む側が求めているのは情報より、自分だけではないという確認です。

3番目が本質です

終活の話題が伸びるのは、手続きの情報が知りたいからではありません。「考えているのは自分だけではない」と確かめたいからです。ここを理解しておくと、報道の使い方が分かります。

報道で取り上げられやすいテーマ

テーマなぜ話題になりやすいか
お墓を決めた目に見える形があり、費用も想像しやすい
身の回りを片づけた誰にでも当てはまる。写真が撮れる
遺言書を書いた資産があるほど関心を持たれる
延命治療の希望を決めた重いが、共感を呼ぶ
親を看取った経験同世代が自分に重ねられる
ペットのこれから関心を持つ層が広い
仕事をどう終えるかその人らしさが出る

「片づけ」と「お墓」に偏るのには理由があります

どちらも目に見えて、説明しやすいからです。逆に、口座の整理や保険の見直しといった地味な作業は、ほとんど報じられません。報道されないことのほうが、実は家族にとって重要だという点は覚えておいてください。

なぜ笑いの仕事をしている人の終活が語られやすいのか

この分野の話題が目立つのには、理由があります。

理由内容
重い話題を軽くできる笑いに変えることで、聞く側の抵抗が下がる
自分を題材にできる身内の話を素材にする文化がある
話す場がある語る機会が日常的にある
世代が重なっている視聴者と同じ年代の演者が多い

「重い話題を軽くできる」が最大の貢献です

終活が広まらない最大の理由は、縁起でもないと感じられることです。それを笑いを交えて語れる人がいることで、話題そのものが日常に降りてきました。この点は、情報の中身より大きな意味があります。

報道から学べる5つのこと

学べること自分に使えるか
1終活は口に出してよいそのまま使える
2早く始めてよいそのまま使える
3明るく扱ってよいそのまま使える
4家族への伝え方の形参考になる
5手放す判断の考え方参考になる

学べること1:終活は口に出してよい

これが最大の価値です。多くの人は、家族にすら切り出せません。「縁起でもない」と言われるのが怖いからです。

ところが、公の場で終活を語る人がいると、「話してよい話題なのだ」という前提が共有されます。この効果は、どんな解説記事よりも大きいものです。

この1点だけでも、報道を見る価値があります

内容を覚える必要はありません。「あの人が話していたよ」と家族に言えるようになること。それだけで、切り出すハードルが下がります。

学べること2:早く始めてよい

報道で語る方の年齢は、思ったより若いことがあります。40代、50代で始めたという話も珍しくありません。

よくある思い込み実際
終活は70代からするもの年齢の決まりはない
病気になってから考える元気なうちのほうが選択肢が多い
親が先、自分は後両方が同時に必要になることが多い
まとまった時間が要る30分でできることがある

始める時期の判断は終活はいつから始める?年代別やることリストにまとめています。

学べること3:明るく扱ってよい

終活を深刻に語らなければならない理由はありません。笑いながら話せるなら、そのほうが続きます。

  • 「これ、誰も欲しがらないよね」と言いながら片づける
  • 「私の葬式、絶対に泣かないでね」と冗談で伝える
  • 家族で笑いながらノートを埋める
  • 「終活」という言葉を使わずに進める

深刻にするほど、家族は逃げます

正面から「大事な話がある」と切り出すと、身構えられます。軽く扱えることは、能力です。報道でその手本が見られるのは、実用的な価値があります。

学べること4:家族への伝え方の形

報道でよく見る伝え方使えるか
書き残して、場所を伝えるそのまま使える
元気なうちに一度話しておくそのまま使える
子ども全員に同じ話をするそのまま使える
専門家を交えて話す費用による
公に発表する一般には不要

3番目は見落とされがちですが重要です

子どもが複数いる場合、一人ずつ別々に話すと、あとで話がずれます。「兄には別のことを言っていた」という不信が、もめる原因になります。同じ話を、できれば同じ場でしてください。

学べること5:手放す判断の考え方

長く続けてきた仕事や趣味を、いつどう終えるか。ここは参考になる部分です。

  • やめどきを自分で決める周りに言われてからでは遅い、という考え方。
  • 段階的に減らすいきなり全部やめず、量を減らしていく形。
  • 次の人に渡す自分で抱え込まず、引き継ぐという発想。
  • 関わり方を変えて続ける第一線を退いても、関わり続ける方法がある。

趣味の終い方についてはゴルフ終活終活でバイクじまいでも具体的に扱っています。

真似してはいけない3つのこと

ここからが、この記事で最も伝えたい部分です

報道で語られる「やり方」そのものは、たいてい参考になりません。前提が違いすぎるからです。

真似できないこと何が違うのか
費用の規模使える金額の桁が違う
頼れる専門家顧問の弁護士・税理士がいることがある
公表を前提にしている語る目的が、私たちとは違う

真似できない1:費用の規模

報道でよく出る話一般の家庭では
希望どおりの墓を用意した費用の制約が先に来る
専門の業者に片づけを依頼した自分でやるか、量を減らす
生前に大きな贈与をした税と生活費の兼ね合いがある
複数の専門家に相談した無料の窓口を使う
思い出の品を保管する場所を確保した置く場所自体が課題

