遺言書の書き方|3種類の比較と無効にならないための形式要件

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遺言書は、書き方を1つ間違えるだけで全部が無効になります。日付を「令和7年8月吉日」と書いただけで無効です。

「本人の意思は明らかなのに、形式が整っていないから使えない」。これが遺言書という制度の厳しさであり、同時に形式さえ守れば絶対的な力を持つ理由でもあります。

下では3種類の遺言書を比べたうえで、無効になる9つのパターンと、それを避ける具体的な方法を示します。

目次

  • 遺言書3種類の比較(費用・手間・無効リスク)
  • 無効になる9つのパターンと回避方法
  • 自筆証書遺言の書き方(文例つき)
  • 法務局の保管制度(3,900円で検認が不要になる)
  • 遺留分|遺言書でも奪えない取り分
  • 見つけたときにやってはいけないこと(検認)

目次

  1. 遺言書とエンディングノート・遺書の違い
  2. 遺言書を書いたほうがいい人
  3. 遺言書3種類の比較
  4. ①自筆証書遺言
  5. ②公正証書遺言
  6. ③秘密証書遺言
  7. 無効になる9つのパターン
  8. 自筆証書遺言の書き方と文例
  9. 法務局の保管制度
  10. 遺留分|遺言書でも奪えない取り分
  11. 遺言執行者を決めておく
  12. 見つけたときにやってはいけないこと
  13. 書き直し・撤回の方法
  14. 遺言書の書き方の疑問
  15. 無効にしない遺言書のために

遺言書とエンディングノート・遺書の違い

まず、混同されやすい3つを整理します。

遺言書エンディングノート遺書
法的効力ありなしなし
目的財産の分け方を法的に定める情報と希望を伝える気持ちを伝える
形式厳格。外すと無効自由自由
書ける内容法律で決まった事項何でも何でも
費用0円〜十数万円0〜3,000円0円

両方あって初めて機能します

  • 遺言書/財産を「誰に」渡すか
  • エンディングノート/財産が「どこに」あるか、医療や葬儀の希望

遺言書だけがあっても、通帳の場所が分からなければ手続きは進みません。逆にエンディングノートに「預金は長男に」と書いても、法的な拘束力はありません。役割が違うので、両方書くのが正解です。

書き方はエンディングノートとは?書き方10項目、財産の一覧は財産目録の書き方をご覧ください。

遺言書を書いたほうがいい人

全員に必要というわけではありません。次のいずれかに当てはまる方は、書く価値が高いと考えてください。

状況遺言書がないとどうなるか
子がいない夫婦配偶者と故人の兄弟姉妹が相続人に。疎遠でも協議が必要になります
相続人が複数いて、財産が自宅中心不動産は分けにくく、売却か共有かで揉めやすい
特定の人に多く渡したい法定相続分どおりになり、希望は反映されません
内縁のパートナーがいる内縁関係に相続権はありません。1円も渡りません
相続人以外に渡したい子の配偶者、孫、友人、団体などには渡りません
前婚の子がいる前婚の子も相続人。全員での協議が必要です
相続人がいない財産は最終的に国庫に帰属します
事業や農地を継がせたい分割されて事業継続が困難になることがあります
相続人の仲が良くない協議がまとまらず、調停・審判に発展することがあります

子がいない夫婦は、特に注意してください

「配偶者が全部相続する」と思っている方が非常に多いのですが、違います。

子がいない場合、相続人は配偶者と、故人の親(いなければ兄弟姉妹)です。兄弟姉妹が相続人になる場合、法定相続分は配偶者3/4、兄弟姉妹1/4。疎遠な義理の兄弟と遺産分割協議をしなければ、自宅の名義変更もできません。

一方で、兄弟姉妹には遺留分がありません。そのため「全財産を妻に相続させる」という遺言書を書いておけば、そのとおりになります。遺言書の効果が最も大きく出るのがこのケースです。

