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お布施(読み方:おふせ)とは、僧侶やお坊さんなどの宗教者をお呼びし、読経や戒名を頂いた時に渡すお金の事です。
葬儀や初七日、四十九日、一周忌、三回忌といった形で、お布施をお渡しする機会は多くありますので、この記事を通してお布施に関する様々な知識を深めていただければと思います。
▼この記事を読んで理解できること ・お布施の意味 ・お布施に包む金額の相場 ・どんな時にお布施が必要となるのか? ・お布施袋の書き方や、お札の入れ方 ・お布施に関する税金の事 など |
お布施とは?
はじめに、お布施とは何か?お布施の意味から解説していきたいと思います。
お布施(読み方:おふせ)
ウィキペディア(Wikipedia)では「布施」として掲載があり、以下のように記述されています。
布施(ふせ)は、梵語では「檀那(旦那)(ダーナ、दान、dāna)」といい、他人に財物などを施したり、相手の利益になるよう教えを説くことなど、「与えること」を指す。
すべての仏教における主要な実践項目のひとつである。
ウィキペディアの記述は少し難しく書かれているように思えるかもしれません。
現在の意味合いを踏まえてわかりやすく言うと、お布施とは宗教者(お坊さんや僧侶など)をお呼びし、読経や戒名を頂いた時に渡すお金の事です。
お金をお渡しする事にはなりますが、対価という考えではありません。
また、お布施として包む金額に決まりがあるわけではありません。
※金額に関して詳しくはこのあとの【お布施の金額はいくら包む?】にて解説しています
読経(どきょう・どっきょう・どくきょう)とは、お経を読んでもらう事を意味します。
戒名(かいみょう)とは、仏教において、亡くなった方が極楽浄土へと行く事が出来るように僧侶などの宗教者によって付けられる故人の名前の事になります。
お布施の表現や別の言い方
・お布施
・御布施
・布施
・御経料
・宗教者費用
「お布施」英語では?
an offering(アン オファリング)
「お布施をあげる」という英文が「make an offering」となり、「offering」には「供物(くもつ)」の意味合いもあります
お布施と心付けの違い
お布施と混同されがちな言葉として「心付け(こころづけ)」があります。
お布施と心付けを同じものとして扱われている事もあるようですが、意味合いを考えると別物だと言えます。
心付けとは、葬儀などでお世話になった方へのお礼としてお金を渡す事です。
簡単に言うと「チップ」になります。
心付けは日本で昔からある慣習で、例えば葬儀において、葬儀社や火葬場のスタッフや、霊柩車の運転手などにお礼の気持ちとして渡すお金が心付けとなります。
対象 | 金額 |
運転手(寝台車、霊柩車、マイクロバス) | 3,000円~5,000円 |
葬儀社や火葬場のスタッフ | 3,000円~5,000円 ※葬儀の世話役の場合は多めに渡す傾向あり(10,000円) |
地域性はありますが、心付けの平均的な相場としては3,000円~5,000円となっています。
※心付けはあくまでお礼の気持ちなので、必ず渡さなければいけないものではありません
ちなみに、心付けを渡す場合のタイミングですが、お渡しする相手によって違ってくると言えますが、運転手の場合はくれぐれも運転中など差し支えないタイミングでお渡しするようにしましょう。
お布施が必要となる時はいつ?
お布施はいつどんなタイミングで僧侶にお渡しするものなのか?
はじめに触れたお布施の意味に、読経や戒名という言葉が含まれているのを観て頂けたかと思います。
読経とはお経を読んでもらう事なので「どんな時にお経を読んでもらうのか?」と考えると、必然的に『お布施を渡さなければいけない時』がわかります。
お布施が必要となるタイミング
・葬儀の際
・法要(法事)の際
※法要とは四十九日法要や納骨式(納骨法要)の事を指します
上記のように、葬儀や法要の際にお布施が必要となるのが一般的です。
現在では四十九日法要の際、あわせて遺骨を納骨する納骨式が行われるケースが一般的となってきています。
納骨が行われたりする事からも、四十九日法要は法要の中でもとても大事な法要だとされています。
四十九日法要については下記の記事にてまとめていますので、あわせてご覧頂ければと思います。
お布施の金額はいくら包む?
