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死亡後の手続きは一覧にして期限順に並べると、やるべきことがはっきりします。この記事では、死亡届から相続登記まで、公的な資料で確認できる期限だけを整理してチェックリストにまとめました。
身近な方が亡くなったあと、やらなければならないことが一度に押し寄せてきて、何から手をつければいいのか分からなくなる方はとても多いです。実は、法律で期限が決まっている手続きは限られていて、それ以外は落ち着いてからで間に合います。まずは「期限のあるもの」と「あとでよいもの」を分けるところから見ていきましょう。
死亡後の手続きが大変に感じる理由

窓口がバラバラで、期限もバラバラだから
死亡後の手続きは、市区町村の窓口、年金事務所、税務署、法務局、金融機関、契約している会社と、行き先がすべて違います。しかも期限は7日以内のものから3年以内のものまで幅があり、頭の中だけで管理しようとすると、どうしても抜けが出ます。
たとえば死亡届は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときはその事実を知った日から3か月以内)に、死亡地・本籍地または届出人の所在地の市区町村へ提出することとされています。
(出典:法務省「死亡届」)
「放っておくと損をするもの」がまぎれている
手続きの中には、請求しなければ受け取れないお金や、遅れると返還を求められるものが混ざっています。年金がその代表で、届出が遅れて亡くなった日の翌日以後に年金を受け取ったときは、その分を後日返すことになると案内されています。
(出典:日本年金機構「年金受給者が亡くなりました。何か手続きは必要ですか。」)
順番さえ分かってしまえば、あとは一つずつ潰していくだけです。
【期限順】死亡後の手続き一覧チェックリスト

まずは全体像です。期限が早いものから並べました。それぞれの詳しい進め方は、各行のリンク先の記事でご確認いただけます。
7日以内
| 手続き | 窓口 | ポイント |
|---|---|---|
| 死亡届の提出 | 市区町村 | 死亡の事実を知った日から7日以内。葬儀社が代行することもあります |
14日以内
| 手続き | 窓口 | ポイント |
|---|---|---|
| 世帯主変更届 | 市区町村 | 世帯主が亡くなり、残る世帯員が2人以上いる場合に必要 |
| 健康保険証・資格確認書の返却 | 市区町村/勤務先 | 国民健康保険・後期高齢者医療は市区町村、会社の健康保険は勤務先経由 |
| 年金受給の停止・未支給年金の請求 | 年金事務所ほか | 死亡届は10日(国民年金は14日)以内。未支給年金は別途請求が必要 |
| マイナンバーカードの取扱い | 市区町村 | 相続手続きで番号が必要になることがあるため、扱いは窓口の案内に従ってください |
期限の定めはないが、早めに(おおむね1か月以内が目安)
| 手続き | 窓口 | ポイント |
|---|---|---|
| 銀行口座の凍結解除・相続手続き | 金融機関 | 当面の支払いには遺産分割前の払戻し制度が使えます |
| クレジットカードの解約 | カード会社 | 年会費の請求を止める。家族カードも同時に確認を |
| 携帯電話の解約・承継 | 通信会社 | 解約のほかに、番号を引き継ぐ「承継」という選択肢もあります |
| 電気・ガス・水道の名義変更 | 各事業者 | 住み続ける場合は名義変更、空き家になる場合は停止・解約を検討 |
| サブスクの解約 | 各サービス | 放置すると課金が続きます。通帳やカード明細から洗い出しを |
| 運転免許証の返納 | 警察署ほか | 手元に残したい場合の取扱いも含め、窓口で確認できます |
3か月・4か月・10か月・3年
| 期限 | 手続き | 窓口 |
|---|---|---|
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所 |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 税務署 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納税 | 税務署 |
| 3年以内 | 相続登記の申請/生命保険金の請求 | 法務局/保険会社 |
| 期限の定めなし | 自動車の名義変更・廃車/証券口座の相続 | 運輸支局/証券会社 |
全部を今日やる必要はありません。上から順に、できるところからで大丈夫ですよ。
14日以内にすませたい公的手続きの中身

世帯主変更届は「残る世帯員が2人以上」のときだけ
その属する世帯または世帯主に変更があった方は、変更があった日から14日以内に市町村長へ届け出ることと法律で定められています。ご夫婦のうちお一人が亡くなり、残るのが1人だけという場合は、次の世帯主が自動的に決まるため届出が不要になることもあります。
(出典:e-Gov法令検索「住民基本台帳法」第25条)
健康保険は「返す」と「もらう」がセット
国民健康保険の資格喪失の届出も、14日以内と定められています。保険証や資格確認書を返すだけの手続きに見えますが、実は葬祭費・埋葬料の申請とセットで進められる場面が多いところです。
(出典:e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」)
会社の健康保険に入っていた方の場合、協会けんぽでは、亡くなった方に生計を維持されていた方の申請により埋葬料50,000円が支給されます。生計維持関係にある方がいないときは、実際に埋葬を行った方に埋葬に要した費用が埋葬費として支給されます。
(出典:全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」)
国民健康保険・後期高齢者医療の葬祭費は、金額や申請方法が保険者ごとに異なります。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。
年金は「止める」だけでなく「請求する」
年金受給権者の死亡届は、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方については原則不要とされています。ただし未支給年金の届出などは必要で、死亡届が必要な場合は10日(国民年金は14日)以内に提出することとされています。
(出典:日本年金機構「年金受給者が亡くなりました。何か手続きは必要ですか。」)
未支給年金を受け取れるのは、亡くなった当時に生計を同じくしていた(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹(7)それ以外の3親等内の親族で、受け取れる順位もこのとおりです。請求しないと受け取れないお金ですので、忘れずに手続きなさってください。
(出典:日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」)
窓口の方が書類の書き方まで丁寧に教えてくれますので、難しく考えなくて大丈夫です。
落ち着いてからで間に合う解約・名義変更