遺言書3種類の比較

自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言
誰が書くか本人が全文手書き公証人が作成本人(パソコン可)
費用0円
法務局保管なら3,900円
数万円〜十数万円
(財産額で変動)
1万1,000円+α
証人不要2人以上必要2人以上必要
無効になるリスク高いほぼない高い(内容は未確認のため)
紛失・改ざんあり得る
(法務局保管なら防げる)
原本を公証役場が保管あり得る
家庭裁判所の検認必要
(法務局保管なら不要)
不要必要
内容の秘密保てる公証人と証人に知られる保てる
利用実態多い多いごく稀

どれを選ぶべきか

  • 財産が多い/相続人が揉めそう/確実性を最優先 → 公正証書遺言
  • 費用をかけたくないが、紛失と検認は避けたい → 自筆証書+法務局保管(3,900円)
  • とりあえず今すぐ書いておきたい → 自筆証書(後で作り直せます)
  • 秘密証書 → 実務ではほぼ使われません。無理に選ぶ理由はありません

①自筆証書遺言

本人が全文を手書きする方式です。費用がかからず、今日この場でも書けます。

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法律で決まっている4つの要件

  • 全文を自分で手書きする(パソコン・代筆は不可。ただし財産目録は例外)
  • 日付を正確に書く(年月日すべて。「吉日」は不可)
  • 氏名を自書する
  • 押印する(実印が望ましいが認印でも可。シャチハタは避ける)

財産目録だけは手書きでなくてよくなりました

2019年1月13日施行の民法改正により、遺言書に添付する財産目録は自書しなくてよくなりました。パソコンで作った一覧表、通帳のコピー、登記事項証明書のコピーが使えます。

ただし目録の各ページに署名と押印が必要です。両面に記載がある場合は両面とも必要です。ここを外すと無効になります。

②公正証書遺言

公証役場で、公証人に作成してもらう方式です。無効になるリスクが最も低いのが最大の利点です。

作成の流れ

  1. 財産と相続人を整理する財産目録があるとスムーズです。
  2. 公証役場に連絡して相談する全国どこの公証役場でも構いません。事前相談は無料のところが多いです。
  3. 必要書類を集める戸籍謄本、印鑑登録証明書、不動産の登記事項証明書、固定資産評価証明書など。
  4. 証人2人を手配する相続人や受遺者、その配偶者・直系血族は証人になれません。公証役場に依頼して紹介してもらうこともできます(有料)。
  5. 当日、公証人が読み上げて署名押印原本は公証役場が保管し、正本と謄本を受け取ります。

体が不自由でも作成できます

  • 公証人に出張してもらえる/入院中・施設入居中でも、自宅や病室で作成できます(別途費用がかかります)
  • 字が書けなくても作成できる/公証人が本人に代わって署名できる制度があります
  • 耳や目が不自由でも作成できる/通訳や筆談による方法が用意されています

「もう書けないから諦める」必要はありません。まず公証役場に相談してください。

③秘密証書遺言

内容を誰にも知られずに、存在だけを公証役場で証明してもらう方式です。

実務ではほとんど使われていません。理由は明快で、費用がかかるのに、公証人が内容を確認しないため無効になるリスクは自筆証書と変わらないからです。検認も必要です。

内容の秘密を守りたいなら、自筆証書+法務局保管のほうが安価で確実です。

無効になる9つのパターン

自筆証書遺言で実際に起こる失敗です。1つでも該当すると全体が無効になることがあります。

  1. パソコンで書いた/代筆してもらった本文は必ず本人の手書きです。財産目録以外にワープロ書きの部分があると危険です。
  2. 日付が「令和7年8月吉日」日が特定できないため無効とされます。「令和7年8月22日」のように年月日を明記してください。
  3. 押印がない忘れやすい項目です。必ず押してください。
  4. 夫婦連名で1通に書いた共同遺言は禁止されています。夫婦それぞれ別々に作成してください。
  5. 訂正の方法が間違っている自筆証書の訂正には厳格なルールがあります(変更場所を指示し、変更した旨を付記して署名し、変更箇所に押印)。面倒でも、書き直したほうが確実です。
  6. 財産の特定があいまい「自宅の土地」ではなく、登記事項証明書どおりの所在・地番・地目・地積を書きます。預金も「◯◯銀行△△支店 普通 口座番号1234567」まで書いてください。
  7. 誰に渡すのか特定できない「長男に」だけでなく、氏名と生年月日を書きます。
  8. 財産目録に署名押印がない手書きでなくてよくなった一方で、各ページの署名押印が新たな落とし穴になっています。
  9. 作成時に判断能力がなかった認知症が進行してから書いた遺言書は、後に有効性を争われることがあります。元気なうちに書くことが、最大のリスク回避です。