次に、お布施に包む金額について解説していきます。
お布施には「お膳料」や「お車代」といった名目で費用がかかる場合があります。
✔ お膳料(おぜんりょう)…会食の席の料理の代わりに渡すお布施
✔ お車代(おくるまだい)…僧侶に対して用意する交通費の事
お車代の表記:お車代、御車代、御車料
お膳料の表記:お膳料、御膳料
※どちらで表記しても特に問題ありません
お車代、お膳料、どちらも「お布施」として僧侶へお渡しするのが通例です。
※僧侶や宗教者などお寺に従事する側からすると「お車代・お膳料は、お布施ではない」と考えられるようです ただ、葬儀や法要の席で実際によくある例ですが、「僧侶が会食の席を辞退されるので、お車代とお膳料をお布施としてお渡ししました」といったように「お車代」や「お膳料」は「お布施」の内訳として考えられているのが一般的だと思います |
つまり、一般的な考えとしてお布施の内訳は主に次のように認識されている事になります。
・読経料
・戒名料
・お車代
・お膳料
各名目ごとに、お布施の金額はどれくらい包むものなのか?
わかりやすく一覧にしたものが以下の表です。
お布施の金額相場早見表
名目 | 金額相場 |
お通夜・葬儀・告別式 | 15万円~50万円 |
法要(法事) | 30,000円~50,000円 ※別途お車代として5,000円~10,000円用意するのが一般的 |
初盆(新盆) | 30,000円~50,000円 |
納骨 | 30,000円~50,000円 ※四十九日法要時の納骨が一般的 |
お車代とお膳料 | あわせて5,000円~10,000円 ※お車代は宗教家の移動距離で変動 |
戒名料 | 10万円~100万円以上 ※お寺や戒名のランク・宗派によって大きく変動 |
※法要の際のお布施ですが、お寺によっては「お布施は別途3万円」といったように設定されているお寺もあります
お布施の金額については、「読経料として」「戒名料も含めて」「お車代やお膳料も含めて」など、お布施の名目が地域や宗派による違いがある事を前提として、頭に入れておくようにするとよいでしょう。
お布施の包み方
お布施を僧侶にお渡しする際、お金をそのままお渡しするわけではありません。
お布施の包み方には2つの方法があります。
・半紙に包んだお札を奉書紙で上包みし、切手盆にのせて、または袱紗に包んでお渡しする
・お布施袋(不祝儀袋や白無地の封筒)に包む
それぞれの包み方について、詳しく解説していきます。
【お布施の包み方】奉書紙で包む場合
奉書紙(ほうしょし、ほうしょがみ)とは、表側は滑らかで裏側は少しザラっとしている紙の事です。
文房具点やダイソーなどの100円ショップで売られている式辞用紙(しきじようし)が奉書紙になります。
お布施は金銭を手渡しで行うものですが、奉書紙に包んだお札を直接手渡しするのは失礼にあたります。
奉書紙にお札を包んだら、以下いずれかの形でお渡しするようにします。
・奉書紙で包んだお札を切手盆など小さなお盆にのせてお渡しする
・奉書紙を袱紗に包んでお渡しする
上記のように。僧侶の方にお渡しする際「奉書紙+切手盆」「奉書紙+袱紗」いずれかの形が作法として最も丁寧なお布施の渡し方だとされています。
▼切手盆(きってぼん)について 切手盆(きってぼん)とは、ご祝儀、お布施などを渡す際に使われる主に黒塗りのお盆の事です。 慶事・弔事どちらでも使われるのが通例です。 切手盆(きってぼん)は100円ショップに置いてある場合や、ホームセンターで購入する事ができると思います。 |
▼袱紗(ふくさ)について 袱紗(ふくさ)とは、香典袋やお布施を包むための布で、一般的にはシルクのものが多く用いられています。 奉書紙と同じく、袱紗も100円ショップでも売られています。 |
【お布施の包み方】奉書紙で上包みする手順
奉書紙を用いる場合、まずはお札を半紙で包む事になります。
