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家族葬にしたい、けれど何から手をつければよいか分からない——これがいちばん多い悩みです。家族葬は「小さくやる葬儀」ではなく、呼ぶ人の範囲を家族と近しい人に限る形の葬儀のことです。この記事では、生前にできる準備、亡くなった直後にすること、期限のある役所の手続き、見積書の見方、そして自分たちでできる範囲がどこまでかを、時間の順に整理しました。いま直面している方は「亡くなった直後にすること」から読んでください。
この記事の結論
- 家族葬は形式の名前ではなく、呼ぶ範囲を限る、という決め方のことです
- 準備の中身は「亡くなる前」と「亡くなった後」でまったく別物です
- 生前にやることは1つだけ。誰を呼ぶかを決めて、紙に書いておくことです
- 死亡届は7日以内。火葬許可がないと火葬できません
- 見積書は総額ではなく、「含まれていないもの」から見ます
- 自分たちでできるのは連絡・進行・飾りつけ・返礼。搬送と火葬の手配は専門に頼むのが現実的です
- 呼ばなかった人への連絡を後回しにすると、あとで揉めます
この記事でわかること
- 家族葬と他の形式の違い
- 準備は2種類に分かれる
- 生前にできる準備
- 誰を呼ぶかの決め方
- 亡くなった直後にすること
- 役所の手続きと期限
- 葬儀社の決め方
- 見積書で見る12項目
- 自分たちでできる範囲
- 当日の流れ
- 費用はどこで差がつくか
- 香典を受けるか辞退するか
- よくあるトラブル7つ
- 葬儀後に続く手続き
- よくある質問12問
家族葬とは?一般葬・一日葬・直葬との違い
まず言葉の整理からです。家族葬に、決まった形式や決まった人数はありません。「参列をお願いする範囲を、家族と近しい人に限る」という決め方の呼び名です。
| 形式 | 呼ぶ範囲 | 日数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 一般葬 | 広く知らせます | 2日 | 参列者の数が読みにくいです |
| 家族葬 | 家族と近しい人だけ | 2日 | 人数が読めるので準備しやすいです |
| 一日葬 | 限る場合が多いです | 1日 | 通夜を行いません |
| 直葬・火葬式 | ごく近い人のみ | 1日 | 式を行わず火葬のみです |
| お別れの会 | 後日、広く | 1日 | 葬儀とは別に行います |
「家族葬」と「葬儀を自分たちで行うこと」は別の話です
近ごろは、葬儀の一部を家族の手で行う葬儀DIYという言い方もされます。ただ、家族葬にしたからといって、自分たちで全部やる必要はまったくありません。逆に、一般葬でも飾りつけや進行を家族が担うことはできます。「呼ぶ範囲を決めること」と「どこまで自分たちでやるか」は、別々に決められます。
家族葬の準備は2種類に分かれる
ここを混ぜて考えると、いつまでも準備が進みません。亡くなる前にできることと、亡くなった後にすることは、内容がまったく違います。
生前にできる準備
- 誰を呼ぶかを決める
- 連絡先を一覧にする
- 菩提寺の有無を確かめる
- 葬儀社の候補を見ておく
- 費用の出どころを決める
亡くなった後にすること
- 搬送先を決める
- 葬儀社を決める
- 日程を組む
- 死亡届を出す
- 参列者に連絡する
亡くなった後にすることは、ほとんどが数時間から1日以内に決まっていきます。だからこそ、生前にできる部分を1枚の紙にしておくと、当日の負担がまったく違います。
生前にできる準備【チェックリスト】
- 呼ぶ人の一覧をつくる(名前・続柄・連絡先。10人でも構いません)
- 呼ばない人にも、あとで知らせる名簿をつくる
- 菩提寺があるかを確かめる(あるなら連絡先を控えます)
- 宗派を確かめる(分からなければ親族に聞いておきます)
- 葬儀社の候補を2社見ておく(見積もりだけでも取れます)
- 希望する形式を書いておく(家族葬・一日葬など)
- 遺影に使いたい写真を決めておく