「相続させる」と「遺贈する」を使い分けてください

相続人に渡すときは「相続させる」、相続人以外に渡すときは「遺贈する」と書きます。

相続人に対して「遺贈する」と書くと、不動産の登記手続きで他の相続人の協力が必要になるなど、実務上の不都合が生じることがあります。用語1つで手続きの難易度が変わります。

自筆証書遺言の書き方と文例

実際の書式です。この形をそのまま真似れば、形式要件は満たせます。

遺 言 書

遺言者 終活 太郎 は、次のとおり遺言する。

第1条 遺言者は、遺言者の有する次の不動産を、妻 終活 花子(昭和30年4月1日生)に相続させる。

 (1)土地
  所 在 ◯◯市◯◯町一丁目
  地 番 12番3
  地 目 宅地
  地 積 150.00平方メートル

 (2)建物
  所 在 ◯◯市◯◯町一丁目12番地3
  家屋番号 12番3
  種 類 居宅
  構 造 木造瓦葺2階建
  床面積 1階 50.00平方メートル 2階 40.00平方メートル

第2条 遺言者は、遺言者の有する次の預金を、長男 終活 一郎(昭和58年6月15日生)に相続させる。

  ◯◯銀行 △△支店 普通預金 口座番号 1234567

第3条 遺言者は、前各条に記載のない一切の財産を、妻 終活 花子に相続させる。

第4条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、長男 終活 一郎を指定する。

令和7年8月22日

◯◯市◯◯町一丁目12番3号
遺言者 終活 太郎 ㊞

この文例で押さえているポイント

  • 第3条の「一切の財産」条項/これが最重要です。書き漏らした財産や、あとから見つかった預金があっても、この一文があれば遺産分割協議が不要になります
  • 不動産は登記事項証明書どおりに記載
  • 受け取る人は氏名+生年月日
  • 日付は年月日を明記
  • 遺言執行者を指定/手続きが格段に楽になります(後述)
  • 署名と押印

書くときの実務的な注意

  • ボールペンや万年筆で書く/鉛筆や消せるペンは改ざんを疑われます
  • 用紙は何でもよい/便箋でもコピー用紙でも構いません
  • 複数枚になったら契印を/法律上の要件ではありませんが、一体性を示せます
  • 封筒に入れる場合は「開封せず家庭裁判所へ」と書いておく/勝手に開封されるのを防げます(法務局保管なら封筒不要)

法務局の保管制度

2020年7月に始まった自筆証書遺言書保管制度は、自筆証書遺言の弱点をほぼ解消します。

項目内容
手数料1件3,900円(保管申請時のみ。以後の保管料は不要)
申請先遺言者の住所地・本籍地・所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局
本人の出頭必須(代理不可)。事前予約が必要です
形式のチェックしてもらえる(日付・署名・押印などの外形的な要件)
内容のチェックされません(有効性を保証するものではありません)
検認不要になります
紛失・改ざん原本を法務局が保管するため防げます
死亡時の通知あらかじめ指定した人に、法務局から通知してもらう制度があります

3,900円で得られるもの

  • 検認が不要/遺族が家庭裁判所に行く手間(数週間〜1か月)が消えます
  • 紛失・改ざん・隠匿を防げる
  • 形式ミスを窓口で指摘してもらえる/無効リスクが大きく下がります
  • 死亡後に指定した人へ通知が届く/「遺言書の存在に気づかれない」を防げます

