遠距離介護の仕送り|現金と現物、親に届くのはどちら?

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遠距離介護の仕送りは、現金だけではなく、普段から必ず使う物を現物で送る方法も組み合わせると実用的です。現金は自由に使える一方、何に困っているのかが送り手から見えにくいことがあります。

ただし、送り方を誤るとかえって親の負担になります。玄関渡しの場合、室内まで運ぶのは親自身です。留守がちなご家庭では、再配達の連絡も親がすることになります。送る側の善意が、受け取る側の手間に変わってしまうこともあります。

この記事でわかること

  • 現金と現物の使い分け方(どちらか一方に決めない)
  • 仕送りと贈与税の関係(国税庁が示している範囲)
  • 送って失敗しやすい4つのパターン
  • 何を、どれだけ送ると使い切ってもらえるか
  • 別の住所へ送るときの実務(代金引換・送料・日時指定・不在時)
  • きょうだいで費用をどう分担するか
  • 介護が始まったら送る物が変わること

遠距離で家族が担うのは「お金」「モノ」「手続き」の3つ

離れて暮らす親を支えるとき、家族が担う役割は大きく3つに分かれます。この記事が扱うのは「お金」と「モノ」です。

役割特徴この記事で扱うか
お金生活費の一部を送る。きょうだいで分担することも多い扱う
モノ日用品や食品を届ける。買い物に行く負担を減らせる扱う
手続き要介護認定の申請など。窓口や書類のやりとりが中心扱わない(訪問調査で聞かれることへ)

3つに分けておくと、きょうだいの間で誰が何を担うかも決めやすくなります。お金とモノは離れていても担えますが、手続きは窓口へ出向く場面があるため、近くに住む家族の負担が大きくなりがちです。遠方に住む家族がお金とモノを厚めに引き受けるという分け方は、そこから出てきます。

なお、帰省したときに親の健康状態をどう見るか離れて暮らす親の健康チェック4項目見守りサービスの選び方高齢者の見守りサービス比較で扱っています。この記事では触れません。

仕送りは現金と現物、どちらがよいか

結論から書くと、どちらか一方に決めず、使い分けるのが現実的です。現物のほうが喜ばれる場面は確かにありますが、現金でなければ払えないものが必ず残ります。

送り方特徴おすすめの相手
現金医療費・公共料金・本人が選びたい物に使える。ただし使い道が見えにくい自分で買い物ができ、支払いも管理できる親
現物必ず使う物なら気を使わせずに済む。買い物に行く回数も減らせる重い物の買い物がつらくなってきた親

現金を送っても、遠慮して使わず残してしまう場合があります。一方で、現物だけにすると、通院や光熱費のような避けられない支出に手が届きません。

決め方はそれほど難しくありません。現金でしか払えない分を先に見積もり、残りを現物に回すという順番にすると、金額の目安を探さなくても組み立てられます。医療費のように月によって変わるものは、多めに見ておくほうが安全です。

仕送りの相場はいくらか

公的に集計された相場はありません。世帯の収入も親の年金額も違うため、平均額を目安にしても自分の家には当てはまりません。決めるのは「現金でしか払えない分」から逆算する順番です。

金額を先に決めてしまうと、その額に足りているか足りていないかだけを見ることになり、何に困っているのかは分からないままになります。実際にかかっている支出を書き出すほうが、必要な額も、現物で補える部分も見えてきます。

仕送りと贈与税の関係

国税庁は、贈与税がかからない財産のひとつとして、扶養義務者から生活費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるものを挙げています。親子は扶養義務者にあたるため、通常必要な生活費として必要な都度送る仕送りは、原則として贈与税の対象になりません。

贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

出典:国税庁 タックスアンサー No.4405「贈与税がかからない場合」(令和7年4月1日現在法令等)

つまり、渡し方が問われます。毎月の生活費として必要な分をその都度送る形なら、原則として対象外です。一方、まとまった額を一度に渡し、親がそれを使わずに預金していたり、投資などに回していたりする分は、贈与税の対象になる場合があります。

「必要な都度」「通常必要と認められる範囲」というのは、この記事で勧めている「必要な分だけ送る」という考え方とそのまま重なります。いくらまでが「通常必要」にあたるかは家庭の状況によって変わるため、金額が大きい場合や判断に迷う場合は、税務署か税理士に確認してください。

送って失敗しやすい4つのパターン

よかれと思って送った物が、かえって受け取る側の手間になることがあります。先にこの4つを避けるだけで、送る物はかなり絞り込めます

① 重い・かさばる

水やお米をまとめて送ると、玄関渡しの場合、親自身が室内まで運ぶことになる場合があります。届いた箱が玄関に置きっぱなしになり、通り道をふさいでしまうこともあります。

