故人のマイナンバーカードは返納義務なし|自動失効の時期と形見

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家族が亡くなったあと、遺品の中からマイナンバーカードが出てくると、多くの方が手を止めます。「これは役所へ返さないといけないのだろうか」と。答えを先にお伝えします。返納する法令上の義務はありません。そして死亡届が受理されれば、カードは自動的に失効します。返す・手元に残す・処分する——この3つから選んでよいということです。急ぐ必要もありません。ただし処分する前に確かめておいたほうがよいことが1つだけあります。この記事では、失効するものとしないものを整理したうえで、スマホの中のカードの扱い、形見にする場合の注意、番号が必要になる場面までまとめました。

この記事の結論

  • 故人のマイナンバーカードに返納の義務はありません
  • 死亡届が受理されると、自動的に失効します
  • 選べるのは返す・手元に残す・処分するの3つです
  • 返納に期限はありません。急がなくて大丈夫です
  • 電子証明書も自動で失効し、スマホの中のカードも操作は要りません
  • ただし、医療保険の資格を抜く届出は別に必要です
  • 通知カードも返納しなくてかまいません
  • 処分する前に、番号だけは控えておいてください

この記事でわかること

  1. まず結論|返納の義務はない
  2. 選べるのは3つ
  3. 死亡届で自動的に失効する
  4. 失効するもの・しないもの
  5. 返納する場合の窓口と持ち物
  6. 返納に期限はありません
  7. マイナ保険証はどうなるか
  8. カードと保険は別の手続き
  9. 電子証明書も自動で失効
  10. スマホの中のカードも操作不要
  11. コンビニ交付は使えなくなる
  12. 住民票の除票はコンビニ不可
  13. 形見として手元に残す場合
  14. 長期保管するときの注意
  15. 通知カードは返納しなくてよい
  16. 番号が必要になる場面
  17. 処分する前に番号を控える
  18. 番号のコピーを大量に残さない
  19. ケース別|カードをどうするか
  20. よくある質問12問
  21. まとめ

まず結論|故人のマイナンバーカードに、返納の義務はありません

結論から書きます。亡くなった方のマイナンバーカードを、家族が役所へ返納しなければならないという法令上の義務はありません。返さなかったからといって、罰則が科されることもありません。

「身分証だから、返さないと悪用されるのでは」と心配される方もいます。その心配も要りません。次の章で見るとおり、死亡届が受理された時点で、カードは自動的に効力を失うからです。

よくある思い込み実際
返納返さないといけない義務はありません
期限何日以内に返す期限はありません
失効手続きしないと有効なまま死亡届で自動的に失効します
罰則返さないと過料があるありません
形見手元に残せない残して構いません

選べるのは3つ|返す・手元に残す・処分する

義務がないということは、選べるということです。家族の考え方に合わせて決めて構いません。

選択肢向いている場合気をつけること
役所へ返納する手元に置いておくのが不安な方返す前に番号を控えます
手元に残す写真を形見にしたい方個人情報の管理が要ります
自分で処分するすっきりさせたい方細かく裁断してから捨てます

どれを選んでも間違いではありません。ただし共通してやっておきたいのは、「番号を控えておく」ことだけです。理由は後半で説明します。

死亡届を出すと、自動的に失効します

ここが安心してよいところです。亡くなった方の死亡届が自治体で受理されると、マイナンバーカードは自動的に失効します。家族が何か手続きをする必要はありません。

失効するということは、身分証としても使えなくなるということです。誰かの手に渡っても、本人確認の書類としては通用しません。「返さないと悪用される」という心配は、この点で大きく和らぎます。

死亡届そのものは、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ届け出ることになっています。葬儀社が代行してくれることも多い手続きです。これさえ出ていれば、カードの失効は自動で進みます。

自動で進むこと自分で動くこと
カードの失効死亡届で自動なし
電子証明書の失効死亡届で自動なし
カードの返納返したい場合だけ(義務なし)
医療保険の資格喪失必要(原則14日以内)
年金・保険・銀行などそれぞれ必要

この表の意味は単純です。カードに関することは、ほとんど自動で片づきます。手を動かす必要があるのは、カードの下にぶら下がっている「中身」のほう——医療保険、年金、契約——だということです。

失効するもの・しないもの【一覧】

死亡届で自動的に止まるか
マイナンバーカード本体止まります
署名用・利用者証明用の電子証明書止まります
健康保険証としての利用止まります
コンビニでの証明書の交付使えなくなります
スマホに入れた電子証明書止まります(削除の操作は不要)
医療保険の資格そのもの止まりません(別に届出が要ります)
年金・保険・銀行などの契約止まりません(それぞれ手続きが要ります)

