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終活をする中で自身または親の体のことを考える方は多いと思います。
今は自立した生活を送っている方でも「要介護になったら」など、先のことを考える方もいます。
「終の棲家」とも呼ばれる老人ホームは様々な種類があります。
各施設の受け入れ対象者・費用面など「自身のため親のため」に知っておくと、いざという時に役立つものです。
目次
老人ホームとは?
はじめに、老人ホームとは何か?
概要的なところから紹介していきたいと思います。
老人ホームは、ウィキペディア(Wikipedia)に次のように記述されています。
老人ホーム(ろうじんホーム, Nursing home)とは、一般的に、要介護認定を受け、かつ自立生活が困難な高齢者が入所する施設を指す。日本の法律上、これに該当するものは、有料老人ホームと老人福祉施設とがある。
つまり老人ホームとは一般的に
・要介護認定を受けている
・自分1人での生活が困難
といった高齢者の方が入る施設だということがわかります。
老人ホームに該当するのが
・有料老人ホーム
・老人福祉施設
だということも記述されています。
有料老人ホーム、老人福祉施設、順にそれぞれ紹介&解説していきます。
有料老人ホームとその種類
有料老人ホームとは?
老人福祉法(昭和38年法律第133号)を根拠として、常時1人以上の老人を入所させ、介護などのサービスを提供することを目的とした老人ホーム施設です。
老人福祉法を簡単にいうと、高齢者の方が幸せな生活をするために作られた法律です。
老人福祉法の全文は厚生労働省のホームページ内「老人福祉法」より確認することができます。
有料老人ホームで提供される介護サービスには
・入浴
・排泄
・食事の介護
・食事の提供
などが含まれます。
一般的に「有料老人ホーム」と呼ばれるのは主に民間企業が運営する民間施設になっています。
有料老人ホームには、目的や介護サービスの提供方法や入居対象者などによって様々な種類があります。
・介護付有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム
上記のように「介護型」「住宅型」「健康型」と、基本的には3つのタイプに分類されます。
また、有料老人ホームの定義に当てはまる限り、有料老人ホームとしても取り扱われるのが
・サービス付き高齢者向け住宅
になります。
それぞれどんな有料老人ホームなのか、サービス付き高齢者向け住宅とは何か?
以下、わかりやすく簡単にまとめてみました。
費用に関しては後で別途まとめています。
介護付有料老人ホーム
公的・民間 | 主に民間施設 |
どんな有料老人ホーム? | ・食事の提供、介護入浴・排泄などの介護サービスが付いた高齢者向けの居住施設 ・「介護専用型」と「混合型」の2つのタイプがある |
入居条件・対象 | ・介護専用型:介護保険の要介護認定を受けている方が入居対象(要介護1~5の方) ・混合型:自立生活ができる方・要介護状態の方どちらも入居可能 ※どちらも入居対象は原則65歳以上 |
介護付有料老人ホームは「介護サービスを誰が行うのか?」によって以下のように表記されます。
・介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
・介護付有料老人ホーム(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)
それぞれの違いは
一般型特定施設入居者生活介護:介護サービスを提供するのは有料老人ホームの職員
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護:介護サービスを提供するのは委託先の介護サービス事業所
介護付有料老人ホームにおいて、上記のように「介護サービスを提供するのは誰か?」によって違いがあることを覚えておきましょう。
下記事で詳しくまとめているので、あわせて目を通していただければと思います。
住宅型有料老人ホーム
公的・民間 | 主に民間施設 |
どんな有料老人ホーム? | ・生活支援のサービスが付いた高齢者向けの居住施設 ・レクリエーションイベントやサークル活動などが充実している施設が多いが、施設によってサービスのあり方が異なる |
入居条件・対象 | ・原則60歳以上で自立した生活が可能な高齢者が対象 |
⇒訪問介護サービスなどを利用することで継続して居住することができます。
健康型有料老人ホーム
