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子どもがいない夫婦、あるいは頼れる親族がいない方が終活を考えるとき、いちばん見落とされるのが「二人のうち、どちらかが先に亡くなる」という当たり前のことです。夫婦でお互いを任意後見人にしておけば安心だと考えている方は多いのですが、それだけでは、残された1人が判断できなくなった時点で誰も動けなくなります。この記事では、困る場面を3つの段階に分け、どちらが先でも困らない契約の組み方を整理しました。
結論
- 夫婦でお互いを後見人にするだけでは足りません。ほぼ同時に高齢になるからです
- 困る場面は①入院・施設 ②片方が亡くなったあと ③残された1人が判断できなくなったときの3段階
- だから「配偶者+もう一人」の二段構えにします
- 後見人は身元保証人にはなれません。別の手当てが必要です
- 後見は亡くなった時点で終わります。死後事務委任契約が別に要ります
- 必要なのは見守り・任意後見・死後事務・遺言の4点です
- 遺言がないと、配偶者だけに全部を残すことはできません
目次
- 夫婦で備えるときの落とし穴
- 実際に困る3つの段階
- 入院・施設のとき
- 片方が亡くなったあと
- 残された1人が判断できなくなったとき
- お互いを後見人にすることの限界
- 二段構えの組み方
- 誰に頼めるか
- 身元保証人を求められたら
- 死後事務委任契約が要る理由
- 揃えるべき契約の4点セット
- 最初の1年でやること
- よくある失敗5つ
- 子なし夫婦の備えでよく聞かれること
まず結論|夫婦で備えるときの落とし穴は1つ
「お互いを後見人にする」で完結させないでください
夫婦はたいてい年齢が近く、同じ時期に高齢になります。夫が判断できなくなったとき、妻もまた判断が難しくなっていることは珍しくありません。そうなると、お互いを任意後見人にする契約は、どちらも使えなくなります。そしてその時点では、新しく契約を結び直すこともできません。
| 組み方 | 片方が動けなくなったとき | 二人とも動けなくなったとき |
|---|---|---|
| お互いを後見人にするだけ | 使えます | 誰も動けません |
| 配偶者+甥姪 | 使えます | 甥姪が動けます |
| 配偶者+専門家 | 使えます | 専門家が動けます |
| 専門家のみ | 使えます | 使えます |
「身寄りなし」「子なし夫婦」で実際に何に困るのか
困るのはお金ではなく「手続きをする人」です。ここを取り違えると、備えの方向が変わってしまいます。
| 場面 | 求められること | 誰がいないと困るか |
|---|---|---|
| 入院するとき | 身元保証人・緊急連絡先 | 家族に代わる人 |
| 手術のとき | 同意の確認 | 近しい親族 |
| 施設に入るとき | 契約者・身元引受人 | 家族に代わる人 |
| 判断できなくなったとき | 預金の引き出し・支払い | 後見人 |
| 亡くなったとき | 遺体の引き取り・葬儀 | 死後事務を頼まれた人 |
| 亡くなったあと | 解約・部屋の明け渡し | 死後事務を頼まれた人 |
| 財産の行き先 | 遺言の有無 | 遺言がないと国庫に入ることも |
困る場面は3つの段階に分かれる
| 段階 | 状況 | 必要なもの |
|---|---|---|
| ① | 二人とも元気/どちらかが入院・施設へ | 見守り・財産管理委任・身元保証の手当て |
| ② | どちらかが亡くなった | 遺言・死後事務・名義変更 |
| ③ | 残された1人が判断できなくなった | 配偶者以外の任意後見人 |
| ④ | 残された1人が亡くなった | 死後事務・遺言 |
③がいちばん備えのない段階です
①と②は、配偶者がいれば何とかなります。問題は③です。配偶者を亡くし、一人になり、そのあと判断する力が落ちた。その時点で頼める人がいないと、法定後見を誰かが申し立てるまで、預金も動かせず、施設の契約もできません。そして申し立てる人自体がいないという状況も起こります。
段階① どちらかが入院・施設に入るとき
| 求められるもの | 配偶者で足りるか | 足りない場合 |
|---|---|---|
| 緊急連絡先 | 足ります | - |
