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「もう連絡を取りたくない」「縁を切りたい」——そう感じて、絶縁状の書き方を調べている方へ。
この記事の内容は、ある意味では一番繊細なジャンルかもしれません。
「絶縁状 書き方」と検索している人は、すでに相当傷ついていたり、長年悩み抜いた末にたどり着いているかも知れません。検索する人が軽い気持ちで検索するわけがないですよね。
だからこそフラットに、淡々と「知りたいことを教える」スタンスがこの記事の存在意義です。「家族の縁を切るなんて…」みたいな道徳的なトーンが少しでも入ると、傷口に塩を塗るような内容になってしまうことでしょう。
終活というテーマ全体がそういう側面を持っています。死後の準備とか、相続の話とか、普通に生きていたら向き合いたくないことばかり。でもそれを誰かが丁寧に情報として整理しておかないといけない。
人の数だけ、親子の数だけ、それぞれの事情があるかと思います。
家族との関係に深く傷つき、絶縁状を送ることを検討されている方は少なくありません。このページでは、絶縁状の書き方・例文・テンプレートを兄弟用・親子用に分けてご紹介するとともに、「絶縁状には法的効力がない」という重要な事実と、相続・終活との関係についてもあわせて解説します。
また、絶縁状が届いた側の方に向けたセクションも末尾に設けました。どうぞ最後までお読みください。
目次
絶縁状とは?意味と基本を確認しておきましょう

「絶縁状」とは、交友関係や家族・親族との付き合いを絶つことを相手に知らせる手紙のことです。「縁を切る」「絶交する」という意思を文書で伝えるもので、親子間では「勘当」と呼ばれることもあります。
ただし、絶縁状を送っても法律上の親族関係は一切変わりません。戸籍上の親子・兄弟姉妹の関係は、絶縁状の有無にかかわらず継続されます。
この「法的効力がない」という点は、相続や終活を考える上でとても重要なポイントになります。詳しくは後述します。
絶縁状の法的効力|「縁が切れる」は誤解です

絶縁状に法的効力はありません
絶縁状を送っても、法律上の親族関係を終了させることはできません。たとえ内容証明郵便で送付したとしても、法的な効果はなく、「縁を切った」という事実を相手に知らせた、それだけにとどまります。
現行の法律では、戸籍上で親子の縁が切れるのは特別養子縁組が成立した場合のみです。これは、養子となる子どもが6歳以下で、実親に「養育する能力がない」と家庭裁判所に認められたケースなど、非常に限られた条件のもとで成立するものです。
一方、法律上「縁が切れる」ケースとして明確なものが一つあります。それは姻族関係終了届です。配偶者が亡くなった後、その配偶者の血族(義父母・義兄弟など)との姻族関係を終了させたい場合は、この届出を市区町村の窓口に提出することで、法的に姻族関係を解消することができます。いわゆる「嫁姑問題」などで絶縁状態になっていた場合に検討されることがあります。
絶縁状を書く際に気をつけること
絶縁状を送ることを決めたとしても、感情のままに書くのはとてもリスクがあります。
絶縁状には縁を切る法的効果はありませんが、書き方によっては刑法上の問題が生じる可能性があります。特に注意が必要なのは「脅迫罪(刑法第222条)」です。「絶対に許さない」「もし顔を合わせることがあったら〇〇してやる」といった表現は、人の生命・身体・財産・名誉・自由に対して害を加えることを告知したとみなされる恐れがあります。
感情的になりやすい状況だからこそ、文面は冷静に、事実を淡々と伝えるスタイルで書くことをおすすめします。
絶縁状の書き方|兄弟向けテンプレート・例文
兄弟姉妹との縁を切りたい場合の絶縁状の書き方です。法的効力はありませんが、今後の一切の交流を断絶する意思を伝えるための文書として活用できます。
兄弟向け|絶縁状テンプレート(例文)
令和 年 月 日
〇〇 〇〇(相手方の氏名) 殿
この度、私〇〇 〇〇(自身の氏名)は、あなたとの一切の関係を断つことをここに通知します。
今後は電話・手紙・訪問など、いかなる形での連絡・接触も固くお断りします。