費用をかけない終活のほうが、むしろ効果が大きい

家族が本当に困るのは「どこに何があるか分からない」ことです。これは紙1枚、費用0円で解決します。費用をかけずに進める方法はお金がない人の終活にまとめています。

真似できない2:頼れる専門家の有無

報道で語られる終活の多くは、すでに専門家が関わっている状態です。遺言書も、贈与も、契約も、専門家が形にしています。

やりたいこと無料または低額で相談できる先
相続の手続き法務局、市区町村の無料相談
費用が心配な法律相談法テラス
税のこと税務署
介護のこと地域包括支援センター
年金のこと年金事務所
後見のこと家庭裁判所、社会福祉協議会
契約のトラブル消費生活センター

顧問がいなくても、窓口はあります

専門家に払う費用がなくても、無料で相談できる公的な窓口が複数あります。「専門家に頼めないから終活ができない」ということはありません。

真似できない3:公表を前提にしている

ここは意外と見落とされます。公の場で語られる終活は、語ることそのものが目的の一部になっていることがあります。

公表が前提だとどうなるか
話す内容が選ばれている都合の悪い部分は語られない
整った形で語られる迷いや失敗は見えにくい
結論が出た話が中心途中で止まっている話は出ない
家族の同意がある反対されている話は出にくい

うまくいった部分しか語られません

実際の終活は、途中で止まったり、家族に反対されたり、決められなかったりします。報道と比べて「自分はできていない」と思う必要はありません。比べる対象が違います。

「あの人がやっていた」で契約しないでください

著名人の名前は、勧誘に使われることがあります

「有名な方も利用されています」「あの方が選んだ方法です」。こうした説明で契約を勧められた場合、それは判断の材料になりません。その人と自分では、費用も家族構成も状況も違います。

言われ方確認すること
「有名な方も使っています」自分に必要かどうかとは無関係
「テレビで紹介されました」内容と費用を書面で確認する
「あの方と同じ内容です」同じである必要がない
「今日だけの価格です」その場で決めない
「家族には内緒で」明確な危険信号

判断の基準は1つだけです

自分と家族にとって必要かどうか。誰が使っているかは関係ありません。契約してしまった場合でも、一定期間内なら解除できる制度があります。終活サービスの違法契約に注意終活詐欺のよくある手口と対策を参照し、迷ったら消費生活センターへ(無料)。

報道の情報をどう扱うか

  • 制度の話は一次情報で確認する番組や記事で説明された手続きは、要約されていることがあります。必ず公的機関で確認してください。
  • 金額は目安にしない地域と形式で大きく変わります。
  • 時期を確認する制度は改正されます。古い情報が繰り返されることがあります。
  • その人の状況を確認する家族構成、資産、住まい。前提が違えば答えも違います。
  • 「態度」だけ持ち帰るやり方ではなく、向き合い方を参考にしてください。

報道を家族との会話に使う

ここが、この記事でいちばん実用的な部分です。報道は、切り出せない人にとって最高の口実になります。

文例1:親に切り出すとき

この前テレビで、〇〇の年代の人が終活の話をしてたよ。ああいうの、うちはどうなってるのかなと思って。

文例2:自分のことから話すとき

あの番組を見て思ったんだけど、私も通帳がどこにあるか誰にも言ってないんだよね。書いておいたほうがいいのかな。

文例3:判断を求める形にするとき

ああいうの、やっておいたほうがいいと思う? お父さんはどう思う?

文例4:夫婦で話すとき

あの人、笑いながら話してたけど、うちも一度は決めておいたほうがいいかもね。今度の休みにでも。

共通しているのは「他人の話として出す」こと

「あなたの終活の話をしよう」と言うと拒まれます。報道を挟むことで、自分たちの話ではなく一般の話として始められます。そこから自然に自分たちの話へ移るのが、最も成功率の高い進め方です。切り出し方の例文は親が終活をしない理由と切り出し方にまとめています。

自分の場合に置き換える手順

1気になった部分を1つだけ書く「お墓のこと」「片づけ」など、一言で構いません。
2自分の状況と違う点を挙げる費用、家族構成、住まい。前提の差を確認します。
3費用のかからない方法があるか調べるたいてい代わりの手段があります。
4無料の窓口に相談する専門家に頼まなくても、相談先はあります。
530分でできることを1つやる銀行名を書く、連絡先を書く。それで十分です。