この表の下2行が、いちばん誤解されやすいところです。カードが止まることと、保険や契約が止まることは、まったく別です。ここを混同すると、必要な手続きを落とします。

返納する場合の窓口と持ち物

返納すると決めた場合の窓口は、故人が住民登録していた市区町村です。住んでいた市の役所ということになります。

持っていくもの備考
故人のマイナンバーカードこれが本体です
手続きに行く方の本人確認の書類運転免許証など
故人との関係が分かるもの市区町村によって求められることがあります

持ち物は市区町村によって案内が異なることがあります。心配な場合は、事前に電話で確かめておくと二度手間になりません。「亡くなった家族のマイナンバーカードを返しに行きたい」と伝えれば通じます。

返納に、期限はありません

死亡後の返納について、いつまでにという期限は定められていません。葬儀や他の手続きで慌ただしい時期に、無理に足を運ぶ必要はありません。

急ぐ手続きと、急がない手続きを分けてください

亡くなったあとの手続きには、期限があるものとないものがあります。マイナンバーカードの返納は期限のない側です。一方で、死亡届は7日以内、世帯主の変更届と健康保険の資格を抜く届出は14日以内、相続放棄は原則3か月以内、相続税の申告は10か月以内——こちらは期限があります。限られた時間は、期限のあるものから使ってください。カードの返納は、落ち着いてからで間に合います。

マイナ保険証はどうなるか

マイナンバーカードを健康保険証として使っていた場合も、死亡届が受理されればカードが失効し、保険証としての利用もできなくなります。登録を解除する操作は要りません。

ここまでは自動です。問題は、この先です。

カードが止まることと、保険を抜くことは別です

医療保険の資格喪失の届出は、別に必要です

カードが使えなくなることと、医療保険の資格を抜くことは別の手続きです。ご遺族は、勤務先または市区町村の医療保険の担当窓口を通じて、死亡による資格喪失の手続きを行う必要があります。「カードが止まったから、もう何もしなくてよい」と考えてしまうのが、いちばん多い落とし穴です。国民健康保険と後期高齢者医療は原則14日以内という期限もあります。会社の健康保険だった場合は、勤務先の担当者を通す形になります。

ここを落とすと、受け取れるはずの給付を逃すことにもつながります。健康保険からは、葬祭に関する給付が用意されています。資格喪失の手続きに行くときに、あわせて確かめてください。

加入していた保険資格喪失の届出の窓口
国民健康保険市区町村の保険の担当窓口
後期高齢者医療市区町村の保険の担当窓口
会社の健康保険勤務先の担当者を通します
どれか分からないまず市区町村に相談すれば整理してもらえます

故人がどの保険に入っていたか分からない、ということもあります。その場合も、まず市区町村の窓口に相談すれば整理を手伝ってもらえます。「会社を退職していたのか、まだ在職中だったのか」が分かれば、窓口はすぐに決まります。

電子証明書も、自動で失効します

マイナンバーカードには、署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書という2つの証明書が入っています。行政の手続きをインターネットで行うときなどに使うものです。

これらも死亡によって失効します。家族が個別に停止の手続きをする必要はありません。暗証番号を知らなくても問題ありません。

スマホの中のカードも、操作は要りません

最近は、スマートフォンにマイナンバーカードの機能を入れている方もいます。この場合も、遺族が削除の操作をする必要はありません。

遺族の操作
カード本体不要(自動で失効)
iPhoneに入れた機能削除の操作は不要
Androidのスマホ用電子証明書操作は不要

スマホのロックが開けられない場合でも心配は要りません。電子証明書の側が失効するので、端末を操作できなくても効力は残りません。スマホそのものの解約や中身の整理は、それとは別の話として進めてください。

コンビニ交付は、使えなくなります

マイナンバーカードがあると、コンビニの機械で住民票や印鑑登録証明書を取れます。この機能も、失効とともに使えなくなります。

ここで気をつけたいのが、相続の手続きで必要になる書類を、故人のカードでは取れないということです。「カードがあるうちに取っておこう」と考える方がいますが、亡くなった時点で使えなくなります。

取りたい書類故人のカードで取れるかどうするか
故人の住民票(除票)取れません市区町村の窓口で請求します
故人の戸籍謄本取れません本籍地の市区町村へ請求します
自分の住民票・戸籍自分のカードで取れますコンビニも使えます
相続人全員の戸籍それぞれ本人が取るか、まとめて請求します