公的・民間 | 主に民間施設 |
どんな有料老人ホーム? | ・食事などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、住居型有料老人ホームよりも入居対象者が「より元気な高齢者」に特化している ・介護が必要になった場合は継続して居住することができず、介護サービスを受けられる施設に移転するなど退去しなければならない |
入居条件・対象 | 原則60歳以上で完全に自立した生活ができる方限定 ※介護が必要な方は入居対象外 |
以下の図は、平成25年に厚生省の老人保健健康増進等事業が行った調査結果になります。
出典:厚生省 老人保健健康増進等事業『有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究』
健康型有料老人ホームの割合は有料老人ホーム全体の0.2%(16件で定員数が611人)です。
このように、健康型有料老人ホームは全国的にわずかな数しか存在しないことがわかります。
サービス付き高齢者向け住宅
公的・民間 | 主に民間施設 |
どんな有料老人ホーム?* | ・基本的には介護の必要がない比較的元気な高齢者のための住宅 ・高齢者向けなのでバリアフリー対応、手すりなども設置されていて設備も快適に過ごせるよう充実している |
入居条件・対象 | ・一般的な賃貸物件のように賃貸借方式で入居契約を結ぶ |
※サービス付き高齢者向け住宅のことは、「有料老人ホームではないが、有料老人ホームでもある」と認識するとよいでしょう。
介護・ケアサービスなど「有料老人ホームの定義に当てはまる限り、有料老人ホームとしても取り扱われる」のがサービス付き高齢者向け住宅です。
ちなみに、サービス付き高齢者向け住宅は、サ高住(さこうじゅう)またはサ付き(さつき)も呼ばれることも多いです。
▼有料老人ホームの契約形態
ほとんどが入居の際に一時金を支払う利用権方式
※利用権方式とは、介護や生活支援サービスなどを含む施設を利用する権利
▼サービス付き高齢者向け住宅
前述したように一般の賃貸住宅と同様に賃貸借方式
生活支援サービスなどを受ける場合は、別途サービス利用契約
▼契約形態の違い以外に、サービス付き高齢者向け住宅は
・単身者、夫婦問わず入居可能
・介護施設ではないので、基本的に自立した生活を送れる方が利用
その他の民間の介護施設など
高齢者向けの施設として、「グループホーム」と呼ばれる施設があります。
有料老人ホームは、前述したように自立した生活を送れる方や介護が必要な方を入居対象者としています。
一方で、グループホームは認知症ケアに特化した介護福祉施設になります。
グループホーム
公的・民間 | 主に民間施設 |
どんなところ? | ・地域密着型サービスで、認知症高齢者向けの介護福祉施設 |
入居条件・対象 | ・65歳以上で要支援2または要介護1以上の認知症患者で、施設と同じ管轄の住民票があること ・定員は5人~9人を1ユニットとし、1つの施設に2ユニット(18人)まで |
グループホームは入居条件からもわかるように、小規模な施設となっています。
※費用面については後で紹介しています
その他にも、ここ最近で話題になったりもしている「シニア向け分譲マンション」と呼ばれる高齢者向けの分譲マンションがあります。
シニア向け分譲マンション
公的・民間 | 民間施設 |
どんなところ? | ・民間事業者によって販売されるバリアフリー設計の分譲マンション ・安否確認の見守りサービスやコンシェルジュ(来訪者の受付など)サービスが提供されている |
入居条件・対象 | ・基本的には自立した生活が可能な高齢者 ※年齢は50歳以上、60歳以上など住宅ごとに異なる ※サービス内容も住宅によって違いがある |
シニア向け分譲マンションは住宅によってサービス内容の細かな差はありますが、基本的には高齢者が快適に暮らせるように設備などが充実しています。
また、分譲なので売却や賃貸、相続することが可能になっているため、資産形成もできる住まいとしても近年注目されつつあります。
※費用面については後で紹介しています
主な違いは以下の通りです。
▼設備基準や行政への届出
・サ向住は設備基準や行政への届出が義務付けられている
・シニア向け分譲マンションは設備基準や届出の義務がない
▼契約形態
・サ向住は賃貸借契約
・シニア向け分譲マンションは所有権契約(所有権方式)
建物の外観だけでは違いがわからないと思いますが、両者の違いも知っておくとよいでしょう。
老人福祉施設とその種類
老人福祉施設とは?