▼参考までに、お札を包む半紙の寸法は「242mmX334mmサイズ」であれば問題ありません
≪お札を半紙で包む手順1≫
以下の画像のようにお札を半紙に置きます。
≪お札を半紙で包む手順2≫
①の部分を ↓ のように折ります。
≪お札を半紙で包む手順3≫
②の部分を ↓ のように折ります。
≪お札を半紙で包む手順4≫
③の部分を ↓ のように折ります。
≪お札を半紙で包む手順4≫
④の部分を ↓ のように折ります。
お札を半紙で包む手順は以上です。
上記の手順4まで行うと、↓ のようになります。
このとき、お札は ↓ のように包まれています。
肖像画側が上側となります。
お札を包んだ半紙を奉書紙で包む手順はとても簡単で、以下図の通りです。
① → ② → ③ → ④の順に折ればいいだけです。
※②の裏に表書き(御布施など、氏名)を書く事になります
▼お近くに販売されている文房具店や100円ショップがない場合、こちらの慶弔両用の奉書紙(式辞用紙)が使えます。
ちなみに、ここで紹介した半紙や奉書紙の包み方は、あくまで一例です。
包み方はインターネットで「奉書紙 包み方」「奉書紙 半紙 包み方」と検索すると、画像付きで色んな包み方を参考にできると思います。
【お布施の包み方】お布施袋に包む場合
奉書紙を用いるのが最も丁寧な形ではありますが、近年では一般的な渡し方として郵便番号など印字されていない白無地の封筒(不祝儀袋)や、「お布施」「御布施」と表書きが印字されたお布施袋を用いる方が多くいらっしゃいます。
※お布施袋 = 不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)= 白無地の封筒
お布施袋を用いる際に気をつけたいのが、封が二重になっている封筒は使わないようにする事です。
※二重封筒は「不幸が重なる」というのを連想させてしまうため、必ず一重のものを使うようにしましょう
お布施袋として熨斗(のし)袋は使える?
⇒ 使わないのが一般的です。
水引きのように地域性がありますが、一般的にお布施袋は「のし袋」ではなく、白無地の封筒を用いるのが全国的にも共通していると思います。
そもそも熨斗(のし)とは、↓ のイラストのように祝儀袋の右上に付いている飾りの事を言います。
熨斗(のし)の由来は薄く切った鮑(あわび)を叩いて伸ばして乾燥させ、保存食として長寿の象徴・縁起物として祝事の贈り物に添えられていました。
その名残りとして現在では熨斗(のし)袋として形を変え、祝儀袋や熨斗紙に飾りとして付けられています。
お布施の熨斗(のし)袋はたくさん種類がありますが、熨斗の飾りが付いていない(印刷されていない)白無地のものを用いるようにしましょう。
お布施袋には水引きは基本的に不要とされています。
ですが、地域によっては水引きの付いたお布施袋を用意するケースもみられます。
▼お布施の水引きについて お布施は基本的には水引きをかけないとされていますが、地域によって双銀、白黒などの水引をつけることもあります。 関西地域では、左画像のように黄白の水引を用いるのが一般的となっています。 |
もし、お住まいの地域性で水引のついたお布施袋を用意しなければいけない場合、「御布施」の字と一緒に水引きも印刷されているタイプのお布施袋も市販されていますが、そちらを用いてもマナーとして失礼にあたりません。
最近では奉書紙や切手盆、袱紗やお布施袋を店頭ではなく、通販で購入される方も増えてきています。
お住まいからコンビニや文房具店が遠い、近くにお店がない等の理由や、葬儀・法要時は何かと忙しく時間に追われるといった背景から、自宅で簡単に購入する事ができるネット通販を利用されているのではないかと思われます。
以下、幾つか紹介しておきますので、お役に立てれば幸いです。
▼お布施以外に祝事にも使う事ができる切手盆
