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納棺のときに、多くのご家族が同じことを言われます。「これは棺に入れられません」。
愛用のメガネ、結婚指輪、ゴルフクラブ、大好きだったぬいぐるみ。持たせてあげたいものほど、入れられないことが多いのが現実です。理由は、火葬に支障が出るためです。
下に棺に入れていいもの・ダメなものを一覧表で示し、続けて納棺の流れ、湯灌の費用、エンゼルケアとの違いを載せています。
棺に入れていいもの・ダメなもの一覧
| もの | 可否 | 理由・条件 |
|---|---|---|
| 手紙・寄せ書き | ○ | 紙は問題ありません。最も多い副葬品 |
| 写真 | △ | 紙焼きなら可。生きている人が写った写真は避けるという考え方があります |
| 生花 | ○ | 棺いっぱいに入れられます |
| 好物の食べ物 | △ | 少量なら可。水分の多い果物や大きな塊は不可のことも |
| お菓子 | △ | 個包装の袋・缶は外します |
| タバコ・葉巻 | △ | 箱から出して。ライターは不可 |
| 衣類(木綿・絹) | △ | 少量なら可。大量だと燃え残ります |
| 書籍・雑誌 | △ | 厚い本は不可。燃えにくく、遺骨を汚すことがあります |
| 木製の数珠・扇子 | ○ | - |
| メガネ | × | 金属・ガラス。溶けて遺骨に付着します |
| 指輪・アクセサリー | × | 金属。収骨後に骨壺へ納めるのが一般的 |
| 腕時計 | × | 金属・電池 |
| ぬいぐるみ | × | 化学繊維。ダイオキシンや大量の煤の原因に |
| プラスチック製品 | × | 有害物質が発生します |
| CD・DVD | × | プラスチック |
| ゴルフクラブ・釣竿・杖 | × | 炭素繊維や金属。燃え残り、炉を傷めます |
| 革製品(財布・靴・バッグ) | × | 燃えにくく、有害な煙が出ます |
| 携帯電話・スマートフォン | × | リチウム電池が爆発する危険 |
| ライター・スプレー缶 | × | 爆発の危険。絶対に不可 |
| 硬貨・紙幣 | × | 硬貨は金属。紙幣を燃やすのは法律で禁じられています |
| ガラス製品・鏡・陶器 | × | 溶けて遺骨に付着します |
| 果物(丸ごと) | × | 水分が多く、火葬時間が延びます |
| 大きな仏像・位牌 | × | - |
※ 火葬場によって基準が異なります。最終判断は担当の葬儀社・火葬場にご確認ください。
ペースメーカーは必ず申告してください
これは安全に関わる最重要事項です。
心臓ペースメーカーや除細動器は、火葬中に破裂する危険があります。実際に火葬炉が損傷した事例が報告されています。
装着している場合は、必ず葬儀社と火葬場に申告してください。事前に摘出するか、火葬場が対応方法を判断します。遺族が知らずに黙っていることが最も危険です。
ほかに人工関節、ボルト、インプラントなども、あらかじめ伝えておくとスムーズです(こちらは危険性は低く、火葬後に取り除かれます)。
入れられないものは「写真にして」持たせる方法があります
メガネやゴルフクラブそのものは入れられませんが、それを写した写真なら入れられます。
「愛用の道具と一緒に写った写真」「趣味の作品を撮った写真」。この形なら、思いを託すことができます。実際、葬儀社からもよく提案される方法です。
指輪などのアクセサリーは、収骨のときに骨壺へ一緒に納めることができます。火葬場のスタッフに伝えておいてください。
目次
- 棺に入れていいもの・ダメなもの一覧(上に掲載)
- 納棺とは|いつ行うのか
- 納棺式の流れ
- 末期の水
- 湯灌と清拭の違い・費用
- 死化粧(エンゼルメイク)
- 死装束と、私服を着せる選択
- エンゼルケアとは
- エンゼルケアと納棺の違い
- 納棺師という仕事
- 費用の目安
- 立ち会いのマナーと服装
- 子どもを立ち会わせるか
- 宗教・宗派で違うところ
- 自宅で納棺する場合
- 棺の種類と選び方
- 立ち会えないとき
- 副葬品でよくある失敗7つ
- 納棺のあと出棺までにすること
- 納棺でよく聞かれること
- 納棺と副葬品で押さえること
納棺とは|いつ行うのか
納棺は、故人の身支度を整えて、棺に納める儀式です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| いつ | 通夜が始まる前(当日の午前中〜夕方が多い) |