② 受け取れない

日中に留守がちだと、再配達の連絡も親がすることになります。受け取りが遅れると返送され、その手数料を請求される場合もあります。

③ 量と好みが合わない

1人暮らしの親に大容量をまとめて送ると、使い切る前に置き場所がなくなります。食品では好みも分かれ、口に合わないまま残ってしまいます。

④ 現金だけで使い道が見えない

本当に足りているのか、何に困っているのかが分からないまま続いてしまいます。金額を増やしても、困りごとが解決するとは限りません。

①〜③に共通しているのは、送る側の都合で量とタイミングを決めている点です。送る前に、親が受け取って、運んで、しまうところまでを想像してみてください。その3動作ができる量かどうかが、実際の上限になります。

何を、どれだけ送ると外れないか

外れにくいのは、次の3つを満たす物です。常温で保存でき、小分けになっていて、必ず使う物。この3条件は、そのまま失敗パターンの裏返しになっています。

品目特徴おすすめの相手
トイレットペーパー・ティッシュ必ず減る。好みが分かれにくい。ただしかさばる買い物で重い物を持ち帰るのがつらい親
洗剤・掃除用品常温で長く置ける。銘柄を変えると戸惑わせる場合がある普段使っている銘柄が分かっている場合
レトルト・缶詰火を使う時間が短くて済む。小分けなので量を調整しやすい調理の負担を減らしたい親
水・お茶必ず使うが重い。小さい容量のほうが扱いやすいペットボトルを箱で買いに行けない親

意外に見落とされるのが銘柄です。洗剤や柔軟剤を安いという理由だけで変えると、使い方が分からず置いたままになりかねません。最初の1回は、いま使っている物と同じ銘柄を選ぶほうが確実です。帰省したときに、洗面所や台所にある容器を写真に撮っておくと迷いません。

ここで多くの方が迷うのが、「どれだけ送ればよいか」です。仕送りの金額から考えると決まりませんが、使い切れる量から考えると答えが出ます。次の3点で決めてください。

送る量を決める3つの目安

① 世帯人数/1人暮らしか2人暮らしかで、減る速さは大きく変わります。同じ量を送っても、1人暮らしでは残ります。

② 消費ペース家族が帰省したときに、親と一緒に「トイレットペーパーは1か月で何ロール減るか」を数えておくと、次から量で迷いません。

③ 保管場所/置ける場所の広さが上限になります。無理なく保管できる範囲までが、送ってよい量です。

この3点が分かっていれば、金額の目安を探さなくても自分の家のケースで量を決められます。判断がつかないうちは、少なめに送って様子を見るほうが失敗しません。足りなければ次の注文で増やせますが、多すぎた分は親の家に残ってしまいます。

どこで買うか|まとめて送れる通販2社

ここまでの条件に合う物を、親の住所へ直接届けられる通販を2社紹介します。どちらも自宅以外への配送に対応していますが、得意な品ぞろえが違うので、送りたい物で選び分けてください

【日用品と消耗品をまとめて】よろずやマルシェ

食品飲料と日用雑貨を扱う総合通販です。トイレットペーパー・ティッシュ・洗剤・掃除用品といった、毎月必ず減る物をまとめて注文できます。レトルトや缶詰、水やお茶も同じ注文にまとめられるので、消耗品をひとまとめにして送りたいときに使えます。

毎月決まって使う物を切らさないようにしたい方に向いています。合計4,990円以上(税込)で送料が無料になるため、まとめ買いと相性がよい料金設定です(北海道・沖縄・離島は別料金。詳しくは次の章)。

よろずやマルシェ|日用品と食品の通販

【食べ物を中心に】ファミリー・ライフ

衣食住の幅広い品を扱っており、惣菜・魚介・精肉・漬物・缶詰・菓子・お茶など食品が充実しています。日用品や寝具も同じ店でそろうため、季節の変わり目にまとめて送る使い方もできます。

日用品は足りているが、食卓に変化をつけたい方に向いています。同じ物ばかり送って飽きさせたくないときの選択肢になります。送料は商品ごとに区分が決まっており、区分Aの商品はお届け先1件につき税込990円で、何点注文しても変わりません。

ファミリー・ライフ|食品と日用品の通販

仕送りで先に知っておく5つの実務

自分の家に届ける買い物と、親の家に届ける買い物は、手続きが同じではありません。請求先と届け先が違うと、選べない支払い方法があります。注文する前に確認しておくと、やり直しを避けられます。

