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成年後見制度を調べていくと、必ず「では、後見人には誰がなるのか」という疑問に行き着きます。そして、ここにおひとりさま終活の分かれ目があります。法定後見では、候補者を挙げても家庭裁判所が別の人を選ぶことがあり、その人選に不服を申し立てることはできません。この記事では、徳島市でおひとりさまの終活を進める方に向けて、後見人の担い手と選び方を中心に、高齢者福祉サービス、権利擁護センター、人生会議、おくやみコーナーまでを整理します。
この記事の結論
- 後見人の担い手は親族・専門職・市民後見人・法人後見の4つです
- おひとりさまは、親族以外が選ばれるのが普通だと考えてください
- 候補者を挙げても、そのとおりに選ばれるとは限りません
- 「誰を後見人にするか」について、不服を申し立てることはできません
- だから「この人に頼みたい」を通す唯一の方法は、任意後見契約です
- 任意後見は、判断能力があるうちにしか結べません
- 制度の内容・要件・費用は変わります。必ず徳島市の公式ページと窓口でご確認ください
この記事でわかること
- 徳島市の高齢者福祉サービスと、窓口で聞く8つの質問
- 後見人には誰がなるのか|4つの担い手
- 親族・専門職・市民後見人・法人後見の比較
- 後見人になれない人
- 候補者を挙げてもそのとおりにならない理由
- 「この人に頼みたい」を通す唯一の方法
- 後見人が決まったあと、どう付き合うか
- 権利擁護センターに相談できること
- 人生会議、おくやみコーナー、死後の手続きの期限
徳島市のおひとりさまを取り巻く状況——今、準備が大切な理由
ひとり暮らしの高齢者は全国的に増え続けています。「家族に頼れない人が増えた」というより、「家族がいても、すぐに来られる場所にいない人が増えた」というのが実態に近い形です。子どもが県外に出ている、きょうだいが高齢で動けない――こうした状態は、実質的におひとりさまと同じ備えが必要になります。
「準備が大切」の中身は、実はひとつです
自分が判断できなくなったとき、そして亡くなったあとに、代わりに動く人を決めておくこと。これに尽きます。家族がいれば実務上どうにかなる場面でも、おひとりさまは制度か契約がないと誰も動けません。この記事は、その「代わりに動く人」の話を、いちばん深いところまで扱います。
生活を支える徳島市の高齢者福祉サービス
| 分野 | どんな仕組みか | まず相談する先 |
|---|---|---|
| 総合相談 | 何から手をつけるかを一緒に整理してもらえます | 地域包括支援センター |
| 見守り・安否確認 | 訪問、電話、配食に合わせた確認など | 地域包括支援センター、市の高齢福祉の窓口 |
| 緊急時の通報 | 押すと決めた先につながる装置の貸与など | 市の高齢福祉の窓口 |
| 権利擁護 | お金の管理や契約が不安になったとき | 権利擁護センター、社会福祉協議会 |
| 認知症の相談 | 早期の相談、集まれる場 | 地域包括支援センター |
| おくやみの手続き | 亡くなったあとの手続きの案内 | 市役所 |
| 消費者被害の相談 | 不審な勧誘、契約トラブル | 市の消費生活の窓口、消費者ホットライン「188」 |
※ 実施の有無・名称・対象・利用料は変わることがあります。必ず徳島市の公式ページと窓口でご確認ください。
窓口で聞いておきたい8つの質問
| 質問 | なぜ聞くのか |
|---|---|
| 「私の場合、まず何をすればよいですか」 | 順番を決めてもらう。これがいちばん重要です |
| 「見守りの仕組みで、私が使えるものはありますか」 | 要介護認定がなくても使えるものがあります |
| 「後見人には、どんな方が選ばれることが多いですか」 | 地域の実情を知っている窓口です |
| 「権利擁護センターでは何を相談できますか」 | 対応の範囲を先に確認します |
| 「任意後見の相談は、どこへ行けばよいですか」 | 公証役場か専門家につないでもらえます |
| 「入院のとき、身元保証人がいないとどうなりますか」 | 不安がいちばん大きい部分です |
| 「死後事務委任は、どこに頼めばよいですか」 | 専門家へのつなぎ方を教えてもらえます |
| 「次はいつ、何を持って来ればよいですか」 | 1回で終わらせないための質問です |