| 身元保証人 | 高齢だと断られることがあります | 別の人か、保証サービス |
| 費用の支払い | 足ります | 財産管理委任契約 |
| 手続きの代行 | 足ります | 財産管理委任契約 |
| 亡くなったときの引き取り | 足ります | 死後事務委任契約 |
高齢の配偶者は、身元保証人として認められないことがあります。「本人と同世代では保証の意味をなさない」と判断されるためです。この段階で一度つまずくと、施設の選択肢が狭まります。
段階② どちらかが亡くなったあと
| 起きること | 誰が行うか | 備えがないと |
|---|---|---|
| 葬儀と納骨 | 配偶者 | - |
| 年金・保険の手続き | 配偶者 | - |
| 預貯金の名義変更 | 配偶者 | 相続人全員の関与が要ります |
| 不動産の名義変更 | 配偶者 | 兄弟姉妹や甥姪の同意が要ります |
| 遺産分割の話し合い | 配偶者と、故人の兄弟姉妹など | 連絡先が分からず難航します |
子がいない場合、配偶者は「単独の相続人」ではありません
子がいない夫婦では、故人の親(存命なら)、いなければ兄弟姉妹(亡くなっていれば甥姪)が、配偶者と一緒に相続人になります。そのため預金の解約にも不動産の名義変更にも、その方たちの署名と印鑑証明が必要になります。疎遠だったり、連絡先が分からなかったりすると、ここで何か月も止まります。これを避ける唯一の方法が遺言です。詳しくは相続の記事にまとめています。
段階③ 残された1人が判断できなくなったとき
ここがこの記事の中心です。配偶者を亡くし、一人になり、そのあと判断する力が落ちた場合に何が起きるかを見ておきます。
| 備えの有無 | 何が起きるか |
|---|---|
| 配偶者以外の任意後見人がいる | その方が申し立て、後見が始まります |
| 配偶者だけを後見人にしていた | 契約は使えません。法定後見の申し立てが必要です |
| 何も契約していない | 誰かが法定後見を申し立てるまで、手続きが止まります |
| 申し立てる人もいない | 市区町村長が申し立てる制度があります |
| 誰も気づかない | これがいちばん深刻です |
いちばん怖いのは「誰も気づかないこと」
親族が遠く、近所付き合いも薄い場合、判断する力が落ちたことに誰も気づかないまま、時間だけが過ぎることがあります。支払いが滞り、郵便がたまり、訪問販売の被害に遭ったところで初めて発覚する。これを防ぐのが見守り契約です。月1回の電話、年数回の訪問という約束を、書面にしておくだけで大きく違います。
夫婦で任意後見を結び合うことの限界
結び合う利点
- 費用を抑えられる
- 気心が知れている
- 財産の内容を知っている
- すぐに話が進む
結び合う限界
- ほぼ同時に高齢になる
- 先に亡くなると使えない
- 二人とも落ちると誰も動けない
- その時点で結び直せない
お互いを後見人にすること自体は、悪い選択ではありません。問題は、それだけで完結させてしまうことです。夫婦間の契約は「①と②の段階」を守るもので、③の段階は別に手当てする必要があります。
だから「二段構え」にする
| 一段目 | 二段目 | |
|---|---|---|
| 誰と契約するか | 配偶者 | 甥姪・専門家・法人 |
| いつ効く | 配偶者が元気なあいだ | 配偶者が亡くなったあと・動けなくなったあと |
| 費用 | 無報酬にできます | 報酬が発生することが多い |
| 結ぶ時期 | できれば同時に。判断する力があるうちに | |
二段目をどう設計するかは、公証人に相談できます
「配偶者が先に亡くなったら別の人に」という形をどう作るかは、契約の設計の話になります。予備の受任者をあらかじめ定めることは、実務上むずかしい場合があります。実際には「配偶者との契約」と「別の相手との契約」を別々に用意するといった形になることが多くあります。公証役場で「夫婦二人だけなので、どちらが先でも困らない形にしたい」と伝えてください。それで話は通じます。
誰に頼めるか|甥姪・専門家・法人
| 候補 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 甥・姪 | 年齢が離れていて、付き合いがある | 相続の話と切り分けて頼みます |
| 配偶者のきょうだいの子 | 付き合いがある場合 | 相続人にはならない立場です |