これ以降、私の家族・関係者への接触についても同様にお断りします。
本書をもって、私からの最後の連絡といたします。
〇〇 〇〇(自身の氏名) 印
ポイントは、感情的な表現・脅迫と受け取られうる言葉を一切入れないことです。「縁を切ることを通告する」という事実だけを簡潔に伝えるのが最も安全です。
なお、兄弟姉妹には法律上「遺留分(いりゅうぶん)」がありません(民法1028条)。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)そのため、相続において兄弟姉妹に財産を渡したくない場合は、遺言書でその旨を記しておくだけで対応できます。絶縁状と遺言書は別の話として、落ち着いて整理しておくとよいでしょう。
絶縁状の書き方|親子向けテンプレート・例文
親から子へ、あるいは子から親へ——どちらの立場でも使えるテンプレートです。親子間の絶縁状も、法律上の親子関係には何も影響しません。ただ、意思を伝える記録として残す意味はあります。
親子向け|絶縁状テンプレート(例文)
令和 年 月 日
〇〇 〇〇(相手方の氏名) 殿
私〇〇 〇〇(自身の氏名)は、あなたとの間で積み重なった事情により、今後一切の関係を断つことを通知します。
今後、私および私の家族へのいかなる連絡・訪問・接触もお断りします。
なお、本書は私の意思を明確にするために作成したものです。
〇〇 〇〇(自身の氏名) 印
「どんな事情があったか」を詳細に書きたくなる気持ちはよく理解できますが、具体的な非難・侮辱・脅迫的な表現は必ず避けてください。それらは法的なトラブルの原因になります。
親子の縁を法的に切りたいと考える方の背景には、相続問題が絡むケースが少なくありません。「子に財産を渡したくない」という場合は、後述する「相続廃除」という法的制度を検討する必要があります。絶縁状だけでは相続に影響しない点を、必ずご確認ください。
相続との関係|絶縁状だけでは財産を渡さないことはできません

相続廃除(そうぞくはいじょ)とは
「絶縁状を送ったから、子に遺産は渡らないはず」——残念ながら、これは誤解です。
特定の相続人に財産を渡したくない場合に使える制度として、「相続廃除(相続人廃除)」があります。これは、被相続人(財産を残す側)が家庭裁判所に申し立てを行うことで、推定相続人の相続権・遺留分を剥奪できる制度です。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)
申し立てができるのは、被相続人が生前に行う場合と、遺言書に記載して遺言執行者が申し立てる場合の2通りです。
相続廃除が認められる主なケース
- 被相続人への継続的な暴力・虐待
- 「早く死ね」などの繰り返される侮辱的発言・暴言
- 犯罪行為による受刑・服役(罪の重さや服役期間が考慮されます)
- 親の経営する会社・事業の不正な乗っ取り
- 反社会的集団への加入など、著しい非行
ただし、相続廃除は申し立てが認められる割合が約20%ともいわれており、申し立てれば必ず認められるものではありません。「親子・家族間の生活を破壊するほどの非行」があると認められる必要があります。
遺言書による相続廃除の手続き
遺言書で相続廃除を行う場合は、遺言執行者を必ず指定して記載する必要があります。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)遺言執行者が被相続人の死後、家庭裁判所に廃除の申し立てを行います。遺言書に「廃除」という言葉が明記されていなくても、廃除の意思が客観的に読み取れれば認められたケースもあります。
自筆証書遺言を法務局で保管する制度もあります。保管申請の手数料は1件3,900円で、紛失・改ざんのリスクがなく、家庭裁判所の検認も不要です。(出典:法務省民事局「自筆証書遺言書保管申請ガイドブック」令和7年度改訂版)
兄弟姉妹への対応は遺言書で十分
兄弟姉妹は遺留分(最低限受け取れる相続分)が法律上ありません。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)そのため、「兄弟には相続させない」と遺言書に明記するだけで、財産を渡さないことができます。相続廃除の手続きは不要です。