判断能力が不安になったら|成年後見制度と権利擁護センター
成年後見制度は、判断能力が十分でない方に代わって、財産の管理や契約の手続きを行う人を置く仕組みです。おひとりさまにとっては、「銀行の窓口で本人確認が通らなくなったとき、誰も動けない」という事態を避けるための備えにあたります。
| 比べる点 | 任意後見 | 法定後見 |
|---|---|---|
| いつ決めるか | 判断能力があるうち | 低下したあと |
| 誰が担うか | 自分で選んだ人 | 家庭裁判所が選任 |
| 始め方 | 公正証書で契約 | 家庭裁判所へ申立て |
| 範囲 | 契約で決めた範囲 | 法律で定められた範囲 |
| 人選への不服 | ―(自分で選ぶため) | 申し立てられません |
※ 制度の詳しい比較は任意後見と法定後見の違いの記事をご覧ください。申立ての手順・書類・費用については任意後見契約の結び方の記事もあわせてどうぞ。
後見人には誰がなるのか|4つの担い手
ここからが、この記事でいちばん力を入れた部分です。制度の説明は多くの記事にありますが、「では実際に誰が来るのか」を書いたものはあまりありません。おひとりさまにとっては、ここがいちばん知りたいところのはずです。
- 親族後見人配偶者、子、きょうだい、甥・姪など。おひとりさまの場合、そもそも候補がいない、あるいは高齢・遠方で引き受けられないことが多いのが実際です。
- 専門職後見人弁護士、司法書士、社会福祉士など。親族がいない、財産が複雑、親族間で対立がある――こうした場合に選ばれます。報酬が発生します。
- 市民後見人市民が研修を受けて担う形です。実施しているかどうかは自治体によって異なります。財産が少なく、複雑な法律問題がない場合に向くとされています。
- 法人後見社会福祉協議会やNPO法人などが法人として受任します。担当者が替わっても引き継がれる点が利点です。
親族後見人・専門職後見人・市民後見人・法人後見の比較
| 比べる点 | 親族 | 専門職 | 市民後見人 | 法人後見 |
|---|---|---|---|---|
| 報酬 | 辞退することも | 発生します | 発生します | 発生します |
| 法律の知識 | 個人差 | 高い | 研修を受けます | 組織で対応 |
| 担当者の交代 | 交代が難しい | 起こりえます | 起こりえます | 引き継がれます |
| 本人との距離 | 近い | 事務的になりがち | 地域が近い | 組織として関与 |
| おひとりさま | 候補がいないことが多い | 選ばれやすい | 実施状況によります | 受け皿になります |
※ 編集部が公的機関の公開情報をもとに整理した一般的な傾向です。どの担い手が選ばれるかは事案によって家庭裁判所が判断します。市民後見人や法人後見の実施状況は地域によって異なりますので、徳島市の権利擁護センターまたは窓口でご確認ください。
後見人になれない人
| なれない人 | 理由の考え方 |
|---|---|
| 未成年者 | 自分の法律行為にも制限があるためです |
| 家庭裁判所で解任された法定代理人・保佐人・補助人 | 過去に職務を果たせなかった方です |
| 破産者 | 財産の管理を任せる立場だからです |
| 本人に対して訴訟をした人、その配偶者と直系血族 | 利益が対立するためです |
| 行方の知れない人 | 職務を行えないためです |
「頼みたい人がいる」場合は、その方がここに当てはまらないかを先に確認してください。とくに破産者は見落とされやすい項目です。
候補者を挙げても、そのとおりになるとは限りません
ここが、いちばん誤解されている点です
法定後見の申立てでは、「この人を後見人にしてほしい」という候補者を挙げることができます。しかし、家庭裁判所はその候補者に縛られません。財産の状況、親族間の関係、本人の状態などをふまえて、まったく別の専門職が選ばれることもあります。そして「誰を後見人に選ぶか」について、不服を申し立てることはできません。
| 場面 | 何が起きるか |
|---|---|
| 候補者を挙げた | 参考にはされますが、拘束力はありません |
| 財産が多い、内容が複雑 | 専門職が選ばれやすくなります |
| 親族の間で意見が割れている | 第三者が選ばれやすくなります |