確認することよろずやマルシェファミリー・ライフ
自宅以外へ送れるか送れる。ただし1回の注文につきお届け先は1か所送れる。複数のお届け先も指定できる。ただし注文者と異なる住所への複数回の注文は、転売目的と判断されて注文がキャンセルされる場合がある
支払い方法代金引換はお届け先と請求先が異なる場合は選べない。仕送りでは実質的に使えない(手数料は全国一律330円・客負担)代引き手数料は無料(店負担)。ただし支払うのは受け取る親になる。後払いは食品には利用できない(食品との同時購入も不可)
日時の指定一部の商品を除き、お届け希望日を指定できる日付指定と細かい時間指定はできない。時間帯は午前/12〜14/14〜16/16〜18/18〜21時から選ぶ
届くまでの日数商品ごとに異なる。平日15時までの注文は当日中に出荷作業を開始。金曜・祝前日の15時以降や土日祝の注文は翌営業日の注文扱い受付日から1〜2週間前後。商品によっては2週間以上かかる
送料4,990円以上(税込)で無料/2,990〜4,989円は399円/2,989円以下は699円商品ごとの送料区分制。区分Aはお届け先1件につき990円(何点でも)、他の区分は送料×個数分

※ 上記は2026年9月時点で各社の利用ガイド・よくある質問を確認した内容です。送料や配送の条件は変わることがあります。最新の条件は下記のページでご確認ください。

よろずやマルシェ:送料・お支払いについて配送についてよくある質問
ファミリー・ライフ:ご利用案内よくある質問

とくに急いで届けたいときは、届くまでの日数の差が効いてきます。ファミリー・ライフは受付から1〜2週間前後が目安のため、切らしそうな消耗品を今すぐ補充する用途には向きません。日用品はよろずやマルシェ、食べ物はファミリー・ライフ、と使い分けておくと、この差にも対応できます。

地域によって送料が変わる点にも注意してください。よろずやマルシェでは、北海道・沖縄と離島は、4,990円以上でも送料がかかります(北海道・沖縄は1,100円、離島は550円)。ファミリー・ライフでは離島や一部地域に追加送料がかかり、注文前には金額が分からず、注文後にメールで案内を受けてから手配が進むしくみです。親の住所がこれらの地域にあたる場合は、先に確認しておくほうが安心です。送料を抑えるつもりでまとめ買いをしても、地域の追加分で差が消えてしまう点には注意してください。

5つ目は不在のときです。よろずやマルシェでは不在票が投函され、お届け予定日から1週間受け取りがないと商品は返送となり、返送手続きの手数料が請求されます。親が入院したり、長く家を空けたりする可能性があるときは、家族が届く時期を親に伝えておくだけで防げます。

注文の前に、あわせて知っておくとよいこと

荷物が分かれて届くことがあります/どちらの店も、商品によっては1回の注文が複数回に分かれて届きます。1つ届いたからといって、全部そろったとは限りません。親が「届いた」と言っていても、残りが後から来る前提で考えてください。

配送業者は選べません/2社とも配送業者の指定はできません。親が受け取りに慣れている業者を選ぶ、という使い方はできません。

同じ住所へ繰り返し送るときは注意が必要です/ファミリー・ライフでは、注文者と異なる住所への複数回の注文や、同一商品の大量注文を転売目的と判断し、注文をキャンセルする場合があるとしています。定期的な仕送りはこの形に当てはまりやすいため、続けて注文するときは店へ事情を伝えておくほうが確実です。

条件を確認できたら、送りたい物から選ぶ

日用品と消耗品をまとめて|4,990円以上(税込)で送料無料。トイレットペーパー・洗剤・レトルトなど

食べ物を中心に|区分Aの商品はお届け先1件につき990円。惣菜・魚介・精肉・菓子など

きょうだいで費用をどう分担するか

分担でもめる原因は、金額そのものよりも何にいくらかかっているかが共有されていないことにあります。世帯の収入も生活の状況も違うため、一律に折半しても公平だと感じられないことがあります。

決めるときの順番

① かかっている費用を書き出す/通院・光熱費・日用品など、実際の支出を並べます。金額の相場を探すより先にやることです。

② お金と手間を分けて見る/近くに住むきょうだいは通院の付き添いなどで時間を使っています。現金を多めに出す役割と、動く役割を分ける考え方もあります。

③ 記録を残す/送った物と金額をメモやアプリで共有しておくと、後から確認できます。記録があると、負担が偏っていないかを数字で話せます。

先に確かめておきたいのが、親自身の年金や預貯金で足りているのかどうかです。不足額が分からないまま仕送りを始めると、多すぎても少なすぎても気づけません。帰省したときに、家族が親と一緒に1か月の収支をざっと見ておくと、分担の話が具体的になります。