| どこで | 自宅、安置施設、葬儀会館 |
| 誰が | 納棺師または葬儀社スタッフ。遺族も参加できます |
| 所要時間 | 1〜2時間程度(湯灌を行う場合はさらに1時間ほど) |
| 参加者 | 近親者のみが一般的。範囲は遺族が決めます |
納棺は「最後に触れられる時間」です
通夜・葬儀は参列者への対応に追われます。火葬場では、もう棺の蓋は閉じられています。
故人の身体に直接触れ、話しかけられる最後の機会が納棺です。手を握る、頬に触れる、着替えを手伝う。この時間があったことを、あとから「よかった」と話される遺族は多くいます。
納棺式の流れ
末期の水
「死に水を取る」ともいわれます。故人が渇きに苦しまないようにという願いが込められた作法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使うもの | 脱脂綿を割り箸に巻いたもの、または新しい筆・鳥の羽根 |
| 順番 | 配偶者 → 子 → 親 → 兄弟姉妹 の順(縁の深い順) |
| やり方 | 水を含ませ、唇を左から右へ軽く潤す |
| いつ | 臨終直後(病院で)または納棺時 |
| 浄土真宗では | 行わないことが一般的です |
作法を知らなくて大丈夫です
納棺師や葬儀社スタッフが、その場で「こうしてください」と手渡しながら案内してくれます。順番も声をかけてもらえます。事前に覚える必要はありません。
湯灌と清拭の違い・費用
| 湯灌(ゆかん) | 清拭(せいしき) | |
|---|---|---|
| 方法 | 専用の浴槽で、実際にお湯で洗う | アルコールや温タオルで拭き清める |
| 洗髪・洗顔 | 行います。シャンプーも | 拭くのみ |
| 所要時間 | 1時間程度 | 30分程度 |
| 費用 | 5万〜15万円程度(別料金) | 基本プランに含まれることが多い |
| 遺族の参加 | 立ち会える。手を添えることも | 立ち会える |
| 実施率 | オプション。行わない家も多い | ほぼ必ず行われます |
湯灌をするかどうかの判断
湯灌は必須ではありません。費用も安くないため、迷う方が多い項目です。
選ばれる理由としては、次のようなものが挙げられます。
- 長期入院で入浴できていなかった/「最後にお風呂に入れてあげたい」
- 故人がお風呂好きだった
- 遺族が「してあげた」と思える時間になる
逆に、清拭で十分と考える方も多く、それで失礼になることはまったくありません。予算と気持ちで決めて構いません。
見積書で「湯灌」が別料金か確認してください
葬儀プランに含まれているのは清拭で、湯灌は別料金というケースがよくあります。
「湯灌はいかがですか」と当日に勧められて、そのまま追加すると、あとで請求額に驚くことになります。事前に見積書を確認してください。葬儀費用全体は終活の費用はいくら?項目別の相場をご覧ください。
死化粧(エンゼルメイク)
顔色を整え、生前のお顔に近づける処置です。
| 内容 | 説明 |
|---|---|
| 髭剃り・産毛剃り | - |
| 整髪 | 普段の分け目に整えます |
| 顔色を整える | ファンデーション、チーク、口紅 |
| 口元を整える | 安らかな表情に見えるよう |
| 男性の場合 | 男性にも薄く化粧をします(血色を戻すため) |
愛用の化粧品を渡せます
「いつも使っていた口紅の色で」とお願いすることができます。愛用の化粧品を持参すれば、それを使ってもらえることも多いです。
「母はいつもこの色でした」と伝えるだけで、仕上がりがぐっと本人らしくなります。遠慮せず希望を伝えてください。
眉の形、髪の分け目、髭の有無なども、写真を見せながら伝えると正確に伝わります。
死装束と、私服を着せる選択
| 選択肢 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 経帷子(きょうかたびら) | 白い着物。仏式の伝統的な死装束 | 葬儀プランに含まれることが多い |
| 本人の私服 | お気に入りの服、スーツ、着物など | 近年増えています |
| 制服・ユニフォーム | 仕事着、部活のユニフォームなど | - |
| エンディングドレス | 旅立ちのための専用の衣装 | → エンディングドレスの記事 |
| 神式 | 白の狩衣・小袿など | - |
| キリスト教式 | 決まりなし。生前の服装が多い | - |
私服を着せたい場合の注意
- 前開きの服が着せやすい/かぶりのものは難しいことがあります