相続の手続きでは、自分の書類も必要になります。こちらは自分のマイナンバーカードがあればコンビニで取れるので、そこは活用してください。「故人の分は窓口、自分の分はコンビニ」と覚えておくと迷いません。

住民票の除票は、コンビニでは取れません

亡くなった方の住民票は「除票」という扱いになります。この除票は、コンビニの機械では取得できません。市区町村の窓口で請求することになります。

除票は、あとから何度も必要になります

住民票の除票は、相続の手続きのあちこちで求められます。銀行の手続き、不動産の登記、保険の請求、年金の手続き——それぞれで提出を求められることがあります。1通ずつ取りに行くと、そのたびに窓口へ足を運ぶことになります。最初に窓口へ行くとき、「何通くらい要りますか」と相談したうえで、複数通まとめて取っておくと手間が減ります。戸籍謄本も同じです。

形見として手元に残す場合

マイナンバーカードには顔写真が入っています。「形見として残しておきたい」と考えるご遺族は少なくありません。返納の義務がない以上、手元に残して構いません。

失効しているので、身分証としての効力はありません。あくまで思い出の品として持っておく、という位置づけになります。

形見にできるもの・できないもの扱い
マイナンバーカード返納の義務がないので、残せます
運転免許証無効にしたうえで返してもらえることがあります
健康保険証期限切れのものは自分で処分できます
通知カード返納は不要です

「顔写真の入った身分証を、全部処分してしまうのは忍びない」と感じる方は多くいます。どれか1つだけ残す、という選び方でも構いません。残すと決めたものは、アルバムや貴重品の箱など、決まった場所へ入れておいてください。

長期保管するときの注意

失効していても、書かれている情報は残ります

カードが失効しても、券面に書かれた氏名・住所・生年月日・顔写真・マイナンバーの情報そのものは残ります。身分証としては使えなくても、情報が悪意のある相手に渡れば、別の形で使われる可能性はゼロではありません。手元に残す場合は、他の貴重品と同じように、家族が管理できる場所へしまってください。引き出しに放置したまま何年も忘れる、という状態は避けたいところです。処分するときも、そのままゴミに出さず、細かく裁断してからにしてください。

通知カードは、返納しなくてかまいません

マイナンバーカードとは別に、紙の「通知カード」が出てくることがあります。緑色の紙のカードです。

こちらも返納する必要はありません。そもそも通知カードは2020年5月25日に廃止されており、住所や氏名が変わっている場合はすでに使えなくなっています。

ただし、番号を確認する手がかりとしては使えます。マイナンバーカードが見当たらないときに通知カードが出てきたら、そこに書かれた番号を控えておいてください。

番号が必要になる場面があります

ここからが、この記事でいちばん実務的なところです。故人のマイナンバーは、亡くなったあとの手続きで必要になることがあります。

手続き故人の番号が要るか
相続税の申告書故人の番号の記載は不要です
保険の請求求められることがあります
年金の手続き求められることがあります
その他の届出窓口によって異なります

相続税の申告書には、故人(被相続人)のマイナンバーを書く必要はありません。ここは安心してよい点です。ただし、保険や年金など別の手続きで求められる場面があります。

ややこしいのは、「誰の番号か」で扱いが違うという点です。相続税の申告では、申告する相続人自身の番号は必要になります。つまり「故人の番号は不要、自分の番号は必要」ということ。ここを取り違えると、必要のない番号を探し回ることになります。

年金や保険の手続きでは、逆に故人の番号を聞かれることがあります。窓口によって扱いが違うので、「番号が要るかどうか」は予約や問い合わせのときに確かめておくと確実です。そのときに「控えがある」と言えれば、話が早く済みます。

処分する前に、番号を控えておく

返納・処分したあと、番号を教えてもらえるとは限りません

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい注意点です。カードを返納したり処分したりしたあと、「故人の番号を教えてください」と役所に頼んでも、応じてもらえるとは限りません。本人が亡くなっている以上、本人からの請求という形が取れないためです。返す前・捨てる前に、番号だけは書き写しておいてください。1分で済みます。この一手間を飛ばすと、あとの手続きで詰まることがあります。通知カードや、番号が記載された住民票の写しでも確認できます。

ただし、番号のコピーを大量に残さない

「必要になるかもしれないから」と、番号の分かる書類を何枚もコピーして各所に置いておくのは避けてください。マイナンバーは、取り扱いに配慮が求められる情報です。

やることやらないこと
番号を1か所に控えておくコピーを何枚も配る
控えは他の重要書類と一緒に保管目につく場所に貼る
手続きが済んだら整理する使い終わったコピーを放置する