自筆証書遺言を書くなら、この制度を使わない理由はほとんどありません。

ただし「内容が有効か」は保証されません

法務局がチェックするのは、日付・署名・押印といった外形的な要件だけです。「財産の特定があいまい」「遺留分を侵害している」といった内容面の問題は指摘されません。

財産が多い、相続人が揉めそう、といった場合は、公正証書遺言か、専門家に内容を見てもらうことを検討してください。

遺留分|遺言書でも奪えない取り分

遺言書は強力ですが、万能ではありません。一定の相続人には遺留分という最低限の取り分が保障されています。

相続人遺留分はあるか全体に対する割合
配偶者あり1/2
子(代襲相続人を含む)あり1/2
直系尊属(親など)のみが相続人の場合あり1/3
兄弟姉妹なし-

※ 上表は相続人全体の遺留分(総体的遺留分)です。個々の相続人の遺留分は、これに法定相続分を掛けて算出します。

遺留分を侵害しても、遺言書自体は無効になりません

よくある誤解ですが、遺留分を侵害する遺言書も有効です。ただし、侵害された相続人が遺留分侵害額請求をすれば、その分を金銭で支払う必要が生じます。

請求できる期間は「侵害を知った時から1年」または「相続開始から10年」です。請求されなければ、遺言書どおりに確定します。

遺留分トラブルを避ける3つの工夫

  1. 遺留分に配慮した配分にする/最も確実です
  2. 付言事項で理由を書く/法的効力はありませんが、「なぜこう分けたか」を本人の言葉で書いておくと、感情的な対立が和らぐことがあります。実務では非常に重要です
  3. 侵害する場合は、支払う原資を用意しておく/生命保険金は受取人固有の財産なので、この原資として使いやすい形です
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付言事項の例

「長男一郎には、私の介護を10年にわたり支えてもらいました。自宅を一郎に相続させるのは、その労に報いるためです。次男二郎にも、私が二郎を大切に思う気持ちは何ら変わりありません。どうか二人で助け合い、争うことなく過ごしてください。」

遺言執行者を決めておく

遺言執行者とは、遺言の内容を実現する手続きを行う人です。指定は任意ですが、指定しておくと相続手続きが大幅に楽になります。

遺言執行者がいるいない
預金の解約執行者単独でできる相続人全員の署名押印が必要なことも
不動産の登記執行者が手続きできる相続人の協力が必要
相続人が非協力的な場合影響を受けにくい手続きが止まる

遺言執行者には、相続人の1人を指定することもできますし、弁護士・司法書士・信託銀行などの専門家に依頼することもできます(専門家に頼む場合は報酬が発生します)。

見つけたときにやってはいけないこと

封をされた遺言書を、勝手に開封してはいけません

自筆証書遺言(法務局保管以外)と秘密証書遺言は、家庭裁判所で「検認」という手続きを受ける必要があります。

検認前に開封すると、5万円以下の過料の対象になることがあります。また、他の相続人から「改ざんしたのではないか」と疑われる原因にもなります。

封筒が出てきたら、そのままの状態で保管してください。

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検認とは何か

  • 目的/遺言書の存在と形状・内容を相続人に知らせ、その時点の状態を保存する手続き
  • やらないと/預金の解約や不動産の登記ができません
  • 申立先/遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 必要なもの/申立書、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、収入印紙(遺言書1通につき800円)、連絡用の郵便切手
  • 期間/申立てから検認まで1か月程度かかることが多い

検認は「有効性のお墨付き」ではありません

検認を受けても、その遺言書が有効だと認められたわけではありません。形式に不備があれば、検認後に無効と判断されることもあります。

だからこそ、書く側は形式を確実に守ることが重要になります。

書き直し・撤回の方法

遺言書は何度でも書き直せます。気が変わったら、遠慮なく作り直してください。

方法やり方
新しく書き直す日付が新しいものが優先されます。内容が抵触する部分だけ、古いものが撤回されたとみなされます
撤回する旨を書く「令和◯年◯月◯日付の遺言を撤回する」と新しい遺言書に明記する
破棄する自筆証書なら破り捨てれば撤回になります(法務局保管なら撤回申請が必要)
公正証書を撤回する新しい公正証書遺言を作るか、自筆証書遺言で撤回の意思を明記する

古いものは処分してください

複数の遺言書が残っていると、どれが最新かで争いになります。書き直したら、古いものは必ず処分してください(公正証書の場合は原本が公証役場に残るため、新しいものを作ることで対応します)。