- 金属のボタンやファスナーは、なるべく避ける/火葬に影響します。ただし少量なら問題ないことも
- 革製品・厚手の生地は避ける/燃え残ります
- 着せられない場合は「掛ける」/身体の状態によっては着替えが難しいことがあります。その場合、棺に納めるときに上から掛ける形にできます
迷ったら、着せたい服を持参して納棺師に相談してください。その場で判断してもらえます。
エンゼルケアとは
エンゼルケアは、医療機関で行われる死後の処置です。納棺とは別のもので、行う人も場所も違います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が行うか | 看護師(病院・施設・在宅では訪問看護師) |
| いつ | 亡くなった直後、病室や自宅で |
| どこで | 病院、介護施設、自宅 |
| 所要時間 | 30分〜1時間程度 |
| 費用 | 病院・施設によります。無料のことも、数千円〜数万円のことも |
エンゼルケアの内容
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 医療器具の除去 | 点滴の針、カテーテル、酸素マスク、胃ろうの管などを外す |
| 傷口の処置 | 手術痕や褥瘡(床ずれ)の手当て、必要に応じて防水処置 |
| 清拭 | 身体を拭き清めます |
| 口腔ケア | 口の中を清潔にし、入れ歯を装着します |
| 整容 | 髭剃り、整髪、爪切り |
| 着替え | 浴衣や、家族が用意した服に |
| 死化粧 | 簡単なメイク |
| 体液の漏れ防止 | 必要に応じて処置します |
エンゼルケアには「グリーフケア」の意味もあります
近年、エンゼルケアは単なる処置ではなく、遺族が死を受け入れる過程を支えるケアと位置づけられるようになりました。
多くの病院では、家族が参加できます。「お顔を拭いてあげませんか」「髪を整えてあげてください」と声をかけてもらえることもあります。
参加したい場合は、遠慮なく看護師に伝えてください。断られることはまずありません。
エンゼルケアの費用は、事前に確認しておくと安心です
費用の扱いは施設によってまちまちです。
- 無料/看護の一環として行う病院
- 数千円〜1万円程度/処置料として請求する病院
- 数万円/外部の専門業者に委託している場合
医療保険は適用されません(死後の処置は診療行為ではないため)。入院時の説明資料に記載があることが多いので、確認しておくと請求時に驚きません。
エンゼルケアと納棺の違い
| エンゼルケア | 納棺 | |
|---|---|---|
| いつ | 亡くなった直後 | 通夜の前 |
| どこで | 病院・施設・自宅 | 安置先(自宅・安置施設・会館) |
| 誰が | 看護師 | 納棺師・葬儀社 |
| 目的 | 医療器具の除去と、身体を清潔に整える | 身支度を整え、棺に納める儀式 |
| 湯灌 | 行いません(清拭のみ) | オプションで行えます |
| 費用の出どころ | 医療機関への支払い | 葬儀費用 |
| 儀式性 | 低い(医療・看護の延長) | 高い(宗教的な儀式を含む) |
両方行います
「エンゼルケアをしたから納棺は不要」ということはありません。亡くなった直後にエンゼルケア、通夜の前に納棺という2段階が通常の流れです。
なお、遺体の長期保存や海外搬送が必要な場合は、エンバーミング(遺体衛生保全)という別の処置があります。これを行う専門職については遺体衛生保全士(エンバーマー)の仕事で解説しています。
納棺師という仕事
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資格 | 国家資格は不要 |
| なり方 | 葬儀社に就職/納棺専門会社に就職/専門学校で学ぶ |
| 仕事内容 | 湯灌、死化粧、着替え、納棺の進行、遺族への説明 |
| 求められる資質 | 技術のほか、遺族への配慮と対応力 |
| 働き方 | 不規則。深夜・早朝の対応もあります |
納棺師は、遺族の時間を作る仕事でもあります
納棺師の役割は、身支度を整えることだけではありません。
「お顔を拭いてあげてください」「お手を握ってあげてください」と声をかけて、遺族が故人に触れる時間を作るのも、大切な仕事の一部とされています。
何をしていいか分からないときは、「私たちは何をすればいいですか」と聞いてみてください。必ず教えてくれます。
費用の目安
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 納棺(基本) | プランに含まれることが多い | 単体なら3万〜7万円程度 |