▼慶弔どちらでも使える袱紗(日本製)
▼お布施袋(「御布施」が印刷されているもの)
お住まいの地域によっては、お近くに切手盆など取り扱いの文房具店がない場合もあるかと思われます。
そのような場合などに通販の利用がおすすめと言えます。
【お布施の包み方】お布施袋へのお札の入れ方・お札の向き
※奉書紙を用いる場合のお札の入れ方や向きについては上で書いた通りです
お布施袋(不祝儀袋や白無地の封筒)を用いる場合のお札の入れ方・向きについては以下の図のように入れます。
封筒の表面に対して、お札の肖像画の方を上側(封をする方)になるように向きを揃えて入れるのがマナーです。
※お札を入れた後、封をする際「のり」は必要ありません(しない方のほうが多くなっています)
お布施のお札は新札を包んでも失礼にならない
香典の場合だと急な訃報で新札を用意する時間もなかった、という意味合いから新札を包むのは失礼にあたるとされていますが、お布施の場合は僧侶やお寺への感謝の気持ち、お礼なので新札が失礼にあたるという事にはなりません。
お布施の書き方
お布施袋(奉書紙や白い無地封筒)の書き方を知っておくと、いざとなった場合に慌てる事がないと思いますのでここで紹介する書き方について、頭に入れておくようにしましょう。
書くもの | 墨色 |
弔事用の筆ペン | 黒の濃い墨(濃墨) |
気をつけたいのが墨の色です。
香典を渡す際、香典袋(不祝儀袋)に書くのは薄墨になりますが、「悲しみの涙がこぼれて墨が薄まった」「突然の訃報で墨を磨る時間もなかった」といった理由から薄墨で書くものです。
※お布施は悲しみの意ではなく、お寺への感謝の気持ちなので、薄墨で書くのはマナーとして失礼にあたります
お布施袋に書くときは必ず黒の濃い墨(濃墨)の筆ペンで書くようにしましょう。
▼薄墨・濃墨どちらも両用で使える筆ペンは一本持っておくと、弔事だけでなく祝事にも使えるので便利です
表書きの書き方ですが、お布施を渡すのが初めての場合、「上包み」や「中包み(中袋)」といった用語がわかりづらいかと思いますので、以下の図を確認した上で、読み進めていただければと思います。
奉書紙を用いる場合は奉書紙が上包みとなります。
表書きは宗教によって書き方が違うので、各宗教に合った表書きとして書くのがマナーです。
【お布施の書き方】仏式の表書き
仏式の書き方は以下のようになります。
仏式 | 御布施、お布施 |
仏式では上包みの表書きは上側に「御布施」または「お布施」と記すのが一般的です。
その下側に喪主の姓だけを書く場合と喪主の氏名を書く場合、氏名を書いたほうがより丁寧ですが、どちらの形でも問題ないとされています。
※基本的にお布施の表書きには僧侶への宛名は不要です
※仏教でも浄土真宗など宗派やお布施の名目によって書き方が若干異なる場合もあります
「御車料」や「戒名料」と合わせて「お布施」と書いてお渡しする場合や、それぞれ分けてお渡しする場合、どちらのケースもあると思います。
分ける・分けない、という事に特に決まりやルールはありません。
【お布施の書き方】神式の表書き
神式の書き方は以下のようになります。
神式 | 御礼、御祭祀料 |
【お布施の書き方】キリスト教式の表書き
キリスト教式の書き方は以下のようになります。
キリスト教式 | 献金 |
【お布施の書き方】ケース別の表書き
僧侶にお経を読経していただく、四十九日で納骨式を行う、初七日や四十九日法要の会食の席を僧侶が辞退する場合など、「お布施」とは別にそれぞれ用意する場合もあるかと思います。
その場合は、それぞれの名目を表書きに書きます。
≪読経をお願いする場合≫
お経料、または御経料
お経には「枕経(まくらぎょう)」というお経がありますが、枕経を読経して頂いた場合「枕経代」といった形で枕経単体のお布施としては渡さないのが一般的です。
枕経(まくらぎょう)とは?