老人福祉法(昭和38年法律第133号)を根拠として、老人福祉を行う施設のこと。
老人福祉施設に該当する施設は以下の通りです。
・老人デイサービスセンター
・老人短期入所施設
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
順に見ていきましょう。
老人デイサービスセンター
公的・民間 | 公的施設 |
どんな施設? | ・高齢者に対して入浴、食事の提供、機能訓練(リハビリ)、介護方法の指導などを提供する施設 ※対象高齢者は下記の通り |
入居条件・対象 | ・65歳以上で要介護1以上の認定を受けた方 ・40歳以上60歳未満で特定疾患により要支援または要介護と認定された方 |
老人デイサービスセンターは、一般的にデイサービス(通所介護)と呼ばれています。
ご自宅や老人ホームなどの施設まで車で迎えに来てもらってデイサービスセンターに日中通う形になります。
・送迎
・食事
・入浴
・看護師による健康チェック
・様々なレクリエーション
・生活相談
老人短期入所施設
公的・民間 | 公的施設 |
どんな施設? | ・疾病などの理由で自宅において介護を受けることが一時的に困難となった高齢者に対し、短期間入所させて養護することを目的としている施設 |
入居条件・対象 | ・65歳以上で要介護1以上の認定を受けた方 ・40歳以上60歳未満で特定疾患により要支援または要介護と認定された方 |
ご覧の通り、入居条件・対象は、前述した老人デイサービスセンターと同じです。
老人短期入所施設は一般的には「ショートステイ」と呼ばれていて、食事や入浴など日常生活上の世話や機能訓練(リハビリ)を行います。
・短期入所生活介護
・短期入所療養介護
の2つの種類があります。
▼短期入所生活介護
簡単にいうと宿泊できるデイサービスのようなものです。
介護職員や機能訓練指導員が配置されているので、機能訓練(リハビリ)やレクリエーションを受けることができます。
▼短期入所療養介護
機能訓練(リハビリ)など主に医療ケアや医療サービスが受けられるショートステイです。
そのため、看護師や医師、理学療法士や作業療法士が配置されています。
それぞれ主な施設の種類としては以下の通りです。
短期入所生活介護:特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームなど
短期入所療養介護:介護老人保健施設(老健)や病院など
また、ショートステイには「併設型」と「単独型」2つのタイプがあります。
・併設型:特養などに併設されているタイプ
・単独型:いわゆる高齢者向け施設に併設されていないタイプ
ご利用検討の際、どんなタイプのショートステイなのかを事前にチェックするとよいでしょう。
養護老人ホーム
公的・民間 | 公的施設 |
どんな施設? | ・主に経済的な理由で自宅での養護を受けることが困難な方を入所させ、養護することを目的とする行政の施設 |
入居条件・対象 | ・基本的には65歳以上で身寄りがなく独居生活の方、経済的に困窮している方、身体的な障害または認知症など精神的障害のある方など、市区町村によって入所基準は異なる |
特別養護老人ホーム(特養)
公的・民間 | 公的施設 |
どんな施設? | ・公的な介護保険施設で、食事や入浴、排泄など身体介護や機能訓練(リハビリ)などの介護サービスを受けることができる |
入居条件・対象 | ・65歳以上の要介護者 ※要介護3以上(常に介護が必要な状態で、ご自宅での介護が困難な方) ※認知症(重度でも)の受け入れも行っている |
特別養護老人ホームは通称「特養(とくよう)」と呼ばれています。
特別養護老人ホームも有料老人ホームも、どちらも高齢者の介護施設という意味では共通しています。
そのため、「どっちに入居するのがいいのか?」と悩まれる方が多いです。
以下、両者の違いについて紹介しているので参考になれば幸いです。
▼運営形態
・特別養護老人ホーム:社会福祉法人や地方公共団体など公共機関
・有料老人ホーム:主に民間企業
▼建物(居室)
・特別養護老人ホーム:相部屋が多く、建物自体の築年数が長いところが多い
・有料老人ホーム:基本的に個室で、新築(築浅)の建物が多い
▼医療面(医療ケア)
・特別養護老人ホーム:医療サービスが限定的で、夜間医療対応などが困難
・有料老人ホーム:医療サービスの種類が豊富(クリニック併設や24時間看護職員配置など)
上記の他、費用面については後で紹介しています。
特別養護老人ホームは介護保険施設ですが、この特養と同様に介護保険施設として一般的に上げられるのが介護老人保健施設です。
