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葬儀関係の花は色々とあります。
一本花(読み方:いっぽんばな)も、その中のひとつとなっております。
枕花と混同される人も多くいますが、葬儀の過程で一番初めに用意する花となっているので正しい知識を身につけておきましょう。
▼この記事を読んで理解できること ・一本花の意味 ・一本花を用意する人と時期 ・一本花によく使う樒(しきみ)について ・宗教ごとの一本花について など |
目次
一本花とは
「一本花って何?」
はじめに「一本花」の意味について紹介したいと思います。
一本花とは、枕飾りに置く花のことをいいます。
枕飾りとは、ご遺体を自宅に安置しているときに、枕元へ置く供物台のことです。
ウィキペディア(Wikipedia)に「一本花」の項目はありませんでしたが、枕飾りの項目にて触れられています。
仏式の枕飾り
白木(しらき)の小台または白い布をかぶせた小台に三具足(香炉・花瓶・燭台)のほか、鈴(りん)、枕飯(まくらめし=山盛りにご飯を盛った茶碗に2本の箸を垂直に挿したもの・「一膳飯」(いちぜんめし)ともいう)、枕団子(まくらだんご=三宝または皿に半紙など白い紙を敷き、その上にもった小さな白い団子)、浄水などを置き、花瓶にはシキミまたはキクなどを生けた物を置く。なお、この時飾る花(またはシキミ)を枕花(まくらばな)と称することがある。
ウィキペディアを引用しましたが、少し間違いがあるのでここで訂正します。
ウィキペディアには、枕飾りに置く花を「枕花(まくらばな)と称することがある」とありますが、これは間違いです。
枕飾りに置く花は「一本花」です。
「枕花」とは、「一本花」とは意味の違うものなので混同しないようにこのあと解説していきます。
枕花
枕花(読み方:まくらばな)とは、主に故人を自宅に安置したときに、枕元に飾る花のことをいいます。
ご遺族(親族)が用意したり、故人と親しかった方が贈る花となります。
枕飾りも枕元へ飾るものですが、枕花は枕飾りに置くわけではありません。
枕飾りに置く一本花とは別に用意して枕元へ供えます。
一本花と枕花の違いは、上記のように置く場所に違いがあります。
また、一本花は一輪挿しで供えますが、枕花は上記画像のように複数の花をアレンジしたものを供えることが多いです。
枕花を贈る目的や時期、持参する際に気をつけたいポイントなど以下の記事で紹介しています。
枕花を用意するときや、贈りたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
また、枕花のほかにも「一本花」と似ているものとして「一輪花(読み方:いちりんばな・いちりんか)」があります。
「一輪花」については記事後半にある「 お花の豆知識【数え方】」にて解説しています。
一本花の覚えておきたいポイント
一本花が何であるのかわかったところで、覚えておきたいポイントを確認していきましょう。
・一本花の由来
・一本花は誰がいつ用意するのか
・一本花に使う花とは
・一本花を飾る期間
一本花に関する基礎知識ともいえる項目です。
では、ひとつずつ紹介していきたいと思います。
一本花の由来
枕飾りに置く一本花の由来は諸説ありますが、どうやらお釈迦様が関係しているようです。
お釈迦様の弟子である「大迦葉(読み方:だいかしょう)」が、一本の花を持って歩いてくるバラモンに出会って話をしている最中に、釈迦入滅の知らせを受けたとされています。
釈迦入滅の知らせとは、お釈迦様が亡くなったことの知らせです。
これがいわゆる一本花の由来とされています。
一本花は誰がいつ用意するのか
一本花は「ご遺族」が「枕飾りを設置するとき」に用意します。
「枕飾りを設置するとき」というのは、故人を自宅に安置するときです。
枕飾りは葬儀社へ依頼することで用意してもらうことができます。
そのほか、ご自身で必要なものを用意して設置することもできます。
必要なものをお持ちじゃない方、何をどうしたらよいかわからない場合は葬儀社の方へ相談するとよいでしょう。
葬儀社を選ぶときは「いい葬儀」がおすすめです。