死後に行われる儀式の一つで、故人の枕元でお経をあげる事
※僧侶のお車代と合わせたお布施として渡されるのが一般的ですが、宗派によって金額の相場は開きがあります
≪納骨をお願いする場合≫
お布施、または御布施
納骨式などでお布施をお渡しする際、「納骨料」という表書きではなく、「お布施」または「御布施」が一般的です。
≪戒名をお願いする場合≫
戒名料
≪初七日や四十九日法要で僧侶が会食の席を辞退される場合①≫
お膳料、または御膳料
お膳料(御膳料)は、お通夜での「通夜振る舞い(つやぶるまい)」や、初七日法要時の「精進落とし(しょうじんおとし)」、四十九日法要時の「お斎(おとき)」など、会食の席を設けた際、僧侶が辞退される場合に必要となるお布施です。
▽参考
・通夜振る舞いについて
・精進落としについて
・お斎について
≪初七日や四十九日法要で僧侶が会食の席を辞退される場合②≫
お車料、または御車料
金額の書き方
中包み(中袋)がある場合…表面に金額を書きます
中包み(中袋)がない場合…上包みの表面に金額を書きます
※ある場合・ない場合どちらも裏面には住所と氏名を書きます
金額を書く際の注意点として、金額の頭を「金」とし、以下のように金額は旧字体の漢字で書くようにします。
一 | 二 | 三 | 五 | 十 |
壱 | 弐 | 参 | 伍 | 拾 |
万 | 円 |
萬 | 圓 |
金額は奇数・偶数どちらでも問題ありませんが、「4」や「9」などは念のため避けるほうが好ましいかと思います。
金額を書いた最後に「也」と書きます。
例)
5万円の場合 → 伍萬圓也
※10万円の場合は、壱拾圓也となります上図は中包みの書き方例ですが、中包みがない場合は上包みに同じように書きます。
裏面の住所のあとに書く氏名は喪主の氏名を書きます。
※地域によっては裏面に金額を書くところもあります
お布施の書き方は、宗教・宗派や地域によって若干違ってくるという事を前提に理解しておくとよいでしょう。
お布施の渡し方・タイミング
葬儀や法要など様々な場面でお布施を渡す際、「どのタイミングで渡せばいいのか?」と考える方は多くいらっしゃると思います。
お布施を渡すタイミングとして、葬儀の際お渡しするお布施は葬儀前か葬儀後(法要時なら法要開始前か法要が終わった後)が一般的です。
葬儀のお布施であれば、始まる前に僧侶の方へ挨拶するタイミングでお渡しするのがよいでしょう。
≪葬儀前に渡す場合≫ ・「本日はどうぞ宜しくお願い致します」などの挨拶とともにお渡しする ≪葬儀後に渡す場合≫ ・「本日は供養のお勤め有難うございました」などの挨拶とともにお渡しする |
※法要時の場合も葬儀時と同様に、始まる前か終わった後にお渡しします
タイミングと合わせて、お布施の渡し方については以下参考にして下さい。
≪切手盆を用いる場合≫ ・奉書紙で包む場合でも封筒の場合でも、切手盆にのせてお渡しします ≪袱紗を用いる場合≫ ・奉書紙で包む場合でも封筒の場合でも、お渡しする直前までは袱紗に入れておき、お渡しする時は袱紗の上にのせてお渡しします ▼切手盆、袱紗、お布施袋(不祝儀袋や白無地の封筒)、いずれの場合も以下図のように『表書きの氏名側(下側)を僧侶側へ向けて』お渡しするようにしましょう |
基本的には、お布施を渡すタイミングというのは特に決まっていませんが、お寺や地域によってルールが決められている事もあります。
その場合は、年長の親族や葬儀社に確認するようにしましょう。
また、お寺に確認しても失礼にはあたりません。
お布施と税金
「お布施は葬式費用(葬儀費用)として扱われるのか?」と、疑問を抱かれる方は結構いらっしゃるようです。
葬式費用として扱われる場合、相続税の計算をするときに遺産総額から葬式費用を差し引く事ができます。
ただ、ひと口に葬式費用とはいっても、実際に葬式費用として控除できるもの・できないものがあります。
結論から言うと、お布施は葬式費用として控除できる場合と、できない場合があります。