どちらも要介護認定を受けた高齢者の方が入所の対象となっています。
介護老人保健施設は通称「老健(ろうけん)」と呼ばれています。
▼目的・サービス
特養:介護を受けながら長く生活できる(終身利用)
老健:介護を受けつつリハビリにより在宅復帰を目指す施設(3ヶ月~半年程度の一定期間で退去が前提)
▼入居条件・対象
特養:要介護3~
老健:要介護1~
▼設備面
特養:浴室やトイレ、食堂など基本的に生活に必要な設備中心
老健:生活に必要な設備だけでなく、リハビリに重点を置いた設備が充実
このように、特養と老健の違いについても知っておくとよいでしょう。
軽費老人ホーム(ケアハウス)
公的・民間 | 公的施設 |
どんな施設? | ・社会福祉法人や地方自治体などが運営する福祉施設 ・軽費老人ホームA型、B型、ケアハウス(一般型、介護型)に分類される |
入居条件・対象 | ▼軽費老人ホームA型・B型 個人または夫婦のどちらかが60歳以上で、月34万円以下の所得者 ※月34万円以上の方は入居対象外 ▼ケアハウス一般型 個人または夫婦のどちらかが60歳以上であること ▼ケアハウス介護型 65歳以上で要介護1~2の方 |
軽費老人ホームの中でも細分化されていて、ケアハウス(一般型・介護型)は軽費老人ホームC型と呼ばれることもあります。
簡単に説明すると、
・食事サービスがあるのがA型
・基本的に自炊を前提とするのがB型
・食事や生活介護などが付帯しているのがC型(ケアハウス)
という形態になっています。
老人ホームや施設の費用・料金
ここまで様々ある老人ホーム・施設について紹介してきました。
ただ…
老人ホームと聞いて気になるのは、やはり費用面じゃないでしょうか。
「どんな形で支払うの?」
「入居・入所時に幾らぐらい払うの?」
「月額幾らかかるの?」
などの疑問や、一般的に「老人ホーム=高い」というイメージの方が多いようです。
ここまでで紹介した
・介護付有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・グループホーム
・シニア向け分譲マンション
・老人デイサービスセンター
・老人短期入所施設
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
これらの老人ホーム・施設の費用面はどうなっているのか?
順に見ていきましょう。
と言いたいところですが、老人ホーム・施設の費用は各施設で異なります。
例えば老人ホーム検索サイトなどでは、自社データ(掲載施設件数に基づいて計算)上で算出されています。
ですが、定期で平均費用や中央値など変動しています。
入居一時金の最高額の老人ホーム・施設の料金が高すぎると、それに伴って平均費用は高くなってしまいます。
ここでは老人ホーム検索サイト数社の費用データをチェックした上での見解として紹介したいと思います。
※一部引用紹介させていただいてます
と、参考にしていただければ幸いです。
有料老人ホームの費用
老人ホーム・施設名称 | 入居一時金 | 月額費用 |
介護付有料老人ホーム | 0円~数千万円以上 | 約20万円~30万円台 |
住宅型有料老人ホーム | 0円~数千万円以上 | 約20万円~30万円台 |
健康型有料老人ホーム | 0円~数千万円以上 | 約20万円~30万円台 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 0円~数十万円 | 10万円台~30万円 |
有料老人ホームに入居するには「入居一時金」がかかる場合が多いです。
入居一時金は形態がホームによって様々で、複数の料金プランから選べるようになっているのが多いです。
利用検討の際に注意したいのが「入居一時金が0円」の場合です。
入居時の費用がかからないということから一見するとお得に感じられやすいですが、月額費用が上乗せで高くなり、毎月の支払いが負担になる可能性もあります。
月額費用については「家賃でしょ?」と考える方が多いですが、家賃以外にも様々な費用が含まれます。
・家賃
・管理費
・人件費
・食費
・介護サービス費用
など
※介護サービス費用は介護保険が適用され、自己負担は一部(その方の収入により1割~3割、介護保険法により決まる)
⇒介護保険負担金や医療費、交際費、紙おむつ代など「雑費」は人によって金額は様々
有料老人ホームを検討の際、覚えておきたいのが「返還金制度」です。
▼入居一時金の返還金制度
有料老人ホームの入居時に支払う入居一時金には返還金制度があり、償却期間内に退去した場合は未償却分が返還されます。
償却期間とは想定居住期間のことをいいます。
想定居住期間とは?