訃報の報道から学べること

終活の話とは別に、亡くなったあとの報道からも学べる点があります。

報道で話題になること自分に置き換えると
家族だけで葬儀を行った規模は本人が決めておける
後日お別れの会を開いた時期を分けるという方法がある
本人の希望どおりだった書き残していたということ
相続で関係者が対立した準備がなかったということ
作品や資産の扱いでもめた権利や名義の整理が必要
知らせが行き渡らなかった連絡先の一覧がなかった

もめた話ほど、学べることが多い

「本人の希望どおりだった」という報道の裏には、必ず書き残しがあります。逆にもめた場合は、その準備がなかったということです。どちらの報道からも、やるべきことは同じだと分かります。

結局、参考にすべきは「態度」だけです

参考にする参考にしない
口に出して話す姿勢選んだ墓や施設
早く始めるという判断かけた費用
明るく扱う態度依頼した相手
家族に伝えるという行為伝えた内容そのもの
手放すことを決めた勇気手放し方の具体策

左の列は、費用がかかりません

右の列を真似しようとすると、お金の問題にぶつかります。左の列は、今日から誰でも真似できます。そして家族にとって価値があるのは、圧倒的に左の列のほうです。

よくある質問

有名人の終活は参考になりますか。
態度は参考になります。口に出して話すこと、早く始めること、明るく扱うこと。一方でやり方そのものは、費用も家族構成も違うため、そのままでは使えません。
なぜ笑いの仕事をしている人の終活が目立つのですか。
重い話題を軽く扱えるからです。終活が広まらない最大の理由は「縁起でもない」と感じられることなので、笑いを交えて語れることには大きな意味があります。
報道で紹介された方法を真似してもよいですか。
前提を確認してください。使える費用、頼れる専門家、家族構成が違えば、最適な方法も変わります。とくに費用の規模はまったく違うことが多くあります。
「有名な方も使っています」と勧められました。
それは判断の材料になりません。自分と家族にとって必要かどうかだけで決めてください。その場で契約せず、内容と費用を書面で確認してから判断してください。
報道の制度の説明は正しいですか。
要約されていることがあり、また制度は改正されます。金額と期限は必ず公的機関で確認してください。
報道と比べて、自分は何もできていない気がします。
比べる対象が違います。公に語られるのは、うまくいった部分だけです。実際の終活は途中で止まったり、家族に反対されたりするのがふつうです。
専門家に頼むお金がありません。
無料で相談できる公的な窓口があります。相続は法務局、税は税務署、介護は地域包括支援センター、契約は消費生活センターです。費用が心配な法律相談は法テラスがあります。
親に切り出すきっかけにできますか。
最も有効な使い方です。「テレビでこういう話をしていた」と他人の話として出せば、自分たちの話として切り出すより抵抗が小さくなります。
子どもが複数います。伝え方で気をつけることは。
同じ話を、できれば同じ場でしてください。一人ずつ別々に話すと内容がずれ、「兄には違うことを言っていた」という不信がもめる原因になります。
訃報の報道からも学べますか。
学べます。希望どおりだったという報道の裏には必ず書き残しがあり、もめた報道の裏には準備がなかったという事実があります。どちらもやるべきことは同じです。
結局、何をすればよいですか。
気になった部分を1つ書き出し、自分の状況と違う点を確認し、費用のかからない方法を探してください。そして30分でできることを1つやってください。
費用をかけない終活でも意味がありますか。
あります。家族が本当に困るのは「どこに何があるか分からない」ことで、これは紙1枚、費用0円で解決します。報道されにくい地味な作業のほうが、実は効果が大きいのです。

まとめ

有名人の終活の話には、確かな価値があります。ただしそれは、情報の中身ではありません。「終活は口に出してよい話題だ」という前提を作ってくれることです。

一方で、やり方そのものは参考になりません。使える費用が違い、頼れる専門家がいるかどうかも違い、そもそも公表を前提に語られているからです。うまくいった部分しか語られないという点も、忘れないでください。

そして「あの人がやっていた」で契約しないでください。判断の基準は、自分と家族にとって必要かどうか。それだけです。

いちばん有効な使い方は、家族に切り出すきっかけにすることです。「テレビでこういう話をしていたよ」と他人の話として出せば、正面から切り出すより、ずっと自然に会話が始まります。

そのうえで、今日やることを1つ。銀行名を紙に書く。連絡してほしい人の名前を書く。報道されることはない地味な作業ですが、家族にとって最も価値があるのは、こちらのほうです。

本記事は、編集部が終活が話題として扱われる背景を一般的に整理したものです。特定の個人の氏名・発言・私生活に関する記述は行っておらず、特定のサービスや事業者の紹介・順位付けも行っていません。報道等で紹介される制度の説明は要約されている場合があり、また制度は改正されることがあります。手続きの期限や金額については、法務局、税務署、年金事務所、市区町村の窓口、地域包括支援センターなどで最新の情報をご確認ください。契約に関するトラブルは、消費生活センターが無料で相談を受け付けています。

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