介護が始まったら、送る物が変わる

要介護の状態になると、送る物は日用品から介護用の消耗品へ移っていきます。紙パンツやパッド、おしりふきは切らすと親も介助する家族もすぐに困る物なので、定期的に送る仕組みを作っておくと安心です。

ただし、介護用品には介護保険で借りられる物と、自費で買う物があります。何を買えばよいかは介護用品の準備リスト|介護保険で借りられる13品目と買う物で、借りる・保険で買う・自費で買うの切り分けを整理しています。買う前に読んでおくと、自費で買わずに済む物が分かります。

また、入浴や排泄の介助が始まると、消耗品を送るだけでは追いつかなくなります。家族が抱え込む前に使えるサービス在宅介護の入浴・排泄がつらい|家族が抱えずに使えるサービスにまとめています。

よくある質問

Q. 現金と現物は、どちらを多くすればよいですか?

決まった割合はありません。医療費や公共料金など現金でしか払えない分を先に見積もり、残りを現物に回すと決めやすくなります。医療費は月によって変わるため、多めに見ておくほうが安全です。

Q. 親に「送らなくていい」と言われます。

気を使って断っている場合もあります。トイレットペーパーや洗剤のような必ず使う物であれば、受け取ってもらいやすくなります。量を減らして回数を分ける方法もあります。

Q. 仕送りに贈与税はかかりますか?

親子など扶養義務者の間で、通常必要な生活費として必要な都度送る仕送りは、原則として贈与税の対象になりません。ただし、生活費の名目で受け取ったお金でも、使わずに預金したり、株式や不動産の購入資金に充てたりした分は贈与税の対象になります(国税庁 タックスアンサー No.4405)。いくらまでが「通常必要」にあたるかは家庭の状況によって変わるため、金額が大きい場合や判断に迷う場合は税務署・税理士へ確認してください。

Q. 日中は親が留守がちです。どうすればよいですか?

時間帯を指定できる店を選び、家族が届く時期を親に伝えておいてください。受け取りが遅れると返送になる場合があり、その手数料がかかることもあります。

Q. 冷蔵や冷凍の食品を送ってもよいですか?

受け取りが必須になるため、常温で保存できる物を基本にするほうが無難です。冷蔵や冷凍の物は、親が家にいる日が分かっているときに限るほうが安心です。

Q. きょうだいで分担する金額はどう決めればよいですか?

相場から決めるのではなく、実際にかかっている費用を書き出すところから始めてください。現金を出す役割と、通院の付き添いなどで動く役割を分ける考え方もあります。

まとめ

  • 遠距離介護の仕送りは、現金と現物を使い分ける。どちらか一方に決めない
  • 現金でしか払えない分を先に見積もり、残りを現物に回す。公的な相場はない
  • 通常必要な生活費を必要な都度送る分は、原則として贈与税の対象外。ただし預金や投資に回した分は対象になる
  • 失敗しやすいのは重い・受け取れない・量が合わない・使い道が見えないの4つ
  • 外れにくいのは常温・小分け・必ず使う物。銘柄は変えない
  • 送る量は金額ではなく世帯人数・消費ペース・保管場所で決める
  • 親の住所へ送るときは、代金引換が選べない場合がある。後払いが使えない商品もある
  • 送料と配送の条件は地域によって異なる。北海道・沖縄・離島は特に確認する
  • 受け取りが遅れると返送と手数料が発生する場合がある
  • 同じ住所へ繰り返し送ると、転売目的と判断されて注文がキャンセルされる場合がある

ここまで押さえておけば、送った物が使われずに残ることは大きく減らせます。あとは、送りたい物に合う店を選ぶだけです。

送りたい物で選び分ける

日用品と消耗品をまとめて|4,990円以上(税込)で送料無料。トイレットペーパー・洗剤・レトルトなど

食べ物を中心に|区分Aの商品はお届け先1件につき990円。惣菜・魚介・精肉・菓子など

※ この記事は一般的な情報をまとめたものです。介護保険で使えるサービスや費用は要介護度によって異なり、地域差もあります。個別の状況については地域包括支援センターやケアマネジャーにご相談ください。送料・手数料・配送の条件は2026年9月時点で各社の公式サイトを確認した内容です。税金の取り扱いは個々の状況によって異なります。判断に迷う場合は税務署または税理士にご確認ください。

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