| 清拭 | プランに含まれることが多い | - |
| 湯灌 | 5万〜15万円 | 別料金のことが大半 |
| 死化粧 | プランに含まれることが多い | 特別なメイクは別料金のことも |
| 死装束 | プランに含まれることが多い | - |
| 棺 | 3万〜50万円以上 | 素材・装飾で大きく変わります |
| エンゼルケア | 0円〜数万円 | 医療機関への支払い |
| エンバーミング | 15万〜25万円程度 | 必要な場合のみ |
※ 編集部が一般的な情報をもとにまとめた目安です。地域・葬儀社・医療機関によって大きく異なります。
立ち会いのマナーと服装
| 項目 | どうするか |
|---|---|
| 服装 | 喪服が無難。ただし通夜前なので、地味な平服でも構いません |
| 持ち物 | 数珠(あれば)。副葬品を入れたいものがあれば持参 |
| 参加する範囲 | 近親者が一般的。遺族が決めて構いません |
| 写真撮影 | 控えるのが原則。どうしてもの場合は遺族全員の同意を |
| 会話 | 静かに。ただし故人に話しかけるのは構いません |
| 参加しない | 問題ありません。つらければ別室で待てます |
遺族が手伝えること
- 末期の水を含ませる
- 顔や手を拭く
- 着替えを手伝う(袖を通す、帯を結ぶ)
- 髪を整える
- 棺に納めるとき、身体を支える
- 副葬品を入れる
すべて任せても構いませんし、すべて参加しても構いません。「手伝いたい」と伝えれば、納棺師が適切に案内してくれます。
子どもを立ち会わせるか
決まりはありません。ご家族の判断です
「怖い思いをさせるのでは」と心配される一方、「祖父母との別れをきちんと経験させたい」と考える方もいます。どちらも尊重されるべき判断です。
立ち会わせる場合の配慮
- 事前に何をするか説明しておく/「おじいちゃんのお洋服を、みんなで着替えさせてあげるんだよ」
- 「怖かったら外に出ていいよ」と先に伝える/これだけで不安がずいぶん減ります
- 大人が必ず付き添う/途中で退室できるよう、1人は動ける状態に
- 無理に触らせない/本人が「触りたい」と言えば、それを尊重します
- あとで話を聞く/感じたことを言葉にできると、記憶の整理がしやすくなります
宗教・宗派で違うところ
納棺の流れそのものは大きく変わりませんが、着せるもの、入れるもの、行う儀式に違いがあります。菩提寺がある場合は、迷ったら聞くのがいちばん確実です。
| 着せるもの | 特徴 | |
|---|---|---|
| 多くの仏教宗派 | 白の死装束(経帷子) | 手甲・脚絆・頭陀袋などを添えます |
| 浄土真宗 | 白衣など | 旅支度の意味の品を用いない考え方があります |
| 日蓮宗 | 白の死装束 | 経文を書いたものを用いることがあります |
| 神式 | 白の装束 | 数珠は用いません |
| キリスト教式 | 本人の好んだ服が多い | 十字架やロザリオを添えることがあります |
| 宗教を伴わない形 | 私服で構いません | 希望を葬儀社に伝えます |
浄土真宗では「旅支度」をしないことがあります
三途の川を渡る旅支度という考え方は、浄土真宗の教えとは前提が異なります。亡くなった方はすぐに浄土に生まれるとされるため、杖や六文銭といった旅の道具を用いないのが一般的です。ご自分の家の宗派が分からない場合は、葬儀社か親族に確認してください。間違えても失礼にはあたりませんが、あとで気になさる方がいます。
自宅で納棺する場合
病院ではなく自宅に安置している場合、納棺も自宅で行うことができます。家族が立ち会いやすく、時間にも余裕が持てます。
| 準備すること | ポイント |
|---|---|
| 棺を置く場所 | 畳2枚分ほどの広さが目安です |
| 棺を運び入れる経路 | 玄関・階段・曲がり角の幅を先に測ります |
| 部屋の温度 | 低めに保ちます。暖房は切ります |
| 着せる服 | 用意があれば当日までに出しておきます |
| 入れたいもの | 先に葬儀社に見せて確認します |
| 立ち会う人 | 人数を伝えておきます |
| 所要時間 | 1時間前後をみておきます |
いちばん多いのが「棺が階段を上がらない」
二階の和室に安置していると、棺を運び入れられない、あるいは納棺後に下ろせないという事態が起きます。マンションでも、エレベーターに入らないことがあります。安置する部屋を決める前に、葬儀社に経路を見てもらってください。後から一階へ移すのは、家族にとって負担の大きい作業になります。