| 親族が候補になった | 後見監督人が付けられることがあります |
| 選ばれた人が希望と違った | 人選について不服は申し立てられません |
| 途中で交代してほしい | 正当な理由がある場合に限られます |
「この人に頼みたい」を通す唯一の方法
答えは、任意後見契約です
判断能力があるうちに、自分で相手を選んで公正証書で契約しておく。これが、「誰に頼むか」を自分で決められる唯一の方法です。判断能力が低下してからでは、法定後見しか残らず、人選は家庭裁判所に委ねられます。「まだ元気だから早い」ではなく、「元気だからこそ、今しか選べない」というのは、この意味です。
- 頼みたい相手を決める……親族でなくて構いません。専門家でも、法人でも可能です
- その人が「後見人になれない人」に当てはまらないか確認する
- 本人に伝えて、引き受けてもらえるか確認する
- 頼む範囲を決める(財産の管理、契約の代理、どこまでか)
- 公証役場で公正証書にする
- 判断能力が低下したとき、家庭裁判所が監督人を選任して効力が生じます
- あわせて見守り契約・死後事務委任契約・遺言書も検討する
※ 費用と手続きの詳細は公証役場または専門家にご確認ください。誰に頼むかの考え方は任意後見人は誰に頼むかの記事で解説しています。
後見人が決まったあと、どう付き合うか
- 最初に「何をしてもらえて、何をしてもらえないか」を一覧で確認する
- 連絡の頻度と方法を決める(訪問か、電話か)
- お金の使い方の希望を伝えておく(施設の選び方、趣味に使いたい費用など)
- 報酬がいつ、いくら発生するかを確認する
- 亡くなったあとのことは後見の役割ではないと、あらためて確認しておく
- 困りごとがあれば家庭裁判所か権利擁護センターに相談できます
後見人に「できないこと」
| 期待しがちなこと | 後見の役割か | ではどうするか |
|---|---|---|
| 入院・入所時の身元保証 | 役割ではありません | 病院・施設の相談室に相談 |
| 手術などの医療同意 | 役割ではありません | 人生会議で希望を伝えておく |
| 葬儀・納骨の手配 | 役割ではありません | 死後事務委任契約 |
| 部屋の片付け・遺品整理 | 役割ではありません | 同上 |
| 財産を誰に渡すか | 役割ではありません | 遺言書で指定する |
| 日常の買い物や掃除 | 役割ではありません | 介護保険のサービス、地域の支援 |
| 預金の管理、契約の代理 | 役割です | 制度で対応できます |
後見が守るのは「生きている間の財産と契約」だけです。詳しくは後見人にできないことの記事で整理しています。
権利擁護センター(中核機関)に相談できること
国は成年後見制度の利用促進として、地域ごとに中核となる機関と、関係する窓口をつなぐネットワークの整備を進めています。権利擁護センターは、その中核を担う窓口として設けられていることがあります。
| 相談できること | 内容 |
|---|---|
| 制度の説明 | 任意後見と法定後見の違い、どちらが向いているか |
| 申立ての手続き | 必要な書類、流れ、かかる期間 |
| 費用と助成 | 申立費用や報酬の助成の仕組みがあるか |
| 誰に頼めばよいか | 専門家・法人へのつなぎ |
| 後見が始まったあとの困りごと | 運用上の相談 |
| 権利侵害の相談 | 財産をめぐるトラブル、消費者被害など |
※ 対応できる範囲は窓口によって異なります。徳島市の権利擁護センターの対応範囲・相談日・予約方法は、市の公式ページまたは窓口でご確認ください。
医療・介護の希望を伝えておく|ACP(人生会議)の活用
人生会議とは、これからの医療やケアについての希望を、本人と関係者があらかじめ話し合っておく取り組みです。手術などの医療同意は後見人の役割ではありません。だから、この部分は制度ではなく「話しておくこと」でしか埋まりません。
話す相手は家族でなくて構いません
かかりつけ医、ケアマネジャー、病院の相談室、訪問看護の担当者が相手になります。頼れる家族がいないからこそ、担当者に考えを伝えておく意味が大きくなります。話した内容はエンディングノートに書き、担当者にも共有しておいてください。気が変わったら変えて構いません。
亡くなったあとの手続きを減らす備え|おくやみコーナーの活用