絶縁状態の家族がいる方は、遺言書の作成を終活の一環として検討しておくことが大切です。
絶縁状態での生前整理|注意すべき法律上のポイント
絶縁状態の家族がいる場合でも、終活として生前整理を進める場面はあります。その際、特に注意が必要なのは「相手の荷物・財産を本人の了承なく処分しないこと」です。
たとえ絶縁状態であっても、相手方の所有物を無断で処分した場合、器物損壊罪(刑法261条)や損害賠償請求(民法709条)の対象になる可能性があります。「いつまでに応答がなければ処分する」という旨を書面で明確に伝え、記録を残しておくことが必要です。
絶縁状を送り合っている関係であっても、財産・物品の扱いは法律にのっとって対処する必要がある点、忘れないようにしてください。
絶縁状が届いた側の方へ|受け取ったときの対処法

ここでは、絶縁状を受け取ってしまった側の方に向けて、知っておいていただきたいことをお伝えします。
まず知っておいてほしいこと
絶縁状が届いたとしても、法律上の親族関係はなくなりません。相続権も失われませんし、戸籍も変わりません。相手が「縁を切る」という意思を一方的に伝えてきた、それだけです。
法的な義務が生じるわけではありませんし、「絶縁状を受け取ったから何かしなければならない」ということもありません。
内容証明郵便で届いた場合
内容証明郵便で絶縁状が届いた場合、相手は「いつ・誰が・どんな内容の手紙を出したか」を郵便局に記録として残しています。精神的に負担を感じるのは当然のことです。
ただし、内容証明郵便であっても、絶縁状そのものに法的拘束力はありません。無視しても法律上の問題はありません。
相続・財産に関わる不安がある場合
「絶縁状を送られたが、相続はどうなるのか」と不安を感じている方は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。法的な手続きは感情とは切り離して、正確に対応することが大切です。
法律の専門家への相談窓口として、日本司法書士会連合会が全国に相談窓口を設けています。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)
感情的に傷ついている場合
家族から絶縁状が届くというのは、心に深い傷を残す出来事です。焦って返信したり、相手のもとへ向かったりする必要はありません。まずは自分の気持ちを落ち着けることを優先してください。信頼できる人に話すことや、必要であれば相談窓口を活用することも選択肢の一つです。
まとめ|絶縁状と終活・相続の5つのポイント
- 絶縁状に法的効力はなく、親族関係・相続権は変わらない。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)
- 書き方は感情的な表現を避け、事実だけを簡潔に。脅迫と受け取られる表現は刑法上の問題になりうる。
- 兄弟姉妹への財産を渡したくない場合は遺言書で対応できる。兄弟姉妹には遺留分がないため。(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)
- 子への相続を廃除したい場合は、家庭裁判所への申し立てが必要。遺言書への記載と遺言執行者の指定が必要。(出典:法務省民事局「自筆証書遺言書保管申請ガイドブック」令和7年度改訂版)
- 絶縁状が届いた側も、法的義務は発生しない。相続・財産に関わる不安は専門家に相談を。
絶縁状と相続・終活は、感情的な問題と法律の問題が複雑に絡み合っています。ひとりで抱え込まず、専門家に相談しながら進めることで、あなた自身の安心につながります。
📝 遺言書・相続について相談できる窓口のご案内
絶縁状態の家族がいる方、相続廃除や遺言書の作成を検討している方は、専門家への相談をおすすめします。
遺言書の書き方や法務局への保管手続きについては、こちらの関連記事もあわせてご覧ください。
専門家に相談することで、大切な家族への想いを正しく形に残すことができます。









