車の名義変更は死亡後15日以内が原則|相続の必要書類と廃車手続きをやさしく解説【2026年版】

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車の名義変更は、所有者が死亡してから15日以内に申請するのが原則です。ご家族が亡くなったあと、駐車場に残された一台をどうすればいいのか、順を追って整理していきます。

葬儀が終わって少し落ち着いたころ、ふと駐車場の車が目に入る。「これ、どうしたらいいんだろう」と手が止まってしまう方は、本当に多いんです。役所の手続きと違って車は案内が届くわけでもなく、後回しにされがちです。ただ、実は放っておくと税金や売却の場面で困ることになります。難しく聞こえるかもしれませんが、やることは決まっていますので、一つずつ見ていきましょう。


車の名義変更に「死亡から15日以内」という期限がある理由

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期限は法律で全国共通に決まっています

普通自動車(登録自動車)の名義変更は、正式には「移転登録」といいます。法律では、所有者に変更があったときは、新しい所有者がその事由があった日から15日以内に移転登録を申請しなければならないと定められています。お住まいの地域にかかわらず、全国どこでも同じ扱いです。
(出典:e-Gov法令検索「道路運送車両法」第13条

とはいえ、相続の場合は誰が車を受け継ぐかを話し合うところから始まります。15日ですべての書類が揃うご家庭のほうが少ないくらいです。「もう過ぎてしまった」と焦る必要はありませんが、目安として頭に置いておくと動きやすくなりますよ。

実は、相続人が一人で申請できます

これは知っておくと気持ちが楽になる点です。売買のときの名義変更は売る人と買う人がそろって申請するのが原則ですが、相続による登録は、車を受け継ぐ人だけで申請することができます。法律上「単独申請」と呼ばれる扱いです。
(出典:e-Gov法令検索「自動車登録令」第11条

相続人全員で窓口に並ぶ必要はありません。代表の方が書類を持って行けば手続きは進みます。


まず最初に、車検証の「所有者欄」を見てください

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亡くなった方の名前がそこにあるとは限りません

手続きの内容は、車検証の所有者欄に誰の名前があるかで変わります。ローンやリースで購入した車の場合、支払いが終わるまで販売店やローン会社が所有者として記録されていることがあるためです。

軽自動車の場合について、軽自動車検査協会は、車検証に記録された使用者と所有者が異なるときは、あらかじめ所有者(自動車販売店やローン会社など)から変更に係る同意を得たうえで手続きを行う必要があると案内しています。
(出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」

普通自動車でも考え方は同じで、所有者欄が販売店やローン会社になっている場合は、まずそちらへ連絡することから始まります。車検証を一度、手元に出してみてください。

車検が切れていないかも確認を

移転登録は、有効な車検証があることが前提の手続きです。法律上も、車検証が有効なものでない場合は移転登録がされないと定められています。期限が切れていた場合は、車検を通すか、あとで触れる抹消登録を先に検討することになります。
(出典:e-Gov法令検索「道路運送車両法」第13条第2項


普通自動車の名義変更(移転登録)で用意するもの

相続であることを示す書類が必要です

手続き先は、新しい所有者の住所を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所です。相続の場合、申請書には次の書類を添えることが政令で定められています。

  • 登録の原因が相続であることを証する戸籍の謄本または抄本、あるいはこれを証するに足るその他の書面(出典:自動車登録令 第18条
  • 押印した申請書に添える印鑑に関する証明書(市区町村長または登記官が作成したもの)(出典:自動車登録令 第16条
  • 自動車検査証、申請書(OCRシート)、手数料納付書。申請書は窓口で無料配布されています
  • 誰がその車を受け継ぐかを示す遺産分割協議書(相続人全員の実印を押したもの)、遺言書、調停調書などのいずれか
  • 使用の本拠の位置が変わる場合は自動車保管場所証明書(車庫証明)。管轄の警察署に申請します

ご家庭の事情によって必要書類は変わります。相続人に未成年の方がいる場合や、すでに一部の財産を受け取っている方がいる場合などは扱いが異なりますので、出かける前に管轄の窓口へ一本電話を入れておくと確実です。

手数料は2026年4月に改定されています

ここは注意していただきたいところです。物価・人件費の上昇を踏まえて手数料の額を改める政令が令和8年4月1日に施行され、移転登録の手数料は1台につき700円(電子申請の場合は600円)となりました。
(出典:e-Gov法令検索「道路運送車両法関係手数料令」第1条国土交通省「道路運送車両法関係手数料令の一部を改正する政令を閣議決定」令和8年3月6日