- 費用をどこから出すかを決める(口座は凍結されることがあります)
- お墓や納骨先があるかを確かめる
- 入れてほしいもの・着せてほしい服を書いておく
お金の置き場所に注意
金融機関が亡くなったことを把握すると、その口座からは自由に引き出せなくなります。葬儀の費用を故人の口座から出す前提にしていると、支払いのときに困ることがあります。誰がいったん立て替えるのかを、あらかじめ家族で決めておいてください。
誰を呼ぶかの決め方
家族葬でいちばん難しいのがここです。人数ではなく「線の引き方」を先に決めると、迷いが減ります。
| 線の引き方 | 呼ぶ範囲の例 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 同居家族まで | 配偶者・子 | ごく静かに行いたい |
| 二親等まで | 親・子・きょうだい・孫 | 最も選ばれる形です |
| 三親等まで | おじ・おば・甥・姪まで | 親族の付き合いが深い |
| 親族+親しい友人 | 上記+数名 | 本人の希望がある場合 |
| 本人が指名した人だけ | 名簿のとおり | 生前に決めてある |
「どこまで」で悩んだときの決め方
迷ったら、線を1つ内側に引いて、外側の人には後日あらためて知らせるのが実務的です。呼ばれなかったことより、知らせがまったく来なかったことのほうが、後で問題になります。「近親者のみで済ませました」という連絡を、四十九日までに必ず入れてください。
呼ばない人への伝え方と時期
| 相手 | いつ伝えるか | 伝え方 |
|---|---|---|
| 親族(呼ばない範囲) | 葬儀の前に一報を入れます | 電話。事後だと角が立ちます |
| 親しかった友人 | 葬儀の後、早めに | 電話または手紙 |
| 勤務先・元勤務先 | 葬儀の前後 | 忌引きの手続きも兼ねます |
| 近所 | 葬儀の後 | 回覧などで広げないよう頼みます |
| 年賀状のやり取りだけの相手 | 年末 | 喪中はがきで足ります |
| 本人の趣味の仲間 | 葬儀の後 | 代表者に一報を入れます |
「参列はご遠慮ください」を必ず添える
葬儀の前に一報を入れる場合、「近親者のみで執り行いますので、ご参列はご辞退申し上げます」と明記してください。書かずに知らせると、相手は「行くべきか」で悩みます。香典や供花を辞退する場合も、同じ文面の中で伝えます。あとから断るほうが、はるかに気を遣わせます。
亡くなった直後にすること【時間順】
- 医師から死亡診断書を受け取る。これがないと何も進みません。原本は複数枚あると後の手続きが楽になります
- 搬送先を決める。自宅か、葬儀社の安置施設かの二択です
- 葬儀社に連絡する。病院で紹介されても、その場で決める義務はありません
- 搬送してもらう。搬送だけを頼んで、葬儀は別に決めることもできます
- 近しい人へ連絡する。まず家族、次に呼ぶ範囲の人へ
- 菩提寺があれば連絡する。日程はお寺の都合と合わせます
- 葬儀社と打ち合わせる。形式・人数・日程・費用を決めます
- 死亡届を出す。葬儀社が代行してくれることが多い部分です
- 火葬許可証を受け取る。これがないと火葬できません
病院で紹介された葬儀社に、その場で決めなくてよい
病院からは「搬送の手配をどうしますか」と聞かれます。ここで慌てて契約する必要はありません。「搬送だけお願いします」と伝えれば、それだけを頼めます。葬儀の内容と費用は、落ち着いてから別に決められます。搬送を頼んだ会社に、そのまま葬儀まで頼まなければならない決まりはありません。
役所の手続き|死亡届と火葬許可
ここには期限があります。ほとんどは葬儀社が代行してくれますが、何が行われているかは知っておいてください。
| 手続き | 期限 | どこへ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 死亡届 | 知った日から7日以内 | 市区町村 | 死亡診断書と一体の用紙です |
| 火葬許可の申請 | 死亡届と同時 | 市区町村 | これがないと火葬できません |