有料老人ホームごとに定めている「このくらいの期間は住み続けるだろう」と予想している期間のことです。
償却期間内に退去した場合は未償却分が返還されます。
未償却分は簡単にいうと「過払い金が返還される」ということです。
払いすぎているお金が返ってくるということですね。
ホームでの居住期間が長くなると、入居一時金が償却されるので退去時に返還される金額が少なくなっていくという形です。
償却方法はホームによって異なるため、便宜各ホームにお問い合わせするとよいでしょう。
一般の賃貸住宅と同様に賃貸借方式なので、サ高住における入居一時金のニュアンスとしては「敷金」にあたるものだと考えてよいでしょう。
実際に、家賃の2~3ヶ月分として支払う形のところが多いようです。
また、サ高住も介護付などの有料老人ホーム同様に返還金制度が設けられています。
その他民間施設の費用
▼グループホームの費用
老人ホーム・施設名称 | 初期費用 | 月額費用 |
グループホーム | 0円~数百万円以上 | 約15万円~30万円台 |
グループホームへ入居する際、初期費用の支払いが必要です。
初期費用は入居一時金や保証金という名目になっていますが、施設によって初期費用・月額費用はかなり差があります。
・食費
・日常生活費
これらが月額で負担する費用となります。
グループホームも有料老人ホーム同様に一定期間内で退去した場合は各施設の償却期間や償却率によって返還金を受け取ることができます。
詳しくは各施設にお問い合わせください。
▼シニア向け分譲マンションの費用
老人ホーム・施設名称 | 購入費用 | 月額費用 |
シニア向け分譲マンション | 数千万円~1億円以上 | 約15万円~数十万円 |
シニア向け分譲マンションは、基本的に通常のマンションと同じく購入費用がかかることになります。
物件の立地や設備によって価格帯は異なるものですが、相場としては上記表の通りです。
・管理費
・修繕積立金
・固定資産税
・各マンション提供のオプションサービス費用
などで、介護サービスは別途契約となります(自己負担1割~3割)。
シニア向け分譲マンションが所有権契約(所有権方式)であることは前述した通りで、相続・売却・賃貸が可能です。
ただ、頭に入れておきたいのが売却に関してです。
古くなった物件の場合、売値を下げてもなかなか買い手が付かないケースもあるということは頭に入れておいたほうがよいでしょう。
老人福祉施設の費用
▼老人デイサービスセンターの費用
老人デイサービスセンター、通称デイサービス(通所介護)にかかる費用には介護保険が適用されます。
※介護保険が適用されるには要介護認定を受けている必要あり
介護保険対象者は、自己負担額が1割または2割となります。
費用自体は利用者の要介護度や利用時間によって変わってきます。
以下、参考として紹介します。
※デイサービス費用はあくまで目安となります
要介護認定レベル | 利用時間 | 自己負担額(利用1回の金額) |
要介護1 | 3時間~5時間 | 450円前後 |
5時間~7時間 | 650円前後 | |
7時間~9時間 | 750円前後 | |
要介護2 | 3時間~5時間 | 500円前後 |
5時間~7時間 | 750円前後 | |
7時間~9時間 | 850円前後 | |
要介護3 | 3時間~5時間 | 550円前後 |
5時間~7時間 | 850円前後 | |
7時間~9時間 | 1,000円前後 | |
要介護4 | 3時間~5時間 | 600円前後 |
5時間~7時間 | 1,000円前後 | |
7時間~9時間 | 1,200円前後 | |
要介護5 | 3時間~5時間 | 700円前後 |
5時間~7時間 | 1,200円前後 | |
7時間~9時間 | 1,300円前後 |
上記表からイメージができると思いますが、要介護の度合いによって料金が高くなる傾向です。
▼老人短期入所施設の費用
老人短期入所施設、通称「ショートステイ」の費用ですが、主に要介護度や施設の種類、部屋のタイプや滞在日数で決まるといわれています。