見直すきっかけとしては、財産が大きく変わったとき、相続人が変わったとき(結婚・離婚・出生・死亡)、5年経ったときが目安です。

遺言書の書き方の疑問

遺言書は何歳から書けますか?
15歳以上であれば書けます(民法961条)。未成年でも親の同意は不要です。上限もありません。ただし作成時に判断能力があることが前提なので、元気なうちに書くことが重要です。
財産がそれほど多くないのですが、必要ですか?
相続でのトラブルは、財産の多さとは関係なく起こります。むしろ「自宅しかない」ケースのほうが揉めやすいのが実情です。分けられない財産を複数人で相続するとなると、売るか、誰かが代償金を払うかの選択を迫られるためです。
遺言書があると、相続税は安くなりますか?
直接は安くなりません。ただし配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を確実に使える配分にしておくことで、結果的に税額を抑えられることはあります。相続税については相続税の計算と申告の記事をご覧ください。
ペットに財産を残せますか?
ペットは法律上「物」なので、直接相続させることはできません。かわりに「ペットの世話をすることを条件に財産を渡す」という負担付遺贈や、ペット信託という方法があります。詳しくはペットの終活の記事で解説しています。
内縁の妻(夫)に財産を残せますか?
遺言書がなければ1円も渡りません。内縁関係には相続権がないためです。遺言書で「遺贈する」と明記すれば渡せます。ただし相続人の遺留分には注意が必要で、また相続税は2割加算の対象になります。このケースこそ、遺言書が不可欠です。
公正証書遺言の費用はいくらですか?
公証人手数料は渡す財産の額と、渡す相手の人数によって決まります。財産が数千万円規模なら数万円程度が目安ですが、正確な金額は公証役場で見積もってもらえます。加えて、証人を紹介してもらう費用、出張を依頼する場合の日当・交通費、専門家に依頼する場合の報酬がかかります。
遺言書があるか分からないのですが、調べられますか?
調べられます。公正証書遺言は全国の公証役場で「遺言検索システム」により有無を照会できます(相続人などが利用可)。法務局保管の自筆証書遺言は、法務局に「遺言書保管事実証明書」の交付を請求すれば確認できます。保管制度を使っていない自筆証書遺言は、自宅などを探すしかありません。
相続人全員が合意すれば、遺言書と違う分け方をしてもいいですか?
相続人全員(受遺者や遺言執行者がいる場合はその同意も)が合意すれば、遺言書と異なる遺産分割をすることは可能とされています。ただし状況によって扱いが変わるため、実行前に専門家に確認してください。

無効にしない遺言書のために

遺言書・要点

  • 形式を1つ外すと全部が無効になる。日付は「吉日」不可、押印必須
  • 夫婦連名の遺言書は無効。別々に作成する
  • 「一切の財産を◯◯に相続させる」の一文を必ず入れる
  • 財産目録は手書き不要。ただし各ページに署名押印
  • 自筆証書なら法務局保管(3,900円)を使う。検認が不要になり、紛失も防げる
  • 兄弟姉妹に遺留分はない。子がいない夫婦は遺言書の効果が最大
  • 遺言執行者を指定すると手続きが格段に楽になる
  • 封をされた遺言書を勝手に開封しない。過料の対象
  • 何度でも書き直せる。古いものは処分する
  • 財産目録が先。何があるか分からなければ遺言書は書けない

遺言書は「争いを起こすための文書」ではなく、「争いを起こさせないための文書」です。とくに子がいない夫婦、内縁のパートナーがいる方にとっては、これ以外に手段がありません。

まず財産目録を作ってください。そこから先は、この記事の文例をなぞるだけで形になります。

※ 本記事は一般的な情報をまとめたものです。遺言の有効性、遺留分の計算、遺産分割の可否など個別の判断には専門的な検討が必要です。実際に作成される際は、弁護士・司法書士・行政書士・公証人などの専門家にご相談ください。法令・手数料・制度の運用は改正されることがあります。公正証書遺言の手数料や法務局の保管手数料は、公証役場・法務局の公式案内で最新の金額をご確認ください。

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