お金の出入りが続くものから順番に
クレジットカードの年会費、携帯電話の基本料、動画や音楽のサブスクは、解約しない限り引き落としが続きます。通帳の引き落とし履歴とカードの利用明細を並べると、契約の全体像が見えてきます。クレジットカードの解約、携帯電話の解約・承継、サブスクの解約は、それぞれの記事で必要書類まで整理しています。
こうした情報は、生前にエンディングノートへ書き残しておくと、ご家族が探し回らずにすみます。法務省と日本司法書士会連合会のエンディングノートには、携帯やパソコンのログイン情報、SNS・メールのID、オンライン口座、有料サービスの契約といったデジタルデータの記入欄が設けられています。
(出典:法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート あなたに届け、わたしの想い」2023年8月改訂)
住まいに関わるものは空き家対策と一緒に
電気・ガス・水道の名義変更は、そのまま住み続けるのか、空き家になるのかで対応が変わります。国土交通省などが作成した「住まいのエンディングノート」は、住まいの将来を売る・貸す・所有し続ける・除却という選択肢で家族が話し合うために作られた資料です。
(出典:国土交通省・日本司法書士会連合会・全国空き家対策推進協議会「住まいのエンディングノート」)
期限が決まっている相続の手続き

3か月以内|相続放棄・限定承認
相続放棄の申述は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。借金の有無を調べきれないときは、家庭裁判所への申立てにより、承認・放棄の期間を伸ばしてもらえる制度もあります。
(出典:裁判所「相続の放棄の申述」)
4か月以内|準確定申告
年の中途で亡くなった方については、相続人等が1月1日から死亡した日までの所得金額と税額を計算し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をすることとされています。これを準確定申告といいます。
(出典:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」)
10か月以内|相続税の申告・納税
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。遺産の分け方が決まっていないと計算が進みませんので、逆算すると話し合いの時間はそう長くありません。
(出典:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」)
3年以内|相続登記と生命保険金の請求
相続により不動産の所有権を取得した相続人は、相続の開始があったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられ、正当な理由なく怠ったときは10万円以下の過料の対象となります。施行日の令和6年4月1日より前に開始した相続で登記がすんでいないものも対象で、令和9年3月31日までに登記をする必要があります。
(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」)
生命保険金についても、保険給付を請求する権利は行使できるときから3年間行使しないと時効によって消滅すると定められています。手元に保険証券が見当たらなくても、保険会社に照会する方法がありますので、あきらめずに生命保険金の請求の記事もご覧ください。
(出典:e-Gov法令検索「保険法」第95条)
期限のあるものだけ先に押さえておけば、あとは慌てずにすみます。
手続きの負担を軽くしてくれる2つの制度

当面のお金に困ったときの「遺産分割前の払戻し制度」
亡くなった方の口座は、金融機関が死亡を知った時点で入出金ができなくなります。ただし各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち一定の計算式で求められる額まで、他の相続人の同意がなくても単独で払戻しを受けられます。同一の金融機関に対する権利行使は150万円が限度とされています。詳しい流れは銀行口座の凍結解除の記事にまとめました。
(出典:法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」)
戸籍の束を持ち歩かなくてよくなる「法定相続情報証明制度」
相続手続きでは、金融機関でも法務局でも税務署でも戸籍一式の提出を求められます。法定相続情報証明制度を使うと、法務局が交付する一覧図の写しをその代わりに使えます。証明書の交付に手数料はかかりません。
(出典:法務省「法定相続情報証明制度について」/法務省・日本司法書士会連合会「エンディングノート」2023年8月改訂)
身寄りのない方が亡くなられた場合
頼れるご親族がいらっしゃらない場合の遺体・火葬・遺留金品の取扱いについては、厚生労働省と法務省が自治体向けの手引を公表しています。生前に死後事務委任契約を検討する際の参考にもなります。
(出典:厚生労働省・法務省「身寄りのない方が亡くなられた場合の遺留金等の取扱いの手引」令和7年10月第3次改訂)
相談窓口・次のアクション

迷ったら、無料で聞ける場所があります
相続登記や遺言書の保管については法務局、手続き全般の進め方については司法書士会の相談窓口が利用できます。地域ごとの葬祭費の金額や国民健康保険の届出方法は、お住まいの市区町村の窓口が確実です。
- 法務局(遺言書保管所)の制度案内:法務省 自筆証書遺言書保管制度
- 法務局手続案内予約サービス(24時間365日):予約はこちら
- 日本司法書士会連合会:相談窓口一覧
まとめ|死亡後の手続き一覧で押さえておきたい5つのポイント
- 死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ(出典:法務省「死亡届」)
- 世帯主変更届は、変更があった日から14日以内が法律上の期限(出典:e-Gov法令検索「住民基本台帳法」第25条)
- 年金は止めるだけでなく、未支給年金の請求という「受け取る手続き」も必要(出典:日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」)
- 相続税の申告・納税は、死亡を知った日の翌日から10か月以内(出典:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」)
- 相続登記は3年以内。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」)
期限のあるものから順に片づけていけば、必ず終わりが見えてきます。今日は一覧を眺めるだけでも十分です。
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