ショートステイには介護保険制度を利用できるものと、介護保険適用外のものがあります。
前述したように、ショートステイのサービスが受けられる主な施設は
・特別養護老人ホーム(特養)
・有料老人ホーム
です。
介護保険適用外のショートステイのサービスが受けられる主な施設は有料老人ホームになります。
ショートステイの費用に関しては、老人ホームの掲載係数№1・業界最大級の老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護」より引用紹介させていただきます。
まずは以下の図をご覧ください。
出典:LIFULL 介護
上図を見るとショートステイの費用の内訳として
・基本料金
・特別サービス利用分(加算)
・介護保険外の自費負担分
があるのがわかります。
基本料金は施設の種類によって変わってきて、短期入所生活介護に比べて短期入所療養介護のほうが医療面が充実していることから、かかる料金が高くなっています。
その他、居室の種類でも費用は異なります。
・従来型個室
・多床室
・ユニット型個室(ユニット型的多床室)
踏まえて、以下「LIFULL 介護」より引用紹介させていただきます。
出典:LIFULL 介護
デイサービスと同様に、要介護度が高くなるほど1日あたりの料金が高くなるということがわかります。
介護保険制度を利用するショートステイは基本的に人気で、1ヶ月・2ヶ月待ちの状態というところは多いです。
ただ、ショートステイは「介護をする側」「介護される側」ともに、状況や希望にあわせて色んな場面で利用できるものです。
以下、一例として紹介しておくので、参考になればと思います。
・介護をする人の仕事事情に柔軟に活用できる(泊まりの出張など)
・遠方の身内の葬儀時などに活用できる
・介護疲れで少しの間だけでも距離を置きたいときに活用できる
・介護される人が特養の入居待ち状態のときに活用できる
・介護される人が病院から退院直後に活用できる
▼養護老人ホームの費用
老人ホーム・施設名称 | 入居一時金 | 月額費用 |
養護老人ホーム | なし | ご利用者または扶養義務者の収入に応じて |
養護老人ホームに入居の際、一時入居金は基本的にはありません。
月額費用は利用される方の前年度の収入によって決まります。
※施設の利用費に満たない場合、扶養義務者の方が費用負担
つまり、ご利用者と扶養義務者の収入状況に応じて国が定める費用徴収基準額表に基づいて支払う形になります。
国が定める費用徴収基準額表とは、老人福祉法第28状の規定にある費用徴収規則に掲載されています。
参考までに、以下の表はご利用者の収入に応じた費用基準月額になります。
出典:老人福祉法第28条の規定による費用徴収規則 養護老人ホーム被措置者費用徴収基準
ご覧の通り39段階で利用費が定められているのがわかります。
次に、扶養義務者の表は以下の通りです。
出典:老人福祉法第28条の規定による費用徴収規則 扶養義務者費用徴収基準
扶養義務者のほうはご利用者ほど細分化されていません。
これらの表は、全て覚えるというのは無理があると思いますので、養護老人ホームへの入所を検討される際に参考にするとよいでしょう。
▼特別養護老人ホーム(特養)の費用
老人ホーム・施設名称 | 入居一時金 | 月額費用 |
特別養護老人ホーム(特養) | なし | 7万円前後~15万円前後 |
特別養護老人ホーム(以下、特養)の費用ですが、養護老人ホーム同様に入居一時金など初期費用がありません。
公的・民間の主な違い
先ほど紹介した養護老人ホームも特養も公的施設ですが、有料老人ホームのように民間施設と比べると入居一時金がかからないため、初期費用が安く済むというのは知っておくとよいでしょう。
・食事
・入浴
・排泄
・清掃
・洗濯
・リハビリ
・レクリエーションイベント
などで、これら以外のサービスを提供している場合は料金が加算となります。
踏まえて、月額費用は
・居住費
・食費
・日常生活費
それから介護サービス加算分となります。(施設により異なる)
また、特養には費用負担を軽くする制度もあります。