おくやみコーナーは、亡くなったあとに市役所で必要になる手続きを、まとめて案内してくれる窓口です。使うのは遺族や手続きをする立場の方で、本人ではありません。予約制の場合がありますので、市の公式ページでご確認ください。
「行く人」がいて初めて使えます
おひとりさまの場合、そもそも誰が市役所に行くのかが決まっていません。後見人は本人の死亡によって職務が終わるため、ここは担えません。だからこそ死後事務委任契約が要ります。
死後の手続きを期限順に並べる
| 期限 | 手続き | どこで |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届、火葬許可の申請 | 市役所 |
| 速やかに | 健康保険証などの返却 | 市役所、勤務先 |
| 14日以内 | 年金の受給停止、介護保険の資格喪失 | 年金事務所、市役所 |
| 随時 | 電気・ガス・水道、携帯電話などの解約 | 各事業者 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 家庭裁判所 |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 税務署 |
| 10か月以内 | 相続税の申告と納付 | 税務署 |
| 2年以内 | 葬祭費の申請 | 市役所の保険年金の窓口 |
| 3年以内 | 生命保険金の請求 | 保険会社 |
| 3年以内 | 相続登記の申請 | 法務局 |
※ 期限の起算日は手続きによって異なります。全体像は死亡後の手続き一覧の記事にまとめています。
遺言書と死後事務委任契約|二本柱
遺言書
- 扱うのは財産の行き先
- 遺言執行者を指定しておく
- 法務局の保管制度なら3,900円
- 検認が不要になります
死後事務委任契約
- 扱うのは葬儀・納骨・片付け・届出
- 頼む相手は親族でなくて構いません
- 専門家に依頼できます
- 預託金の管理方法を確認
任意後見(生きている間)+死後事務委任契約(亡くなったあとの実務)+遺言書(財産の行き先)。この3つがそろって、おひとりさまの備えが一巡します。3つとも判断能力があるうちにしか作れません。
エンディングノートに書く10項目
| 項目 | 書く内容 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 本人の基本情報 | 氏名、生年月日、本籍 | 死亡届に本籍が必要です |
| 緊急連絡先 | 2人以上の氏名と電話番号 | 1人だと連絡が途切れます |
| 医療のこと | かかりつけ医、持病、薬、アレルギー | 救急の場面で使われます |
| お金の置き場所 | 金融機関名と支店名(暗証番号は書かない) | 探す手間がなくなります |
| 保険と年金 | 保険会社名、証券の保管場所 | 請求されない保険金が実際にあります |
| 住まい | 持ち家か賃貸か、管理会社、鍵の場所 | 片付けと解約に必要です |
| お墓 | 納骨先の名称と連絡先 | 遺骨の行き先が分からない事態を防ぎます |
| 任意後見契約の有無 | 相手の氏名と連絡先、公証役場 | 存在が知られないと発効しません |
| 死後事務委任契約の有無 | 受任者の氏名と連絡先 | 知られなければ実行されません |
| 遺言書の有無と保管場所 | 法務局に預けている、など | 存在が知られないと執行されません |
お墓と納骨|継ぐ人がいない場合
| 選択肢 | 特徴 | 取り出し | 費用の傾向 |
|---|---|---|---|
| 永代供養墓 | 管理を寺院・霊園が引き受けます | 形式によります | 中 |
| 納骨堂 | 屋内。天候に左右されずお参りできます | 可能な場合が多い | 中 |
| 樹木葬 | 樹木や草花を墓標にします | 形式によります | 中 |
| 合葬・合祀 | 他の方と一緒に納められます | できません | 小さい |
| 散骨 | 海洋などに撒きます | できません | 小〜中 |
| 手元供養 | 一部を手元に置きます | ― | 小さい |
※ 費用は施設・地域・契約内容によって大きく異なります。編集部が公開情報をもとに傾向のみを整理したものです。「誰が納骨するか」は別問題です。死後事務委任契約に納骨まで含めておいてください。
今日からできる10のこと
- 紙1枚に、かかりつけ医・持病・薬・緊急連絡先を書いて冷蔵庫に貼る