葬式(お通夜・告別式)時のお布施は葬式費用として控除できる
初七日や四十九日法要(法事)時のお布施は葬式費用として控除できない
このように、「いつお渡しするお布施なのか」それによって葬式費用として控除できる・できないが変わってきます。
以下、国税庁のホームページ内に詳しく記載されていますので参考までに。
1 葬式費用となるもの
遺産総額から差し引く葬式費用は、通常次のようなものです。
(1) 葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)
(2) 遺体や遺骨の回送にかかった費用
(3) 葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)
(4) 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
(5) 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用2 葬式費用に含まれないもの
次のような費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません。
(1) 香典返しのためにかかった費用
(2) 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
(3) 初七日や法事などのためにかかった費用
『葬式(お通夜、告別式)時のみ、お布施は相続税申告で債務控除が可能』という事がわかって頂けたかと思います。
では、実際にお布施に用いた金額分の控除を受けるためにはどうすればよいのか、解説していきます。
相続税の控除を受ける方法
控除を受けるには、お布施として包んだ金額の領収書が必要となります。
お布施以外の葬式費用の大半は葬儀社へ支払うものになると思いますので、基本的には葬儀社から領収書が発行されるものです。
ですが、お寺に対して支払う(包む)お布施は、そもそも金額が明確ではないという事からも、領収書を発行してもらえないのが一般的です。
領収書の発行について
お布施はお礼として金品を渡すものではあっても、僧侶個人に対してではなく、お寺に対して包むものです。
お寺は宗教法人なので、非課税です。
非課税だと収入印紙も不要で、領収書を発行しなければいけないといった義務がありません。
お寺にもよりますが、基本的には領収書を発行してもらえない事のほうが多いと思います。
領収書の発行をお寺にお願いする事は可能ですが、無理に領収書を請求しなくても控除を受ける事はできます。
それが自分でメモを作成する方法です。
領収書が発行されない場合は、自分でメモを作成する事で控除を受ける事が可能です。
自分でメモを作成する場合、以下の必要事項を必ず入れて作成するようにしましょう。
・お寺の名称
⇒ あわせてお寺の所在地もあると尚良し
・日付
⇒ 基本的に葬式当日だと思いますが、お布施を渡した日
・お布施の名目
⇒ 御布施、御車料など
・お布施の金額
以上の4点はメモとして入れ忘れないように気をつけて下さい。
控除されるのが葬式時のお布施だけとはいえ、相続税が少し安くなる事を考えれば、領収書やメモは証明として取っておくのが好ましいと言えます。
確定申告について お布施は上記のように葬式時のみ、相続税の控除にはなりますが、所得税の控除や他の控除(寄付金控除、特定寄付金控除)を受ける事はできません。 「お布施は確定申告できない」と覚えておくようにしましょう。 |
まとめ
お布施について紹介しました。
簡潔に言うと「どんな時にお布施が必要か?」を理解し、マナーに直結する「お布施の書き方・渡し方」を頭に入れておくとよいでしょう。
以下、おさらいとして要点をまとめました。
本記事の最後の項目で相続税について少し触れましたが、終活.comでは相続税についての記事も掲載しています。
終活で考える相続税の事など、わかりやすくまとめていますので合わせてご覧頂ければと思います。