| 弁護士・司法書士 | 親族に頼める人がいない | 報酬が続きます |
| 社会福祉士 | 介護や福祉の調整が中心 | - |
| 法人 | 長い年数を想定する | 地域によって選択肢が違います |
| 社会福祉協議会 | まず相談する先として | 受けている事業は地域差があります |
身元保証人を求められたときの対応
後見人は身元保証人になれません
よくある誤解です。任意後見人・成年後見人は、入院や施設入所の身元保証人にはなれません。後見人の役割には含まれていないためです。「後見の契約をしたから身元保証も大丈夫」ということにはなりません。別に手当てが必要です。
| 対応 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 親族に頼む | 甥姪などに引き受けてもらう | 連帯保証の範囲 |
| 身元保証サービスを使う | 民間の事業者が提供しています | 預託金の管理と、事業者の継続性 |
| 施設に相談する | 保証人なしで受け入れる施設もあります | 入所前に確認します |
| 成年後見と組み合わせる | 費用の支払いは後見人が担えます | 保証そのものは別です |
| 自治体に相談する | 支援を行っている地域があります | 地域包括支援センターへ |
身元保証サービスを選ぶときの注意
民間の身元保証サービスは有用ですが、まとまった額を前もって預ける形が多く、事業者が事業を続けられなくなると、預けたお金が戻らない例が実際に起きています。契約前に、「預けたお金がどう管理されるのか」「事業をやめる場合どうなるのか」を書面で確認してください。市区町村や社会福祉協議会に相談してから決めるのが安全です。
死後事務委任契約が必要な理由
任意後見は、本人が亡くなった時点で終わります。ですから、亡くなったあとの手続きは、後見人には頼めません。ここを埋めるのが死後事務委任契約です。
| 手続き | 後見人が行えるか | 死後事務委任なら |
|---|---|---|
| 遺体の引き取り | × | ○ |
| 葬儀・火葬の手配 | × | ○ |
| 納骨 | × | ○ |
| 賃貸住宅の明け渡し | × | ○ |
| 公共料金・携帯の解約 | × | ○ |
| 役所への届け出 | × | ○ |
| 知人への連絡 | × | ○ |
| 財産の分配 | × | ×(遺言が必要です) |
死後事務で頼めること・頼めないこと
財産の行き先は、死後事務では決められません
死後事務委任契約でできるのは「手続きを代わりに行うこと」までです。「この人に預金を渡してほしい」といった財産の行き先は、遺言でなければ決まりません。この2つは目的がまったく違う契約なので、両方を用意する必要があります。
| 頼めること | 頼めないこと |
|---|---|
| 葬儀・納骨の手配 | 財産を誰に渡すかの指定 |
| 行政への届け出 | 相続の手続きそのもの |
| 契約の解約 | 相続人の同意が要る行為 |
| 住まいの片づけ | 遺産分割の話し合い |
| デジタルの整理 | - |
| 知人・友人への連絡 | - |
相続のことは別記事へ|ここだけ押さえる3点
- 配偶者は単独の相続人ではありません子がいない場合、故人の親、いなければ兄弟姉妹(甥姪)も相続人になります
- 兄弟姉妹には遺留分がありませんそのため遺言があれば、配偶者に全部を残せます
- 遺言がないと手続きが止まります預金の解約にも相続人全員の署名と印鑑証明が必要になります
子なし夫婦の相続については、別の記事で詳しく整理しています。ここでは「後見と死後事務だけでは足りず、遺言もセットで必要」という点だけ押さえてください。
お墓と供養を誰が担うか
| 選択肢 | 継ぐ人 | 確認すること |
|---|---|---|
| 永代供養墓 | 不要です | 安置期間と合祀の時期 |
| 樹木葬 | 不要な形が多い | 取り出せるかどうか |
| 納骨堂 | 形式によります | 継承の条件 |
| いまあるお墓を継ぐ | 継ぐ人を決める必要があります | 甥姪が引き受けるか |
| 墓じまいする | - | 改葬先を先に決めます |
| 散骨 | 不要です | お参りの場所が残りません |
夫婦のうち先に亡くなった方の遺骨をどうするか