インターネット上には「500円」と書かれた案内がまだ残っています。改定前の金額ですので、印紙を買う前に最新の額をご確認ください。

戸籍を何度も取り直さずに済む方法があります

相続の手続きは、銀行・法務局・運輸支局と、行く先ごとに戸籍の束を求められるのが本当に大変です。そこで使えるのが法務局の法定相続情報証明制度です。戸除籍謄本等の束と一覧図を登記所に提出すると、登記官が確認したうえで認証文を付けた写しを無料で交付してくれます。
(出典:法務局「法定相続情報証明制度について」

一枚あれば車の手続きにも銀行にも使えますので、先にこれを取っておくと後がぐっと楽になります。


査定額100万円以下なら、簡単な様式で済ませられます

「遺産分割協議成立申立書」という特別な書類

相続人が離れて暮らしていると、遺産分割協議書に全員の実印を集めるだけで何週間もかかってしまいます。ところが自動車の登録手続きには、遺産分割協議成立申立書という自動車専用の簡易な様式が用意されています。

相続する自動車の価格が100万円以下で、遺産分割協議が成立している場合に、この用紙と、100万円以下であることを確認できる査定証または査定価格を確認できる資料を添付することで申請できます。押印するのは、その車を相続する方の実印だけです。相続人全員に実印をもらって回る必要がありません。

記入するのは、登録番号と車台番号、亡くなった方の氏名と死亡年月日、遺産分割協議が成立した年月日、そしてこの申立書で申請することに相続人から同意を得た年月日です。日付は申請日より前か当日を書きます。

この様式は全国の運輸支局で共通に取り扱われており、窓口で無料で受け取れるほか、国土交通省および各運輸局のサイトからも入手できます。年式の古い車なら、こちらが使えることのほうが多いかもしれません。まずは管轄の運輸支局に、この様式で申請できるかを確認してみてください。

窓口で「この様式は使えますか」と一言聞いてみてください。それだけで手間が大きく変わることがあります。


軽自動車は、行き先も書類もまったく別ものです

手続き先は軽自動車検査協会、手数料は無料

ここは意外と知られていないところです。軽自動車の名義変更は運輸支局ではなく、新しい使用者が車を使う場所(使用の本拠の位置)を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室で行います。正式名称は「自動車検査証変更記録申請」で、申請手数料は無料です。
(出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」

遺産分割協議書も印鑑証明書も要りません

相続の場合に軽自動車検査協会が求めているのは、所有者が亡くなった事実と、新しい所有者がその相続人(親族等)であることが確認できる書面です。具体的には、戸籍謄本等、または法務局が交付する法定相続情報一覧図のいずれか。どちらもコピーで差し支えありません。普通自動車に比べると、ずいぶん身軽な手続きです。
(出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」

ここで一つ気をつけたいことがあります。死亡診断書は原則として使用できませんと明記されています。手元にあるからと持参しても受け付けてもらえないので、戸籍か法定相続情報一覧図を用意してください。
(出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」

そのほか、新しく使用者になる方の住所を証する書面(住民票の写しまたは印鑑登録証明書・発行から3ヶ月以内)、自動車検査証の原本、管轄が変わる場合はナンバープレートが必要です。車庫証明については、軽自動車検査協会での手続きには不要ですが、手続き後に地域によっては警察署への届出が必要な場合があります。
(出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」

いきなり第三者へ譲るときは事前に電話を

軽自動車検査協会は、所有者が亡くなった場合はまず車検証記載の所有者から親族の方へ名義を変更するよう案内しています。親族ではなく直接第三者へ譲渡したい場合は、新しく使用者になる方の使用の本拠の位置を管轄する事務所のコールセンターへの問い合わせが必要です。
(出典:軽自動車検査協会FAQ「Q.2-005 所有者が死亡した場合の名義変更の手続きはどうすればよいですか。」

窓口の方が丁寧に教えてくれますので、難しく考えなくて大丈夫ですよ。


もう乗らない車は、廃車の手続きになります

普通自動車は「一時抹消」と「永久抹消」の2種類

誰も乗らないけれど、すぐに解体するかは決めきれない。そんなときは一時抹消登録を選べます。手数料は1台につき500円(電子申請の場合は450円)です。こちらも令和8年4月の改定後の額で、改定前は350円でした。
(出典:e-Gov法令検索「道路運送車両法関係手数料令」第1条

解体してしまう場合は永久抹消登録です。手数料令には永久抹消登録の手数料の定めが置かれていないため、登録そのものに手数料はかかりません。ただし申請書には移動報告番号(自動車リサイクル番号)の記載が必要で、この番号は解体業者から交付される書類に記載されています。解体が完了した旨の報告を受けたあとでないと申請できません。
(出典:e-Gov法令検索「道路運送車両法関係手数料令」第1条