- 貼ったことを、誰か1人に伝える
- 地域包括支援センターの電話番号を携帯電話に登録する
- 「ひとり暮らしで先のことが心配です」と電話する
- 「後見を頼みたい人」の候補を3人書き出す(親族でなくて構いません)
- その方が「後見人になれない人」に当てはまらないか確認する
- 権利擁護センターの相談日を、市の公式ページで調べる
- 通帳・証券・保険証券を1か所に集める
- 本籍を確認する(本籍地入りの住民票で分かります)
- 公証役場か専門家に、任意後見について1件だけ問い合わせる
よくある失敗と、その防ぎ方
| 失敗 | 何が起きたか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 候補者を挙げれば通ると思っていた | 別の専門職が選ばれ、不服も言えなかった | 元気なうちに任意後見を結ぶ |
| 頼みたい人が破産者だった | 後見人になれなかった | 先に該当しないか確認する |
| 相手に伝えていなかった | 引き受けてもらえなかった | 先に了解を得ておく |
| 後見人に葬儀を期待していた | 役割外で、誰も動けなかった | 死後事務委任契約を別に結ぶ |
| 報酬が毎年かかると知らなかった | 見込みより負担が続いた | 申立ての前に費用の全体を聞く |
| 契約したことを誰にも伝えなかった | 任意後見の存在が知られず、発効しなかった | ノートに書き、置き場所を伝える |
| 「まだ元気だから」と先送りした | 人選を自分で決められなくなった | 元気なうちに順番だけ決める |
よくある質問(FAQ)
- 後見人には、どんな人が選ばれることが多いですか。
- おひとりさまの場合は、親族以外が選ばれるのが普通だとお考えください。弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職、あるいは社会福祉協議会などの法人が受任する形があります。市民後見人の仕組みを設けている自治体もありますが、実施状況は地域によって異なります。徳島市の状況は権利擁護センターまたは窓口でご確認ください。
- 候補者を挙げれば、その人が後見人になりますか。
- なるとは限りません。候補者は参考にされますが、家庭裁判所はそれに縛られません。財産の状況、親族間の関係、本人の状態などをふまえて、別の専門職が選ばれることもあります。そして「誰を後見人に選ぶか」について不服を申し立てることはできません。
- では「この人に頼みたい」を通す方法はありますか。
- 任意後見契約を結ぶことです。これが唯一の方法です。判断能力があるうちに、自分で相手を選んで公正証書で契約しておきます。判断能力が低下してからでは法定後見しか残らず、人選は家庭裁判所に委ねられます。「元気だからこそ、今しか選べない」というのはこの意味です。
- 後見人になれない人はいますか。
- います。未成年者、家庭裁判所で解任された法定代理人・保佐人・補助人、破産者、本人に対して訴訟をした人およびその配偶者・直系血族、行方の知れない人です。とくに破産者は見落とされやすい項目ですので、頼みたい方がいる場合は先に確認してください。
- 親族に頼んだ場合、それで完結しますか。
- 後見監督人が付けられることがあります。親族が後見人になる場合、家庭裁判所が監督のために別の人を選任することがあり、その場合は監督人への報酬も発生します。「親族に頼めば費用がかからない」とは限らない点にご注意ください。
- 法人後見は、何が違うのですか。
- 担当者が替わっても、法人として引き継がれる点が大きな違いです。個人の専門職の場合、その方の病気や廃業で交代が必要になることがあります。長期にわたる見込みのおひとりさまにとっては、この継続性が利点になります。受任しているかどうかは社会福祉協議会や権利擁護センターにご確認ください。
- 後見人に、葬儀や納骨を頼めますか。
- 頼めません。後見は本人の死亡によって職務が終わります。葬儀・納骨・部屋の片付けは死後事務委任契約、財産の行き先は遺言書――役割が分かれています。1つでは他を代われません。
- 後見人への報酬は、いくらになりますか。
- 家庭裁判所が、財産の状況や行った仕事の内容に応じて決めます。事前に確定するものではありません。本人の財産から支払われ、制度を使い続けるかぎり毎年発生します。負担が心配な場合は、助成の仕組みがあるかを権利擁護センターまたは市の窓口で確認してください。