意外に見落とされるのがここです。先に亡くなった配偶者の遺骨を、残された方が管理することになります。そして残された方が亡くなったとき、その2人分の遺骨を誰が納めるのかが問題になります。永代供養や樹木葬を「2人分」で契約しておくと、この心配がなくなります。死後事務委任契約にも「納骨まで」と書いておいてください。
契約の費用は誰の財産から出るか
| 費目 | 誰が払うか | いつ |
|---|---|---|
| 公正証書の作成費用 | 本人 | 契約時 |
| 専門家への報酬 | 本人 | 契約時 |
| 見守り契約の月額 | 本人 | 契約中ずっと |
| 任意後見監督人の報酬 | 本人の財産から | 後見が続くあいだ |
| 死後事務の費用 | 本人の財産から | 死亡後 |
| 死後事務の預託金 | 本人 | 契約時に預けることがあります |
死後事務の費用は「先に確保」が必要です
亡くなったあと、その方の預金は凍結されます。そのため、葬儀や部屋の片づけの費用を、口座から自由に出すことができません。死後事務委任契約では、あらかじめ費用分を預けておく(預託する)形をとることが多くあります。その場合、預けたお金がどう管理されるのか、事業者が続けられなくなったらどうなるのかを必ず確認してください。
揃えるべき契約の4点セット
| 契約 | カバーする時期 | これがないと |
|---|---|---|
| 見守り契約 | 元気なうち〜判断力が落ちるまで | 落ちたことに誰も気づきません |
| 任意後見契約 | 判断力が落ちてから死亡まで | 預金も契約も動かせません |
| 死後事務委任契約 | 死亡後 | 葬儀も部屋の片づけも進みません |
| 遺言 | 死亡後 | 配偶者に全部を残せません |
4つとも同じ日に作れます
公証役場で相談するときに「見守り・任意後見・死後事務・遺言をまとめて考えたい」と伝えてください。必要な書類も一度に案内してもらえます。ただし公正証書遺言には証人2名が必要なので、その手配だけ別に確認が要ります。別々の日に作ると、そのたびに書類をそろえることになります。
進める順番|最初の1年でやること
- 夫婦で「どちらが先でも困らない形にしたい」と話す。ここが出発点です
- 頼めそうな人を3人書き出す(甥姪・友人・専門家、なんでも構いません)
- 市区町村の窓口か地域包括支援センターに相談する。無料です
- 公証役場に相談の予約を入れる
- 頼む相手に承諾をもらう。ここがいちばん時間がかかります
- 必要書類をそろえる(戸籍・住民票・印鑑登録証明書)
- 公証役場で4点をまとめて作成する
- 作った書類の場所を、受任者と、もう1人に伝えておきます
夫婦それぞれが用意する書類
- 戸籍謄本(夫・妻それぞれ)
- 住民票
- 印鑑登録証明書と実印(登録していない方は先に登録が必要です)
- 本人確認書類
- 財産の一覧(金融機関名と、不動産の有無だけで構いません)
- 受任者の住民票と印鑑登録証明書
- 公正証書遺言を作る場合は、証人2名の情報
自治体の終活支援を確認する
| 調べる先 | 聞くこと |
|---|---|
| 地域包括支援センター | まず全体を相談できる窓口です |
| 市区町村の高齢福祉の窓口 | 終活支援の事業があるか |
| 社会福祉協議会 | 日常生活自立支援事業、法人後見の有無 |
| 成年後見の中核機関 | 後見全般の相談ができます |
| 市区町村の窓口 | 後見の申立費用・報酬の助成があるか |
| 市区町村の窓口 | 葬儀や納骨の支援を行っている自治体があります |
※ 制度の有無・名称・内容は自治体によって大きく異なります。お住まいの市区町村の公式ページと窓口でご確認ください。
二人とも施設に入る場合
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 同じ施設に入れるか | 夫婦部屋のある施設は限られます |
| 要介護度が違う場合 | 入れる施設の種類が変わります |
| 自宅をどうするか | 売却するなら代理権目録に入れておきます |
| 費用の見通し | 2人分が同時にかかります |
| 身元保証 | 2人分が必要になります |
| 荷物と家財 | 片づけを誰が行うか |
よくある失敗5つ