| 火葬 | 死後24時間を過ぎてから | 火葬場 | 法律で定められています |
| 埋葬許可 | 火葬後に受け取ります | 火葬場 | 納骨に必要です。なくさないでください |
| 世帯主の変更 | 14日以内 | 市区町村 | 該当する場合のみです |
| 健康保険の資格喪失 | 14日以内 | 市区町村・勤務先 | — |
| 年金の受給停止 | 10日または14日以内 | 年金事務所など | 制度により期限が違います |
※ 手続きの窓口・必要書類は市区町村により異なります。詳細はお住まいの市区町村の公式ページと窓口でご確認ください。
葬儀社を決める手順
- まず搬送だけを頼む急いで決めなければならないのは搬送先だけです。ここで葬儀まで決める必要はありません
- 2社から見積もりを取る時間がなくても、1社だけで決めると比べようがありません
- 人数と形式を同じ条件で伝える条件が違うと、金額を比べられません
- 総額ではなく内訳で比べる安く見える見積もりほど、含まれていない項目が多いことがあります
- 追加になりやすい項目を確認する安置日数・搬送距離・料理・返礼品はあとで増えます
見積書で必ず確認する12項目
| 確認する項目 | なぜ見るか | |
|---|---|---|
| 1 | 何人ぶんの金額か | 人数が変わると総額が動きます |
| 2 | 安置は何日ぶん含まれるか | 1日延びるごとに加算されます |
| 3 | 搬送距離は何キロまでか | 超えると追加になります |
| 4 | ドライアイスの日数 | 安置日数と連動します |
| 5 | 火葬料は含まれているか | 別払いのことがあります |
| 6 | 式場の使用料 | 公営と民営で差があります |
| 7 | お布施は含まれません | 寺院への謝礼は別です |
| 8 | 料理・返礼品の単価 | 人数分の変動費です |
| 9 | 祭壇の写真があるか | 言葉だけでは分かりません |
| 10 | 遺影の加工代 | 含まれない場合があります |
| 11 | キャンセルの条件 | 日程が変わることがあります |
| 12 | 支払いの時期と方法 | 現金のみの場合があります |
見積書は「含まれていないもの」から見る
総額の大小より、その金額に何が入っていないかのほうが重要です。とくにお布施・火葬料・安置の延長・料理・返礼品は、あとから乗ることが多い費目です。「この金額のほかに、当日かかる可能性があるものを全部教えてください」と聞くのがいちばん早い方法です。
自分たちでできること・頼んだほうがよいこと
| 作業 | 自分たちで | 備考 |
|---|---|---|
| 参列者への連絡 | できます | 名簿があれば負担は小さいです |
| 遺影の写真選び | できます | 加工は葬儀社に頼めます |
| 受付・会計 | できます | 親族以外に頼むのが通例です |
| 進行の一部 | できます | あいさつは家族が行います |
| 飾りつけ・思い出の展示 | できます | 会場の許可を取ります |
| 返礼品の手配 | できます | 数の読み違いに注意します |
| ご遺体の搬送 | 現実的ではありません | 専用の車と手続きが要ります |
| 安置と保全 | 難しい部分です | 温度管理が必要です |
| 死亡届・火葬許可 | できます | 葬儀社の代行が一般的です |
| 火葬場の予約 | できます | 混み具合により日程が動きます |
| 棺・骨壺の用意 | できる場合があります | 持ち込みを断る会場があります |
葬儀社を使わずに進める場合
自分たちだけで進めることは、制度のうえでは可能です。ただし現実には、搬送・安置・火葬場の予約でつまずきます。行う場合に必要なものを整理します。
- ご遺体を運ぶ手段(自家用車での搬送は現実的ではありません)
- 安置できる場所と、温度を保つ手段
- 死亡届と火葬許可の申請を自分で行うこと
- 火葬場の予約(受け付けの条件を先に確認します)
- 棺・骨壺の入手先
- 火葬場が個人からの申し込みを受けるかどうかの確認