棺の種類と選び方
| 種類 | 特徴 | 選ぶときの目安 |
|---|---|---|
| 木棺(合板) | 最も一般的です | 標準の一式に含まれることが多い |
| 布張りの棺 | 表面が布で覆われています | 色や柄を選べます |
| 彫刻のある棺 | 装飾が施されています | 費用が上がります |
| エコ棺・段ボール棺 | 環境への配慮を重視した形 | 扱っていない葬儀社もあります |
| 窓のある棺 | 顔を見られる小窓が付きます | お別れの時間を大切にしたい場合 |
| 大型の棺 | 体格に応じた寸法 | 火葬炉に入る寸法か確認が要ります |
見積書で「棺」の欄を必ず見てください
葬儀の見積もりでは、棺のグレードが総額を動かす大きな要素になっています。「標準」と書かれているものが実際にどんな棺なのか、写真で見せてもらってください。言葉だけでは分かりません。そのうえで、変える必要があるかを判断すれば十分です。高いものを選ばなければ失礼、ということはありません。
納棺に立ち会えないとき
| 状況 | できること |
|---|---|
| 遠方で間に合わない | 通夜や告別式でのお別れの時間があります |
| 体調が悪い | 無理に立ち会わなくて構いません |
| 気持ちの整理がつかない | 見ないという選択も、まったく問題ありません |
| 仕事が抜けられない | 入れたいものを託せます |
| 子どもを連れて行けない | 別室で待つこともできます |
| 写真を撮ってほしい | 家族間でも意見が割れます。全員に確認してください |
立ち会わなかったことを、後悔しなくて構いません
「最後に会えなかった」と長く気にされる方がいます。けれど納棺は、限られた時間の中で行われる作業でもあります。間に合わなかったこと自体は、どうにもならないことです。通夜や告別式でのお別れの時間、出棺前の花入れも、同じくらい大切な時間です。そこで手を合わせれば十分です。
副葬品でよくある失敗7つ
| 失敗 | 何が起きるか | 代わりの方法 |
|---|---|---|
| 眼鏡を入れようとした | 溶けて遺骨に付着することがあります | 手元に残すか、写真に |
| 分厚い本を入れた | 燃え残ることがあります | 1ページだけ、または表紙の写真を |
| 果物を丸ごと入れた | 水分が多く、火葬に影響します | 少量を切って入れます |
| お酒を瓶ごと入れた | 危険なため入れられません | ラベルだけ、または写真を |
| ぬいぐるみを入れた | 素材によって断られます | 小さいものなら可の場合があります |
| 入れる前に確認しなかった | その場で断られて気まずくなる | 前日までに葬儀社へ見せます |
| 家族に相談せず入れた | あとで「入れたかったのに」と言われます | 前もって希望を集めておきます |
入れられないものは「一緒に写真を撮る」
眼鏡や指輪、時計、思い出の品を入れられないと言われたときは、棺のそばに置いて写真を撮っておくという方法があります。「持たせてあげられなかった」という気持ちが、ずっと残る方は少なくありません。形を変えて一緒にした、という記憶が残るだけで、受け止め方が変わります。
納棺のあと、出棺までにすること
| タイミング | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 納棺の直後 | 棺を安置し、枕飾りを整えます | 葬儀社が行います |
| 通夜まで | 弔問を受けます | 棺のそばに座る場所を用意します |
| 通夜の前 | 遺影と位牌の準備を確認します | 写真の仕上がりを見ます |
| 告別式の前 | 入れたいものを最終確認します | 別れの儀が最後の機会です |
| 別れの儀 | 花を入れ、副葬品を納めます | 参列者も参加できます |
| 蓋を閉じる前 | 全員が顔を見る最後の時間です | 急がなくて構いません |
| 出棺 | 棺を霊柩車へ運びます | 男性数名で担ぎます |
「顔を見る最後の時間」は、思ったより短く感じます
別れの儀は10分から15分ほどで進みます。その場になると、あっという間に感じる方がほとんどです。言いたいことがある方は、前もって一言だけ考えておいてください。長い言葉は要りません。名前を呼ぶだけでも構いません。「何も言えないまま終わってしまった」というのが、いちばん多い心残りです。
納棺でよく聞かれること
- 納棺に立ち会わないといけませんか?