「いい葬儀」とは、東証一部上場の株式会社鎌倉新書が運営しているサイトです。
「病院からの移動が必要な方」や「長距離の移動が必要な方」など、幅広い方に対応してくれます。
今すぐ葬儀が必要という場合も相談を承っておりますので、必要に応じて相談してみるとよいでしょう。
一本花に使う花とは
一本花は「 樒(読み方:しきみ)」がよいとされており、よく選ばれる花となっております。
しかし「絶対に樒を供える」という決まりがあるわけではありません。
▼樒のほかに選ばれる花
・菊(読み方:きく)
・百合(読み方:ゆり)
・水仙(読み方:すいせん)
など
なお、これらの花は、仏教(仏式)の場合で使われる花となっています。
神道(神式)やキリスト教については後ほど【宗教ごとに一本花の違いはある?】で紹介します。
一本花に使われる樒とは
樒とは、仏教の儀式で使われる花のひとつです。
樒を使うようになったのは、弘法大師(読み方:こうぼうだいし)が「青蓮華(読み方:しょうれんげ)」の代用として樒を用いたのがはじまりとされています。
また、樒には色々な別名があります。
最も有名なもので「仏前草(読み方:ぶつぜんそう)」がありますが、ほかにも以下の別名があります。
・シキビ
・ハナノキ
・ハナシバ
・コウシバ
これらは地域などによって異なるものです。
全てを覚える必要はありませんが「違う言い方もある」ことは覚えておくとよいでしょう。
樒の特徴
樒には2つの特徴があります。
・毒性が強い
・香りが強い
この特徴にも、樒が使われる理由があります。
まず樒の強い毒性についてですが、特に「樒の実」に多く含まれており、法律で劇物に指定されるほどです。
この毒性は、お墓を荒らされないようにする役割もあったようです。
現在は火葬後に埋葬するのが主流となっておりますが、昔は土葬が主流となっていました。
そのため、動物にお墓を荒らされることもあり、これらを防ぐために「彼岸花(読み方:ひがんばな)」と一緒にお墓周辺に植えていたようです。
香りは、ご遺体の臭気を消すためのお香として、供養に使われてきました。
納棺の際には、樒の葉を敷くこともあります。
ほかにも毒性や香りの強さから悪霊がよりつかないといわれています。
また、樒は線香や抹香などの原料にもなっています。
一本花を飾る期間
一本花を飾る期間は、ご遺体を自宅に安置している期間となります。
枕飾りに置く花となっているので、基本的には枕飾りと同じタイミングで片付けることになります。
ご遺体を自宅に安置している期間ですので基本はお通夜までの期間ですが、お葬式を終えてから片付けても問題はありません。
葬儀社に用意してもらった場合は、葬儀社のほうで回収してくれます。
なお、お葬式などを終えて、遺骨を自宅へ安置する際は後飾り壇を用意します。
後飾り壇とは、遺骨を納骨までの期間、安置するときに使う祭壇のことです。
下の記事では、後飾りに必要なものや飾り方など詳しく紹介しているのであわせてご覧ください。
宗教ごとに一本花の違いはある?
一本花は、前述したとおり宗教によって違いもあるので、続いてはこの点について確認していきましょう。
神道(神式)の一本花
神道(神式)の一本花は、「榊(読み方:さかき)」が使われます。
▼榊(読み方:さかき)とは
神道の儀式で用いられる植物のことです。
以下の画像の植物が榊といいます。
キリスト教の一本花
キリスト教では枕飾りの習慣はないため、一本花を飾る習慣もありません。
しかし日本においては、キリスト教でも枕飾りを置くことがあります。
このときに飾る一本花は、白い花を使うのが一般的です。
仏教では「樒」、神道では「榊」という決まったものはありませんが、白いユリやカーネーションなどを使うことが多いようです。
お花の豆知識【単位・数え方】
お花を数えるとき、色々な数え方があります。
お花の単位・数え方 | |
一本 | 一輪 |
一束 | 一個 |
一鉢 | 一房 |
一株 | 一朶 |
一基 | 一対 |
よく混同されてしまう数え方などもあるので、それぞれの使い方を確認していきましょう。
それではさっそく本題に…
といきたいところですが、その前にクイズを解いてみましょう!