- 当日の人手(棺を運ぶ人が数人必要です)
「安く済ませたい」が目的なら、別の方法があります
費用を抑えたいのであれば、すべて自分たちで行うより、直葬や一日葬を選び、葬儀社に頼むほうが結果的に安く、負担も小さくなることが多いです。また、生活保護を受けている方には葬祭扶助という制度があり、国民健康保険などには葬祭費・埋葬料の給付があります。先にこちらを確認してください。
家族葬の当日の流れ
| 日 | 時間の目安 | すること |
|---|---|---|
| 1日目 | 午前〜午後 | 納棺。家族が立ち会えます |
| 1日目 | 夕方 | 通夜(一日葬では行いません) |
| 1日目 | 通夜のあと | 通夜ぶるまい。家族葬では省くことも多いです |
| 2日目 | 午前 | 葬儀・告別式 |
| 2日目 | 式のあと | 出棺。お別れの時間を取ります |
| 2日目 | 昼前後 | 火葬。1時間から2時間ほどかかります |
| 2日目 | 火葬のあと | 収骨(骨上げ) |
| 2日目 | 午後 | 初七日を繰り上げて行うことがあります |
| 2日目 | 最後 | 後飾り祭壇を自宅に設けます |
費用はどこで差がつくか
| 費目 | 差がつく理由 | 抑える方法 |
|---|---|---|
| 式場の使用料 | 公営か民営か | 公営の斎場を調べます |
| 火葬料 | 市区町村で大きく違います | 住民である市の火葬場を使います |
| 祭壇 | 大きさと生花の量 | 写真を見て決めます |
| 安置の日数 | 火葬場の空き状況 | 日程を早めに押さえます |
| 料理 | 人数と単価 | 家族葬では省くことも多いです |
| 返礼品 | 人数 | 数を多めに読むと余ります |
| お布施 | 寺院との関係 | 菩提寺に直接相談します |
| 搬送距離 | 病院から会場までの距離 | 近い安置先を選びます |
香典・供花を受けるか辞退するか
| 受ける場合 | 辞退する場合 | |
|---|---|---|
| 準備するもの | 受付・記帳・返礼品 | 訃報に辞退の一文 |
| あとの手間 | 香典返しの手配が必要です | ほとんどありません |
| 費用への影響 | 一部をまかなえます | 全額を自分たちで負担します |
| 注意点 | 名簿の管理が必要です | 当日持参されたときの対応を決めておきます |
辞退しても持ってこられたら
「辞退しております」と一度伝えたうえで、それでも渡される場合は受け取って構いません。その場で押し問答になるほうが、双方に負担です。受け取った場合は記録を残し、あとで返礼を用意します。受付を置かない場合は、誰が預かるかを家族の中で決めておいてください。
訃報の伝え方と文面
葬儀の前に、呼ばない親族へ知らせる例
父 〇〇が △月△日に永眠いたしました。
葬儀は故人の希望により、近親者のみで執り行います。
そのためご参列・ご香典・ご供花はご辞退申し上げます。
まずは取り急ぎ、お知らせ申し上げます。
葬儀のあとに知らせる例
母 〇〇が △月△日に永眠いたしました。
葬儀は本人の希望により家族のみで相済ませました。
本来であれば早くにお知らせすべきところ、事後のご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
生前のご厚誼に、心より御礼申し上げます。
菩提寺がある場合・ない場合
| あるとき | ないとき | |
|---|---|---|
| 最初にすること | まずお寺に連絡します | 宗派を確認します |
| 日程 | お寺の都合と合わせます | 火葬場の空きで決めます |
| 戒名 | 菩提寺にお願いします | 付けない選択もできます |
| お布施 | お寺に直接相談します | 葬儀社に相談します |
| 納骨 | 菩提寺の墓地へ | 納骨先を別に決めます |
菩提寺に連絡せず進めると、納骨で困ります