- 選ばれた後見人と、うまくいきません。
- まず家庭裁判所か権利擁護センターにご相談ください。交代は正当な理由がある場合に限られますが、連絡の頻度や進め方について調整してもらえることがあります。最初に「何をしてもらえて、何をしてもらえないか」を一覧で確認しておくと、行き違いが減ります。
- 任意後見を結んでおけば、すぐ効力が生じますか。
- いいえ。契約を結んだだけでは効力は生じません。判断能力が低下したときに、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて効力が生じます。そのため、契約したことを周囲に伝えておくことが欠かせません。存在が知られなければ、発効の手続きが始まりません。
- 入院のとき、身元保証人がいなくて断られませんか。
- 身元保証人等がいないことのみを理由に入院を拒否することは、医師法に反するとされており、国から医療機関に通知が出ています。断られた場合は、まず病院の相談室(医療ソーシャルワーカー)にご相談ください。解決しない場合は、市役所や地域包括支援センターに相談する道があります。
- 今日1つだけやるとしたら、何ですか。
- 「後見を頼みたい人」の候補を3人、紙に書き出してください。親族でなくて構いません。友人でも、専門家でも、法人でも構いません。1人も浮かばないなら、それが分かったこと自体が収穫です。その紙を持って、権利擁護センターか地域包括支援センターに相談してください。
まとめ|徳島市のおひとりさまが今すぐ活用できる5つのポイント
- 地域包括支援センターに電話する相談は無料で、何度でも受けられます。「何から手をつけるか」を決めてもらうのが、いちばん費用対効果の高い一手です。
- 「頼みたい人」を先に決める法定後見では人選を自分で決められません。候補を3人書き出すところから始めてください。
- 任意後見を、判断能力があるうちに結ぶ「この人に」を通す唯一の方法です。公証役場で公正証書にします。
- 権利擁護センターで、費用と助成を確認する報酬は毎年かかります。助成の仕組みがあるか、始める前に聞いてください。
- 死後事務委任契約と遺言書も用意する後見は死亡で終わります。葬儀も納骨も財産の行き先も、後見では決まりません。
この5つのうち、市の仕組みで進むのは1と4です。2・3・5は自分で動かす部分になります。だからこそ、市の窓口に相談しながら、並行して専門家につないでもらうのが現実的な進め方になります。
最後にもう一度。制度の内容も金額も変わります。この記事は「どこへ、何を聞きに行くか」の地図として使い、具体的な条件は必ず徳島市の公式ページと窓口でご確認ください。
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本記事は、編集部が徳島市および国の公的機関の公開情報をもとにまとめたものです。制度の名称・対象要件・実施の有無・金額・申込方法・窓口の配置は変更されることがあります。本記事では、変わりやすい個別の要件や金額をあえて記載していません。権利擁護センターの対応範囲・相談日・予約方法、市民後見人や法人後見の実施状況については、必ず徳島市の公式ホームページまたは窓口でご確認ください。後見人の選任、後見人になれない方の範囲、後見監督人の選任に関する記述は、民法等の規定をもとに編集部が一般的な内容を整理したものです。個別の事案によって取扱いが異なることがありますので、具体的な判断は家庭裁判所または弁護士・司法書士等の専門家にご確認ください。後見人の報酬は家庭裁判所が事案に応じて決定します。遺言・任意後見・死後事務委任契約に関する個別のご相談は、公証役場、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家をご利用ください。収入等の条件によっては、法テラスの無料法律相談を利用できる場合があります。医療に関する記述は医学的な助言を行うものではありません。治療の選択については主治医および医療・ケアの担当者にご相談ください。身元保証等の民間サービスをご検討の際は、契約内容・費用・預託金の管理方法・解約条件を書面でご確認ください。契約や勧誘に関するトラブルは、消費者ホットライン「188」でご相談いただけます。

