| 失敗 | 何が起きるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| お互いを後見人にして終わりにした | 二人とも落ちると誰も動けません | 二段構えにします |
| 後見だけで死後事務を用意しなかった | 葬儀も部屋の片づけも進みません | 死後事務委任契約を結びます |
| 遺言を書かなかった | 配偶者に全部残せません | 遺言を作ります |
| 身元保証も後見で足りると思った | 施設入所で断られます | 別に手当てします |
| 契約したことを誰にも伝えなかった | 申し立てる人がいません | 受任者以外にも伝えます |
子なし夫婦の備えでよく聞かれること
- 夫婦でお互いを任意後見人にすれば十分ですか
- 十分ではありません。夫婦は同じ時期に高齢になるため、二人とも判断する力が落ちると契約が使えなくなります。配偶者以外にもう一人を用意してください。
- 子どもがいないと、配偶者が全部相続しますか
- しません。故人の親、いなければ兄弟姉妹(甥姪)も相続人になります。配偶者に全部残すには遺言が必要です。
- 後見人がいれば身元保証人はいりませんか
- いります。後見人は身元保証人にはなれません。親族に頼む、保証サービスを使う、保証人なしで受け入れる施設を探す、といった別の手当てが必要です。
- 亡くなったあとの手続きも後見人に頼めますか
- 頼めません。後見は本人が亡くなった時点で終わります。葬儀・納骨・解約・部屋の明け渡しには死後事務委任契約が必要です。
- 頼める親族がいません
- 専門家か法人に頼む方法があります。まず市区町村の社会福祉協議会や成年後見の中核機関へ相談してください。無料で相談できます。
- 甥や姪に頼んでもよいですか
- よい選択です。年齢が離れていることが多いためです。ただし相続の話と切り分けて頼んでください。「財産を渡すかどうかとは別に、手続きを助けてほしい」と伝えます。
- いくらくらい費用がかかりますか
- 契約時は公正証書の実費が中心ですが、後見が始まると監督人の報酬が続きます。死後事務では預託金を求められることもあります。詳しくは費用の記事にまとめています。
- 死後事務の預託金は安全ですか
- 事業者によります。預けたお金がどう管理されるのか、事業を続けられなくなった場合どうなるのかを、書面で確認してください。市区町村や社会福祉協議会に相談してから決めるのが安全です。
- いつから準備すればよいですか
- 判断する力があるうちにしか契約できません。配偶者を亡くしてからでは遅い場合があります。二人とも元気なうちが、いちばん選択肢が多い時期です。
- 4つの契約は同じ日に作れますか
- 作れます。公証役場で「まとめて考えたい」と伝えてください。ただし公正証書遺言には証人2名が必要なので、その手配は別に確認します。
- お墓はどうすればよいですか
- 継ぐ人が不要な永代供養墓や樹木葬を、2人分で契約しておくのが現実的です。死後事務委任契約に「納骨まで」と書いておいてください。
- 自治体が助けてくれる制度はありますか
- あります。後見の申立費用や報酬の助成、終活支援の事業を行っている自治体があります。名称も内容も自治体ごとに違うので、市区町村の高齢福祉の窓口で確認してください。
どちらが先でも困らないために
要点
- 夫婦でお互いを後見人にするだけでは足りません
- 困るのは「残された1人が判断できなくなったとき」です
- だから配偶者+もう一人の二段構えにします
- 後見人は身元保証人になれません
- 後見は死亡で終わります。死後事務委任契約が別に要ります
- 必要なのは見守り・任意後見・死後事務・遺言の4点
- 遺言がないと、配偶者に全部を残せません
ここまで読むと、備えることが多くて気が重くなるかもしれません。けれど4つの契約は同じ日にまとめて作れます。時間がかかるのは書類ではなく、「誰に頼むか」を決めて、その人に承諾をもらうところです。まずは夫婦で、頼めそうな人の名前を3つ書き出すところから始めてください。
次に読む
本記事は制度の一般的な説明を目的としたものです。契約の設計、費用、自治体の支援制度は個別の事情や地域によって異なります。実際の検討にあたっては、公証役場、弁護士、司法書士、地域包括支援センター、社会福祉協議会、市区町村の窓口にご相談ください。

