先祖のお墓があるお寺に知らせないまま別の僧侶に依頼すると、そのお墓に納骨できなくなることがあります。お墓がどこにあるか分からない場合は、親族に「うちのお寺はどこか」を必ず確認してください。これは家族葬でいちばん取り返しがつきにくい失敗です。
喪主は誰がやるのか・当日の役割分担
人数が少ないぶん、家族葬では一人が何役も抱えがちです。先に割り振っておくと、当日ずっと楽になります。喪主に法律上の決まりはなく、配偶者、次に子が務めるのが一般的です。高齢や体調の事情があれば、子が喪主を務め、配偶者は席に座っているだけでも構いません。
| 役割 | 誰が向いているか | やること |
|---|---|---|
| 喪主 | 配偶者または子 | あいさつと、判断を決めること |
| 連絡係 | 手の空いている家族 | 参列者への連絡と質問への対応 |
| 受付 | 親族以外に頼むのが通例です | 記帳と香典の預かり |
| 会計 | 受付とは別の人 | 金額の確認と保管 |
| 寺院の対応 | 年長の親族 | お布施を渡し、送迎を確認します |
| 写真・思い出の準備 | 孫世代でもできます | 展示するものを選びます |
| 子どもの世話 | 参列しない家族 | 式中に別室を用意してもらえます |
あいさつは短くて構いません
喪主のあいさつは、「本日はお集まりいただき、ありがとうございました」から始めて、故人のことを一言、最後にお礼で締める。これで十分です。覚えられなければ、紙を読んで構いません。家族葬では、参列者もそれを気にしません。
家族葬でよくあるトラブル7つ
| 起きること | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 呼ばなかった親族が怒る | 事前の一報がなかった | 葬儀の前に電話を入れます |
| 菩提寺の墓に入れない | お寺に連絡していなかった | 最初にお寺へ連絡します |
| あとから弔問客が続く | 知らせが後になった | 早めに一斉に知らせます |
| 見積もりより高くなった | 安置延長・料理・返礼品 | 追加になる項目を先に聞きます |
| 費用が払えない | 口座が使えなくなった | 立て替える人を決めておきます |
| 兄弟で意見が割れる | 形式と費用の負担 | 生前に本人の希望を書き残します |
| 写真がない | 遺影に使える写真が見つからない | 元気なうちに1枚選んでおきます |
葬儀のあとに続く手続き
| 手続き | 期限の目安 | 窓口 |
|---|---|---|
| 世帯主の変更 | 14日以内 | 市区町村 |
| 健康保険の資格喪失 | 14日以内 | 市区町村・勤務先 |
| 年金の受給停止 | 10日または14日以内 | 年金事務所など |
| 葬祭費・埋葬料の申請 | 2年以内 | 市区町村・保険者 |
| 公共料金・通信の名義変更 | 早めに | 各事業者 |
| 相続放棄をする場合 | 3か月以内 | 家庭裁判所 |
| 準確定申告 | 4か月以内 | 税務署 |
| 相続税の申告 | 10か月以内 | 税務署 |
葬祭費・埋葬料は申請しないともらえません
国民健康保険や後期高齢者医療制度には葬祭費、健康保険には埋葬料という給付があります。自動では支払われず、申請が必要です。期限は2年ですが、忘れやすい手続きなので、葬儀の領収書は必ず保管しておいてください。
納骨・散骨を考える場合の注意点
| 方法 | 必要なもの | 注意点 |
|---|---|---|
| お墓に納骨 | 埋葬許可証 | 納骨の日程を寺院や霊園と調整します |
| 納骨堂 | 埋葬許可証・契約 | 継承の条件を確認します |
| 永代供養 | 契約 | あとから取り出せない形式があります |
| 散骨 | 粉状にする処理 | 場所の制約があり、自治体の条例も関わります |
| 手元供養 | — | 残りをどうするか決めておきます |
| すぐ決めない | — | 自宅で保管して構いません。期限はありません |
納骨に法律上の期限はありません。四十九日に合わせる家が多いだけで、決まらないうちは自宅に置いておいて差し支えありません。急いで決めて後悔するより、落ち着いてから家族で話すほうが確実です。