問題.花には色々な数え方があります。 次の画像にある花は、どのように数えるのでしょうか? ①「一本」 |
一本(読み方:いっぽん)
一本は「長さがあるもの」を数えるときに使います。
読み方は「一本:いっぽん」となりますが、本数によって読み方に違いがあります。
二本(読み方:にほん)、三本(読み方:さんぼん)といったように「ぽん・ほん・ぼん」と読みます。
枕飾りに置く一本花は「一本」と数えることも、「一輪」と数えることもあります。
これは個々の視点(茎も含めて全体をみるか、花のみを見るか)によって変わりますが、どちらも間違いではありません。
一輪(読み方:いちりん)
一輪は「ひとつの開いた花」を数えるときに使います。
開いた花とは、花が咲いている状態のことです。
「花が開く」=「花が咲く」という認識で問題ありません。
一輪花という言葉を聞くこともありますが、一輪の花を省略したものが「一輪花(読み方:いちりんか・いちりんばな)」です。
上記画像のように一輪(一本)の花をラッピングしたものや、以下の商品のように花のみを用いてオブジェのようにしたものもあります。
かわいい熊さんと一輪の花がセットになったものです。
奥さんや彼女へのプレゼントにするのもよいと思います。
また、一輪の花を「一本花」と呼ぶ人もいます。
茎の部分があれば一本の花であるため間違いではありませんが、一本花は「主に枕飾りに飾る花のこと」をいいます。
つまりお葬式関係で使われる花のひとつですので
・プレゼントで贈るような一輪(一本)の花は「一輪花」
・枕飾りに飾る花は「一本花」
と使い分けるのがよいと思います。
一束(読み方:ひとたば)
一束は「ひとつにまとめたもの」を数えるときに使います。
例をあげると「花束」や「ブーケ」などがあります。
また、読み方は「ひとたば」のほか、「いっそく」ともいいます。
一個(読み方:いっこ)
一個は「蕾(読み方:つぼみ)」を数えるときに使います。
はじめに一本花(一輪花)は、一本でも一輪でもよいと紹介しました。
しかし、仮に一本花(一輪花)の花が開いていない状態でしたら、「一輪」は使いません。
その場合は、蕾のみを数えるときは「個」、茎も含めて全体で数えるときは「本」と数えていきます。
一鉢(読み方:ひとはち)
一鉢は「鉢に植えられた状態」を数えるときに使います。
植木鉢単位で数えるときには一鉢と数えますが、鉢に植えられた花を単体で数える場合は「一輪」や「一本」など花にあわせて数えることもあります。
一房(読み方:ひとふさ)
一房は「ひとつの茎にいくつもの花(実)があるもの」を数えます。
以下の画像はムスカリという花ですが、ひとつの茎単位で一房です。
身近のわかりやすいものは、花ではありませんが「ぶどう」や「バナナ」があります。
ちなみにぶどうの実は「一個」や「一つ」、バナナの場合は「一本」と数えます。
一株(読み方:ひとかぶ)
一株は「植物の根元までを含めて」数えるときに使います。
花ではあまり使われませんが、木の幹(切り株)を数えるときに一株といったりします。
身近なところでは、食べ物を数えるときにも使われます。
「ほうれん草」や「水菜」などですね。
上記画像の赤で印をつけているところが一株です。
一つの株からいくつものほうれん草や水菜が出ているのがわかると思います。
スーパーなどでは複数株を束にして販売されているので、一般的には「束」単位で数えられることが多いです。
一朶(読み方:いちだ)
一朶は「花のついたひとつの枝」を数えるときに使います。
よく使うのが桜を数えるときです。
桜はひとつの枝からいくつも花が咲いています。
その一つの枝を一朶といいます。
また、花がついているたくさんの枝を「万朶(読み方:ばんだ)」といいます。
一基(読み方:いっき)
お葬式関係の花で供花や枕花があります。
これらを数えるときは「一基」と数えます。
「一基」=「一つ」です。
スタンド花や花輪など種類はありますが、「一基」で統一されています。
一対(読み方:いっつい)
お葬式関係の花を数えるとき「一対」と数えることもあります。
これは上記画像のように「二基」を一つとして数えるときに使います。
「一対」=「二つ」です。
上記のほかにも…
・花びらを数えるときは一片(読み方:ひとひら)や一枚
・種や実を数えるときは一粒(読み方:ひとつぶ)や一つ
・枝を数えるときは一枝(読み方:ひとえだ)や一本
・木を数えるときは一木(読み方:ひとき)や一樹(読み方:ひとき)、一本
など、花や植物の数え方は色々とあります。
低い木を数えるときは、前述したように「一株」と数えることもあります。
日頃から使うものではありませんが、お花の豆知識として覚えておいてもよいと思います!
まとめ
一本花について紹介しました。
一本花を置く枕飾りは故人の枕元へ飾るものです。
そのため、「一本花」と「枕花」はよく混同されてしまいます。
この2つは異なるものなのでこの点はしっかり覚えておきましょう。
・一本花は枕飾りに置く一輪挿しの花
・枕花は故人の枕元に置くアレンジ花
上記のように覚えておくとわかりやすいと思います。
また、一本花とあわせて覚えておきたいのが枕飾りについてです。
一本花と枕飾りはセットで考えておくべきものなので、枕飾りをよく知らない方は下の記事もご覧ください。
枕飾りを置く意味や必要なものをひとつひとつ解説しています。
また、今回の記事で紹介した「一本花を置く位置」なども紹介しています。