控えるのは1か所で十分です。相続の書類をまとめているファイルの中など、他の重要な書類と同じ場所に入れておいてください。

ケース別|カードをどうするか【早見表】

こういう場合どうするか
手元に置くのが不安番号を控えてから、市区町村へ返納します
写真を形見にしたい手元に残して構いません(保管に注意)
もう手続きは全部終わった番号を控えたうえで、細かく裁断して処分します
カードが見当たらない通知カードや住民票で番号を確認できます
スマホに入れていた操作は要りません
保険証として使っていた資格喪失の届出を別に行います

最後に、順番の話をしておきます。亡くなったあとの手続きは数が多く、どれから手をつけるか迷います。そのときの目安は「期限があるか」です。マイナンバーカードには期限がないので、後回しで構いません。

先に手をつけるべきなのは、死亡届(7日)、年金(原則10日)、世帯主変更と健康保険(14日)。この順です。カードのことで悩んで時間を使うより、期限のある届出を先に片づけてください。

そして、カードを手に取ったときにやることは1つだけ。番号を書き写しておくことです。あとで「番号が要る」と言われたときに、これがあるかどうかで大きな差になります。1分で終わる作業です。

故人のマイナンバーカードについて、よくある質問

返納しないと罰則がありますか
ありません。亡くなった方のマイナンバーカードを返納する法令上の義務はなく、返さなかったことによる罰則もありません。
返納は死亡後、何日以内ですか
期限はありません。葬儀や他の手続きが落ち着いてからで構いません。期限のある手続きを先に済ませてください。
死亡届を出す前に返納してもよいですか
窓口に相談してください。市区町村によって扱いが異なることがあります。いずれにしても、死亡届が受理されればカードは自動的に失効します。
故人のマイナンバーを、あとから役所で教えてもらえますか
応じてもらえるとは限りません。だからこそ返す前・捨てる前に番号を控えておいてください。通知カードや、番号が記載された住民票の写しでも確認できます。
故人のマイナンバーが分からないと、手続きできませんか
手続きによります。相続税の申告書には故人の番号は不要ですが、保険や年金の手続きで求められることがあります。先に控えておくのが安全です。
マイナ保険証の登録を解除する手続きは必要ですか
不要です。死亡届が受理されればカードが失効し、保険証としての利用もできなくなります。ただし医療保険の資格喪失の届出は、別に必要です。
故人のカードでコンビニから住民票を取れますか
取れません。カードが失効するとコンビニでの交付も使えなくなります。亡くなった方の住民票(除票)は、そもそもコンビニでは取得できません。窓口で請求してください。
相続税の申告に、故人の番号は必要ですか
相続税の申告書に、故人(被相続人)のマイナンバーを記載する必要はありません。申告する相続人自身の番号は必要になります。
形見として残してもよいですか
残して構いません。返納の義務がないためです。ただし券面の情報は残るので、他の貴重品と同じ扱いで保管してください。
通知カードも返納しなければなりませんか
不要です。通知カードは2020年5月25日に廃止されています。番号を確認する手がかりとしては使えるので、控えを取ってから処分してください。
故人がスマホにマイナンバーカードを入れていました。削除は必要ですか
不要です。スマホに入れた電子証明書も死亡によって失効します。ロックが開けられなくても問題ありません。
まず何から始めればよいですか
カードを見つけたら、番号を1か所に書き写すことからです。1分で済みます。返すか残すか処分するかは、そのあとで決めれば間に合います。

まとめ

この記事の要点

  • 故人のマイナンバーカードに返納の義務も期限もありません
  • 死亡届が受理されれば、自動的に失効します
  • 電子証明書も止まり、スマホの中も操作は要りません
  • ただし医療保険の資格喪失の届出は別に必要です
  • コンビニ交付は使えなくなり、除票はそもそもコンビニで取れません
  • 形見として手元に残して構いません(保管には注意)
  • 通知カードも返納は不要です
  • 返す前・捨てる前に、番号だけは控えておいてください

マイナンバーカードは、亡くなったあとの手続きのなかでは急がなくてよい部類です。返納の義務も期限もなく、死亡届を出せばカードは止まります。やることは1つだけ。手に取ったその場で、番号を1か所に書き写しておいてください。1分で終わります。返すか残すかを決めるのは、そのあとで間に合います。

本記事は、行政機関が公表している情報をもとに、一般的な進め方として整理したものです。手続きの取り扱い、窓口で求められる書類、返納の受付の方法は、市区町村によって異なる場合があり、制度も改正されることがあります。実際に手続きをされる際は、故人が住民登録していた市区町村の窓口および各機関の公式の案内をご確認ください。相続税や個別の手続きに関する判断は、税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

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