軽自動車の廃車は「返納届」と「解体返納」

軽自動車の場合は呼び方が変わります。使用を一時中止するときは自動車検査証返納届(一時使用中止)で、返納証明書の交付を受ける場合の手数料は1件につき450円。解体したときは解体返納で、こちらは無料です。
(出典:軽自動車検査協会「自動車検査証返納届(一時使用中止)」軽自動車検査協会「解体返納」

あわせて覚えておきたいのが自動車重量税の還付です。自動車リサイクル法に基づき適正に解体され、解体を理由とする届出と同時に還付申請が行われた場合に、車検の残存期間に対応する重量税額が還付されます。ただし残存期間が1ヶ月以上ある場合に限られ、申請には振込口座とマイナンバーの記載が必要です。
(出典:軽自動車検査協会「解体返納」

「同時に」というところが大事です。あとから思い出して申請しても受け付けてもらえませんので、廃車のときは一緒に出してしまいましょう。

亡くなった方の愛車を手放すのは、書類以上に気持ちの整理が要るものです。急がなくて大丈夫ですよ。


自動車税は4月1日が区切りになります

年度をまたぐ前に手続きを終えたい理由

自動車税と軽自動車税は、4月1日時点の所有者に対して毎年課税されます。前者は都道府県税、後者は市町村税です。
(出典:総務省「地方税制度|自動車税・軽自動車税」

つまり、名義が亡くなった方のままで4月1日を迎えると、その年度の課税もその名義に対して行われることになります。売却や廃車を考えている場合は、年度が替わる前に手続きを終えられるよう逆算して動くのが安心です。

なお、名義変更や抹消の手続きと合わせて、税の申告書の提出が必要になります。普通自動車は運輸支局に隣接する自動車税の申告窓口、軽自動車は軽自動車検査協会の事務所に隣接する税関係の窓口で用紙を受け取れます。
(出典:軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」

どうしても書類が年度内に間に合いそうにないときは、お住まいの都道府県の自動車税事務所や市区町村の窓口へ早めに事情を伝えてご相談ください。黙って過ぎてしまうより、ずっと安心です。


相続放棄を考えている方は、車に手をつける前に

借金のほうが多そうだ、というときに検討するのが相続放棄です。この申述は、民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められており、申述先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
(出典:裁判所「相続の放棄の申述」

相続放棄を視野に入れているなら、車の名義変更や売却は自己判断で進めず、先に家庭裁判所や専門家へご相談ください。ここは個別の判断が絡むところですので、慎重に進めていただきたい部分です。


相談窓口と、次にできること

お住まいの地域の窓口はここから探せます

車の手続きは、普通自動車と軽自動車で窓口がはっきり分かれています。いずれも全国どこからでも同じサイトから探せますので、まずは管轄を確認するところから始めてみてください。

OSSでは、移転登録・変更登録・一時抹消登録・永久抹消登録などの申請をインターネットから行うことができます。窓口の受付時間に合わせて仕事を休むのが難しい方は、こちらも選択肢になります。
(出典:国土交通省「自動車保有関係手続のワンストップサービス」


まとめ|車の名義変更で押さえておきたい5つのこと

  • 普通自動車の移転登録は、所有者の変更があった日から15日以内が原則です(出典:道路運送車両法 第13条
  • 相続による登録は、車を受け継ぐ方が一人で申請できます(出典:自動車登録令 第11条
  • 移転登録の手数料は令和8年4月に改定され700円(電子申請600円)です。古い案内の500円ではありません(出典:道路運送車両法関係手数料令 第1条
  • 査定100万円以下なら、相続人全員の実印なしで「遺産分割協議成立申立書」が使えます。様式は全国の運輸支局の窓口で無料配布されています
  • 軽自動車は軽自動車検査協会が窓口で手数料は無料。戸籍謄本等か法定相続情報一覧図が必要で、死亡診断書は原則使えません(出典:軽自動車検査協会「名義変更」

書類の名前は難しく見えますが、窓口で聞けば一つずつ教えてもらえます。ご自身のペースで進めていただければ十分です。


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必要書類はご家庭の事情によって変わります。何を持っていけばよいか迷ったら、車を出す前に一度、下記から確認してみてください。電話一本で、その日の準備が変わることもあります。

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お住まいの地域によって窓口や取り扱いが異なる場合がありますので、詳しくは管轄の運輸支局・軽自動車検査協会・市区町村窓口にご確認ください。

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