家族葬の準備チェックリスト
- 呼ぶ人の名簿(名前・続柄・連絡先)
- 呼ばない人へ後日知らせる名簿
- 菩提寺の有無と連絡先
- 宗派
- 遺影に使う写真
- 希望する形式(家族葬・一日葬など)
- 香典・供花を受けるか辞退するか
- 費用を誰が立て替えるか
- 葬儀社の候補2社と見積もり
- 納骨先の有無
- 着せたい服・入れたいもの
- 受付を誰に頼むか
よくある質問
- 家族葬は何人までですか
- 決まりはありません。数名のこともあれば、30名を超えることもあります。人数ではなく「呼ぶ範囲を限る」という決め方の呼び名です。
- 家族葬にすると費用は安くなりますか
- 参列者が減るぶん、料理と返礼品は減ります。ただし式場・祭壇・火葬にかかる費用は人数と関係なくかかるため、思ったほど下がらないことがあります。
- 親族にはどこまで知らせるべきですか
- 呼ばない親族にも、葬儀の前に一報を入れるのが安全です。「近親者のみで執り行います」と添えれば、参列を求められることはほとんどありません。
- 会社には伝えたほうがよいですか
- 忌引きの手続きがあるため、勤務先には早めに伝えます。そのうえで「家族葬のため参列と香典は辞退したい」と申し添えてください。
- 香典は辞退したほうがよいですか
- どちらでも構いません。受けると香典返しの手配が必要になり、辞退すると費用を全額負担することになります。手間を減らしたいなら辞退が楽です。
- 病院で紹介された葬儀社に頼まないといけませんか
- その必要はありません。「搬送だけお願いします」と伝えれば、葬儀の内容は別に決められます。
- 死亡届は誰が出しますか
- 親族などが届出人になりますが、実際の提出は葬儀社が代行することが多いです。期限は死亡を知った日から7日以内です。
- 菩提寺がありません。お経はどうしますか
- 葬儀社に相談すれば僧侶を手配してもらえます。宗教を伴わない形式にすることもできます。ただし先祖のお墓がある場合は、先にそのお寺へ連絡してください。
- 自分たちだけで葬儀を行えますか
- 制度のうえでは可能ですが、搬送・安置・火葬場の予約で行き詰まることが多いです。費用を抑えたいのであれば、直葬や一日葬を葬儀社に頼むほうが現実的です。
- 葬儀費用は故人の預金から出せますか
- 金融機関が把握すると、その口座は自由に使えなくなります。一定額を引き出せる制度もありますが手続きが要るため、まず誰が立て替えるかを決めておいてください。
- 納骨はいつまでにしなければいけませんか
- 期限はありません。四十九日に合わせる家が多いだけです。決まらないうちは自宅で保管して差し支えありません。
- 葬儀のあと、まず何をすればよいですか
- 期限の短いものから順に。年金の受給停止、健康保険の資格喪失、世帯主の変更が最初です。葬祭費・埋葬料の申請も忘れないでください。
まとめ
この記事の要点
- 家族葬は形式ではなく、呼ぶ範囲を限るという決め方です
- 生前にやることは名簿づくりと、菩提寺の確認の2つで足ります
- 呼ばない親族にも、葬儀の前に一報を入れます
- 死亡届は7日以内。火葬許可がないと火葬できません
- 見積書は総額ではなく、含まれていないものから見ます
- 菩提寺への連絡を飛ばすと、納骨で困ります
- 葬祭費・埋葬料は申請しないともらえません(2年以内)
家族葬は、簡略化した葬儀ではありません。本当に見送りたい人と、落ち着いた時間を取るための形です。準備が難しく感じるのは、決めることが一度に来るからです。先に決められるのは「誰を呼ぶか」だけ。それが紙に書いてあれば、残りは順に決まっていきます。
次に読む
本記事は一般的な情報を整理したものです。手続きの期限・必要書類・窓口、火葬場の受付条件、葬祭費や埋葬料の金額は、市区町村や加入している制度によって異なります。実際の手続きにあたっては、お住まいの市区町村の公式ページと窓口、および葬儀社にご確認ください。宗教・宗派・地域の慣習によって作法は異なります。

























