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身寄りなし・子なし夫婦が任意後見で備えるべき5つのこと
「自分には頼れる子どもがいない」「夫婦どちらかが先に弱ったとき、もう一方はどうなるのだろう」——身寄りのない方や子のいない夫婦にとって、将来への不安は他人事ではありません。
このシリーズでお伝えしてきた任意後見制度の知識を踏まえ、身寄りなし・子なし夫婦が特に備えておきたい5つのポイントを整理しました。
目次
なぜ「身寄りなし」「子なし夫婦」こそ任意後見が重要なのか

法定後見制度では、申立てができるのは本人・配偶者・四親等内の親族・検察官・市町村長などに限られます。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
身寄りがない方の場合、申立てをしてくれる親族がいないケースでは、市町村長が申立てを行う制度もありますが、後見人を選ぶのはあくまで家庭裁判所です。「誰が後見人になるか」を自分で決めることはできません。
(出典:同上)
これに対し、任意後見制度なら元気なうちに自分の意思で後見人を指定できます。身寄りがない方こそ、早めに備える価値が大きい制度だといえます。
備えるべきこと①|「夫婦どちらかが先」のケースを想定する

子のいない夫婦の場合、夫婦の一方が認知症等になったとき、もう一方が必ずしも法定後見の申立てができる状態(健康状態・年齢など)とは限りません。夫婦それぞれが、お互いを任意後見受任者にする契約を結んでおく、あるいは第三者を後見人に指定しておくという選択肢があります。
「配偶者がいるから大丈夫」と考えがちですが、配偶者自身も高齢になれば同時に支援が必要になるリスクがあります。夫婦2人分の備えを意識しておきましょう。任意後見と法定後見の違いについては「任意後見と法定後見(成年後見)の違い|認知症になる前にやるべきこと」もあわせてご確認ください。
備えるべきこと②|元気な「今」のうちに契約する

任意後見契約は、本人が十分な判断能力を持っているうちにしか結べません。判断能力が低下してから「任意後見にしよう」と思っても、その時点ではもう選べないのです。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
「まだ早い」と感じるくらいのタイミングが、実はちょうどよい準備の時期です。年齢に関わらず、心身が健康なうちに動き出すことをおすすめします。
備えるべきこと③|専門家を後見人候補に入れておく

身寄りがない方の場合、家族に頼れない分、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職を任意後見受任者として検討することが現実的な選択肢になります。専門家は財産管理や法的手続きの知識が豊富で、第三者として公平な対応が期待できます。
(出典:厚生労働省「成年後見はやわかり」任意後見制度とは(手続の流れ、費用))
専門家への依頼を検討する場合は、司法書士会・弁護士会の相談窓口や、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートなどに相談すると、適任者を紹介してもらえる場合があります。具体的な契約手続きについては「任意後見契約の結び方・費用・公証役場への手続き完全ガイド」で詳しく解説しています。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
備えるべきこと④|「希望」を契約と一緒に書面で残す

任意後見契約そのものには法的な事務内容(財産管理・生活療養看護に関する手続きなど)を定めますが、それに加えて「できる限り自宅で暮らしたい」「延命治療についての考え方」など、本人の生活に関する希望を別途まとめておくことが大切です。
法務省のパンフレットに掲載された事例でも、任意後見人が事前に把握していた本人の意向を尊重し、在宅での福祉サービス利用につなげたケースが紹介されています。
(出典:法務省民事局「成年後見制度・成年後見登記制度」パンフレット)
希望を口頭で伝えるだけでなく、エンディングノートなどに書面で残しておくと、後見人もより正確に本人の意思を実現しやすくなります。
備えるべきこと⑤|死後の事務についても別途検討する

任意後見制度は、本人が生きている間の財産管理・生活支援を対象とする制度であり、葬儀・納骨・遺品整理といった死後の事務は対象に含まれません。身寄りがない方の場合、死後事務委任契約や遺言書の作成も別途検討しておく必要があります。
任意後見契約とあわせて、死後事務委任契約や遺言書についても専門家に相談しておくと、生前から死後まで一貫した備えが可能になります。
5つのポイントまとめ
- ①夫婦どちらかが先のケースを想定する。お互いを後見人にする契約や第三者の指定を検討。
- ②元気な今のうちに契約する。判断能力低下後は契約できません。(出典:法務省民事局「成年後見制度」パンフレット)
- ③専門家を後見人候補に入れる。身寄りがない場合は現実的な選択肢に。(出典:厚生労働省「成年後見はやわかり」)
- ④希望を書面で残す。生活に関する意向を伝えておくと尊重されやすくなります。(出典:法務省民事局「成年後見制度」パンフレット)
- ⑤死後の事務は別途検討する。任意後見の対象外。死後事務委任契約や遺言書もあわせて準備を。
後見人選びについては、前の記事「任意後見人は誰に頼む?弁護士・司法書士・家族の選び方」もあわせてご覧ください。このシリーズの入門記事「任意後見制度とは?おひとりさまが今すぐ備えるべき理由」もぜひお読みください。
📞 おひとりさまの備えは、早めの相談から
身寄りがない方・子のいない夫婦の方は、ひとりで悩まず、まずは専門家や地域の相談窓口に話を聞いてもらいましょう。状況に応じた最適な備え方を一緒に考えてもらえます。
▶ お近くの相談窓口を探す(厚生労働省)
▶ 法務省「成年後見制度」公式ページ
▶ 厚生労働省「任意後見制度とは(手続の流れ、費用)」
「ひとり」だからこそ、自分の意思を形に残すことが、何よりの安心につながります。