- 義務ではありません。体調や気持ちの問題で難しければ、別室で待っていて構いません。葬儀社に一言伝えれば配慮してもらえます。
- ペースメーカーがあることを言い忘れました
- すぐに葬儀社へ連絡してください。火葬前であれば対応できます。火葬中の破裂は炉を損傷させ、他の方の火葬にも影響します。隠さずに伝えてください。
- 指輪を外したくないのですが
- 火葬すると溶けて遺骨に付着し、原形をとどめません。「形見として残したい」と考えるなら、納棺前に外すことをおすすめします。収骨のときに骨壺へ一緒に納めるという方法もあるので、火葬場のスタッフに相談してください。
- ぬいぐるみを入れてあげたいのですが
- 化学繊維のため、通常は不可とされます。ただし綿だけでできた小さなものなら認められることがあります。まず葬儀社に相談してください。難しい場合は、ぬいぐるみと一緒に写した写真を入れる方法があります。
- 手紙は何枚でも入れられますか?
- 常識的な枚数なら問題ありません。ただし束にすると燃え残ることがあるので、厚さは控えめに。孫全員から手紙、といった場合は、葬儀社に相談すると入れ方を工夫してもらえます。
- 納棺のあと、棺の蓋は閉められてしまいますか?
- 蓋は掛けますが、釘は打ちません。通夜・葬儀の間も窓(小窓)から顔を見ることができ、出棺前のお別れの儀では蓋を開けて花を手向けます。最後のお別れは出棺のときです。詳しくは出棺の挨拶文例7つ|流れ・釘打ち・見送りのマナーをご覧ください。
- 湯灌は必ず必要ですか?
- いいえ。清拭のみで十分ですし、それで失礼になることはありません。5万〜15万円の別料金がかかるため、予算と気持ちで判断してください。「長期入院でお風呂に入れていなかったから」という理由で選ぶ方が多い項目です。
- 納棺は必ず行うものですか
- 省くことはできますが、身支度を整えて棺に納める作業自体は必要です。儀式として行うか、葬儀社が作業として行うかの違いです。立ち会うかどうかは家族が決められます。
- 自宅で納棺してもらえますか
- できます。ただし棺を運び入れる経路(玄関・階段・曲がり角)の幅を先に確認してください。二階の部屋だと運び出せないことがあります。
- 浄土真宗では死装束が違うと聞きました
- 旅支度の意味を持つ品を用いない考え方があります。三途の川を渡るという前提が異なるためです。ご自分の家の宗派が分からない場合は、葬儀社か親族に確認してください。
- 棺のグレードは上げたほうがよいですか
- そんなことはありません。ただし見積もりの「標準」がどんな棺なのかは、写真で見せてもらってください。言葉だけでは判断できません。
- 遠方で納棺に間に合いません
- 通夜や告別式、出棺前の花入れでもお別れの時間があります。入れたいものがあれば、先に家族へ託しておくことができます。間に合わなかったことを、後悔しなくて構いません。
納棺と副葬品で押さえること
納棺・要点
- 棺に入れられるのは、燃えるもの・少量のものだけ
- メガネ・指輪・時計・ぬいぐるみ・スマホは不可
- ライター・スプレー缶は爆発の危険。絶対に不可
- ペースメーカーは必ず申告する。安全に関わります
- 入れられないものは「写真」にして持たせる方法がある
- 湯灌は別料金(5万〜15万円)。清拭で十分な場合も多い
- 愛用の化粧品を渡せば、本人らしい仕上がりになる
- 私服を着せられる。前開きの服が着せやすい
- エンゼルケアは看護師が病院で、納棺は納棺師が安置先で。両方行う
- 納棺は「最後に故人に触れられる時間」
納棺は、慌ただしい葬儀の準備のなかで、ご家族が故人とゆっくり向き合える数少ない時間です。
作法は納棺師が全部教えてくれます。何も知らなくて大丈夫です。持たせたいものがあれば、遠慮なく相談してみてください。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の宗派・地域の慣習・火葬場の基準を保証するものではありません。副葬品として認められるものは火葬場ごとに基準が異なります。最終的な可否は、担当の葬儀社および火葬場にご確認ください。費用はいずれも編集部がまとめた目安です。医療機関でのエンゼルケアの実施内容と費用は、各医療機関にご確認ください。

