入居一時金など初期費用がかかる有料老人ホームなどへの入居が困難な方でも入居できるような制度が存在します。
低所得者・生活保護受給者向けの支援として、費用の軽減処置が行われているということです。
一例を上げると、1日の食費基準費用額が1,380円ですが、所得に応じた区分によって数百円で済みます。
▼軽費老人ホーム(ケアハウス)の費用
老人ホーム・施設名称 | 初期費用(保証金) | 月額費用 |
軽費老人ホーム(ケアハウス) | 一般型:約30万円 介護型:数十万円~数百万円 | 一般型:6万円前後~10万円台 介護型:6万円前後~20万円程度 |
軽費老人ホームへの入居は、初期費用(保証金)が必要な場合と、施設によっては不要な場合があります。
保証金とは、賃貸物件の敷金に該当するものなので退去の際に返還されます。
軽費老人ホーム(以下ケアハウス)は、その名の通り低所得者の方も利用しやすい介護施設です。
先に紹介した有料老人ホームの介護付有料老人ホームとの費用面を比べると、低料金なのがわかります。
また、ケアハウスは有料老人ホームのように民間主体ではなく、公的施設であるということも低料金を実現できている理由だといわれています。
無料老人ホームってないの?
有料老人ホームや各施設について解説&紹介していきましたが、
「有料があるなら無料老人ホームもあるの?」
と、疑問を抱く方がいるんじゃないでしょうか。
結論から言うと、「無料老人ホーム」は無いといえます。
ただ、特養やケアハウスにおいては全てではありませんが無料老人ホームと呼ばれたりもしています。
これまで紹介してきた通り、特養やケアハウスは無料で利用できるわけではないというのは理解していただけるかと思います。
おそらくですが無料老人ホームと呼ばれたりする理由に、特養やケアハウス(初期費用がかかる場合もあります)が入居の際にかかる費用が無いことから、いわゆる「無料老人ホーム」と呼ばれることもあるのではないかと考えられます。
身元引受契約について
多くの老人ホーム・施設の入居時、身元引受人(身元保証人)が必要となります。
理由としては、入居する方の「もしものとき」や「緊急時」に身元を引き取ってもらったり、未払い金の清算などを行ってもらうためです。
身元引受契約に関しては、下記事でまとめていますので是非あわせてご覧いただければと思います。
まとめ
終活で覚えておきたい老人ホームの種類や費用、入居条件などを紹介しました。
ひと口に老人ホームといっても、見方や捉え方によって複雑に感じられる方は多いと思います。
大事なのは「自身または親がどんな状態で、どんな状況下にあるのか」ということです。
・特別養護老人ホーム(特養)
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・介護付有料老人ホーム、
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
参考になれば幸いです。
また、気になった老人ホーム・施設がある際は以下も参考にしていただければと思います。
各施設のWEBサイトには資料請求できるフォームがありますが、そういったパンフレットだけでは実際の様子はわからないものです。
ですので、できれば事前に施設を直接見学しておくのが好ましいです。
実際に見学に行くことで、スタッフや他の入所されている方の様子などを知ることができます。
その他、最寄りの「老人福祉センター」や「老人介護支援センター」などで相談するのも1つです。
※どちらも無料(または低額)で地域の高齢者の方の相談に応じています
今回紹介した老人ホーム・各施設に入居には、いずれにしてもお金がかかるものですし、老後というのは誰にでもやってくるものです。
テレビのニュースなどで話題にもなった「老後資金2000万円問題」など、老後のことを考えるというのは終活になります。
老後のお金のことを考えるのは早いに越したことはないと思います。
下記事は老後資金に関してスポットを当てている記事になりますので、こちらも是非お読みいただければと思います。